レビュー：『ジージェネ エターナル』をスマホゲームとあなどるなかれ。操作は快適で演出も間違いなく『ジージェネ』【TGS2023】

　2023年9月21日～24日にかけて、千葉県・幕張メッセで開催された“東京ゲームショウ2023（TGS2023）”。その会場で『SDガンダム ジージェネレーション エターナル（Gジェネ エターナル）』をプレイ。さらに、本作の開発チームにお話しも伺いました。

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TGSでプレイしたのはまごうことなき『Gジェネ』

　今回プレイできたのは、TGS用の特別バージョン。1人あたりのプレイ時間が短くなるTGSという環境にあわせて、さまざまなMSを最初から使用できました。

　プレイできたミッションは“シナリオステージ”という『機動戦士ガンダム』や『機動戦士ガンダムSEED』などの作品の物語をなぞるもの。『Gのレコンギスタ』や『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』なども確認できました。

　今回プレイしたのは『機動新世紀ガンダムX』より“月は出ているか？”。原作を視聴していなくても知っている人もいるだろう有名なシーンです。

　さて、スマホゲームはコンシューマと比べるとグラフィック面で劣るだろうというネガティブな感情を抱く人がいることは否定できません。

　ただ、TGSでは専用に作られたPVではなく実際のプレイの内容をそのままブース上部のモニターに出力されていました。つまり、試遊に並んでいるプレイヤーや偶然近くを通りかかったTGS参加者はモニターで本作の実機プレイ映像を見るわけです。

　当然スマホやタブレットよりもモニターは大きいのですが、映された映像に物足りなさや粗さはなし。とくに戦闘時のカットインは『Gジェネ』シリーズなら誰もが期待するSDでありながら迫力のあるものとなっていました。リアル頭身とはではないからこそのカッコよさは『Gジェネ』を語るうえで外せないですよね。

　また、タップやスライドといったスマホ定番の操作は、シミュレーションゲームと非常に相性がよいものです。
　
　例えばユニットを左下に動かしたい場合、コンシューマであればユニットを決定して方向キーやアナログスティックを左下に入力。カーソルが左下に動いていき、目的の移動先のマスに到着したら決定という手順になりますよね。これは『Gジェネ』シリーズだけでなく、多くのシミュレーションゲームで採用されている操作方法です。

　一方本作は、動かすユニットの決定も目的地の決定もタップでOK。スマホゲームだから当然ではありつつも、慣れ親しんだ『Gジェネ』の画面をタップで操作できるのは新鮮。コンシューマのシミュレーションの操作を決して不便という気はなく本作に触れた今でも“普通”のものと思っていますが、目的のマスにカーソルを動かすわずかな時間がカットされるのは思った以上に快適でした。

　さらに、バトルパートの間に原作カットを使ったストーリーの補完がされているのもポイント。

　上記の“月は出ているか？”の場合、バトルパート終了後に本作のユニットを使用したサテライトキャノンの照射シーンが入り、その後は原作カットの連続でした。ティファが倒れてふさぎ込むガロード、オルバによるティファの奪還、ジャミルの過去……TGSで見ようとしたらそれだけでプレイ時間が終わってしまうほどのボリュームがありました。

　ちなみに、プレイは戦力を重視した“おまかせ編成”を使ったためにミーティア2機をはじめとした見た目からして過剰戦力。一方的な蹂躙にティファの心をさいなむような結果になりました（笑）。

　また、もちろん『Gジェネ』ですから強化や開発といった育成要素もあり。TGSですから実際に強化などは行っていませんが、さまざまな作品からこれでもかというほどの機体が参戦しています。

　『Gジェネ』『Gジェネ』と書いてきたとおり、本作は決して“『Gジェネ』を再現しようとした少し物足りないゲーム”ではなく、“『Gジェネ』の新作”としてなんの不満もない内容。今後のCBTやリリースが楽しみになりました。

『Gジェネ エターナル』開発チームインタビュー

　そんな本作のTGS出展の狙いや、こだわりについて開発チームにお話を伺いました。

──TGS版はどういった内容になっているのでしょうか？

　以前に実施したCBT1をベースにTGS会場で遊びやすいように要素を抽出したものになります。

　CBTは限られたユーザーさんしかプレイできませんでしたので、より多くのユーザーさんに触ってもらって「ちゃんと『ジージェネ』だよね」と思ってもらうのが目的で、システム面などはCBT1から大きく変えてはいません。

──TGS版では多数の機体を使用できますが、なかでもオリジナル機体の魅力について聞かせてください

　『ジージェネ』オリジナル機体は、コンシューマ版でまず最初に手に入る多くのユーザーさんにとって思い入れのある機体です。

　久々に登場するオリジナル機体もありますし、“エターナル武装”という新兵器を用意しているMSもおりますので楽しみにしていただければと思います。

──ビジュアル面のこだわりについて聞かせてください。

　バトルなどのMSの描写は家庭用のエンジンをスマホ用に落とし込んだのでこのクオリティになっています。いちから作り込むというよりも既にあるものをしっかり活用した結果、今回の仕上がりになっています。

──CBTから操作面の変更点はありますか？

　オートモードや支援攻撃、支援防御など大枠の変更はなく、今後も『Gジェネ』のなかでオーソドックスなコマンドについては引き続き入れ続けようと思います。

　CBT1のフィードバックを受けてCBT2や正式リリースに向けて細かな変更は予定していますが、そちらは実際にユーザーさんに向けて情報をお出しした際に確かめてもらえればと思います。

──ユーザーさんに向けてメッセージをお願いします。

　TGSということもあって、スマホゲームファンやガンダムゲームファンに広くプレイしてもらえる機会になったと思います。とくにガンダムゲームファンには、「思った以上に『ジージェネ』だ」と思ってもらえたらうれしいですね。

　シミュレーションとしてもしっかりした作りにしていこうと思いますので、期待していただければと思います。

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