「AIは使用可だが申告を」「100%完成版じゃなくてもよい」スクエニ10億円ゲームコンテント応募の際の注意や攻略(?)アドバイス

文:宮本デン

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 スクウェア・エニックスが行うゲームコンテスト“SQUARE ENIX GAME CONTEST 2026”の応募受付が12月15日より始まります。(締切は2027年3月15日)

 賞金総額10億円(最優秀賞:3億円)という大きな規模で行われる本コンテストについて、スクウェア・エニックスの齊藤陽介さん、時田貴司さんにお話をお聞きしました(全3回連載)。


 今回は、コンテストに求めるゲーム像やAIの使用についてお聞きしました。

齊藤陽介:スクウェア・エニックス執行役員。1993年にエニックスに入社し、ドラゴンクエスト』シリーズや『NieR』シリーズなどのプロデューサー・エグゼクティブプロデューサーを歴任。『SQUARE ENIX GAME CONTEST 2026』では運営事務局の統括を担当。

時田貴司:スクウェア・エニックス クリエイティブスタジオ5所属。1986年にスクウェアに入社し、デザイナーやプランナーなどを経て現在はプロデューサーに従事。代表作は『LIVE A LIVE』『クロノ・トリガー』。東京藝術大学大学院映像研究科ゲーム・インタラクティブアート専攻特別教授。

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グラフィックが良ければ完成度も高い? 面白いゲームとは何なのか


――サイトの方には“新規性”、“独創性”、“娯楽性”、“完成度”と記述がありますが、それらが高いゲームが評価されるのでしょうか?

時田
“新規性”、“独創性”、“娯楽性”、“完成度”の平均点が高いのが良いゲームであるというのは確かですが、それを取っ払ってでも「俺はこれが好きなんだ!」となる気持ちもエンタメとしては重要で、ゲーム会社らしくそこをバランスよく取り入れた基準を策定できないか模索しています。


 もちろんコンテストなので、一定の基準は設けつつも、個人が感じる面白さや熱量を大事にしていきたいですね。

 それにその4つの基準も、どの点を重視するか? によってゲームの見方はだいぶ変わってくると思っています。その点も調整を重ねたいです。

――“完成度”とは具体的にどのようなものを指すのでしょうか?

時田
例えば綺麗な絵柄だったら完成度が高くなるのか? というよくある疑問。絵の綺麗さがぱっと見有利に働くのは確かですが、癖のある絵柄でも「だからこそ面白い」みたいなのってあるじゃないですか。

 漫画とかでも、あの絵柄だからこそ世界観が形作られていて、物語への没入感や面白さが絵柄ごと完成されている。といったような作品、いくつか思い浮かびませんか? そういうのこそが完成度に繋がってくるのかなあと。

齊藤
ゲームだと尚更、世代によってもグラフィックへの感じ方とか異なりますよね。ドットだからこそ思い出になってるゲームもあるし、ポリゴンだからこそ雰囲気が出るゲームもある。

 完成度=クオリティとしてしまうと、「綺麗なグラフィックならその分完成度が高くなる」と思ってしまいがちです。極端な話、登場人物が手描きの棒人間だとしても、その世界観を形作る必然性があればそれは完成度を上げる要因になると思います。

 もちろんグラフィックだけではなく、完成度の捉え方は作品によって異なりますよね。グラフィック重視なのであればそこを突き詰めて、ゲームシステムが売りであればゲームシステムを突き詰めてもらうことが大事だと思っています。

――となると、プロトタイプ版でも応募してよいということでしょうか。

齊藤
そうですね。プロダクトとしての完成度よりも大事にしてほしい基準は、“自分が納得できるかどうか”です。

 「ここまで完成していれば、このゲームの面白さは伝わるだろう」という自分の中での納得があれば、100%完パケのものじゃなくてもかまいません。

 ただ忘れないでほしいのは、「面白さが初見の人にも伝わるか」という視点。「自分の脳内では補完できているから面白いと理解できているけど、初見の人にはわからない」という状態であれば、それは“伝わらない”と同じになってしまいます。

時田
例えば物凄い壮大なストーリーが展開されるゲームの10%と、コンパクトなゲームの90%では全く意味合いが違いますからね。

齊藤
ただ……これはクリエイターの難しいところですが、“完成”ってしないんですよ。100%なんてたどり着けなくて、どこかで区切りをつけて進むしか道はないと思っています。


 そしてこれも悲しいことに、長い間ねり続ければ続けるほど“新しいアイデア”は古くなりがちなんです。であれば「今が旬!」と思えるうちに出してしまった方が良いですね。

――『ドラゴンクエスト』『ファイナルファンタジー』など、RPGのイメージが強いスクエニさんですが、今回のコンテストでもRPGのゲームを求めているのでしょうか?
 
齊藤
いえ、特定のジャンルを期待してはいません。

 それこそプレイ時間数十時間超えの超大作RPGでも、1プレイ5分のカジュアルゲームでも良い。まさに“面白ければ自由”です。

時田
これまでにない斬新なアイデアを見たいという気持ちもありますが、案外型にはめたものを崩すという気持ちで取り組むと、新しい面白さが出てくる場合もあるかもしれません。

 横スクロールやノベルゲームといった昔からあるような形式に、新しいアイデアをちょこっと加えると劇的に進化を遂げることもあります。そういうアプローチも大歓迎です。

「AIは使用可。だけど、正直に申告して」クリエイターとAIとの関係性に対する姿勢


――クリエイターとAIの関係は現在非常に繊細な状態だと思いますが、今回のコンテストでは使用を認めています。その点についての考えを教えてください。

齊藤
今回のコンテストに応募する方が、一人ではできない開発をサポートするツールとして、AIを使うこと自体は悪ではないと思っています。

時田
せっかく世の中を揺るがすような最高のアイデアがあるのに、「~~ができないからゲームも作れない」なんてことになったら本当に勿体ないですからね。

齊藤
ただ一つ、“第三者の著作権を侵害しない”というルールだけは厳守していただきたいし、そうならないようスクエニ側でもサポートしていきたいです。

 また、応募者の皆さんには使用ツールの開示と権利保証を義務付けます。使ったのであれば正直に申告してもらう必要があります。

――申告内容によっては審査に響くこともあるのでしょうか?

時田
直接的に審査に響くわけではなく、そのツールの権利の妥当性を確認するために必要な情報となります。

 そしてそのチェックの過程で、あるツールが権利的に問題のある状態だったとしたら、そこの部分だけ差し替えて商品化する、という対応も取れます。

 商品化を前提にしたコンテストなので、そのためにも躊躇せず申告していただきたいです。


――AI以外のツール等に制約を課すようなことはありますか?

時田
未発表(同人などの個人発表ならばOK)、もしくは他のコンテストで未受賞であること、日本国内在住の人クリエイターであることぐらいですかね。

 ちなみにこのコンテストは未成年でも応募可能です。ただし、賞金の授与や商品化にあたっては保護者の同意が必要となるので、その点はご注意ください。


※インタビューの続きは近日公開予定です

スクウェア・エニックス、次世代の才能を世界へ放つ“SQUARE ENIX GAME CONTEST 2026”とは?


 “SQUARE ENIX GAME CONTEST 2026”は、ジャンルや既存の枠組みにとらわれることなく、自らのアイデアで新しい“面白さ”を形にしようとするゲームクリエイターを応援するプロジェクトです。

 優れた才能と作品を発掘し、スクウェア・エニックスのグローバルなパブリッシング体制を通じて世界中のプレイヤーへ届けることを目指します。

“SQUARE ENIX GAME CONTEST 2026”企画メッセージ


ゲームの歴史を塗り替えるのは、「これが面白いんだ!」という直感と熱量。
一瞬の閃きを信じ抜き、形にする執念。
その先にこそ、誰にも真似できない「驚き」が生まれます。

このコンテストで目指すのは、想像を超えるアイデアで、
新たなゲームの未来を切り拓くこと。
その閃きをゲームファンが熱狂する「最高傑作」へと昇華させるために、
わたしたちスクウェア・エニックスは、
あなたの作品を世界へ送り出す新しい舞台を用意しました。

何にも囚われない自由な発想と、それを実現するための飽くなき挑戦を待っています。

君のゲームが、世界を変える───

開催概要


■名称
SQUARE ENIX GAME CONTEST 2026

■スケジュール
・応募受付開始:2026年12月15日
・応募締切:2027年3月15日
・発表:2027年6月30日

■賞金および支援内容
・最優秀賞(1作品):賞金3億円
・傑作賞(4作品):賞金1億円
・優秀賞(10作品):賞金3,000万円

※出版・配信・マーケティングを含めたパブリッシング事業は、スクウェア・エニックスが全面的に協力して支援を実施します。

 その他応募や審査に関する詳細は、
公式サイトをご確認ください。

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