『ファントムローズ2 サファイア』レビュー&攻略:お手軽で深みにハマれるデッキ構築型ローグライクはキャラクターや世界観も最高【電撃インディー#510】

あんまさ
公開日時

 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は10月30にPC(Steam)で発売されたデッキ構築型ローグライク『ファントムローズ2 サファイア』のレビューを紹介します。

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

運要素に左右されないデッキ構築型ローグライク【ファントムローズ2 サファイア:レビュー】

 本作は記憶を失った少女“アリア”と喋る猫“シルフィ”とともに、廃墟となった学校“マリオン魔法学園 ”からの脱出を目指すローグライクゲーム。

 基本的に分岐したルートを選択しながら、各マスで発生する敵(ファントム)との戦闘やイベントをこなして奥に進むだけなので、難しい要素は一切なく気軽に遊べます。

 ダークファンタジーな世界観と独特なキャラクターデザイン、加えてアリアの可愛さが魅力的で、ピアノBGMが没入感を引き立てます。

 戦闘はカードを使用したフェーズ制バトルで、お互いに2枚のカードを出し合って、そのカードに対応した攻撃や行動を左から順に処理していくといったもの。

フェーズごとに、まず敵が2枚のカードを配置するので、それにプレイヤーがどう対応していくかが本作の肝になります。

 ちなみに、バトル中にカードを引くといった運要素はなく、デッキから好きなカードを選べるといった方式がとられています。

  • ▲フェーズ開始時、敵が2枚のカードを配置します。
  • ▲次に、自身が残りの配置場所に置くカードを選択。
  • ▲すべてのカードが配置されたあと、カードの効果が左から順に発動。敵のHPを0にすれば勝利です。
  • ▲敵の配置したカードは、カーソルを合わせることで効果を確認できます。

 各カードの使用後はクールタイムが発生し、クールタイム中のカードはフェーズが進まないと使用ができなくなります。

 戦闘終了後もそのクールタイムは継続するため、強力なカードを所持していても、次の戦闘では使えないといったことも起こるでしょう。ただ強いカードを出し続けるだけでは、後々苦労するといった絶妙なバランス感がありました。

 とはいえ、ダンジョンを進めるほどデッキ枚数上限や入手できるカードが増えていくため、最終的に何もできなくなるような窮屈さを感じることはほとんどありません。

 カードの種類は敵にダメージを与えるカードを主軸に、一定ダメージを防ぐバリア付与、HP回復、バフorデバフ付与といったものがあります。ただ攻撃をするだけでなく、敵から付与されたデバフをデッキ内のカードで対処したり、HPを回復したりして次の戦闘に備えることを考えなければいけないのも面白いポイントです。

カードの入手方法とイベント【ファントムローズ2 サファイア:レビュー】

 最初は所持カード枚数の少ないデッキで挑まなければいけませんが、ダンジョンを進めるほど強いカードが入手できるので、どんどんデッキを強くしていける楽しさがあります。

 デッキの上限枚数はあるのですが、高レベルカードの枚数制限などはないので、強力なカードを入手したら気兼ねなくデッキに投入可能です。

  • ▲戦闘に勝利すると新たなカードを入手できます。サクサク戦闘をこなせるので、デッキがどんどん強化されていくのを実感できます。
  • ▲上位ファントムを討伐すると、より強力なカードが入手可能。2枚のカードのセットからどちらかを選ぶかは、好みや自分のデッキを重視して決めていきたいところ。
  • ▲“サファイア”や“ソウルローズ”は、カードや特別なアイテム、祝福(バフ)の購入などに使います。

 要所にあるキャンプや神殿に到達したとき、デッキ上限の枚数以上にカードを所持している場合、カードを分解しないと先に進めません。

 基本的には数値の低いカードであったり、使用頻度が低いカードを分解するといった傾向でよさそうです。

 カードの入手方法は戦闘終了後の報酬以外に、ダンジョン内で出会う人物から購入することが可能です。ダンジョンの分岐ルートを決める際は、こういったイベントにも注目して進みましょう。

 ミニゲームのクリア時やファントム撃破時に入手できることがあるアイテムは、戦闘中に使用できるものから、所持しているだけで効果を発揮するものまでさまざま。

 消費アイテムを使用せずに進めることがほとんどでしたが、高難易度コンテンツでは消費アイテムを駆使するのも攻略のカギになりそうです。

 これ以外にも、学園内の人物との会話が発生するイベントがあります。登場人物との会話により、ファントムの正体や学園の秘密が明らかになっていきます。

 会話イベントの収集要素もあるので、“運命の出会いが待っているかも?”という選択肢が出たら、積極的に選ぶのをおすすめします。

やりこみ要素と収集要素が豊富で無限に遊べそう【ファントムローズ2 サファイア:レビュー】

 本作の基本となるゲームモード“冒険”は、シルバー→ゴールド→ダイヤモンドといった流れでアリアの物語を堪能できます。

 ダイヤモンド2までクリアすると“アーケードモード”が、ダイヤモンド4までクリアすると“カスタムモード”が解放。

 ちなみに、各物語は挑戦するたびにデッキがリセットされるので、常に最強デッキで挑めるというわけではありません。

 ブレードクラスでシルバーをクリアすると、新たにメイジクラスが解放。こちらはブレードクラスとは別に冒険はシルバーからスタートします。

 メイジクラスはブレードクラスとは異なるカードが使えるのですが、攻撃カードを使用するときに“アルカナ”というゲージを消費。アルカナは魔法カードの使用やフェーズ経過で回復しますが、アルカナがないと攻撃カードを使うことができません。

 攻撃カードを後ろの順番に配置するほど、アルカナの消費量が大きくなるのも特徴的。カードのクールタイムだけでなく、アルカナの量を意識しなければなりません。

 ブレードクラスよりも先を見据えてカードの出し順を考えなければならないため、かなり上級者向けのクラスになっています。

 各冒険のクリア時にもらえるシルバー・ゴールド・ダイヤモンドのかけらは、キャラクター自体を永続的に強化できる“刻印”で消費する仕組みです。

 冒険のクリア時やミッション(チャレンジ)を達成することで入手できるダイヤモンドは、カートパックの購入に使用。

 使えるカードに関しては、冒険のクリア時や各クラスのレベル上昇で解放されるため、ゲームを進めるほど戦略の幅が広がるシステムになっています。

 そのほかダイヤモンドは、特別なスキンの購入にも使用します。必要なダイヤモンド数は多めですが、ご褒美要素としてプレイするモチベーションの1つになりそうです。

 マイルームでは、ストーリーの振り返り、スキンの変更、チャレンジ報酬の受け取りや確認、ギャラリーの閲覧などが可能です。

 個人的にはギャラリーの画像をファイルとして保存する機能が嬉しかったです。スマホの壁紙をアリアの画像にするなんてこともできました。

シナジー効果抜群のふたつのコンボを紹介【ファントムローズ2 サファイア:攻略】

 最後に、今回のプレイでお世話になったコンボをふたつ紹介します。該当するカードを入手できたらぜひ狙ってみてください。

 1つ目は、各カードのクールタイムを減少させる2枚のカードと“ダイナピアス”のコンボ。ダイナピアスは、スキルによってほかのカードのクールタイムを減らした枚数分だけ攻撃力が上がるといったカードです。特に“スターブレード”を複数枚所持しているときの無双感は半端ないですね。

  • ▲ダイナピアスの攻撃力が20~30↑になることもざらです。

 もうひとつオススメなのが、“オーバーシールド”と“献身”のコンボ。先にオーバーシールドを使用するとオーバーヒート状態となり、そのフェーズ中に使用した攻撃カードの枚数×4のHPを回復するといった効果が発動します。

 ただし、強力な効果ながら2フェーズしかもちません。これを献身でフェーズ数を伸ばすといった狙いです。献身は敵が魔法カードのみを使用したときにしか効果が発揮されないため、コンボを狙うタイミングを見計らう必要性があります。

  • ▲このコンボが成立すれば、攻撃カードを2枚出すだけで毎フェーズHPが8回復します。

 本作をプレイして思ったのが、とにもかくにもアリアのデザインとキャラクター設定がいい! 世界観や各キャラクターのバックボーンも興味深いので、ぜひプレイして確認してほしいポイントです。

 カードゲームではありますが、難しい点も少なくて、ローグライク要素として見ても初心者にはオススメできる内容になっています。

© Studio Maka LLC. Licensed to and published by Active Gaming Media Inc.

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

関連する記事一覧はこちら