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『霧の戦場のヴェルディーナ:C.A.R.D.S. RPG』先行レビュー:王道SRPGとデッキ構築ローグライクの融合。唯一無二の独自性はカードゲームファン必見【電撃インディー#643】

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 アクワイアより5月23日に発売予定のPS5/PS4/Nintendo Switch/PC(STEAM)用ゲーム『霧の戦場のヴェルディーナ:C.A.R.D.S. RPG』の先行レビューをお届けします。

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■PS5版

■Nintendo Switch版

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!



シミュレーションRPG×カードゲームの独自性の強いゲームシステムを採用!【霧の戦場のヴェルディーナレビュー】


 本作の特徴は、シミュレーションRPGとカードゲームを融合した独自性の強いゲームシステム。

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 基本システムこそオーソドックスな王道シミュレーションですが、バトルシステムはカードゲームとなっており、ローグライクらしいランダム性のあるデッキ構築を楽しみながらステージを攻略していきます。

 戦闘中は、手札にランダムで配布されるカードを使い、攻撃や回復などを行うことが可能。コスト分だけカードを使用することが可能で、強力なカードほどコストが高めです。

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 バトル終了時などに新しいカードを入手することで、デッキを構築していけます。最大50枚までのデッキを組み替えながら、自分ならではの戦略を考えていくのが楽しいです。

 カードの種類は多種多様で、シンプルな攻撃カードから防御カード、回復カードや強化カードなどを使い分けることが可能。カードによっては複合的な効果を持つものもあり、新しいカードを入手するたびに戦略に幅が出ます。

 カードはステージを進むごとに同名カードであっても強力なものが入手可能になり、カードを強化して効果量強化や別効果を得ることも可能です。

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 とくにドロー手段はゲームを進めるごとにバリエーションが増えていくので、中盤以降はデッキの回転率を上げて思い通りの戦術をとりやすくなります。

 低コストで手札を引き直すことができる“仕切り直し”などのカードもあり、デッキを回して「ずっと俺のターン!」をするのが楽しくてしかたがない!

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 0コストでコスト数を+1できる“力の源”など、汎用的な効果を持つカードも。(おそらくですが)誰がプレイしても定番になるであろうカードがあるぶん、デッキ構築のハードルが低くなっているのはうれしいポイントですね。

 なお、“仕切り直し”や“力の源”など、超汎用的な性能を持つカードは序盤から入手可能で、終盤まで活躍しますが強化はできなくなっています。

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 ちなみに自分がゲームクリア時に使っていたデッキでは、“力の源”でコストを増やしつつドローカードで手札を増やす→“仕切り直し”で手札を引き直し→コストを余らせて強化カードを使う→攻撃カードを使うという流れが勝ち筋でした。

 “デッキの回転率をとにかく上げる”というコンセプトのデッキでしたが、かなり強いデッキを作れた印象。とはいえ、これが最適解なのかは分からないので、製品版発売後にどんなデッキが構築されるのか楽しみですね。

 対戦要素がないシングルプレイ用のゲームだけに、派手な効果を持つカードが多いので、爽快感のあるカードゲームをプレイしたい人にオススメです。

シミュレーションRPG部分は比較的シンプル! ユニットを使い分ける王道の楽しさが味わえる【霧の戦場のヴェルディーナレビュー】


 一方シミュレーションRPG要素に関しては、比較的王道でシンプルな作りになっています。

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 ユニットのカスタマイズ要素が装備品の付け替えくらいなので、シミュレーションRPGにありがちな準備パートの煩雑さもありません。ユニットのレベル上げ時のステータス振り分けなどもなし!

 戦力の多くをデッキ構築に依存するため、カードゲーム要素に集中できるのはうれしいバランスです。

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 シミュレーションRPGらしいユニットの個性は存在しており、移動距離や攻撃射程などが異なるので、敵の数や状況に合わせた使い分けが可能。

 ユニットはすべて名前付きのユニークキャラクターで、汎用的な剣士、ドロー能力に優れた盗賊、遠距離攻撃に優れた弓兵や魔法使いといったように個性がハッキリ分かれています。

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 とくに弓兵や魔法使いは遠距離から一方的に攻撃できるので、うまく使えば安全にボスのHPを減らしていける点が強力。高難度で挑む場合は、遠距離系ユニットをいかに使うかが重要になりそうですね。

 個人的にはやはり団長であり万能型の能力を持つヴェル・ディーナを使う機会が多かったですが、どのユニットにも活躍の機会があるバランスになっています。

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 なお、育成要素としては指揮官スキルの習得があります。こちらは習得することでユニット全員の能力が上がるもので、新たなユニットの開放も可能。

 いつでも振り直しが可能なので、気になるユニットを気軽に開放できます。また特定のカードの出現率を上げることも可能で、デッキ構築にも役立ちます。

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 マップ上では敵味方以外に宝箱や探索ポイントもあり、装備品の入手、カードの取得、強化、破棄が可能となっています。霧で視界が防がれたマップを進み、ボスを倒すという目的自体は全マップで共通ですね。

 ちなみに、霧は偵察兵などで進軍すると視界を確保できるほか、アイテムで晴らすこともできます。

王道ファンタジーな世界観&ストーリー! 全体のボリューム感は?【霧の戦場のヴェルディーナレビュー】


 本作の世界観やストーリーは王道ファンタジー。

 キメラを作り出す技術を有する大国に立ち向かう傭兵団“クラウゼヴィッツ傭兵団”のメンバーを中心にしたストーリーが描かれます。

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 敵味方の構図が分かりやすく、エンディングまでプレイすると傭兵団の活躍の一部を切り取ったようなストーリーになっている印象ですね。

 ストーリーパートは比較的短めですが、意外性のあるストーリーが展開します。


 傭兵団のメンバー同士はすでに関係性が出来上がった状態からストーリーが開始しています。各キャラクターのバックボーンなどは、公式X(旧Twitter)などで公開されているので、そちらも要チェックです。

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 全体のボリュームとしては、全20ステージで、筆者はクリアまでに15~20時間ほどかかりました。ただしうまく戦術を見つけられてスムーズにサクサクとプレイできた結果ではあるので、プレイスタイルによってはもう少しクリア時間が前後すると思います。

 またクリア後はワールドマップが開放。自由に任意のステージに挑めるようになります。ここでデッキを突き詰めていったり、未取得のカードを埋めていくのが、クリア後のやり込み要素になりますね。

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 カードゲーム+シミュレーションRPGと、比較的敷居の高そうなジャンルを組み合わせながら、各要素が整理されていて誰でも簡単に遊びやすいバランスになっているのが本作の魅力。

 両ジャンルの初心者であっても取っつきやすいゲーム性とボリューム感になっているので、ぜひ気軽に触ってみてください!

5月22日19時より電撃オンラインchで先行プレイをお届け【霧の戦場のヴェルディーナレビュー】


 電撃オンラインchで、毎週水曜日19時から好評連載配信中の生放送
「うどんの野望」

 本番組は、歴史ゲーム、シミュレーションゲーム、レトロゲームが大好物の名物ライター“うどん”と、うどん担当編集の“KYS”の2人が繰り広げる、雑談話満載のおっさん癒しのゲーム実況番組です。

 その「うどんの野望」にて、5月22日(木)19時より『霧の戦場のヴェルディーナ:C.A.R.D.S. RPG』の先行プレイをお届けします。

 本作がどのような作品なのか、番組でもチェックしてみてください。


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