『うたわれるもの 二人の白皇』赤﨑千夏さんにインタビュー。注力したのは“聖上であるアンジュ”の表現

電撃オンライン
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 TOKYO MX、BS11他で放送中のアニメ『うたわれるもの 二人の白皇』。本作に出演しているアンジュ役の赤﨑千夏さんにお話を伺いました。

 クオン役の種田さんオシュトル(ハク)役の利根さんからもっとも成長したキャラクターとして名前が挙がっていたアンジュ。赤﨑さんは、そんな彼女をどう演じたのでしょうか? 『うたわれるもの 二人の白皇』を見ているファンはぜひご一読ください。

演説のシーンでは“聖上として立っているアンジュ”を表現することに力を入れました

――放送開始前のお話にはなりますが、『二人の白皇』放送決定の報をお聞きになられてどのような感想を持たれましたか?

赤﨑さん:率直に言って、「ついに来たか!」「待ってました」というのが第一の感想です。

――久しぶりに演じられるにあたり不安などありましたか?

赤﨑さん:アニメの間にもゲームの収録などはたくさんあったので、キャラクターを忘れているというようなことはありませんでした。ただ、『偽りの仮面』と『二人の白皇』の間にいろいろなことがあったので、どのような感じになるのだろう? という思いはありました。

――アフレコの雰囲気はいかがでしたか?

赤﨑さん:昨今の事情もありまして分散して収録を行っておりますので、会える人、会えない人それぞれあったのですが、女子チームといいますか、原由実ちゃんや山本希望ちゃんと会った時はみんなでキャイキャイと話したりして、そのあたりは前と変わりませんでした。

 ハク役の利根さんは、アフレコとアフレコの間に、スマホアプリで藤原啓治さんのお芝居を聞いて、自分のお芝居に落とし込むということをやってらっしゃいました。藤原さんから役を引き継いで、すごい重圧を受けているんだろうなと、周囲にもひしひしと伝わってくるくらい真摯に取り組まれていたのが一番印象に残っています。

――利根さんにインタビューでお伺いした時も、そのことはおっしゃっていました。主人公を引き継ぐというのは大変なことなんだと思わされました。

赤﨑さん:『うたわれるもの』では、本来なら、利根さんが演じていたオシュトルが死んでしまって、ハクが成り代わるという構図だったのですが、その利根さんが、藤原さんが演じていたハク役を引き継ぐという形になっています。それだけに、利根さんご本人にしても、特別な思いがあるのではないかと思います。

――これまでインタビューをした種田さん、利根さんとも、アンジュがもっとも成長したキャラクターであると仰っていますが、どのように演じられましたか?

赤﨑さん:アンジュとしては、前作の最後にお父様が亡くなってから、その後を継がないといけないのに、なかなかうまくいかないもどかしさがあったと思います。今作になって、「父の遺してくれたものを取り戻したい」という思いで立ち上がってはいたんですが、気持ちが追い付いていない部分と言いますか、風が吹くと揺らいでしまうような部分があって……。それがトゥスクル皇女――つまりクオンと出会うことで発破をかけられたんじゃないかなと。彼女に心折られ、オシュトル(ハク)の言葉で再び立ち上がれた時がアンジュの中で本当に腹が決まった瞬間だと思います。

 私自身もクオンのお芝居を聞いて、気持ちを作っていけた部分があります。種田さんとやり取りができてよかったシーンだと思います。

――ゲームの収録は単独だと思いますが、違うものでしょうか?

赤﨑さん:ゲームの場合だと、クオンの言葉はどうしても自分の想像のものですので、実際に一緒にお芝居をして生まれるものは確実にあると思います。

――今作のアンジュで注目してほしいポイントはどこでしょうか?

赤﨑さん:今回、演説のシーンなどが多くあったのですが、そういった場面では“聖上として立っているアンジュ”を表現できるかという部分に力を入れました。アンジュの覚悟を芝居に乗せられただろうかという部分は、ぜひご覧いただいて判断していただきたい部分です。『偽りの仮面』だとわがまま皇女で、トラブルメーカーといいますか、今見返すと、皇女らしからぬ行動をたくさんしていたんですが、その時からは考えられないくらいの成長を遂げています。今作でギャグシーンを演じた覚えがないですね。でも、アンジュの中にはそういう部分も残っていると思うので、今作を最後まで観てもらえればもしかしたら、そういうアンジュの面も見れるかもしれません(笑)。

――前作の『偽りの仮面』で印象に残っているシーンなどありますか?

赤﨑さん:前半は日常的なシーンが多くて、みんなで楽しく暮らしている風景とか、オシュトルから言われた任務をみんなで乗り越えていくということが描かれていましたが、後半の展開が怒涛すぎて。特にアニメ終盤でオシュトルがハクに仮面を託すシーンは何度見ても感情がすごく揺さぶられると言いますか、あのシーンを見てから、日常シーンを見返すと、この二人があんな風になってしまうのかという気持ちが大きくなってしまって、どうしても印象には残ってしまうというか。

 オシュトルが死んでしまって、ハクがオシュトルに成り代わったあと、ネコネとともにクオンに会ってハクの死を告げるシーンが完全に無音で。音がない、セリフがない芝居というのが印象に残っています。前半に対して後半がシリアスで、特に帝が亡くなってからの展開は胸が苦しくなりますね。

――アンジュ以外でお気に入りのキャラクターは?

赤﨑さん:好きなキャラクターはたくさんいるんですが、その中でもウルゥルとサラァナが好きなんです。ウルサラがピンチになるとドキドキします。いつも余裕があって、呪法を使ったり、封印したりというキャラクターなので、彼女たちがピンチだと本当にヤバいんだという気持ちになりますね。

――ピンチといえば、今作では戦闘シーンが多いですよね。

赤﨑さん:そうですね。その中でも、みんなの活躍と言いますか、第一作からご覧になられている方にするとニヤリとするシーンがたくさんありますので、もし、『偽りの仮面』『二人の白皇』しか観ていないという方で、この人だれなんだろうと思った方はぜひ一作目から観ていただくとまた違った楽しみができると思いますので、おススメです。

――赤﨑さんから見て、アンジュ以外でもっとも成長したキャラクターは誰でしょうか?

赤﨑さん:成長というか、変化という意味でハクです。最初オシュトルから仮面を受け継いで、自分はハクなのに、クオンたちにすら、自分がハクであることを言えない苦しみということがものすごくあったと思うんです。言ってしまいたいけれども、オシュトルとしてヤマトを再興しないといけないという使命があったので、仲間の誰にも言えない。そんな二人の想いが混じり合ってラストシーンに向かうのですが、最後は誰のために、どちらの想いで動いていくのか、手に汗握る展開が待ち受けています。

――アンジュの魅力はどんなところでしょう?

赤﨑さん:なんだかんだカリスマ性があるところでしょうか? 人を惹きつける魅力があるのではないかなと。トラブルメーカー的なところもあるんですが、ちゃんと謝ることもできるし、ただただ唯我独尊で好き放題やるわけではない、そういったところがなんだかんだとみんなから愛される部分ですし、『偽りの仮面』から『二人の白皇』に至ってカリスマ性になったのだと思います。

――赤﨑さんと似ているなと思うところや、あこがれに思うような部分はありますか?

赤﨑さん:似ているところはあまりないですかね(笑)。うらやましいと思う部分はあります。『偽りの仮面』の時から、民の前で演説するシーンがありましたが、物怖じしないというか、ONとOFFの切り替えがちゃんとできる部分はありますよね。そういうところが羨ましいです。

――『うたわれるもの』シリーズのアピールポイントはどこでしょう?

赤﨑さん:『偽りの仮面』の主題歌「不安定な神様」の歌詞にもあるんですが、「繰り返す出会いと別れ」というのが大きなテーマだと思っています。誰かが誰かに会えなくなるというのが、各シリーズの最後の方にあるんですが、『二人の白皇』では、再会もあるよというところをぜひ皆さんにアピールしたいです。再会したときどんな反応をするんだろうとか、そういったことが人の感情を動かすんだなということを演じていても思った部分です。

――アフレコの前に、アプリを確認する利根さんのお姿が印象的だったとのことですが、その他でアフレコ時に記憶に残っている出来事はありますか?

赤﨑さん:先ほど真面目なお話をした後にしてしまうのもなんなのですが、利根さんの靴下に穴が開いていたことがあって……(笑)。しかもかかとに。つま先ならわかるんですが。

 利根さんがアプリで音声を一生懸命聞いていらっしゃる姿と、靴下に穴の開いている姿のギャップに耐えきれなくて……声を掛けないほうがいいなと思ったんですが、ついそのことを言ってしまい……しかも大きな声で……(笑)。

――それはしょうがないかもしれませんね……。

赤﨑さん:利根さんとは『偽りの仮面』から一緒にラジオをやらせていただいていたこともあって、ついつい話しかけたくなってしまうんです。

――そんな利根さん、そして種田さんからこのリレーインタビューに際して質問を預かっております。まずは種田さんから「もしもあの世界に生まれるならヤマトとトゥスクルのどちらがいいですか?」との質問です

赤﨑さん:う~ん……難しいですね。ヤマトはいい人もいるんですが、デコポンポみたいな人もいますし、國が大きいだけに善も悪も、色んな思惑が渦巻いていてちょっと怖いですよね。トゥスクルの温かい感じや、小さい勢力からどんどん仲間を取り込んでいった力強さも魅力なんですが、アンジュを演じる身としてはやはりヤマトを応援したいです。

――続いて利根さんからの質問です「赤﨑さんがあの世界の皇だとして、どんな皇になりたいですか?」

赤﨑さん:広く創作物を認めていきたいですね。いろんな文化があるじゃないですか、ヤマトには。いろんな書冊があって、そういったものをなるべく規制せず、みなさん好きなことを好きなようにやってください、と。アンジュ、ルルティエ、ムネチカが大好きなご本もありますけれど、そういうものが好きな方はぜひ、自分の文化を大事にしてくださいという、文化を守る政策を採る皇になります。

――それは喜ぶ人も多そうですね! では最後に、ファンの皆さんに一言お願いします。

赤﨑さん:長らくお待たせしました。ついに『うたわれるもの』三部作の最後をアニメでお見せできることになり、私としてもとてもうれしいです。ずっと応援していたという方も、最近知ったという方も、ここまでうたわれてきたことには理由があると思いますので、ぜひ最後まで楽しんでいただきたいと思います。

アニメ『うたわれるもの 二人の白皇』

【放送情報】
2022年7月よりTOKYO MX、BS11ほかにて放送開始 全28話

TOKYO MX……毎週土曜25:00~
BS11……毎週土曜25:00~
北海道テレビ……毎週月曜26:25~
AT-X……毎週木曜23:00~
リピート放送:毎週月曜11:00~/毎週水曜17:00~

【配信情報】
2022年7月2日(土)よりdアニメストアにて毎週土曜25:00~地上波同時先行配信

以下サービスでも配信中
ABEMA
U-NEXT
アニメ放題
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Hulu
TELASA
J:COMオンデマンドメガパック
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GYAO!ストア

【スタッフ】※敬称略
原作:AQUAPLUS
監督:川村賢一
シリーズ構成:横山いつき
キャラクター原案:甘露 樹、みつみ美里
キャラクターデザイン/総作画監督:中田正彦
プロップデザイン:岩畑剛一、鈴木典孝
美術設定:天田俊貴
文字デザイン:コレサワシゲユキ、灯夢
色彩設計:佐藤美由紀
美術監督:高峯義人
特効監修:谷口久美子
撮影監督:横山 翼
3DCG:サンジゲン
編集:後藤正浩
音響監督:山口貴之
音楽:AQUAPLUS
オープニングテーマ:「人なんだ」/Suara
エンディングテーマ:「百日草」/Suara
アニメーション制作:WHITE FOX

【出演声優】※敬称略
オシュトル(ハク):利根健太朗
クオン:種田梨沙
アンジュ:赤﨑千夏
ネコネ:水瀬いのり
ルルティエ:加隈亜衣
アトゥイ:原 由実
ノスリ:山本希望
オウギ:櫻井孝宏
ウルゥル・サラァナ:佐倉綾音
キウル:村瀬 歩
ヤクトワルト:江口拓也
シノノン:久野美咲
ムネチカ:早見沙織
フミルィル:儀武ゆう子
ライコウ:置鮎龍太郎
ミカヅチ:内田夕夜
ウォシス:菊池幸利
マロロ:杉山 大
シチーリヤ:三宅麻理恵
ソヤンケクル:最上嗣生
オーゼン:佐々木義人
トキフサ:志賀麻登佳
デコポンポ:大川 透
ボコイナンテ:中西としはる
イラワジ:白熊寛嗣
トリコリ:藤田昌代
シス:山村 響
ヤシュマ:田丸篤志
ゲンホウ:大川 透
イタク:小林裕介

©うたわれるもの二人の白皇製作委員会

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