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アヒルのタルコフライクSTG『エスケープ フロム ダッコフ』は全ロストと隣り合わせの探索がスリルと中毒性抜群。俯瞰視点ならではの面白さも【レビュー&感想】

文:セスタス原川

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 bilibiliは10月16日より『エスケープ フロム ダッコフ』を発売します。この記事では、本作のプレイレビューをお届けします。

 本作は可愛らしいアヒルが主役のPvE脱出シューティングゲーム。可愛い見た目に反してやりこみ甲斐のあるゲーム性で、つい長時間遊んでしまう中毒性を秘めています。

 また、俯瞰視点のシューティングゲームという珍しいスタイルを採用しており、本作ならではのシューティングアクションが楽しめる点にも注目です。

[IMAGE]※本記事はbilibiliの提供でお送りします。

アヒルによる可愛くも激しい脱出劇 | エスケープ フロム ダッコフ


 本作のプレイは基本的にマップの探索が基本。ホームであるバンカーから探索の旅に出発し、素材や武器を集めて無事にバンカーへ戻ることが目標です。

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 獲得したアイテムを駆使して武器を強化したり、バンカーの施設をアップグレードしたりすれば、次回の探索をより効率的に行えるようになります。その過程ではミッションなどもあり、それらを達成するのも目標の1つです。

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 マップの種類は5種類あり、それぞれのマップで特徴的な敵やアイテムが登場します。最初は1つのマップしか探索できませんが、ゲームを進めるにつれてマップが解放されていきます。

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 本作は探索しながらアイテムを集める、いわゆる“ファーム”を繰り返すことになるゲーム。同種のゲームをプレイしたことがある人はご察しかと思いますが、探索中に倒されてデッドしてしまうと、持っているアイテムは全部ロストしてしまいます。

 倉庫に温存してあるアイテムは消えませんが、持ち歩いていた物はその場に放置され、バンカーから丸裸の状態でゲームスタートになります。

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 もう一度同じ場所に行けば回収できますが、より長時間探索して奥に進んでいるほど回収は至難の業。回収の道中で再び倒されてしまい、拾えなくなってしまうことも少なくありません。

 強力な装備や補助アイテムを持って挑めば、より長く安全に探索できます。一方で、準備を整えるほど倒されてしまった際の損失も大きくなる。このバランスを考えつつ、失敗しても気にならないほどの膨大な資源を集めるのが最終目標になっていきます。

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 明確なゲームオーバーはありませんが、避けるべきはお金もアイテムもなくなってしまう破産状態。序盤はちょっとしたガラクタや小銭を集めるところから始まりますが、資源がなくなってしまうとその状態に逆戻りです。

 お金さえあれば取引所で直接アイテムを買うこともできますが、それすらできなくなってしまうと文字通り“最初から”になってしまいます。

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操作するアヒルは好みに設定可能


 プレイヤーが操作するアヒルはゲーム開始時にキャラクターメイキングで作成。パーツを組み合わせて表情を作れるのですが、どれもシンプルな可愛らしさから一歩外れた、良い意味でキモ可愛いと言いたくなるデザインが揃っています。

 最近ではこうしたマスコット系のキャラクターは、直球の可愛らしさよりも少しずれていた方が流行る傾向にあるのかと思いますが、本作もその流れに沿ったようなデザイン。よくよく考えると血が出るような演出もあるので、絶妙なこのデザインがゲーム性と合致しているようにも感じますね。

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 宇宙船を作り、惑星から脱出する目標があるものの、強力な武器を入手する、稀に現れるボスを倒してレアドロップアイテムを得るなど、細かい部分で達成感を感じ続けられるのが本作の魅力です。目的を1つ達成すると、次にやりたいことがすぐに出てくる。その連続で長時間プレイし続けてしまう中毒性があります。

俯瞰シューティングならではの遊びやすさと面白さ | エスケープ フロム ダッコフ


 ゲームは俯瞰視点のシューティングゲームとなっており、他のシューティングゲームと比較すると、後方の様子が確認できたり、一人称視点では見えない場所も見えたりと、カジュアルな作りで遊びやすくなっています。

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 ゲームの敷居を低くしつつも、相手の攻撃を回避したり、射線を警戒したり、ヘッドショットを狙ったりと、シューティングゲームらしい部分も存在しており、プレイヤーの手腕が問われる部分があります。

 俯瞰視点をうまく活かしているポイントとして、オブジェクトの配置は視覚外もわかりますが、そこに敵が居るかは実際に覗かないとわからないところです。

 例えば、目の前に障害物があって俯瞰視点上は誰もいないように見えますが、いざ障害物の裏が見える範囲まで行くと敵が現れるような作り。遠目だと敵の姿が見えなくても油断は禁物です。

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 敵が近くに来ると「グワッ!グワッ!」とアヒルの鳴き声で接近がわかるので、ホラーゲームのように驚くことはないと思いますが、油断しているときに接敵した瞬間は冷や汗が出てしまうことでしょう。

 その悪状況が連鎖して、それでも複数相手に無理やり倒されてしまうことや、序盤の軽装状態で強力な敵に出くわしてしまうなど、理不尽な展開がないわけではありません。

 これがサイレントで起きるならかなりハードなゲームでしたが、敵にバレた際に告知が入ることで難しすぎない調整になっています。

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 やはり失敗を繰り返してから目標を達成するからこその気持ちよさがあるわけで、本作はある程度カジュアルなゲーム性にしつつも、達成感が薄らぐほどの簡略化はしていない印象。ほどよく手軽に、それでもやり応えのある、ちょうど良い塩梅で作られています。

 ゲーム内には難易度設定機能もあり、かなり細かい段階分けで難易度の調整が可能。どうしても難しい、または簡単すぎると感じた際にはこちらで調整もできます。

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豊富な種類の食料と武器は使い分けが大切


 アイテムの数はプレイするたびに新しいものに出会うくらい豊富。同じ銃弾にも劣化品と通常品があり、劣化品は銃を早く消耗させてしまうが手に入れやすいなど、どうゲームを進めたいかによってアイテムの使い方も変わってきます。

 探索中は水分量と空腹度を管理する必要がありますが、食料だけでもかなりの種類が存在します。物によっては、腹は満たされるがのどが渇いてしまうもの、水分と空腹度を両方保ってくれるものなど特徴があり、その場に適した食料を食べることが長時間活動の鍵になりそうです。

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お金と施設強化を重ねてアヒルをパワーアップ


 武器や素材を購入したり、施設をアップグレードしたりするためにはお金が必要です。他にもお金はステータスアップの際にも必要となります。

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 ステータスアップは装備と違って倒されても失われることがない要素なので、可能であれば積極的に強化したいポイント。ステータスアップができる範囲はレベルで管理されており、レベルを上げるためには探索に行ったり、クエストをクリアしたりする必要があります。

夜中と嵐の最中の探索はとても危険


 ゲーム中には時間の概念があり、現実世界の1秒が1分として時間が進行します。夜になると昼には遭遇しない危険な敵が登場したり、視界がかなり狭まったりするため、基本的には日中に探索を行い、夜間は睡眠して時間をスキップします。

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 時間に関連した要素として、常にダメージを受ける台風が発生することもあります。この状態では、体力も装備も少ない序盤に探索することは難しいですが、ゲームを進めて耐久力が担保できるようになってから探索に行けば、普段は見られない風景の中で新たな発見があるかもしれません。

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PvEでマイペースに楽しめる脱出系シューティング | エスケープ フロム ダッコフ


 本作は数多くある脱出シューティングゲームの中でも、PvEであるためマイペースに遊べるシンプルかつ新作なので、事前知識がほとんど必要ないなど、何か新しいゲームをしたいときに気軽に遊べる作品となっています。

 しかも、シューティングでありながら俯瞰視点なため、一人称視点の硬派なシューティングゲームよりも多くの層が遊びやすいはず。筆者はそこそこシューティングゲームを遊んでいますが、逆に俯瞰視点は新鮮味があって楽しめたので、コアゲーマーの方々も一度触ってみることをオススメします。

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 可愛いアヒルたちが銃を撃ち合う様子は心苦しいものがありますが、プレイしていくうちに自分の中にキュートアグレッション的な感情が湧き上がってくる感じがありました。

 大勢の敵に追われながら逃げる自分のアヒルの姿は、かわいそうと思うと同時にもう少し見ていたいという気持ちになります。これが良い感情なのかはさておき、人型のキャラクターが撃ち合うゲームとは違う感覚でプレイできるのも1つの特徴と言えますね。

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 前代未聞のアヒルたちによるシューティングゲーム。体験した筆者としては、気が付いたら時間が溶けてしまっている状況には気を付けてほしいですね。気楽にプレイできる内容でありながら、継続的に遊びたくなる中毒性を秘めています。コアとカジュアルのちょうどよい境界に位置するゲームなので、層を問わず誰にでもオススメしたい良作です。

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