ワンコネクトが1月8日に配信を開始するカワサキ裏社会ビジュアルノベル『カワサキデビルズ』。配信に先駆けて先行プレイする機会を得たので、その感想をお届けします。
※本記事はワンコネクトの提供でお送りします。本作は川崎が舞台のダークアドベンチャーゲーム。ターミナル駅と繁華街を中心に多くの人々が行き交うあの川崎市を舞台に、人と悪魔を巡る物語が描かれていきます。ひとりの少年が手にした悪魔の力…はたしてその力は、少年に何をもたらすのか? 気になる物語を早速ご紹介していきます。
気付かないフリで、街は狂う。『カワサキデビルズ』OP映像
川崎で蠢く人と悪魔の思惑。夜の街は“非日常”に染まる【カワサキデビルズ】
主人公の由良 岬(ゆら・みさき)は若くして両親を亡くし、叔父の支援を受けながら妹と寄り添って生きる高校2年生。この1年半ほどは妹の陽向(ひな)が謎の病により入院中で、岬は妹のために昼は学校に通い深夜はアルバイトに勤しむ苦労人です。
髪を金髪に染め喧嘩を起こすことから学校で問題児として見られていますが、実は誰彼構わず手を出しているわけではなく、妹や自分に危害を加えたり、弱い者虐めをしたりしている人に容赦なく対応してきただけで、どちらかというと正義感は強いほう。
彼の優しさや真面目さは妹や親友である水島が理解してくれており、岬はふたりとの時間を大切にしながら日々を過ごしていました。
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そんな岬はある夜、悪魔に関連する事件に巻き込まれてしまい、自分の命と妹のために悪魔との契約を決断。悪魔と契約を交わす者“刻契師(グレイヴァー)”となった彼は、川崎の闇夜に蠢く人と悪魔の思惑に翻弄されていくことになります。
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川崎では、使役できれば望みが叶うと噂されている悪魔を宿す依り代“禁断の書”を巡って3つの組織が争っていました。新人刻契師である岬に各組織の主要メンバーは興味津々で、物語中盤までにかけて岬は彼らと対峙しスカウトを受けていくわけです。
岬は当初この危険な争いには当然関わりたくないと考えていましたが、妹を守るため、そして力を手にした以上は逃れられないと覚悟を決めて向き合っていくことに。ストーリーは岬にとって大切な日常である妹や友達・仲間との交流と、川崎の夜で繰り広げられる悪魔関連の事件を交えながら進行し、最終的に岬は重大な選択を迫られることになる…というのが大まかな流れとなっています。
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本作では全シーンが立ち絵ではなく1枚絵のスチルで構成されており、しかも1枚のスチルを長々と表示しているのではなく状況に合わせて次々と切り替わっていくのがポイント。これにより立ち絵だけだといまいち理解ができなさそうな戦闘シーンといった複雑な状況を瞬時に理解でき、まるでアニメーションや映画を観ているかのような感覚で楽しめます。
膨大な数のスチルを活用した場面転換は非常に秀逸で、寄りと引きを混ぜながら自然にスチルを切り替える演出には特に舌を巻きました。
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前述したように岬は妹の安全に重きを置いており、争い自体を好んでいるわけではありません。病に苦しむ妹が懸命に生きようとしている姿を見ていることから、必要な闘いはせども“人の命は奪わない”ことを信念としています。ストーリーにおいてこの岬の信念は非常に重要なキーワードとなっており、信念を貫けるかどうかで最良のエンディングを迎えられるかが決まると言えるでしょう。
しかし岬が向き合うことになる3つの勢力、特異課、多摩影会、純白ノ契約のなかには岬の信念に反する理念を掲げている組織もあるうえ非常に過激な人物もいるため、岬が信念を貫くのが難しい状況になることも。特に岬にとって脅威となるのは、犯罪組織である「多摩影会」と宗教組織「純白ノ契約」です。
この二組織のリーダーは目的のために人の命を奪うことを厭わず、ルートによっては岬に非常に残酷な選択を迫ったり、彼の大切なものに手を下したりしてくることもあります。そのような状況になったとき、絶望に心を蝕まれた岬は不殺の信念を貫けるのか、あるいは命を奪う選択をしてしまうのか…。これが物語の大きなテーマのひとつであり、見所となっています。
岬が彼に寄り添う人たちや自分の信念を本当に大切にしていることがストーリーの随所から伝わってくるので、予想だにしない展開を迎えたときに彼の悲しみや葛藤に心が痛んでしまいました。日常と非日常が絶妙なバランス感で描写されているからこそ、岬の苦しい状況に感情移入しながらプレイできたと思います。
【特異課】
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警察の特殊異例事件対策課。表向きは一般的な警察組織ですが悪魔の存在を認識しており、その管理と監視が目的。治安維持に重きを置いていて、平和を脅かすものを排除することも。岬の信念に比較的近い組織です。
【多摩影会】
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悪魔を金と暴力の道具に変え、町を支配しようとしている犯罪組織です。リーダーの黒岩は逆らう者に容赦しないため、岬が誤った選択を取ればDEAD ENDを迎えてしまいます。
【純白ノ契約】
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人を超えるために悪魔と交わり、儀式を繰り返しているとされている宗教組織。養護施設も運営していて、登場人物の何人かは純白ノ契約の施設で育った過去があります。
岬を変え、岬が変える少女・澪との関係性を大切に
岬が出会うことになる少女・澪は本作のヒロインといえる存在です。彼女もまた刻契師で、岬と出会った当初は感情を感じさせない虚ろな瞳と表情が強く印象に残ります。澪はそれまでの境遇から人の命を軽視しており、岬とは正反対の考え方を持っています。
岬はそんな澪に怒りをあらわにしますが、同時にどこか放って置けない雰囲気の彼女を気にかけるように。澪もはじめは岬の考えを理解できないと否定しますが岬とファロス、そして彼の妹・陽向と交流するなかで、岬の大切なものと信念を自分も守りたいと思うようになっていくのです。
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実はチュートリアルにあたるゲーム冒頭では良き相棒として活躍するふたりの様子が描かれるため、実際に本編が始まってふたりの初対面のシーンを見ると、その温度差に驚いてしまうかもしれません。息の合ったふたりの関係性に至るまでどのような出来事があったのか、ふたりがどんな言葉を交わしたのかを期待しながら、ストーリーを進めてみていただければと思います。
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また、澪だけでなく悪魔たちとの交流も本作の魅力のひとつ。ルートによっては予想しなかった悪魔と契約をしたり、彼ら彼女らの意外な表情が見られたりするのでお楽しみに。
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選択によっては死も。変化する選択肢に高まる緊張感
本作の最大の特徴は、リアルタイムに変化する選択肢です。目的地を決めたり、戦闘シーンでどちらに避けるかを決めたりといった重大な選択を迫られるとき、いくつかの選択肢が表示されます。
プレイヤーとしては、選択肢はじっくりと考えて決めたいところ…ですが、なんと本作では選択肢の内容が時間経過と共に変化していく仕様! 実際、現実で何かが起こったとき、周りの状況というのは刻一刻と変化していくもの。それを本作では選択肢の変化という形で表現することで、プレイヤーの緊張感と没入感を高めているわけです。
もちろん選択によってはDEAD ENDを迎えてしまうものも…。死んでしまった場合は選択肢の直前からすぐにやり直せるとはいえ、毎回選択を迫られるシーンでは緊張してしまいました。
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本システムの面白いポイントは、選択をすることが必ずしも正解とは限らない点。実は時間切れになっても話は進み、状況によっては沈黙を貫くことが道を拓く場合があるのです。例えば多摩影会の黒岩と対峙するシーンでは、彼から「黙って聞け」と言われたのにも関わらず行動を選択すると、何を選んでもDEAD ENDになってしまいます。
「黙って聞け」と言われたからには沈黙を選ぶべし。何も選ばずに時間が過ぎるのを待つことも、時には必要なわけですね。
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実は澪との交流で出現するいくつもの選択肢は、エンディング分岐のフラグにもなっています。ある重大な選択をした後にストーリーを進めても、フラグが立っていないと悲惨な結末を迎えてしまいます。彼女にまつわる選択肢についても、よく考えて決めてほしいところ。
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どんな状況になっても、最初の信念を忘れないで
本作はマルチエンディング方式を採用しており、選択肢によってさまざまな結末を迎えることになります。
中盤に差し掛かると、3つの組織のうちいずれかに所属するかどうかを決断するという場面も。このときどこかに所属するのか、あるいは所属しない道を選ぶのか。それはプレイヤーの手に委ねられます。
もしどの道を選べばいいかわからなくなったときは、黎のこの言葉を思い出してみてはいかがでしょうか? 岬が最初に抱いた信念を貫き通せば、もしかしたら真実を目にすることができるかもしれませんよ。
「きみは何を失える?記憶か?感情か?痛みか?あるいは命そのものか。」
「これから何を選び、どこに踏み込むかで、失うものは変わってくる。」
「人間らしさを捨ててはいけないよ。選択を間違えないように。」