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少し切なくて不気味な短編ホラー『7 Days To Think About It』プレイ感想。完璧主義な現代人の心を揺さぶる記憶と観察のゲーム性が面白い【おすすめ度:7点/電撃インディー#1436】

文:電撃オンライン

公開日時:

 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、サイコロジカルホラーの短編ゲーム『7 Days To Think About It』のレビューをお届けします。


 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!


『7 Days To Think About It』は異変を探すよりも自分の記憶と不安に向き合う心理ホラー!【おすすめ度:7点】


 休んでいる間にも周りの人は前へ進んでいる。仕事以外の時間はすべて無駄なのではないか。『7 Days To Think About It』は、そんな焦りにとらわれた主人公が、奇妙な部屋で自分自身と向き合う短編心理ホラーです。

 観察ゲームとしての難易度は控えめですが、正解を求めるほど身動きが取れなくなる主人公の心理と記憶を試すゲームシステムが重なる構成が印象的でした。

 主人公は、個人プロジェクトを完成させたいという目標を持つ一方、周囲に取り残されているような焦りを抱えています。

 少しベッドで休むだけでも、時間を無駄にしているように感じてしまう。仕事以外のことへ時間を使う余裕も失い、休息することさえ自分に許せなくなっていました。


 ある日、友人たちから久しぶりに集まろうという連絡が届きます。主人公は外へ出る決意をしますが、支度を始めると急に窓の外が暗くなり、リビングのテーブルには死体が……。


 家を出ようとするとVHSのテープが大量にあり、電気のスイッチには何重ものカギがかけられている不穏な部屋にたどり着きます。そこで謎の人物に出会うと「本当に友人に会いたいのか?」と問いかけられます。

 外で待っているのは、「就職活動はどう?」「プロジェクトは進んでいる?」といった何げない質問。相手に悪意はなくても、今の主人公には責められているように感じられます。

 主人公は「あと1週間あれば、自分と向き合える」と考え、変わり果てた部屋で7日間を過ごすことに。

 プレイヤーが行うのは、その日の室内を歩き、目にしたものを記憶することです。一日の終わりにはVHSの映像が流れ、そこに映ったものが部屋に存在していたかを回答します。


 室内には異形の存在や死体といった強烈な怪異だけでなく、大量のトイレットペーパーや形の異なるバスマット、戸棚の中身など、何げない変化も紛れ込んでいます。

 正解すれば翌日へ進めますが、不正解だと1日戻ってやり直すことになります。しかも連続不正解なら2日間戻ることに。大きな怪異ほど鮮明に覚えている一方、何げない日用品は「今日見たものだったか」「前日の記憶ではないか」とだんだんプレイヤー自身も不安に。

 粗い映像も、物を判別できないほど不鮮明ではありません。それでも細部への確信を奪われ、自分の記憶を疑わされる演出として効果的でした。


 ただし、『8番出口』のように、巧妙な異変を見つけ出すゲームを期待すると物足りなく感じるかもしれません。極端に細かな違いは少なく、記憶・観察ゲームとしての難易度は比較的控えめです。

 本作が重視しているのは、異変を発見する爽快感よりも、正解を求めるほど自分の判断を疑ってしまう心理体験なのでしょう。

正解を求めるほど思考から抜け出せない。小さな不安まで抱え込んでしまう人にこそプレイしてほしい1本


 見落としがないか何度も部屋を確認するプレイヤーの行動は、何事も完璧にこなそうとして身動きが取れなくなった主人公の姿と重なります。

 少し休むだけでも不安になる。何げない質問をプレッシャーとして受け止める。自分の判断が正しいのか、答えが出ないまま考え続けてしまう。

 同じような経験がある人にとって、主人公が過ごす1週間は単なる恐怖体験ではありません。自分は何に焦り、何を怖がっているのかを、主人公と一緒に立ち止まって考える時間にもなります。

 もちろん、ゲームを遊ぶだけで悩みへの答えが見つかるわけではありません。それでも、すべてを完璧にこなそうとしなくてもよいことや、「しょうがない」「まあいいか」と割り切ることについて考えるきっかけにはなるでしょう。

 高難度の異変探しよりも、心理描写や考察、余韻の残る短編ホラーが好きな人。そして、小さな出来事まで重く受け止めてしまう主人公に心当たりがある人におすすめしたい作品です。


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