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『モンハンワイルズ』インタビュー。オープンワールド化や人語をしゃべるオトモアイルーの真相は?【モンスターハンターワイルズ】

文:Ak

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 カプコンから発売される『モンスターハンターワイルズ』のインタビュー記事をお届けします。
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▲(左から)徳田優也氏(ディレクター)、辻󠄀本良三氏(プロデューサー)、藤岡要氏(エグゼクティブディレクター/アートディレクター)

 なお今回のインタビューは、一部メディアへの実機プレイ動画公開と合わせて実施されました。そのレポート記事と合わせてご覧ください。

実機プレイ動画レポート記事

『モンハンワイルズ』はオープンワールド化&天候で出現モンスターが変化!? 未公開情報盛りだくさんのメディア向け実機プレイ動画をレポート【モンスターハンターワイルズ】

オトモアイルーの言語設定はオプションで変更可能【モンハンワイルズ】


――『モンスターハンターワイルズ』では、リアリティや没入感が重要な要素になっているように感じました。

徳田優也氏(以下、敬称略):生態系や自然の背景などをよりリアルにとらえて描こうというのは、本質的には初代『モンスターハンター』の頃からずっとチャレンジはしてきましたが、スペック的にも自分たちの技術的にも、追いつかなかった部分はありました。マシンパワーや技術面のノウハウが、ようやくやりたいことに追いついてきた形ですね。

 モンスターや生態など、自然をよりリアルな素材を使って描くだけでなく、キャラクターもしっかり描くことで、よりその世界の一員として没入感を得られるものだと思っています。
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──世界観のこだわりや特徴を教えてください。

徳田:自然の驚異や豊かさをコントラストのある感じで『モンハン』らしく表現していこう、というのがまずあります。そのなかで、フィールドごとに特化したモンスターを描きたいというので、フィールド自体の構成も決めています。砂漠から初めているのも、描きたいモンスターやテーマによるものですね。

──プロモーション映像①にあった“禁足地”というワードも気になります。あれは過去シリーズと何か関係のあるものでしょうか?

辻󠄀本良三氏(以下、敬称略):あれは一般名詞としての禁足地で、過去シリーズと何か関係があるわけではないです。禁足地と呼ばれる、人が立ち入ることができない場所に調査隊として踏み入っていくのが、本作のストーリーになりますね。
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──プロモーション映像では、人語をしゃべるオトモアイルーも印象的でした。

辻󠄀本:反響が多かったのは把握しています。オトモアイルーの言語に関しては、従来の「ニャーニャー」みたいに話す設定にオプションで切り替えることも可能です。

徳田:今回は環境の変化が激しく、プレイヤーが見ているだけでは把握しきれない変化も多々あります。そういった状況でオトモアイルーや編纂者(同行NPC)の目線からアドバイスをもらえるようになっているので、オトモアイルーも人語をしゃべるようになりました。もちろん、より相棒感を出してほしいという狙いもあります。

 最初はオトモアイルーがしゃべることに抵抗があるかもしれませんが、実際にしゃべっているのを見ると役立っているのが実感できると思うので、ぜひ試していただければと思います。

──本作ではモンスターのデザインが過去シリーズとは異なるいぶし銀な魅力を持っているように感じます。そのなかでも、最初にドシャグマを公開した理由はなんでしょう?

徳田:今回は大型モンスターであっても“群れる”という特徴を持ったモンスターを作りたいということがあって、群れることでの脅威性を演出するモンスターの代表ということでドシャグマやバーラハーラが選ばれました。

 これらのモンスターは比較的造形はナチュラルですが、群れることで威圧感が出てくるということを主眼においてデザインをしています。キャラクターに応じたコンセプトでモンスターデザインの方向性を決める、というアプローチ自体は、『モンハン』が昔から大事にしている部分でもありますね。


 またプロモーション映像②で公開した雷を放つモンスターに関しては、フィールドの生態系の頂点として存在しているモンスターなので、“群れ”というよりは“個”の強さにふさわしい、いわば『モンハン』ライクなデザインになっています。モンスターデザインに関してはそれぞれの個性に応じたコントラストのある描き方をしているので、その表現の幅を楽しんでいただければと思います。

『モンスターハンター』としての遊び心地を大事にするため、拠点とフィールドをシームレスに【モンハンワイルズ】

──拠点とフィールドがシームレスにつながっているようでしたが、本作はオープンワールドのような楽しみかたができるということでしょうか?

藤岡要氏(以下、敬称略):オープンワールドの定義が難しいですが、いわゆる「どこにでも行けてどういう風にでも進めていい」といった自由度の高いオープンワールドを目指してるわけではないです。あくまで『モンスターハンター』としての遊び心地を大事にするため、拠点とフィールドをシームレスにしている形です。
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──複数のフィールドはシームレスにつながっているのですか?

徳田:ストーリー進行によって行けるフィールドはどんどん増えていきますが、それらはシームレスにつながるようになっています。ただし一部の遠すぎる地域など例外も存在します。

──フィールドでモンスターを攻撃するとクエストを受注できましたが、今回の狩りの流れはどうなるのでしょうか? 拠点でクエストを受注する従来の流れもあるのですか?

徳田:メディア向けの実機プレイ動画でお見せしたのは、あくまでシームレスにクエストを受注した場合の流れになっています。従来のように、拠点からクエストを受注してフィールドに出発することももちろん可能です。

──傷をつけてからモンスターの急所を狙える“集中モード”と、狩猟中の“武器変更”について、これらの新要素を導入した狙いについて教えてください。

藤岡:“傷”のシステム自体は『モンスターハンターワールド』でも導入されていましたが、あの形とは全く違う形で“傷”というものを消化できないかと考えていました。当時の技術ではできなくても、今の技術であればできることはないかと。そこで今回の“傷”は、モンスターにフォーカスしつつ、アクションゲームが難しいという人にも役立つようなシステムにしようと考えました。
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 まず“傷”はただ攻撃していくだけでもいくつかの部位で発生し、“集中モード”を使わなくてもダメージを多く与えられるようになります。さらに傷ついた部位に“集中モード”を使うと“集中弱点攻撃”に移行して大ダメージを与えることが可能になるほか、構えが変わる演出もあって遊びのアクセントにもなっています。

 また“集中モード”ではモンスターとの距離感や狙いが合わせやすいなどの効果もあり、幅広い方々が狩りを楽しめるようになっているのも特徴です。
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 “武器変更”に関しては、本作では環境がどんどん変化していきますし、モンスターの種類や数も多い状態になる場合があります。そういう状態に、2種類の武器を持つことで対応可能です。

 たとえば弱点属性が違うようなモンスターに対して異なる属性の武器を持って行ったり、切断系の武器と打撃系の武器を持ち込んで尻尾を切断しつつ気絶を狙ったりといったこともできます。プレイヤーのできることを増やしつつ、環境に適応していくという面で2つの武器を採用しています。
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──本作ではフックスリンガーと呼ばれる装備が登場しますが、どういった機能があるのでしょうか?

藤岡:セクレト騎乗時でも遠くにあるものを採取できたり、スリンガーの弾を込めて使ったり、ギミックを起動したりできます。従来のスリンガーに“フック”が付いて、採取機能を持ったようなイメージですね。

──今回“集中モード”などの新要素が登場したことで、ゲームの難易度はどう変化しているのでしょう?

藤岡:「モンスターの動きをしっかり見て、自分がどう動くか考える」という『モンハン』の主軸となる部分を損なうようなバランスにはしていません。一方的にプレイヤーが好きなことばかりできるというわけではなく、逆に新要素に合わせてモンスターをすごくタフにしたり、特定の攻略法でないと狩れなかったりといった調整にはならないようにしていますね。今まで通りの『モンハン』を期待していただいていいかと思います。

──実機プレイ動画では、装衣をまとってバックスタブ(背後からの奇襲攻撃)をしているような場面がありましたが、あれはいったい?

徳田:過去シリーズにも“モンスターに発見されていない状態でダメージを与えるとダメージが増加する”という仕組みはあったんですが、そこを演出的にもしっかり描こうとしました。今回はフィールドを徘徊するモンスターも手強いものがいるので、そこにファーストコンタクトするときの選択肢を増やすという狙いもあります。

 モンスターの驚異度は“群れ”も含めて上がっているので、それに応じてプレイヤー側の選択肢もしっかり用意している感じですね。
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──NPCとも共闘できるようですが、彼らはどのくらい頼りになるのでしょうか?

藤岡:適切にバランスが取れるように調整中です。一人で『モンハン』を遊ぶプレイヤーの方も多いので、そういった方々も遊びやすいようにしています。

辻󠄀本:ちなみにNPCとの協力プレイは、序盤で解放される要素です。そのため、ストーリーはオフラインプレイでもスムーズに進められるようにしています。



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