『探偵死神は誘う』で殺人犯を処罰しまくり。『ガンズ・アンダークネス』は自分好みで目が点になった!【TGS2023おすすめインディー10選/電撃インディー】

まさん
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 9月21日~24日にかけて、千葉県・幕張メッセで開催中の“東京ゲームショウ2023(TGS2023)”。インディーゲーム担当ライターのまさんが、会場内で見つけたおすすめインディー作品10選を紹介していきます。

おすすめインディー10選索引

  • ▲その通りだとしか言えない広告。

 2022年に続き、オフラインでの開催となったTGS2023。昨年のインディーゲームコーナーは、いつもと違う本会場のみの展示となっていましたが、今年は2019年から久々となるHALL9から11での開催! それに加えてHALL1から8にも壁側やメーカーブースでの展示があるという例年通りの形態に戻ってきました。

 いや~。もう、うれしい! マジでうれしい! 昨年は展示されていた数も少なめだったのでガッツリまわれたのですが、今年はまだまだ全然遊びきれてないですからね。遊びきれないし、紹介しきれないよ~。3日目の人の多さはなんじゃこりゃ。インディゲームブースも身動きできない程に人がいるぞ……でも、そんなうれしい悲鳴があがってこそTGSですよ。

 うおぉ~。『NEEDY GIRL OVERDOSE』の超てんちゃん発見。撮影するべし! ……ではなくて! 落ちつけ!! いけない、いけない。冒頭からいきなり脱線してしまいました。本当にいつものTGSが戻ってきててうれしいですよ、私は。ついつい、殺人ギターが暴れる話題のアクション『Death the Guitar』のタイムアタックに挑んでしまったり、取材そっちのけで遊んじゃってました。

  • ▲『Death the Guitar』(indie Game Incubator 09-E110)。

 初見プレイでタイムアタック1位を記録できてビジネスデーの間に記録が抜かれなかったのも自慢ですね。まあ、一般日にはあっさり抜かれていましたけど。か、悲しい……。いや、リトライも何回かしましたし、そもそも写真を撮影しながら遊んだので上手い人なら5分切れるのは当然なんですよ。私は、まだ片手しか使っていなかったんだい(言い訳)。

 かなり脱線しましたが、いつものようにインディーゲームコーナーを中心にいろいろと巡ってきました。そこで遊んだものから、個人的なおすすめ作品をテンションマックスで10本挙げていきたいと思います。いや、本当に10本じゃ紹介しきれないのですが、そこは実際に会場で遊んだり、体験版をダウンロードして確かめてみてください!

『VIVIDWORLD(ビビッドワールド)』:アソビズム 10-E12

 まずは、アソビズムの『VIVIDWORLD』から。社内の少人数低予算企画からスタートして、ゲリラ的に配信されたという前作『ビビットナイト』のシステムを踏襲した続編です。私は『ビビットナイト』が大好きで、ずっと遊んでたんですよ。なので、今回も期待しまくり!

 前作のアニメ的な絵柄から変わって、海外のゲームやヴァニラウェア的な絵画寄りの作風になった本作。お金を使ってパーティの加入メンバー数を増やしたり、同じキャラを集めてユニットをアップグレードしながらダンジョンを潜るという基本的な部分は健在でした。
 
 戦闘中に主人公だけが使えるジェム(攻撃や回復の効果などが発動)同士を合成させて、新しいジェムを作り出す錬金の要素といった新システムも確認。延々と繰り返し遊べるゲーム性は相変わらずの印象です。

 ちなみに、前作のカワイイ系な絵柄が好きだったので、なぜアートスタイルが変わったのか近くにいたスタッフに聞いてみました。理由としては、ワールドワイドを意識してカワイイ系から変えてみたとのこと。また、今回のキャラクターデザインを担当された方が、本来はこういったアートスタイルだったというのも理由にあるようです。

『探偵死神は誘う』:PLAYISM 01-C8

 一般ブースからは、気になるタイトルだらけのPLAYISMブースを紹介。そのなかで、とくに楽しみだったのがコレです。ローグライトでカードを選択していくというシステムは推理ゲームと相性が良さそうなので、いつかこういったタイプのローグライト推理ゲームが出ると思っていたのですが、意外と早く出てきました。

 とにかく次々に事件が発生するので、動機とか人間関係とかそんなのは気にしてられません。誰が被害者なのかもわからない(当たり前のように死者も混ざって証言しています)なかで証言を引き出すカードを提出し、意見の矛盾から犯人を見つけ出す。犯人だと思ったら言い訳も聞かず、即処刑! 次のマスに移動して殺人事件発生→処刑! スナック感覚で事件が起きる!

 いわゆる“嘘つきパズル”をもっと複雑にしつつ、ミステリーらしい時間軸の概念も入っています。カードで証言を引き出していけば、矛盾した発言をしている犯人がわかるので死刑執行! サクサク死刑にできるし、間違ってもペナルティはありますけど、ある程度は許されるので安心。繰り返しのローグライトとしてもおもしろく、なかなか頭を使うのでオススメです。

 「素手で3人から殴り殺された! 3人が示し合わせたように犯人だと言ってる人は間違いなく被害者だから、こいつらが共犯!」みたいなおもしろシチュエーションも発生するのが、ローグライクの推理ゲームならでは。クスっとくる組み合わせ、絶対出きると思います。

『パーリィナイトメア』:KAKUKAKU GAMES(カクカクゲームス) A-02

 悪夢(ナイトメア)に捕らわれた主人公が、自分自身でもあるホンノウちゃんと協力して脱出する見下ろし型アクション。楽しそうなゲームなのが伝わってくるキャラクターデザインが良いですよ。インディーゲームが多い会場のなかでもパッと目に入ります。

 今、流行っているサバイバー系に見えそうですが、もっとアクティブ。本作は、自分で攻撃ならぬパリィをすることが重要です。敵の攻撃範囲に入ったらパリィ! ゲージが溜まると画面全体を一気に破壊! 本能を揺さぶる爽快さがたまりません。展示される前から気になってたやつなんですよ~。

 一緒について来て、パリィをした相手を倒してくれるホンノウちゃんもいいキャラしてます。ド派手で楽しいパーリィタイム的な見た目の楽しさは、たぶん静止画だと伝わらないので実際に遊んで欲しい!

『BOOSTED』(AppleWatch専用ゲーム):5次元 A-70

 変わったゲームはたくさんありますが、会場のなかでも異彩を放っていたのが本作。なんとAppleWatch専用ゲームです。令和の時代にAppleWatchのゲームを作っている人がいたなんて感激! 当初、新たなゲームハードとして期待していたのですが、Apple Watchは今だと新作の専用ゲームがなかなか出ないんですよ。

 本作は1時間ほどで終わるアドベンチャーになっており、Watchの機能もちゃんと使って遊ぶものになっています。ストーリーは自動で進みますが、たとえば、後ろに下がれと表示されたら本当に後ろに下がらないといけません。腕を振ってズルもできるけどね(会場のスペースは狭いので仕方なし)。この作品のあとも、AppleWatch専用ゲームを作っていくようなので楽しみです。

『GUNS UNDARKNESS(ガンズ・アンダークネス)』:講談社ゲームクリエイターズラボ 09-E40

 個人的大注目作! あの『真・女神転生III』や『デジタルデビルサーガ アバタールチューナー』。『葛葉ライドウ』シリーズに『真・女神転生STRANGE JOURNEY』に……きりがなくなるので全部挙げるのは止めておきますが、『ペルソナ』シリーズで作曲を手掛ける目黒将司氏のオリジナルJRPGが試遊可能となっていました。やらないわけがない!

 “核が落ちた西海岸の街”から始まるゲームの雰囲気! 人間対人間のゲームだと思いますが、これは自分の好きな味がしますよ。長年、アトラス作品が好きで噛みしめてきた栄養に近い味。音楽だけじゃなく、目黒さんがこれまで仕事で関わってきたからこそ生みだされたのがわかる味ですね。だからこそ、物真似ではないオリジナルなものになっていますし、こういうのを求めていたのかも。

 ステルス要素があるのでTPSなのかと誤解していたのですが、ちゃんとコマンドバトルです。銃で敵を攻撃することでエンカウント。カバー状態で攻撃すると有利な状況からバトルが始まる形ですね。

 もちろん、弱点を突く要素もあります。ATTACKで敵の弱点を突くとカバー状態へ移行。カバー状態だとスキルの使用に必要なSPが0になります。弱点を突いて有利を作り出す。すごく! すごく、自分が慣れ親しんだしっくりくる感覚。音楽は当然目黒さんが手掛けるでしょうし、すでにシステムがこなれていてワクワク。うおおおお、早く遊びたいいぃぃ!!

『TEVI』:Neverland Entertainment 09-E56

 バニーガールの女の子・テビィが、縦横無尽にビュンビュン飛び回って戦うアクションゲーム。体験できる範囲では、ヴィーナという知り合いっぽい女の子とのボス戦が楽しめました。飛び交う攻撃、激しい弾幕、タイミングを見てよけるレーザー! ボスの攻撃が無茶苦茶激しい!!

 HPを削るごとに、どんどん攻撃の激しさが増していくのですが主人公側も高性能。空中ダッシュなどを駆使して回避しながら攻撃を当て、相手をブレイクさせてから浮かせて空中コンボを決める。派手にコンボを繋げていくゲームですね。

 初見でボスを撃破したことに驚かれ、スタッフの方からぜひ最高難易度に挑戦して欲しいと言われたので最高難易度もプレイ。さすがに、最高難易度は難しいのですぐに撃沈してしまいました。かわいいけど、なかなか手ごわいゲームですね。ノーマルでも(自分には)適度な歯ごたえでした。

『RABBIT&STEEL』:mino_dev 09-E95

 イラストに惹かれて立ち寄ったブースで、ローグライクの協力型アクションゲーム『RABBIT&STEEEL』を遊んできました。どことなく『ファイナルファンタジー』シリーズ(とくに14やタクティクス)のジョブイラストを思わせる絵柄が好感触。

 バトルのシステムも、クールタイムを意識しながらそれぞれのボタンに配置されたスキルを使っていく要素や、攻撃範囲として見えるものを回避しながら戦う感覚がMMOのレイドバトルっぽいですね。

 実際に、その場にいたスタッフも『ファイナルファンタジー14』などのMMOを遊んだことがある人だとわかりやすいシステムだと教えてくれました。中身はローグライク要素もあり、宝箱から出るアイテムで強化していく要素も。同じアイテムを選んだ場合、ダイスロールで誰が取るか決まるのもおもしろいですね。

 自分、スタッフ、ほかのプレイヤー(カップル)と一緒に4人で遊んだのですが、自分が倒されても誰かが生き残っていれば時間で復活できたりと、協力で盛り上がれる要素がいろいろ用意されていてワイワイ遊べました。

『READ ONLY MEMORIES NEURODIVER』:コーラスワールドワイド 09-E67

 『2064: Read Only Memories』というアドベンチャーゲームの続編。主人公や登場人物は違いますが、舞台は同じですね。飲み物・ハッシーが出てきたり、前作を遊んでいるとニヤリとするところも。『モスメン1966』の名前が出てきたので、また別のインディーゲームともコラボするのかな。前作は『VA-11 HALL-A』や『YIIK: A Postmodern RPG』ともコラボしていました。

 主人公のES88ちゃんが良いキャラしてて好き! クールなように見えて、すごく陰キャというか……仲間への態度とかひきつった表情もいい味だしてます。パートナーのニューロダイバーはキモいけど、悪いやつじゃなさそう。前作のカワイイ相棒・チューリングが懐かしい。

 今回は、人の意識にダイブして書き換えられた記憶を修復していくパートが存在。情報を集めて、何が消されたのかを推測するのは、ちょっとした推理ゲームみたいですね。TGS2020で発表されて2021年発売予定から2年延期していますが、この際なので待ちます。インディーは結構発表されてからが長いので全然平気!

『CASSETTE BOY』:ワンダーランドカザキリ 09-E77

 マップをクルクル回転させて物を見えなくさせると、実際に存在しないことになるという特殊なパズル。扉や障害物を消して先に進んだり、道をつなげたりと、発想の転換がカギになりそうです。

 『ダンジョンに捧ぐ墓標』などのボクセル系RPGを作ってきた開発者さんなのですが、今回はレトロゲーム風の色使いもあいまってかなり違う印象。得意とするパズル系の要素を伸ばした作品となっており、ああでもないこうでもないとマップと頭をひねってクルクルさせるのが楽しい作品でした。

『WITCH&LILIES』:ストロマトソフト 09-E117

 ラストは百合だーーーーっ! 女の子同士の絆の力でダンジョンを踏破する3DダンジョンRPGですって。百合は尊くて強い。前回のTGSではコンセプトのPVだけだったのですが、今回はダンジョン探索部分が試遊可能となっていました。割とガチの3Dダンジョンですよ。

 SPを使ってスキルを使い、強敵と戦う要素もバッチリ楽しめました。ナイトの職業で前列をかばったり、ネクロマンサーで敵に憑依して同士討ちをさせたりといった絡め手の戦法も可能。はい、好きなやつ~! 間違いない。

 絆を結んだ女の子同士の協力技もあり、仲間と交流していくことで探索も有利になりそう。PVで見られたアドベンチャーパート(たぶん街)っぽいところも気になりました。嫉妬して闇落ちしてるようなシーンもあったり。 

装備のせいか、ほかのキャラよりも太めに見えるナイトちゃんは絶対使いたい。とくに、フライヤーに乗ってたこのメカクレ(たぶん)ナイト良くないっすか? 太くてイイネ。ニッコリしちゃった。

 まだまだまだまだ、紹介したい作品が多すぎて困ってしまうTGS2023。毎年、30から50作品は遊んでから帰るのですが、今年は一般日も大盛況。

 インディーゲームブースでも、日曜は混雑が予想されます。土曜日の時点ですごい人だかりだったので、満足に狙ったものを遊べなかった……という人もいたかもしれません。そんな人は、ぜひ気になった開発者の作品をフォローしてください。体験版が出るタイミングがわかったり、リリースされたらいち早く気づけたりしてお得ですよ。

 メジャーなタイトルに負けないくらい、アイデア満載でこれぞゲームと言うようなこだわりや夢のあるインディーゲームブース。来年、TGSに行こうと思った方は、ぜひこちらのブースも見てください。楽しいですよ。あ、でもこれ以上人が増えると自分が試遊できる機会が減っちゃう……いや、やっぱり遊んで欲しい! 頑張ってる開発者のゲームを試して欲しい。そういうわけでみなさん、来年はインディーゲームコーナーに行きましょう!

東京ゲームショウ2023開催概要

【開催期間】
 ビジネスデイ……9月21日~22日 各日10:00~17:00
 一般公開日……9月23日~24日 各日10:00~17:00
【会場】幕張メッセ
【入場料】一般(中学生以上)2,300円(税込)
※小学生以下は無料

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