『ガールズバンドクライ First Riff(ガルリフ)』に登場するオリジナル新バンド・F-272(エフニーナナニ)の初となる1stワンマンライブ“F-272 1st ONE-MAN LIVE The Dissonant “I DOLL“”が、2026年7月20日に代官山UNiTにて開催されました。
本ライブのオフィシャルレポートをお届けします。
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2026年4月に結成されたF-272は、『ガールズバンドクライ First Riff』から生まれた新バンドとして、音楽事務所B ZONEのオーディションで選ばれた5人によるロックバンドだ。
これまで素顔も明かされず、楽曲も一切配信されなかった彼女たちは、ネオ・インダストリアルなサウンドが印象的なデビューデジタルシングル「Diorama」でついにベールを脱ぎ、初ワンマンとなるこの夜、その全貌をステージでさらけ出すことになった。
F-272が所属するB ZONE GROUPは、高崎晃(LOUDNESS)、松本孝弘(B’z)、春畑道哉(TUBE)、増崎孝司(DIMENSION)といった、日本のロック/ポップス/インストシーンを牽引してきたギタリストたちを輩出してきた“ギタリスト最強クラス”の事務所として知られている。その長い歴史の中でも、F-272は初の「ツインギターガールズバンド」という存在だ。
その事実だけでも、この夜に向けられた期待の熱量は並ではない。
その謎めいた姿をひと目見ようと、代官山UNITは開演前から異様な熱気に包まれていた。ステージ上には、ギターアンプとベースアンプが無造作に並べられているだけ。余計な装飾を排したその光景が、今夜は“音”そのものの洪水に身を委ねる一夜になることを無言で告げているようだった。
いよいよ開演時間。
どんな素顔で、どんな演奏で、どんな楽曲を鳴らすのか。心臓の鼓動を模したSEが場内を満たし、期待と緊張がないまぜになった瞬間、ステージを覆っていた幕が振り落とされる。デビュー曲「Diorama」のイントロが轟き、F-272の5人がついに観客の前へその姿を現した。
この日まで、唯一公開されていた楽曲は「Diorama」ただ一曲。それだけに観客の多くが音源を聴き込んで臨んでいたはずだが、ステージから放たれたサウンドは、その予想を易々と飛び越えていく。オリジナル音源よりもさらにスピード感と緻密さを増し、荒々しさすら帯びたバンドサウンドが、オーディエンスの体を真正面から打ち据える。
抑え込まれていたボルテージが一気に爆ぜると、高速カッティングギターが突き刺さる「A Tragic Mirage」へ。映像演出も駆使しながら広げられていくバンドの“世界”に、悲鳴のような歓声がフロアのあちこちから上がる。
続く3曲目「Neverland」は、未発表曲でありながら、そのメロディとコーラスワーク、そしてアンサンブルの完成度によって、早くもバンドとしての幅と奥深さを世に放つ楽曲となっていた。続けてバンドのドキュメンタリー映像が流れ、初ライブに望む彼女たちの姿も垣間見ることができた。
ライブ後半パートのはじまりである4曲目「Sanctuary」は、F-272の音楽性の広さを知らしめるインストゥルメンタルナンバーだ。ベース、ドラム、ツインギターによる重厚でありながらどこか神秘的なサウンドスケープがフロアを包み込み、観客はただその壮大な世界観に身を委ねるしかない。
5曲目の「UNDEAD」では、ギターのMIYUがリードボーカルを担当。ゲームとは別の独自の表現を広げ、鋭く重なる歌声はF-272の音楽性の強さを否応なく見せつけた。
続く「Shallow」では、性急なリズムと細かなハイハットワークを駆使するドラマー・YOSHIのプレイに、自然と視線が吸い寄せられていく。手数やパワーの誇示に終始するのではなく、バンド全体をドライブさせるために必要なものだけを選び抜くようなドラミングが、楽曲を一段と鋭く際立たせていた。
そして本編ラストの「Ghost note」へ。余韻を残しながらも、どこか不穏で、しかし中毒性の高いこの曲が終演を告げると、観客の表情には「もっとこのバンドの音を浴びていたい」という感情がありありと浮かんでいた。

この日のセットリストは、アンコールを含めすべてオリジナル曲。その作家クレジットはいまだベールに包まれたままだ。この“謎”もまた、今後少しずつ明らかになっていくのだろう。
約1時間。決まりきったMCはほとんど存在せず、ただひたすら楽曲そのものと向き合い続けたステージは、“初ワンマン”という言葉だけではとても括れないほど濃密だった。

改めて、この5人が持つポテンシャルについて触れておきたい。
一点を見据え、この世のすべてと対峙するかのように声を絞り出すボーカル・LUCA。今にも壊れてしまいそうなほど儚いのに、一度耳にしたら忘れられない鋭さと芯の強さを兼ね備えた歌声は、バンドの感情のすべてを代弁しているかのようだ。
そしてバンドの“中枢”とも言える、MIYUとTOWAによるツインギター。再現不可能と思えるほど複雑なフレーズを、お互いが完璧な精度でコントロールし合い、F-272の核となるギターサウンドの世界を構築していく。そのアンサンブルは“技巧”という言葉では片づけられない、構造そのものがアートとして成立しているような説得力を持っていた。
それを支えるリズム隊もまた強力だ。最年少ながら、歴代のロックドラマーたちの影をどこかに宿したYOSHIのドラミングは、パワフルでありながら、楽曲ごとに求められる温度とダイナミクスを的確に描き分けていく。
ベースのHINANOは、まるでソニック・ユースのキム・ゴードンの系譜を受け継ぐかのような、クールでオルタナティブな佇まいとプレイでバンドの低域を支配する存在だ。無駄な動きをそぎ落としたラインでありながら、楽曲に荒々しい色彩を塗り重ねていき、F-272のサウンドをさらにオルタナティブな方向へと押し広げている。
近年、多くのガールズバンドがシーンに登場しているが、F-272が放つ個性は、そのどれとも安易に交差しない。ノイズとオルタナティブを基調にしながらも、メインストリームともアンダーグラウンドとも異なる、第三の地平を切り拓こうとしているバンド。ステージに立つ5人の姿からは、そんな未来図が垣間見えた。

1stステージにして、眩暈がするほどの可能性を見せつけたF-272。
アンコールを含む全8曲が終わったステージのラスト、スクリーンに映し出されたのは、早くも次なるワンマンライブの告知だった。次の舞台は、さらにキャパシティを拡大したCLUB CITTA’。
代官山UNITで確かな「First Riff」を刻みつけた彼女たちが、ここからどんなスケールで鳴り続けていくのか。期待は高まる一方だ。
■2ndワンマンライブ情報
日時:2027年1月29日(金)
会場:CLUB CITTA' KAWASAKI(クラブチッタカワサキ)
F-272 1st ONE-MAN LIVE The Dissonant “I DOLL“公演概要
■日時:2026年7月20日(月・祝) 開場16:00/開演17:00
■会場:代官山UNIT
■出演者:F-272(@F_272_GBC)
~メンバー~
YOSHI(@yoshi_F272)
MIYU(@miyu_F272)
TOWA(@towa_F272)
HINANO(@hinano_F272)
LUCA(@luca_F272)
セットリスト
1.Diorama
2.A Tragic Mirage
3.Neverland
4.Sanctuary
5.UNDEAD
6.Shallow
7.Ghost note
EN. Diorama




