『青ブタ』悩める理央が心から笑えるように…。3人の友情が眩しい『青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない』おさらい【第3回】

ハチ
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 6月23日から公開されている劇場アニメ『青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない』。ここでは小説をベースにしつつTVアニメ『青春ブタ野郎』の内容を振り返っていきます。今回は第7話から第8話にかけて展開された、ロジカルウィッチこと双葉理央の物語をお届けします。

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理央が思春期症候群で2人に⁉

 小説『青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない』の内容は、TVアニメでは第7~8話になります。

 プチデビル後輩こと、朋絵とのループを終えた後の咲太が出会った牧之原翔子は、咲太が子猫を預かっていることもあり、家に頻繁に出入りするようになりました。咲太はそんな翔子について、学校で理央に相談します。

 思春期症候群のことは、物知りでいつも冷静な理央が頼りになりますね。ちなみに、このときの理央はいつもの眼鏡でロングではなく、コンタクトでポニーテール。とっても可愛いので要チェックです。

 相談した日の夜。咲太と麻衣が町を歩いていると、理央がマンガ喫茶に入っていくのを見かけました。気になって電話をしつつ後を追うと、目の前を理央が通り過ぎていきます。一体、なにが起こっているんでしょうか……?

 咲太たちが目の前の理央に話しかけると「電話の相手は私?」と、自分が2人いることを知っている様子です。家に理央がいるので、自分は家に帰ることができずにマンガ喫茶で過ごしている、とのことでした。しかし、ずっと理央をマンガ喫茶で過ごさせるわけにもいかず、咲太は家に来るように言います。すると、麻衣は「私も泊まる」と言い出します。友達とはいえ女の子が家に泊まるわけですから、気になりますよね。

 ということで、しばらくみんなでお泊り会をすることになりました。麻衣と咲太は久しぶりに2人でゆっくり過ごすこともでき、初めての(じつは『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』では、咲太が麻衣の記憶を失い見えなくなっているときに麻衣からキスされていたようですが……。)キスのチャンスが⁉ と、ドキドキしていました。が、おでこがごっつんこしてキスはお預けに。残念(笑)。

理央の不安が詰まった裏アカウントの内容は……

 咲太は、自分の家にいないもう1人の理央に会いに行きます。もう1人の理央は学校の体育館におり、国見のバスケ部の試合を観に来ていました。理央はずっと国見のことが好きなのですが、国見には彼女がいるのでその気持ちに蓋をしなきゃいけない、と葛藤しているんです。

 好きになったきっかけは、1年生のときにチョココロネをもらったからだそう。咲太は100円ちょっとのパンで好きになるなんて、と言っていましたが、好きになるきっかけはどこにあるか分からないですよね(しみじみ)。

 その後、咲太は理央に「いまうちに双葉がいるんだ」と伝えます。こちらの理央も状況を把握しているようで、こうなった原因にも心当たりがある様子。けれど、その内容は教えてくれませんでした。

 咲太が帰ろうとしていると、国見の彼女である上里に呼び止められ「あの女、やばいことしてない?」と理央の裏アカウントを見せられます。そこには、理央が自分の体の写真をたくさん投稿しているという、いつもの理央からは想像できない光景が。本当に驚きましたね。

 咲太は家に帰り、裏アカウントのことを理央に尋ねます。どうやら思春期症候群が発症したのは、このアカウントが原因だったようです。曰く、誰かにかまってほしい自分と、自分の体の写真をSNSにアップすることにストレスを感じている自分が分離してしまった、と。

 数日後、駅でもう1人の理央に会って話していると、裏アカウントに「その制服、峰ヶ原高校のだよね?」「会おうよ」というメッセージが届きます。それを見た咲太が「警察に連絡します」と送ったため、何事もなかったのですが、理央は怯えて裏アカウントを消すよう咲太に頼みます。このときの理央は本当に怖かったと思うので、咲太がいてくれてよかったですね。

 そして、理央はずっと心に秘めていた気持ちを咲太に話します。咲太と国見に彼女ができたことで“自分にかまってくれなくなってしまうのではないか。”という不安を抱えていた、とのことでした。すると、咲太は「国見に惚れてるくせに、あいつのこと全然わかってない」と言い、国見に電話。真夜中(小説によると深夜3時)にも関わらず「双葉がピンチなんだよ」と駅まで呼び出してしまいました!

 もちろん、国見はすぐに来てくれます。その姿を見て思わず涙する理央……。「全然ひとりじゃなかったんだ……ひとりじゃなかった……」――3人の絆の強さが伝わってくるシーンで、じーんときてしまいました。理央が思っているよりも、何倍も2人は理央のことを友達として大切に思っているんですよね。

 このとき、咲太は国見と理央にジュースをご馳走することになるのですが、理央にはアイスコーヒー、国見にはスポーツドリンクを渡しています。そのとき「梓川はすっかり桜島先輩に飼いならされてるね」と理央が言うのですが、このドリンク、麻衣がCM女優を務めているドリンクなんです。

 ついつい手に取ってしまう咲太……なんだか可愛いですよね。咲太は線香花火も購入していたので、3人は海岸で花火をしながら、話をします。そして、去年と同じように3人で花火大会へ行く約束をしたのでした。

3人一緒の夏の思い出、これぞ青春!

 咲太は理央から、咲太の家にいる理央に自分の携帯電話を渡すように頼まれていました。その待ち受けを見た理央は、家を飛び出してしまいます。

 その待ち受けとは、先ほど花火をしたときに撮影した咲太・国見・理央の写真。いなくなった理央を探しに咲太は嵐の中学校へ向かい、教室にいる理央を発見します。「この世界に双葉理央は2人いらない。もう1人の双葉がうらやましい。あっちの私がいればいいんでしょ」と語る理央に「花火大会の日は駅に6時半集合な」と言う咲太ですが、直後に倒れてしまいました。大雨の中全力で理央を探していたので、もう限界だったようです。友達のために本気になれるのは、咲太のいいところですよね。

 咲太が病院で目覚めると「自分がいなくなればいいとか、そういう面倒な話は聞きたくないぞ。自分なんて別に嫌いでいいんだよ」と理央に言います。思っていた慰め方とは違いましたが、なんだか咲太らしいです。それを聞いた理央は自分を受け入れることができ、「私も花火行きたい!」と素直に自分の気持ちと向き合えるように。素直に自分自身であるもう1人の理央に電話で話すと、病院にいた理央は消えていきました……。

 花火大会の日、花火の音にまぎれながら理央は国見に告白します。花火の音で何と言っているかは聞こえないのですが、それがまたいいですよね! 小説には短い1言とあるので、素直に「好き」とかなのかな~、とか考えてしまいます。国見に彼女がいるのをわかっている理央は「返事はいいよ」と続けました。朋絵の時も感じましたが、彼女がいる人に告白するのはすごく勇気がいることです。理央、本当に頑張ったなぁ、と思わずにはいられませんでした。

 そして、理央は2人の腕を引き寄せ、3人で仲良く花火を見上げました。この理央の物語は、まさに青春を詰め込んだような……甘酸っぱくて切なくて……読み終えたあとのこの感覚、ずっと忘れられないと思います。友達に彼氏や彼女ができると、なんだか寂しい気分になることは誰にでもあると思うので、とても理央に感情移入できました。これからも3人の友情を見守っていきたいですね!

©2018 鴨志田 一/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/青ブタ Project
©2022 鴨志田 一/KADOKAWA/青ブタ Project

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