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2015年2月16日(月)

『ゴッドイーター』5周年。リンドウやアリサの過去に胸打たれたシリーズ処女作の思い出【周年連載】

文:千歳

 あの名作の発売から、5年、10年、20年……。そんな名作への感謝を込めた電撃オンライン独自のお祝い企画として展開中の“周年連載”。連載第18回は、2010年2月4日に発売されたPSP用アクションゲーム『ゴッドイーター』のコラムをお届けします。なお、記事中では追加要素が加わった『ゴッドイーター バースト』の画面写真を掲載しています。

『ゴッドイーター』 『ゴッドイーター』
▲初代『ゴッドイーター』の発売後に追加要素を加えて発表された『ゴッドイーター バースト』。『バースト』はさまざまな部分が改良され、非常に遊びやすくなりました。『ゴッドイーター』を持っている人はアペンド版を買い足すことでバージョンアップができました。

●動画:『ゴッドイーター バースト』PV“ストーリー編”

■ハイスピードアクション&チームプレイで巨大生物を倒せ!

 『ゴッドイーター』は“荒神”(アラガミ)と呼ばれる敵を相手に戦うアクションゲームです。最大4人で協力プレイを楽しめますが、1人で遊ぶ時でもAIで動く3人の仲間キャラクターを連れて行くことができ、チームプレイを楽しむことができます。

『ゴッドイーター』
▲協力プレイの際には多彩なモーションでコミュニケーションを取ることもできます。

 アクション面で特筆すべきなのが、そのスピード感! プレイヤーの動きはもちろん、敵であるアラガミのモーションもハイスピードで爽快感にあふれています。また“神機”(ジンキ)という武器を装備して戦うのですが、この武器はなんと剣・銃・捕喰と3つの形態に変化。プレイ中にいつでも切り替えられるので、1人で近接と遠隔、両方の戦い方ができるスグレモノなのです。その切り替え速度も速いので、アクションのスピード感をまったく損ないません。

 ジャンプができるところもポイントで、空中を飛ぶアラガミとの激戦など、より幅広いアクションを楽しむことができました。このように爽快なハイスピードアクションで、プレイヤーごとにさまざまな戦い方ができる部分は『ゴッドイーター』の大きな魅力なのです。

『ゴッドイーター』

 もう1つの特徴は、仲間とのチームプレイだと思います。1人プレイでも仲間キャラクターを同行できる本作だけに、普通の協力プレイ系アクションよりも仲間との連携が重要となっています。

 例えばリンクバーストと呼ばれるシステムでお互いを強化することができますし、戦闘不能になった仲間に自分の体力を分け与えて復活させるリンクエイドというシステムも用意されています。

 戦闘不能になって一定時間がたつと自動的に復活(リスポーン)してミッション開始地点に戻されてしまい、3回リスポーンするとミッション失敗となる仕組みですが、リンクエイドのおかげでちょっと難易度が下がり、遊びやすくなっています。

『ゴッドイーター』
▲仲間を復活させるリンクエイド。このおかげで、ちょっとくらいのうっかりミスはリカバリーできます。
『ゴッドイーター』
▲仲間同士で強化をしていけるリンクバースト。遊んでいると連帯感が生まれて、共闘している気分が味わえるんです!

 ちなみに5年前、私が初めて本作に触った時は、あまりのハイスピードさにプレイの手も動体視力もついていけませんでした(笑)。しかも攻撃方法も剣と銃の2つがあって、どう使い分ければいいのかと手さぐり状態。コツをつかむまではアラガミにいいように翻弄されたものです……。なんて思い出も交えつつ、なぜ私が『ゴッドイーター』を好きになったのかを力説させていただきます!

■アクション設定と世界設定がリンクしている奥深さに魅了された私

 まずは『ゴッドイーター』の大まかなストーリーをご紹介します。

●『ゴッドイーター』のストーリー

 ――西暦2071年。突如として現れた謎の細胞“オラクル細胞”から生まれた巨大生物・アラガミによって、人類は滅亡の危機に瀕していた。

 アラガミに唯一対抗できるのは、同じオラクル細胞で作られた生体兵器・神機を扱える“ゴッドイーター”のみ。

 その1人に選ばれた主人公は、仲間とともにいつ終わるとも知れない戦いに身を投じる――。

 実はこの“ストーリーがある”ということが、発売当時には特徴の1つとしてあげられていました。協力プレイが楽しめるアクションゲームはミッションをこなすことでゲームを進めていくタイプが多く、RPGのような明確なストーリーが用意されていることは少なかったのです。

 『ゴッドイーター』も基本的にはミッションを受注して進めていくスタイルですが、そこに本格的なストーリーと魅力的なキャラクターが加わり、繰り返しプレイする楽しさがぐっと増したのです。

『ゴッドイーター』

 その魅力は世界設定からも感じられます。敵であるアラガミはあらゆるものを“喰らって”して進化していく特性を持っています。アラガミと同じオラクル細胞から作られている神機もその機能を保有しており、それが上で触れた神機の形態の1つ“捕喰形態”なのです。

 この捕喰形態でアラガミを“喰らう”と“バーストモード”状態になってパワーアップすることが可能! 攻撃力が上がったり特殊な弾丸を撃つことができるようになったりと、アクションの幅も広がります。

『ゴッドイーター』
▲捕喰形態でのアクションは攻撃というよりも、相手の力を取り込んで自分がパワーアップしたり、相手から素材を奪い取ったりする意味合いが強いです。

 こういう風に、ゲームシステムと設定がきちんと世界観と紐付いており、説得力が生まれているわけです。『ゴッドイーター』のおもしろさは、こういったところからも引き出されていると感じています。

『ゴッドイーター』

 なぜゴッドイーターだけがアラガミに対抗しえるのか? 神機という武器はどうやって生み出されたのか? そもそもアラガミという存在はナニモノなのか……? 戦っている時に疑問に思うことに対して、ストーリーパートでしっかりと答えてくれるので、設定を追っていくことも楽しいんです!

 ちなみにストーリーはシリアス系ですが、重すぎるわけではありません。アラガミによって人類が滅亡の危機に瀕している状況なので、明るくポップな展開とは言えませんが、がっつりダーク系ではないので、基本的には万人向けの部類だと思います。シリーズ全体を通してみると、救いのない悲しいキャラクターやイベントは存在しますが、それらを含めて『ゴッドイーター』の世界観の魅力だと思っています。

『ゴッドイーター』 『ゴッドイーター』
『ゴッドイーター』 『ゴッドイーター』
『ゴッドイーター』 『ゴッドイーター』
▲世界観の魅力が詰まった『バースト』のオープニングアニメ。『2』を含めてシリーズのOPはufotableが手掛けており、とてもクオリティが高いです。

■形態が変わるだけじゃない! パーツ変更でバトルスタイルがガラリと変化!!

 神機が剣・銃・捕喰の3つの形態に変化することは前述しましたが、それだけではありません。剣形態から盾装甲にも展開できる他、さらに剣にはショート、ロング、バスター、銃にはスナイパー、アサルト、ブラストとそれぞれ特徴が異なるタイプが用意されており、自分の好きなパーツを使うことができます。各パーツの特徴は以下の通りです。

【剣のタイプ】

・ショートブレード:基本的に両手持ちの神機の中で、片手で持てるコンパクトな刀身。素早い連続攻撃が可能。

・ロングブレード:3つのパーツの中で攻撃範囲が一番広い。機動力にも優れ、チャージ攻撃では空中で回転するというアクロバティックな攻撃もできる。

・バスターブレード:攻撃速度は遅いものの、攻撃力が一番高い刀身。盾装甲を素早く展開させることが可能。

【銃のタイプ】

・スナイパー:一発の攻撃力は平均的だが、射程距離が長く、エイムモード時に拡大表示ができる。

・アサルト:3つのパーツの中で攻撃力が一番低いが、中間距離からの連射能力に優れている銃身。

・ブラスト:射程距離は短いが、攻撃力が一番高い。火力を重視したい人にオススメ。

 私は基本的に、ロングブレード×スナイパーの組み合わせが好きでしたね。正直、アクションはあまり得意なほうではないので、ちょっと攻撃してはすぐに離れるヒット&アウェイとスナイパーで遠くから狙って撃つ……という、なんともへっぴり腰な戦い方をしていました……。さすがに5年もプレイしているので、今は5年前よりは進歩していると思います。たぶん。

『ゴッドイーター』

 余談ですが、私の最終的な装備はこんな感じ。剣も銃もパーツによって属性やスキルが付くので、戦うアラガミごとにきちんと装備を変えることも重要でした。

■プレイヤーとともに戦う、個性豊かな“アナグラ”の仲間たち

 『ゴッドイーター』はマルチプレイで友だちと遊ぶこともできますが、作中に登場するキャラクターとともに戦うこともできます。しかも、ただ機械的にバトルをこなすキャラではなく、物語を紡ぎ、プレイヤーを支えてくれる大切な仲間たちです。

 主人公と同じく神機をあつかうゴッドイーターであり、アラガミに対抗するためにアナグラと呼ばれる基地でともに暮らす仲間たち。正直なところ、自分の周りにはキャラクターに興味を持って『ゴッドイーター』を遊び始めた人もたくさんいます。見た目もかわいい&かっこいいキャラたちですが、ゲームを遊ぶと、むしろ内面的な魅力にほれちゃうんですよね!

 ロシアから来た美少女・アリサ、クールでどこか影のあるソーマ、プレイヤーと同期でフレンドリーなコウタ、部隊のリーダー・リンドウ、頼れるお姉さんサクヤ。そして謎の少女・シオ……。ネタバレになるので伏せますが、彼&彼女たちが歩んできた人生、すなわち過去の出来事を知れば知るほど、胸を打たれるはずです。


●アリサ・イリーニチナ・アミエーラ(声優:坂本真綾)

『ゴッドイーター』

 両親をアラガミに殺害され、その仇を討つためにゴッドイーターになったアリサ。最初はツンツンしていてあまり打ち解けてくれないのですが、さまざまな困難をともに乗り越えるうちに心を開いてくれます。

 続編『ゴッドイーター2』でも活躍する人気キャラですが、もし『2』だけを遊んで『1』を遊んでいないアリサファンの方がいたら、ぜひ『1』も遊んでほしいです。きっと、今よりももっとアリサを愛しく感じられるようになると思いますよ!

『ゴッドイーター』
▲ちなみに『バースト』の予約特典としてはアリサちゃんの水着などが用意されました。赤いチェックのビキニがかわいいです♪

●ソーマ・シックザール(声優:中井和哉)

『ゴッドイーター』

 “同行したゴッドイーターは戦死する”という噂があり、孤立しているソーマ。彼自身もある過去のせいで周囲とわざと距離を取っています。ある意味、アリサ以上にツンツンしていて、なかなかなじんでくれませんが、本編を進めていくうちに本当はとても仲間思いだということがわかります。


●藤木コウタ(声優:阪口大助)

『ゴッドイーター』

 主人公と同じ日に入隊し、親友となるコウタは、明るくて部隊のムードメーカー! 一見、軽そうな感じがしますが、母親と妹をとても大事にしている子です。それゆえにストーリーでは重大な決断を迫られるのですが……。

 個人的に、男性陣の中で一番好きなキャラクターです!


●雨宮リンドウ(声優:平田広明)

『ゴッドイーター』

 主人公が所属する第一部隊のリーダーで、歴戦の猛者。たった1人で大型アラガミを討ち取るほどの実力を持っています。ですが、あるミッションで行方不明になってしまい……。

 主人公は彼の後任となるのですが、いろいろなシーンでリンドウがどれだけすごい人だったのかを実感しましたね。


●橘サクヤ(声優:大原さやか)

『ゴッドイーター』

 第一部隊のサブリーダーで、新人であるプレイヤーを何かと助けてくれます。リンドウとは幼なじみ&恋人で、彼が行方不明になった時の彼女の取り乱しぶりは見ていて痛々しかったです。

 と、シリアスなことを言っておいてなんですが、横からチラリと見えるバストが魅力的なんですよね。


●シオ(声優:福井裕佳梨)

『ゴッドイーター』

 物語中に第一部隊が保護する謎の少女。最初は言葉もたどたどしいのですが、第一部隊がお世話をしているうちにどんどん人間らしくなっていきます。

 とても天真爛漫で、まるで妹のような存在なのですが、実は彼女にはある秘密が……。ぜひゲーム中で楽しんでいただければと思います。


 もちろん、物語に登場するのはこの6人だけでなく、たくさんのサブキャラクターたちもストーリーを盛り上げてくれます。初代『ゴッドイーター』の時には脇役に近かった仲間がその改良版『ゴッドイーター バースト』でより深く描かれるようになったり、続編『ゴッドイーター2』で意外な活躍を見せてくれたりと、シリーズファンにとってはニヤリとできる展開もありました。

『ゴッドイーター』
▲『バースト』の際に設定が掘り下げられた“防護班”の仲間たち。特に一番右の台場カノンは『ゴッドイーター2』でも登場するほどの出世頭で、彼女以外の仲間たちも『ゴッドイーター2』の追加DLC“防護班の帰還”で再登場を果たしました!

■手強い! でもカッコいい!! 人類の敵となるアラガミたち

 人類の敵であり、プレイヤーが討伐すべき対象であるアラガミも、数ある『ゴッドイーター』の魅力の1つです。キャラクターに負けず劣らず個性的で、その多彩なアクションでプレイヤーたちを翻弄してくれます。彼らはある意味では『ゴッドイーター』のメインキャラと言えるかもしれませんね。

 しかしまあ、アラガミたちには本当に苦しめられました。大型アラガミ1体でも大変だっていうのに、ミッションによってはさまざまな組み合わせで複数体が登場しますから……。でも、どのアラガミから倒すのか、立ち回りはどうするべきかなどを考えるのも楽しくて、何度もチャレンジしたくなるんですよね。

『ゴッドイーター』
▲ヴァジュラ。
『ゴッドイーター』
▲シユウ。

 『ゴッドイーター』の顔とも言えるヴァジュラと、個人的に好きなシユウ。もともとアクションがあまり得意ではないので、この2体には本当に手こずりました。でも、どちらもモーションがカッコいいんですよね~。

 特にシユウの、手をくいくいっと動かしてこちらを挑発するような仕草は闘争心を燃え上がらせてくれます。

■5周年を迎えても『ゴッドイーター』シリーズはまだまだ続く!

 さて『ゴッドイーター』はこの1タイトルだけで終わっている作品ではありません。『ゴッドイーター バースト』に『ゴッドイーター2』とシリーズを重ね、そして2月19日には『ゴッドイーター2 レイジバースト』が発売されます! 

 もちろん世界観は第1作目からつながっており、『ゴッドイーター2』の舞台は『ゴッドイーター』の数年後で、一緒に戦った仲間たちが成長して登場しています。さらにゲームだけではなく、アニメやパチスロなどいろいろなメディアでの展開も決定しているので、ファンとしてはうれしい限りですね。

『ゴッドイーター2 レイジバースト』
▲最新作『ゴッドイーター2 レイジバースト』はPS4/PSVitaで登場。 画像はPS4版の開発中のもの。

 個人的には初代『ゴッドイーター』のころから記事に携わり、お仕事としても1ユーザーとしてもずっとシリーズを楽しんできました。そんな大好きなシリーズなので周囲にもがんがんオススメしているのですが、ちょっと難しそうに見えて敬遠しちゃう人もいるんですよ(特に女性はアクション系が苦手な人も多いので)。

 『ゴッドイーター』シリーズはアクションゲームですが、RPG的な育成・成長システムもおもしろいですし、何よりストーリーやキャラクターが非常に素晴らしい作品です。世界観は地続きですが、『1』と『2』はそれぞれ独立した物語として楽しめるので、シリーズが気になる人はもうすぐ発売される『ゴッドイーター2 レイジバースト』からシリーズデビューを果たすのがオススメです!

 『ゴッドイーター2 レイジバースト』には『ゴッドイーター2』ストーリーが一部改良されて全て収録されているうえに、さらに大ボリュームの追加ストーリーも収録されているとのこと。『ゴッドイーター』シリーズの魅力をたっぷり体験できること間違いなしです!

『ゴッドイーター2 レイジバースト』
▲こちらの画像も『ゴッドイーター2 レイジバースト』のもの。2月19日発売です!

 今から5年後、『ゴッドイーター2 レイジバースト』からシリーズを遊び始めた人とシリーズ10周年をお祝いできるといいなと思いつつ、私はこれからも『ゴッドイーター』シリーズを遊び続けたいと思います!

【おまけ】『バースト』の際の設定画をチラリ!

 『ゴッドイーター』は装備品によってプレイヤーの外見が変わります。ある意味でキャラの着せ替えやファッションを楽しむことも、本作の楽しさの1つではないでしょうか。

 というわけで、『ゴッドイーター バースト』の際に公開されたキャラグラフィック関連の設定画の一部を紹介します。中にはネタ系のものも混ざっているのがお茶目ですね(笑)。

『ゴッドイーター』
『ゴッドイーター』
『ゴッドイーター』
『ゴッドイーター』
『ゴッドイーター』
『ゴッドイーター』
『ゴッドイーター』 『ゴッドイーター』
▲こちらは実際のゲーム画面。こうして見ると、すごく再現度が高いですね。

(C)BANDAI NAMCO Games Inc.

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