【遊戯王OCG】罠環境に起きた革命カード・サイコショッカー。場に出たら全てのトラップを無効にするフィニッシャーの1枚【メモリの無駄づかい】

ライオン松本
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 三つ子の魂百までと言われますが、幼少期に限らず、ゲームを遊んだ思い出は脳に深く刻まれるもの。

 何年、何十年たっても、「なんでオレ、こんなこと覚えてるんだろ……」と愕然とするような記憶が残りがちでして。

 そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります!

 さて、幼少期、特に小学生から高校生にかけて男子なら一度は興味が惹かれる、謎の魔力を持ったホビー“トレーディングカードゲーム(以下、TCG)”。あの頃に夢中で遊んだ僕たち、私たちの大切なカードたちは思い出とともに永遠に胸に刻まれるもの。

 そんな誰しもがハマってしまった経験があるだろうTCGというジャンルから色々な昔話をお届け。本稿では『遊戯王』から“サイコショッカー”の思い出を語っていきます。

罠を封殺するフィニッシャーの1枚・サイコ・ショッカー

 アニメ、漫画、OCGすべてで1度は大きな活躍を見せたカード・人造人間 サイコ・ショッカー。原作では城之内の切り札の1枚として多くのデュエルで活躍したのは、決闘者なら知っているはず。とはいえ、一応効果のおさらいはしておきましょう。

人造人間 サイコ・ショッカー

星6/闇属性/機械族/攻2400/守1500

1.このカードがモンスターゾーンに存在する限り、お互いにフィールドの罠カードの効果を発動できず、フィールドの罠カードの効果は無効化される。

 1行しかない短いテキストなのに、書いていることが強力。これぞ、初期の『遊戯王』って感じですよね。効果はそのままの意味で、サイコショッカーが場に出た瞬間から、カウンターを含めて全ての罠が無効化されてしまうという(当時では)最強の効果を持ったカード。

 このカードが流行っていた頃は、場のモンスターの除去や妨害のメインとなっていたのは罠系で、それを全て無効にできるというのは、とんでもなかったんです。これがあるだけで、ミラーフォースや奈落の落とし穴、炸裂装甲といったパワーカードが全部腐っちゃうわけですし。

 問題があるとすればサイコショッカーが上級モンスターであり、基本的に生贄召喚(現代のアドバンス召喚)が必須だった点。今ではモンスターを召喚権を使わずに場に用意するのは簡単ですが、昔は召喚やセットでターンを返すのが普通だったので、場にモンスターが残るのはあまりなかったんです。なので、少し出すのが難しそうかなー、なんて評価もされていました。

 ただ、その後に天使の施しや苦渋の決断といったカードで墓地にサイコショッカーを落として、相手のターンにリビングデッドの呼び声で蘇生するという凶悪なコンボが早期に発見されてからは、ほぼ環境のデッキには入っていた気がします。

 何せ相手が後攻からこっちを妨害するための罠を伏せても、ターンを渡す前にサイコショッカーが出てくるせいで、その伏せカードが全部使えなくなっちゃうわけですからね。

相手からの妨害がなく、安全に動ける強さは今も昔も同じ。それを割と簡単にやっちゃうのがサイコショッカーだったんです。

 ただ、このカードは少し裁定がややこしいカードでもありました。例えば場のモンスターの効果を全て消し去るスキルドレインが場にあった場合、サイコショッカーの罠無効とどっちが優先されるのか、とかです。

 答えは「先に場に出ていたカードの効果を優先して適応する」です。なので、スキルドレインがある状態でサイコショッカーを出しても、罠が使えてしまい、逆にサイコショッカーが場にいたらスキルドレインの効果は消えちゃうってことですね。

 まぁ、その辺を差し引きしても強力だったので、発売された2000年の9月からわずか数ヶ月で制限に指定されたカードでもあります。今では無制限ですが、過去には大暴れしていました。

 ちょっと前にアプリ『マスターデュエル』で過去のレギュレーションを体験できるイベントがあったんですが、そこでも結構活躍していました。

 ああいった先行ドローありの環境で、低速のゲームをしていると「あー、これが『遊戯王』だよな」って感じる一方で、歳をとったなぁと複雑な心境でした。また、あのイベントやってくれないかなー。


ライオン松本:ADVで人生を破壊されたヲタク。最近は先生、開拓者、冒険者、騎空士、マスターなどを兼業してるフリーライター。


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