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ゲームフリーク最新作『ビースト・オブ・リンカネーション』戦闘で重要なのは、複雑な操作より“タイミングと判断”。古島康太さんトークセッションレポ

文:電撃オンライン

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 ゲームフリークより8月4日発売予定の『Beast of Reincarnation(ビースト・オブ・リンカネーション)』。その先行体験会にて行われた、本作のディレクター・古島康太さんのトークセッションが開催されました。

『ビースト・オブ・リンカネーション』

 この記事では、セッション内で語られた壮大な世界観や魅力的なキャラクター、そして本作独自のシステムや開発の裏側についてお届けします。
『ビースト・オブ・リンカネーション』
▲古島康太さん

崩壊後の日本を舞台にした、希望を求めるロードムービー

 本作の舞台となるのは、西暦4026年の世界崩壊後の日本です。この時代では“穢れ”が蔓延(はびこ)り、あらゆる生物を“腐蝕体”へと変えていきました。

 主人公は、過去の記憶も感情もなく、穢れに侵された“穢れ人”として疎まれる存在のエマ。彼女は、本来敵対するはずの白い腐蝕体・クゥとともに旅をすることになります。

 1人と1匹は、穢れの元凶である“輪廻の獣”を討伐するため、関東から遥か西の都(現在の京都付近)へと向かいます。道中で日本の豊かな植生や四季を感じながら進む、過酷でありながらも美しいロードムービーのような物語が展開されます。

『ビースト・オブ・リンカネーション』の物語を彩る魅力的なキャラクターたち

 トークセッションでは、エマの旅を支える、あるいは関わりを持つ魅力的なキャラクターたちも紹介されました。

『ビースト・オブ・リンカネーション』

エマ(声優:石川由依)

 本作の主人公。過去の記憶も感情もなく、穢れに侵された“穢れ人”。自分に欠けている"感情"について、知りたいと考えている。

 コロニーの住民からは腐蝕体として扱われ、忌み嫌われていたが、都の王の命を受け、輪廻の獣討伐の旅に出る。

クゥ

 エマと共鳴したことで、輪廻の獣討伐の旅をともにする白い腐蝕体。戦闘時は強力な開花技で戦うが、平時はエマになでてもらうと喜ぶ。

 本来、敵対するはずの腐蝕体が、なぜエマに付き従うのかは謎に包まれている。

『ビースト・オブ・リンカネーション』

ヴァイオレット(声優:佐藤みゆ希)

 エマにだけ見える霊体の少女。コロニーのはずれで孤独に暮らすエマにとって、唯一心を許せる存在。

 感情豊かで、時にエマの保護者のように行動する。

ブラッド(声優:大塚明夫)

 浄化船と呼ばれる乗り物の操縦士兼整備士。王命を受けたエマを都へと連れて行く男。

 外の世界に精通しており、様々な助言でエマを導く。マスクの下には静かな意思を秘めている

『ビースト・オブ・リンカネーション』

カグラ(声優:諸星すみれ)

 コロニーに住む内向的な少女。親を失い、コロニーでも孤立し、ゴーレムに虐げられながら暮らしていた。

 とある事件をきっかけにエマの旅に同行し、旅の生活を支える。

クナイ(声優:小林ゆう)

 独自に都を目指して旅をする凄腕の剣士で、強靭な鋼鉄の肉体を持つゴーレムをも両断する。

 エマと同じく腐食体を連れた穢れ人で、なぜかエマを気にかけるように度々通信してくる。

アクションは複雑な操作よりも“タイミングと判断”が肝要に。相棒クゥの行動はコマンド選択方式

 本作のアクションの強みは、“1人と1匹”に特化したバトルシステムとのこと。エマを操作するリアルタイムな剣戟アクションをベースとしながらも、相棒のクゥにはコマンドRPGのように行動を指示できます。

 クゥへ指示でメニューを開いた際に時間の流れがスローになります。これは“共鳴加速”というシステムで、RPGっぽさを意識したものだそうです。また、アクションが苦手なプレイヤーでもいったん落ち着いて戦況を見極め、どうするかを考えることも可能です。

『ビースト・オブ・リンカネーション』
▲クゥへ指示は、このようにコマンドを選択する形。このメニューを開いているときは、時間経過がぐっと遅くなります。
 古島さんによると、本作のアクションで大事になるのは「複雑な操作よりもタイミングと判断」とのこと。「ここで斬撃を繰り出したらどうなるか?」といったことを考えるうえでも“共鳴加速”は本作のバトルのキーになるかもしれません。

 また、エマは自身の“穢れ髪”を植物のように伸ばす能力を持ち、これを足場にして立体的な移動を行ったり、敵の頭上からステルス攻撃を仕掛けたりといったこともできます。プレイヤーの発想次第で幅広い攻略アプローチが用意されています。

『ビースト・オブ・リンカネーション』
『ビースト・オブ・リンカネーション』
▲“穢れ髪”を使って移動しているところ。
『ビースト・オブ・リンカネーション』
▲“穢れ髪”で高所に移動し、落下しながら相手を攻撃!
『ビースト・オブ・リンカネーション』
▲敵に気付かれないように接近し、後ろからブスリ! といった戦い方もできるようでした。
 本作には3系統のスキルツリーがあり、プレイスタイルにあわせてエマの成長をさせていく形となっています。1回のプレイでスキルツリーをコンプリートすることも「すごく頑張れば」可能だそうです。とはいえ、振り直しもできるので、ビルドで間違えてしまった……というプレイヤーも安心。

『ビースト・オブ・リンカネーション』

 スキルツリーは、エマだけでなくクゥにもあるとのことでした。

『ビースト・オブ・リンカネーション』Q&Aコーナー

 トークセッションの後半では、取材陣とのQ&Aも行われました。その模様もお届けしていきます。

──本作をプレイして驚いたのは、グラフィックやモーションが非常に高水準なクオリティになっている点でした。なぜこの方向性を選ばれたのでしょうか?

古島さん
少々肩透かしになってしまうかもしれませんが、実は最初からハイエンドを目指して始めたプロジェクトではないんです。初めに考えたのは「プレイヤーの心にどういう感覚を残したいか?」というものでした。

 そこを起点に、相棒と旅をすることで、相棒の温もりや頼もしさ、そこから転じて寂しさを感じられるものにしようという方向でコンセプトが固まっていきました。

 連動する形で「そうやって過酷な世界を旅することによって絆というのは育まれるのではないか?」「過酷な世界だったらデフォルメな世界よりリアルに寄せたほうがより過酷に感じるだろう」と思考を進め、手法を選んでいった形です。

 アクションやコマンドバトルといったシステムも、相棒の“頼もしさ”をどう実感してもらうかを突き詰めた結果です。最終的に心に残る「感覚」を最優先して作った結果、現在の形に行き着きました。

──ゲームフリーク社内で、これほどのハイエンド作品を構築していくのは大変だったのではないでしょうか?

古島さん
本作に関しては、もう何十社ぐらい探したか覚えていませんが……どこか一社にお願いするにしては複雑な要件で、その点も難航した部分です。

 社内のリソースをすべて割くわけにもいきません。そのため、企画の方向性に合わせて、各分野に特化した複数の外部企業の皆様とチームを組みながら制作を進めました。

 最初からこの水準で作れる会社がポンポンと見つかったわけではなく、アンリアルエンジン5(UE5)の特性などを社内でもしっかりと研究し、地道に築き上げていったプロジェクトになります。

 制作をしていたタイミングがちょうど新型コロナ禍で、リモート開発だったこともあり、社内メンバーはずっと外部の方とコミュニケーションを取ってくれていました。

──制作を始められたのが2019年頃とおっしゃっていましたが、6年以内でこの規模の作品を作り上げたのは驚異的だと感じます。

古島さん
さらに言うと、本開発自体にかかった期間は4年ほどですね。人を増やしていったのが2022年からで、最初の2~3年は、試作を重ねたり私自身がシナリオの構想を練ったりする期間でした。

──和風の3Dアクションはライバルも多いジャンルですが、本作ならではの強みを教えてください。それと、相棒のクゥをなでられる仕様へのこだわりを教えてください。

古島さん
本作は“一人と一匹”に特化したアクションRPGです。リアルタイムアクションとコマンド選択が融合した尖ったシステムこそが最大の強みだと考えています。

 一方で、過酷な世界で戦った後には、拠点の――浄化船という場所ですが、そこでクゥを撫でたり、シャワーを浴びて血を洗い流したりといった“生活”を味わえるようにもなっています。激戦と安息のコントラストを出す意味でも、クゥを撫でる時間は非常に大切にしています。

──映像を拝見すると、蓮や曼珠沙華など植物の表現が非常に豊かですが、何種類ほどの植生を取り入れているのでしょうか。

古島さん
最適化の観点から絞り込みつつも、約20~30種類の植物を取り入れています。エマのスキルに関連するものもありますし、「日本の夏ならひまわりだよね」といったように、季節の移ろいを感じられるものも用意しています。同じ場所にいて季節が変わるのではなく、ステージを進めるごとに季節の変化を感じられるような設計になっています。

『ビースト・オブ・リンカネーション』

──本作では古島さんご自身がシナリオライティングに初挑戦されたとのことですが、どのように勉強されたのでしょうか?

古島さん
シナリオの構造を学ぶために20冊くらいは創作にまつわる書籍を読み込みました。そうして構造を把握したところで、映画などを観て「たしかにこういう構造になっている」と確認していきました。特に『スター・ウォーズ』などでも採用している“英雄の旅(ヒーローズ・ジャーニー)”のメソッドを参考にしています。コンセプトを実現するためにはどういうシナリオであるべきかを、ロジカルに順番に考えて構築していきました。

──相棒の腐触体・クゥは、犬(オオカミ)に近いように思えます。相棒の動物をどのようにして決めたのか、理由を教えてください。

古島さん
“物を言わない存在”を相棒にしようと考えたからです。言葉による説明ではなく、ゲーム内の構造やインタラクションを通じて絆を育む体験にしたかったので、動物を選びました。

 私自身、過去に猫を2匹飼っていたのですが、“的確にコマンドを聞いて、良いタイミングで回復などもしてくれる存在”を想像したとき、猫はやってくれないだろうなと(笑)。命令を聞いてくれる相棒は? と考えたときに、やはり犬のモチーフに行き着きました。

──“相棒と旅をする物語”と“バトルシステム”、どちらのアイデアが先にあったのでしょうか。

古島さん
“一人と一匹で旅をする”というコンセプトが先です。企画当初は、そもそもアクションゲームになるとすら思っていませんでした。コンセプトを実現するための手段として、結果的にこのバトルシステムが構築されていきました。

──剣戟の効果音や環境音、BGMにも強いこだわりを感じました。音作りについての工夫を教えてください。

古島さん
音は、もっとも解像度が高くリアリティを表現できる要素だと思っています。足音や植物に触れる環境音などは、過酷な世界への没入感を高めるために非常にリアルに作り込んでいます。

 一方でBGMに関しては、感情をコントロールする役割を持たせました。エマもクゥも無口なキャラクターなので、2人の絆や“彼らの主観から世界はどう見えているのか?”を表現するために、あえてボーカル入りの曲を取り入れています。“リアリティを出すための環境音”と“主観的な感情を表現するBGM”のバランスを意識して構築しました。

──最後に、ユーザーの皆様に一言お願いします。

古島さん
結構お待たせしておりますが、それでもこうして取材してくれたメディアから何か情報が出るたびに、おかげさまでユーザーの皆様からの声もより表に出てくるようになってきました。そうした声は開発中の励みになりました。お待ちいただいている皆様のおかげでこういった形で世に出ると思っていますので、ぜひよろしくお願いします!

『ビースト・オブ・リンカネーション』
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