2013年5月7日(火)
――ファミコン時代にゲームを発売していたメーカーの中には、もうすでになくなってしまったメーカーもあると思いますが、こういったメーカーの許諾を得るにはどうしているのでしょうか?
ある程度はネットの情報を見て、許諾元を探していきます。現在はない会社でも、探し始めるとこの会社が権利を持っているらしい、といった基本的な情報が見つかってくるんです。あとは横の繋がりを元に目的のところへと近づいていく感じですね。
――まるで探偵みたいですね。
そうですね、やっていることは探偵に近いです。今の時代はFacebookやTwitter、Wikipediaなど便利なツールがありますので、何かしら繋がる糸口は見つかりますね。それでも見つからない場合は謄本を探しに行きます。それで当時の役員の方を探して連絡してみて、そこから繋がりを探るといった感じです。
うちからすでに発売しているホット・ビィについては、Wikipediaを見たらスターフィッシュが権利を引き継いでいると書いてあったので、担当の方とお会いしてすぐに許諾をもらえたという感じですね。もちろん、その先にもしなければいけない作業もあって、曲によっては入れられないものもありましたが……。
――それでは今後の展開などについて教えてください。
すでに発表していますが、最新作として『暴れん坊天狗音楽集 -Rom Cassette Disc In MELDAC-』の発売を6月22日に予定しています。『暴れん坊天狗』の他にも『天神怪戦』や『平安京エイリアン』といったゲームボーイのタイトルを収録しています。
▲6月22日に発売となる『暴れん坊天狗音楽集 -Rom Cassette Disc In MELDAC-』。 |
これらはマニアックなタイトルですが、ネームバリューに加えて音楽の評価も高いので、資料的な価値としてもある1枚だと思っています。『暴れん坊天狗』はバーチャルコンソールにも出ていませんし、期待をしていただければと。
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『ROM Casette』シリーズはこれからも続けていきますが、アーケードものも今後発売する予定となっています。現在は1980年代のゲームのサントラが中心となっていますが、もう少し新しめの1990年代のゲームサントラも発掘していきます。こちらは今年中に新作を発売できるかと思います。
――それはPlayStationやセガサターン時代のものということでしょうか?
そうですね、内蔵音源とCD-DAがミックスされていた時代のものとして考えてもらえればと。当時のサントラは、作りこみが足りなかったり、初代のサントラは出たのに続編は出なかったりしていたので、そのあたりを補完できるようなものが出せたらと思っています。
――ちなみにPCゲームのほうに手を伸ばしたりはしないのでしょうか?
PCのゲームそのものに手を伸ばすことは今のところ考えていないですね。ただ、タイトルで絞った時にPCゲーム版もあるものについては、できるだけ収録するようにと考えています。
あと、今後ぜひともやりたい企画があるんです。それは少ししかソフトを出していないメーカーのサントラをまとめたサントラを出したいんです。
例えば『ROM Cassette Disc In Vap』は少なすぎて作れませんが、『元祖西遊記 スーパーモンキー大冒険』と『道 -TAO-』(ともにバップから発売)の音源は収録したい。同じく『ROM Cassette Disc In HIGH SCORE』はできないけど、『ゾンビハンター』の音は録りたい。そういうタイトルって結構あるんですよ。
今はメーカーで括ったサントラを発売していますが、そういう括りが作りにくいタイトルを集めて『ROM Casette Disc In Extra』みたいな形にして作りたいなと。1つだけでは成り立たないけれども、集まった時のパワーはすごいんじゃないかと思っています。
少しずつ音源を集めていって、許諾がとれたタイトルが5本集まったらサントラとして出す、そんな形で出せたらいいですね。
(C)2010-2013 CLARICE DISC
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