『ドラッグ オン ドラグーン』シリーズ座談会、佳境へ。ヨコオタロウが暴く『DOD2』安井ディレクターの心の闇＆『ニーア』反省話

文：タダツグ

■『DOD』サーガの時系列を整理してみる

松下：ちなみに『DOD』ってマルチエンディングというか、いろいろな可能性がある終わり方をするじゃないですか？

ヨコオ：（フードのメニューを広げながら）あ、僕？　僕に聞いてました？　はいはいどうぞ。マルチエンディングがなんですか？

松下：時系列でいけば、『DOD3』→『DOD1』→『DOD2』って流れになるんですよね？

ヨコオ：そうですね。基本的にはそうです。『DOD1』にも『DOD2』にもいくつかルートがあるわけで、そのうちの1つとでもいいますか。

野村：そこはまだ、あんまり掘り下げても書けないんじゃない？　たぶん。今の時系列の部分はいいんだろうけどさ。

ヨコオ：そうですね。あんまり掘り下げても書けないよって部分も含めて、そう書いておいてもらえれば。

佐々木：です（笑）。

松下：イチファンとして聞きたかったってところなんですけど。

野村：聞くには聞いていいんだよ。いざとなれば伏字にするとかやり方あるし、スクエニさんにバッサリ取られても、それはそれでいいんだって。

佐々木：俺のことはもう、バッサリ削った悪人として書いてもいいよ。

一同：（笑）

松下：でも、アクション部分とか、ストーリーとかキャラとか、どこに一番期待してるかというと、やっぱりストーリーと、それ以上にキャラなのかなぁって僕の中では思ってます。ちょっと気になりますよね。

ヨコオ：うーん、まあでもストーリーとかキャラとかを楽しみたいのなら、おもしろい小説とか映画がいっぱいあるから、そっちを見ればいいと思うんですけどね。

松下：ゲームでしかできないものを作りたい、と？

ヨコオ：そうなんですよね。ゲームでしかできない体験ってなんだろうっていうのは、僕がよく考えるテーマの1つなので。ストーリーは別に、そんなたいした話じゃないかもしれませんよ。

松下：逆にいえば、その“ゲームならではの部分”のハードルが上がってるってことなんでしょうか？

ヨコオ：うーん。この世の中に、おもしろいゲームっていっぱいあると思うんですよ。RPGなら『ドラゴンクエスト』とか『FF』とか。アクションなら『Devil May Cry（デビル メイ クライ）』シリーズとか、すごくおもしろいなと思っていて。あれさえあれば、アクションゲームなんて他に作る必要ないんじゃないか……くらいに僕は思っているわけです。

松下：ふむふむ。

ヨコオ：だから、『DOD3』はそこじゃないところをがんばりたいなと思うんですよね。いつも隙間産業みたいなことばかり言ってますけど。

松下：とはいえ、なんらかのサプライズは期待できそうですね？

ヨコオ：いや。あまり期待しないでもらいたいんですけどね。

松下：それってもはや、ヨコオさんが言うと「期待してください」に脳内変換されちゃうんですけど。

ヨコオ：本当に、言葉どおりの意味なんですけど……。

▲Twitterやインタビューなどで「あまり期待しないでください」と言われると……どうしても逆に期待が高まってしまうファン心理。

→そして話題は、再びロゴの話へ帰結する

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