2013年4月22日(月)
松下:ここまでくると、ヨコオさんの話よりも安井さんご自身の話が聞きたいなー。
ヨコオ:安井さんって今まで、あんまりメディアに出てないじゃないですか。そこをこう、電撃さんのパワーでぐぐっとね。安井さんの本当の闇というかアビスというか、僕は“奈落”って呼んでるんですけどね、彼のこと。すべてを吸い込むようなブラックホールのような部分を暴き出してほしいんですよね。
松下:すべてを吸い込む……それって包み込む包容力ってことにもなりません?
ヨコオ:いや違います、奈落。
安井:ちなみに、この前見せていただいた『DOD2』の記事で、“古の覇王”のストーリーがあったかと思うんですけど。
松下:ああ、はい。ウェポンストーリーですね。
安井:あれは本当にいろいろな人が書いているんですけど、あの“古の覇王”を担当したプランナーがおもしろいことを言ってまして。
松下:ふむふむ。たしか、2人の武将の話ですよね? 記事ではこのセリフの下に、古の覇王の『DOD2』のウェポンストーリーがさら~っと流し込まれたりしてると思うので、どうぞそのまま続けてください。
[LV1]その昔、とある国に“剛の武将”と“柔の武将”という、二人の優れた武人がいた。二人はお互いを認め、常に意識し、鍛錬に勤しんでいた。この魔剣“古の覇王”に魅せられ、取り合うことになるまでは…。剣を巡り、激しく衝突を繰り返す二人。
[LV2]魔剣を巡る争いは戦争へ発展する。剛の武将は自らが生み出した鉄壁の布陣で、百戦錬磨の戦績。一方の柔の武将は、型のない各々の力に任せた戦法。勝負の行方は誰にも想像がつかなかった。
[LV3]序盤は剛の武将が完全に戦局を支配していた。しかし次第に柔の武将の臨機応変な戦略が剛を翻弄する。ところが、不利になるも意地を張り布陣を崩さない剛に、柔の戦法も段々と通用しなくなっていく。戦局は混迷を極めた……。
[LV4]その後……戦の終わった跡地を訪れた村人はこう語った。『剛の武将も柔の武将も二人とも、それは素晴らしい武人だったよ。ただ、極端に優れていなくても、剛も柔も少し兼ね備えていれば、みんな幸せになれただろうに。』
安井:この古の覇王のウェポンストーリーの中に、“剛の武将”と“柔の武将”というのが出てくるんですが、プランナーいわく、これは僕とヨコオさんの2人のことを示しているらしいんですよね。
ヨコオ:え、ちょっと!! 僕、今初めて知ったんだけど。
松下:でもこれって、最終的にどっちが勝ったとか負けたとかって話じゃないですよね。
安井:そうですねぇ。2人とも仲よくすればいいのに、って話ですねぇ。
松下:そんな裏話を知っていると、よりオチがついておもしろいですね。僕、ちなみに武器の中で一番好きなのは“古の覇王”なんですよ。めちゃくちゃ使いやすいじゃないですか。
安井:攻撃が速いですもんね。
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▲攻撃範囲こそ狭いものの、その振りの速さで敵を圧倒していける古の覇王は、ファンの間でも人気が高い武器。 |
松下:ちなみに、ヨコオさんから見て、どっちが剛の武将のモデルで、どっちが柔の武将のモデルなのかわかりますか?
ヨコオ:僕は自分自身は剛の者だと思いますけど。でも、安井さんは柔じゃないんだよな。闇です。いや、むしろ無に近いですね。
松下:無?
ヨコオ:英語で言うと、空虚とか無を表す“Void”。すべてが吸い込まれる存在です。この人、今こうやって笑っていますけど、安井さんの本当の魅力は、安井さんの周囲にいる人のほうがわかってる。
松下:そこが魅力なんですね。
安井:まったくコメントができないんですけど。置いてきぼり。
松下:ごめんなさい。表面的なとらえ方しかできてないかもしれないけど、安井さんは他人に興味がないんでしょうか?
ヨコオ:ありません! 他人どころか、安井さんは世界自体に興味がなくて、さらには自分自身にも興味がないんですよ。だから“無”なんですね。ぶっちゃけ、安井さんは『DOD1』にも『DOD2』にも、ましてや『DOD3』になんて、ちっとも興味がないですよ。
松下:そんなことないでしょ!
ヨコオ:いや、絶対にないですよ。断言できる。
松下:そこで安井さんも「そのとおり!」って顔でうなづかない!!
ヨコオ:ね? どんな局面でも適当にうなづいてるじゃないですか。で、「そうなんですか?」って聞くと、「そんなことないです」って言いますよ。
安井:うんうん。
松下:え、そうなんですか?
安井:そんなことないです。
一同:(爆笑)
安井:いや、この流れでどう言えと(笑)。
ヨコオ:もどかしいわー、今この場にいるみんなに安井さんの本当の姿をお伝えできないのが残念でしょうがない。
松下:逆に言えば、そう簡単に把握できる方じゃないと。そんな安井さんが作ったのが『DOD2』だったんですね。
安井:そうかもしれない。
ヨコオ:そうかもしれない? 何、そうかもしれないって。作ってないかもしれないの?
安井:作ってないかもしれない。
野村:(爆笑しながら)なんだこの掛け合い。これ記事にしろよ。
松下:もちろんですよ(笑)。
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▲『DOD』にも、自分にも他人にも、世界にも興味がないといわれる安井氏。そんなことないですよね?(注:写真とキャプションに関連性はありません) |
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