アドベンチャーファン注目の『エデン・スキマータ』がマジでスゴイ。斬新なシステムとミステリーならではの快感にアッという間に時間が過ぎ…これは期待しかない!【TGS2023】

まさん
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 2023年9月21日~24日にかけて、千葉県・幕張メッセで開催された“東京ゲームショウ2023(TGS2023)”。

 PLAYISMブース(01-C8)で展示されていたアドベンチャーファン注目の1本『EDEN.schemata();(エデン・スキマータ)』のレポートをお届けします。

 『EDEN.schemata();(エデン・スキマータ)』は“INDIE Live Expo 2021”で発表されて以来、インディーゲームファンの間で話題となっているSFミステリーアドベンチャー。

 『NEEDY GIRL OVERDOSE』で世界的な大ヒットを記録したワイソーシリアスのゲームレーベル“WSS playground”がプロデュース。グローバルパブリッシングをPLAYISMが担当し、発売は2024年を予定しています。

 開発は『Alice Escaped!』や『幻走スカイドリフト』などを手掛けたilluCalab.のEIKI`氏。

 さらに、『Fate/GrandOrder』の「虚月館殺人事件」や『ルヴォワール』シリーズで有名な推理小説家の円居挽(まどいばん)氏(代表作など)がシナリオを担当。

 キャラクターデザイン・アニメーションに、『Touhou Luna Nights』のパッケージアートなどを描いたゆたろう氏。

 サウンドに『サクラメント』(『バチカン奇跡調査官』ED)で知られるRD-Sounds(凋叶棕)と、豪華クリエイター陣が参加していることでも注目を集めています。

 TGS2023では、PLAYISMブースにて冒頭を試遊できるプレイアブルデモ(プレイの制限時間は15分)が出展されていました。

 なお、一部のアニメーションや背景がラフ絵の状態という開発中のバージョンであるため、撮影した画像が製品版とは異なる可能性があることをご了承ください。

捜査開始、即失敗。ヒロインを開始早々救えない衝撃の展開からの…?

 『ポートピア連続殺人事件』に『さんまの名探偵』。『逆転裁判』に『ダンガンロンパ』……。ファミコン時代から現在に至るまで、どんどん形を変えて進化していくミステリーアドベンチャー。

 大好きなジャンルなので、個人的にも注目していた『EDEN.schemata();(エデン・スキマータ)』を体験してきました。

 最初に結論から書くと、いや~これはもう期待しかない。マジで。本当に、このクオリティで最後まで行っちゃうの!? と思うくらい、冒頭から作り込まれてますからね。

  • ▲アンドロイドのイヴがヌルヌル動くアニメーションに引き込まれ、気が付くとプレイの制限時間があっという間に過ぎちゃいました。

 本作は記憶喪失の主人公が謎の研究室で目覚め、アンドロイドのイヴと出会う場面から始まります。

 そこにあったのは博士と呼ばれる首なしの死体。自分のこともよくわからないままに、いきなり殺人事件に巻き込まれるスピーディな導入からグッと引き込まれます。

 しかも、そこからがまた怒涛の展開。統合法規インターフェースのケル(研究室のAI?)が、イヴを犯人だと断言しちゃうのです。

 弁明する間も与えずに処分しようとする無茶苦茶なケルに対して、主人公は真犯人を見つけようと捜査に乗り出します。

  • ▲デスゲームものなどにいそうな煽り口調と、融通の利かなさがヤバいケル。こういうムカつくキャラをやり込めるのがミステリーゲームの醍醐味でもありますよね。会場のプレイ時間では出来なかったので、発売したらリベンジしてやる!

 そして、即失敗。初見では絶対失敗します。だって、コイツ5分しか猶予を与えてくれないんだもの!

 5分といっても実際の時間ではなく、何かを調べたりする行動可能な回数ではあるのですが、要は5回調べたら駄目ってこと。ポイントクリック型のアドベンチャーなのに、そんな回数制限でわかるわけないだろケル!!

 それでもなんとか調べてみるものの、流石に5回は無茶ぶり。ただ調べるだけでなんとなく怪しい……くらいしかわからず、何も出来ないまま時間が過ぎていきます。

 そして、無慈悲なケルの宣告。本当に何もできないままに処分されていいのか!? 無力感に苛まれるものの、当のイヴは何やら穏やかな様子です。

 なんと、これから死ぬ(壊される)はずなのに、プレイヤーに対して捜査のヒントをくれる余裕を見せてくるんですよ。

 どういうこと? でも、どうしようもないよ? いったい、何を知ってるの?

 じつは本作、最初からゲームオーバーになるのは想定内。失敗を前提に、何度も繰り返しプレイして証拠を見つけるゲームなのです。

 それだけならループものでよくありそうですが、本作はそうした繰り返しで物語に変化が起きるだけではなく、なんとシステム自体も変わってきます。UIやゲームのルールまで増えていく斬新なアドベンチャーだったのです!

 イヴのヒントを聞いてやり直すと、それまでいじれなかった新たなUIが追加。キーワードを突きつけるシステムが登場しました。プレイアブルデモ版でも十分変化を感じられるのですが、製品版ではさらにどんどん変化していきそう。

 Indie Live Expoで発表された時から期待していたのですが、これはおもしろい仕組みですよ。すごいぞ、このゲーム!

 とはいえ、5回制限という行動回数には変わりがなく、1手でも間違えると失敗。ふたたび、調査からやり直すことになります。

 リトライ自体はサクッと出来ますし、調査画面からやり直せるのですが、調べるべき順番や行動が決まっているので無駄にはできません。

 自分はわかっているのに別の場所を調べてしまって、時間を大幅にロスしたのが痛かった。そのせいで、制限時間内に試遊版をクリアできませんでした。く、悔しい……!

  • ▲調べられるところはたくさんありますし、今の段階ではまだ必要がないのだろうと思える情報もあります。無限にリトライできるプレイヤーの優位性を生かし、とにかく調べるしかない!

 プロの推理小説家の方が書かれているだけあって、気になる情報の出し方もうまいです。

 「ああ、もう絶対ココだ!」と考えながら証拠にたどり着き、偉そうなケルに対して突きつける審理パートに突入したときのうれしさったらないですよ。さあ、ガンガン反論してやるぞ~。

 これがミステリーの楽しさ。このジャンルでしか味わえない快感です。

 そんな感じで遊んでいたら、あっという間に(リアル会場での)制限時間である15分が経過。「申し訳ないのですが……」とPLAYISMの方に言われ、泣く泣くその場をあとにしました。くっそぉぉぉ! 証拠もやるべきことも見えて、反論も出来てここから反撃て感じだったのに~。

 とはいえ、試遊版なので最後まで遊べないのは一緒なんですよね。だから悔しくない。悔しくないぞ。でも、行けるところまでは行きたかったなあ……。

 ちょっと悔しい想いを抱きつつも、プレイアブルデモには大満足。プレイしてわかったのは、全体的なクオリティの高さですね。

 最近のインディーゲームは大手の商業作品にも引けを取らないハイクオリティなものが多いですが、本作も想像していたような単純なポイント&クリック型アドベンチャーではなく、とにかく新しい驚きを仕込もうという意欲と、アニメーションなどにも手を抜かない作り込みが感じられました。

 早く、早く遊びたい……! 自分のように新しい推理ゲームに飢えている人はもちろん、おもしろいゲームが遊びたい人にもフックがありそうな本作。発売は2024年でまだ少し先ですが、完成するのを楽しみに待っています!

東京ゲームショウ2023開催概要

【開催期間】
 ビジネスデイ……9月21日~22日 各日10:00~17:00
 一般公開日……9月23日~24日 各日10:00~17:00
【会場】幕張メッセ
【入場料】一般(中学生以上)2,300円(税込)
※小学生以下は無料

© WSS playground, illuCalab All rights reserved. Licensed to and published by Active Gaming Media Inc.

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