夏の読書にぴったりな、海を舞台にしたおすすめ漫画10選を紹介。
爽やかな青春部活ものから神秘的なファンタジー、命懸けの人間ドラマまで、さまざまな角度から海の魅力を楽しめる作品をピックアップしました。
爽やかな青春部活ものから神秘的なファンタジー、命懸けの人間ドラマまで、さまざまな角度から海の魅力を楽しめる作品をピックアップしました。

索引
閉じるぐらんぶる(吉岡公威)

大学進学を機に沿岸の街へとやってきた主人公が、ダイビングサークルに入会することから始まる青春コメディ作品です。
作中の大半はダイビングサークルの破天荒な日常や宴会騒ぎで占められていますが、いざダイビングシーンになると一転し、伊豆の美しい水中世界や海の魅力が非常に緻密な作画で描かれます。
ギャグの勢いと、本格的なスキューバダイビングの知識・描写のギャップが心地よい一作です。
■見どころ
- 普段の騒がしさから遮断された、特有の静寂と透明感を表現した水中描写
- 機材の扱いからライセンス取得まで、初心者の目線に立ったテンポの良い解説
あまんちゅ!(天野こずえ)

伊豆の高校のダイビング部を舞台に、内気な少女と天真爛漫な少女の交流と成長を描いた青春日常ものです。
『ARIA』の著者である天野こずえ氏ならではの、情緒豊かで息をのむほど美しい海の描写が特徴。
四季折々の伊豆の自然や、海を通じて広がっていく少女たちの瑞々しい世界観が丁寧に紡がれており、読むだけで穏やかな夏の風を感じられるような作品に仕上がっています。
■見どころ
- 伊豆の豊かな自然と潮風が画面から伝わってくるような、爽やかな空気感
- 登場人物の心の機微を海の満ち引きに重ね合わせた、情感豊かな世界観
はるかなレシーブ(如意自在)

沖縄を舞台に、身長にコンプレックスを持つ少女たちがペアを組み、ビーチバレーの全国大会を目指すスポーツ漫画です。
インドアのバレーボールとは異なる、砂の上のステップや風の読み方、コートの広さといったビーチバレー特有の戦術がロジカルに描かれているのが特徴。
沖縄の強い日差しと青い海を背景に爽やかに描写された、砂まみれになりながらもボールを繋ぐ少女たちの熱い青春も楽しめます。
■見どころ
- 風や直射日光など、ビーチという屋外環境特有の要素を活かしたリアルな試合展開
- 灼熱の太陽とエメラルドグリーンの海が織りなす、これぞ夏と言えるコントラストの作画
海獣の子供(五十嵐大介)

ジュゴンに育てられたという不思議な少年たちとの出会いをきっかけに、主人公の少女が地球と海の神秘に触れていく壮大なファンタジー作品です。
五十嵐大介氏の圧倒的な画力で描かれる海の生き物たちや水の表現は、まるで生きているかのような躍動感と畏怖をまとっています。
科学と神話が融合したような独特の世界観で、生命や宇宙の神秘について考えさせられる構成です。
■見どころ
- クジラや魚群の躍動、水の揺らめきを緻密な線画で表現した、絵画のような作画
- 単なる海洋生物の観察に留まらない、宇宙や生命の謎に迫る哲学的で壮大なシナリオ
マグメル深海水族館(椙下聖海)

東京湾から潜水艇で向かう、深海に建てられた架空の水族館を舞台にした日常ドラマ。
ダイオウグソクムシやメンダコなど、実在する深海生物の生態や飼育員の奮闘が丁寧に描かれています。
光の届かない暗黒の海だからこそ育まれる独特な生命の美しさと、それに魅了された人間たちの温かいドラマが調和した、一風変わった海洋漫画です。
■見どころ
- メジャーな種類からマニアックな生物まで、深海魚の生態を分かりやすく図解した構成
- 暗く冷たい深海という舞台に対し、登場人物たちの優しさが際立つハートフルなストーリー
ヨコハマ買い出し紀行(芦奈野ひとし)

人類の文明が衰退しつつある穏やかな終末世界を舞台に、海辺のカフェを営むロボットの少女の日常を描いたSFコミックです。
海面が上昇し、かつての街が少しずつ静かに海へと沈んでいく世界が、不思議と悲壮感なく、むしろ美しい夕暮れのような空気感で描かれています。
“ていねいな静けさ”に満ちた海辺の時間を追体験できる、癒やしの名作です。
■見どころ
- 水没した電柱や道路など、終末世界特有のどこか切なく美しい海岸線の風景描写
- 余計なセリフを極限まで削ぎ落とし、波の音や風の匂いを想像させる独特の間の演出
放課後ていぼう日誌(小坂泰之)

生き物が苦手でインドア派の女子高生が、田舎への引っ越しを機に“ていぼう部”に入部させられ、釣りの魅力に目覚めていく部活漫画。
九州の穏やかな海辺を舞台に、アジやキスなど身近な魚を狙う堤防釣りのノウハウが分かりやすく描かれています。
釣った魚をその場で調理して食べる描写も充実しており、海の恵みと素朴な田舎の夏を五感で楽しめる部活コメディです。
■見どころ
- 仕掛けの作り方や魚の習性、安全への配慮まで網羅した実用的な釣り知識の数々
- 潮風や波の音が聞こえてきそうな、どこか懐かしくのどかな田舎の海辺の空気感
侵略!イカ娘(安部真弘)

海洋汚染に怒り、人類を侵略するため深海から陸上へやってきた“イカ娘”を主人公とするコメディです。
最初の侵略拠点に選んだ海の家“れもん”の壁を壊してしまい、修理代のために働かされる羽目になります。
海辺の町を舞台に、個性的な人間たちとイカ娘のゆるい日常が展開。突飛な設定ながら、どこか懐かしい日本の夏と海の家の雰囲気が魅力的な一作です。
■見どころ
- 触手やイカスミといったイカ娘の能力を活かしたシュールでテンポの良いギャグ
- 海の家を舞台に広がる、どこか安心感のある賑やかで平和な夏の日常描写
海猿(佐藤秀峰)

海上保安庁の潜水士たちを中心に、海での事故や災害に命懸けで立ち向かうレスキュー隊員たちの姿を描いた本格レスキュー・人間ドラマです。
映画やドラマ化もされた名作で、自然の猛威としての海の恐ろしさと、人間の強さや葛藤が極限状態の中で描かれます。
徹底した取材に基づいたリアリティのある救助手順や緊迫した潜水描写は、今読んでも圧倒的な説得力を持ちます。
■見どころ
- 視界不良の暗い海中や荒れる洋上など、徹底的にリアルを追求した過酷な海の描写
- 命の選択を迫られる現場で働く、海上保安官たちのプロフェッショナリズムと人間模様
凪のあすから(前田理想)

同名のオリジナルアニメが原作。かつてすべての人類が海の中に住んでいた世界を舞台に、海で暮らす少年少女と陸で暮らす人々との交流や葛藤を描いたファンタジー作品です。
海中の村の幻想的な景色や独自の生活様式が、透明感のある美麗なビジュアルで繊細に描写されています。
揺れ動く思春期の複雑な人間関係や恋愛模様が、海と陸という環境の対立や変化と共に丁寧に紡がれていくドラマ性の高い一作です。
■見どころ
- 差し込む光や浮遊感など、神秘的で息をのむほど美しく表現された海中の光景
- 環境の変化に直面しながらも成長していく、少年少女たちの切なくも温かい群像劇
潮風を感じる名作とともに、特別な夏の読書体験を
一口に“海”と言っても、水面の煌めきから光の届かない深海まで、作品によって描かれ方は千差万別です。この夏はぜひ、お気に入りの海の物語を単行本で楽しんでみてください。