2013年4月22日(月)
『ドラッグ オン ドラグーン』シリーズ座談会、佳境へ。ヨコオタロウが暴く『DOD2』安井ディレクターの心の闇&『ニーア』反省話
スクウェア・エニックスが2013年に発売する、期待のPS3用ダークファンタジー『ドラッグ オン ドラグーン3』。その発売を待ちきれないファンを代表し、電撃オンラインの『ドラッグ オン ドラグーン』記事作成チームが、ヨコオタロウ氏らシリーズの開発スタッフをお迎えして座談会を実施。
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酔いが進むとともに話題はゲームの開発秘話を逸脱し、ヨコオ氏、および安井章氏の心の深淵へと踏み込むことになっていく。混迷を深める中、思い出したように語られるゲームのネタバレもお見逃しなく!!
なお、この座談会は、『ドラッグ オン ドラグーン(以下、DOD)』ファンにとっては聖地といえる新宿にて、3月某日仏滅の夜に行われた。
→ヨコオタロウ氏の開発秘話カンペが読める座談会Part1はこちら!
→過去作品のぶっちゃけトークが読める座談会Part2はこちら!
【『DOD』シリーズ座談会参加メンバー】
・ヨコオタロウ 『ドラッグ オン ドラグーン3』のクリエイティブ・ディレクター。初代『ドラッグ オン ドラグーン』でもディレクターを務めた。
・安井章 『ドラッグ オン ドラグーン2』のディレクター。初代『ドラッグ オン ドラグーン』ではデザイナーを担当。
・佐々木隆太郎 スクウェア・エニックスの宣伝部に所属。『ドラッグ オン ドラグーン3』のプロモーションを担当。
・野村一真 電撃オンラインの編集長。初代『ドラッグ オン ドラグーン』の攻略本で編集を担当。
・染谷行人 電撃オンラインの『ドラッグ オン ドラグーン3』の担当編集。
・松下忠嗣 ライター名はTDB。電撃オンライン、および『電撃PlayStation』の『ドラッグ オン ドラグーン』シリーズ記事担当。過去のインタビューを通じてヨコオ氏と交流があり、たまにプライベートでも飲みに行く。
■『DOD2』のディレクター・安井章が秘める心の闇 その2
安井:いや、そろそろ僕の話はもういいでしょー。『DOD』とかまったく関係なくなってるし。
ヨコオ:まだまだ安井さんトークのセクションですよ。ちなみに、ちょっとリアルな話をしますと、彼は当時、大阪のデパートでアルバイトをしていたんですよ。で、そこで知り合ってできた彼女がいて、2年間僕に隠し続けて、4年生の時に言った、と。友だちだと思い込んでいた、この僕にですよ。もうね、当時は本当にすごくガッカリして、安井さんはマジすさまじいわ~と思ったんだよね。
松下:なんで安井さんは隠してたんですかね。ご本人も覚えていないみたいですけど。
安井:いや、覚えていないっていうか、ヘタなことを言うと、一人歩きするんですよね、情報が。
松下:なんか盛ってきそうですもんね。
安井:盛ってはこないまでも、必ずしも真実でもないみたいな、絶妙なさじ加減で一人歩きさせるのが、この男の得意技なので。油断できないんです。
ヨコオ:どっちがですか。入学式の時に会った友だちに、2年間ずっと彼女のことを隠すって尋常じゃないと思いませんか?
安井:その言い方からして、何か尾ひれがついた気がするんだよね。
松下:すでにこの話が盛られている可能性もありますかね?
ヨコオ:盛ってないって!!
松下:なんの話をしていたのやら。
ヨコオ:僕ら2人の間には愛憎が渦巻いているという話ですよ。
松下:愛も渦巻いてるんですか?
ヨコオ:いや、僕は好きですよ。彼のこと。あ、そうだ、安井さんには名言があるんで紹介しておきますね。彼には「わかるねんけど、わからへんねんなー」っていう安井語録があるんですよ。
松下:ん? 結局わかるのかわからないのか……。というより、安井さんは実際にこんなことをおっしゃられてるんですか?
安井:ええ、まあ……言ってるみたいですね。いや、実際に言っているのかは自覚がないんですけど、そんなようなことは言ってるよねって周囲の人間にはよくからかわれます。みんなウケてるから、きっと言ってるのかもしれません。
ヨコオ:きっとじゃないって。言ってますから。
松下:安井さんから見て、ヨコオさんという人物のことをひと言で表すと?
安井:え? ひと言で?
ヨコオ:ちょっと待って。その前に、僕がまだ安井さんの魅力を語り足りてないから。
安井:いや、君はいいから、黙っててくれるか? ほら、ビールでも飲んでればいいじゃない。
染谷:(無言で店員の呼び出しボタンを押す)
ヨコオ:安井さんの魅力はですね、本質的には闇の側の人間だと思うんですけど、「わかるねんけど、わからへんねんなー」みたいに、世界の人々に対して、とても柔らかく接することができるところなんですよ。結果、誰に対しても感情を持たない人みたいになっていて、そこがまたすごい。
松下:あの……それ、ダメな人みたいな言い方に聞こえますけど。
ヨコオ:いや、人とかそんな次元の話じゃない。存在自体が「安井さん? そんな人いたっけ?」みたいな、超常的な存在になりかけてる。宇宙の流れの一部になってきてる。
松下:……やっぱりほめてませんよね?
安井:もうコメントしません(笑)。
ヨコオ:実際、安井さんは今結婚していますけど、それだってあくまでそういう流れだったから結婚しただけで。「別に生きてればそんなこともあるかもしれへんな~」みたいな。そういう世渡り、普通はなかなかできませんから。自分でも何を言いたかったのか忘れ始めてますけども。
松下:うーん、こちらとしても正直よくわかりませんけど、つまりはそんな人が『DOD2』を作っちゃったんですね?
ヨコオ:そうです。あれは彼の心の闇が生み出したものに違いない。
安井:なんだか憤るわー。
ヨコオ:憤りね。そんな感情を持っているように演じてくるところが、一番恐ろしいです。
安井:なんでそんな結論になんねん。
松下:まぁ、とはいえ安井さんとヨコオさんの関係も、さっきの語録で言えば「好きやねんけど、好きやないねんなー」みたいなところなんですかね?
安井:あーそうですねー。うん、そうですねー。ヨコオさんと渡り合うのには深い闇が必要なんだってことかもしれませんねー。
ヨコオ:やはり、世界と柔らかくかかわれる男は違う。だって安井さんは、たとえば僕が違うところで松下さんの悪口を言っていたとすると、「せやねんなー」って合わせることができる男ですから(笑)。
安井:それはね……、うん、言うかもしれないね(笑)。
松下:それは安井さん、ダメ。ダメですたぶん(笑)。
安井:ほら、また陥れられた……。
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▲ヨコオ氏とはまた違った意味で、安井氏も心に闇を抱えていることは間違いなさそう。『DOD2』にも、そんな彼の人となりがよく表れている……かもしれない。 |
→まだまだ続く……
『DOD2』のディレクター・安井章が秘める心の闇 その3(2ページ目へ)
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