KONAMIの名作RPG『幻想水滸伝』シリーズの30周年を記念したオーケストラコンサート“幻想水滸伝 30th Anniversary Orchestra Concert”が、2025年12月16日に東京オペラシティ コンサートホール タケミツメモリアルで開催されました。コンサートの模様はYouTubeで無料配信されています。
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コンサートを前に『幻想水滸伝I』、『幻想水滸伝Ⅱ』の作曲を手掛けた東野美紀氏と、最新作『幻想水滸伝 STAR LEAP(幻水SP)』作曲家・蒲地あかり氏にお話を聞く、機会をいただきました。『幻想水滸伝』シリーズへの想いや、楽曲に込められたある仕掛けまで、貴重なお話をたっぷりとお届けします。
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コンサートは無料配信で楽しめるほか、配信の前半では幻想博物館めぐりやシリーズの振り返り、そして“幻想水滸伝 30th Anniversary Orchestra Concert”についての関係者トークも楽しめます。
なお、電撃オンラインでは『幻想水滸伝 I&II HDリマスター 門の紋章戦争 / デュナン統一戦争』のキャラクター人気投票を開催中。それぞれの作品について、好きなキャラクターは3人まで投票可能です。(各作品内で同一キャラクターへの複数投票は無効とします)
【投票締切】
2026年1月8日23:59まで
シナリオを読んで自由に制作された『幻想水滸伝』の音楽
――よろしくお願いいたします。東野さんが『幻想水滸伝I』に最初に関わられたときの思い出、印象に残っているエピソードを教えてください。
東野さん:最初に『幻想水滸伝』チームに挨拶に行った時のことを覚えています。サウンドは制作チームの中に入っていなくて、チームに付随するサウンド担当という位置づけでした。村山吉隆(ディレクター・シナリオ担当)さんの第一印象は、「熊さんみたいな人だ」と感じて、優しそうな方でよかったと思いました。河野純子(キャラクターデザイン)さんは、「にゃー」とかしか言わないんですよね(笑)。なんて自由で、楽しそうなチームなんだろうと思いました。
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――蒲地さんは、どのような流れで『幻想水滸伝 STAR LEAP』に参加されたのでしょうか?蒲地さん:私も東野さんと少し似たような感じで、音楽は後発で、ある程度ゲームの方向性が決まってから音楽制作が始まりました。
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私自身ももともと『幻想水滸伝』のファンで、そういう音楽を作りたいと思っておりました。今回参加させていただいて、わからないところもたくさんあったのですが、制作陣の皆さんが本気で『幻想水滸伝』シリーズに向き合って、真剣に新しい物語を作っていらっしゃることに感動しました。
私たちサウンドスタッフも、どうしたらプレイヤーに音でワクワクしてもらえるか? を話し合い、ひとつずつゲームに落とし込んでいっています。
――シリーズファンである蒲地さんから見た、東野さんの印象を教えてください。
蒲地さん:以前にもちょっとお会いしたことがあるのですが、本当にお優しい方で。私は、小学生くらいから『幻想水滸伝』シリーズの大ファンです。女性でも活躍している作曲家の方はいますが、それほどたくさんいらっしゃるわけではなく、これだけ素晴らしい音楽を作られている東野さんに、お会いできて本当に光栄です。今も「ここにいていいんですか?」という気持ちです。
――東野さんは、蒲地さんの印象はいかがですか?
東野さん:とにかく、もう元気いっぱいで(笑)。とにかくゲーム制作は体力のいる仕事なので心配していたのですが、元気いっぱいの方なので、「これは乗り切れる、大丈夫だな」なと安心しています。
――『幻想水滸伝』という作品の楽曲を作る際、意識しているキーワードやテーマ、メロディーライン、楽器などはありますか?
東野さん:オーダーらしいオーダーはなく、私がシナリオを読んで、自由に作らせてもらった感じですね。
『幻想水滸伝』が発売された90年台はワールドミュージックなどの洋楽がすごく流行っていました。ワールドミュージックや民族音楽をポップに取り込んだものまで、ゲーム音楽以外をたくさん聴いていました。
――『幻想水滸伝I』はPlayStationで発売され、それまでのゲーム機に比べ、表現できる音の幅も広がったのではないでしょうか?
東野さん:もう、この時を待っていたという感じでしたね。特に『幻想水滸伝I』のBGMは自由で、イメージを膨らませながら作っていったという感じです。そして、PlayStationの持つ音の可能性を最大限まで生かそうと思いました。
――蒲地さんはいかがですか?
蒲地さん:『幻想水滸伝』シリーズ自体が創作のお話であり、現実の国や文化などの要素を掛け合わせながら、独自の世界観を作っていると私は解釈しています。東野さんの音楽を最初に聴いた時も、特定のジャンルに寄せず、いろいろな国出身で、背景も違うキャラクターたちが集まることで、独自のジャンルになっていくのかなという風に思ったんです。
今回、いろいろなコンポーザーの方と組ませていただくにあたって、「『○○風』というひとつのジャンルに寄せ過ぎないで欲しい」という話はしました。そうでなければステレオタイプになってしまうので、『幻水SP』の時代と風土の音楽ってどんなものなのかなという切り口で、考えていきたいと思っています。
――『幻想水滸伝』シリーズは、街ごとの音楽に個性があって魅力的ですよね。街の音楽を作る際に、意識されることはありますか?
東野さん:この街は人口どれくらいだろうとか、どんな産業が発達している、伝統はなんだろうとか付属した情報も想像しています。そんな街なら、こんな音楽が流行るよねという感じです。
また都会だったらベースを入れてみたり、田舎だったら素朴な笛にしたり。自由に想像を膨らませてきました。
蒲地さん:街の曲で言うと、今回のオーケストラコンサートで『幻水SP』は昼・夜のアレンジがされています。夜に関しては主に、主宰のMetroberryさんが担当され、ジャズアレンジをしてくださいました。
RPGの醍醐味のひとつに、いろいろな文化や規模の街・国を探索する楽しさがあると思っています。楽曲もそれに合わせて、街の栄え・寂れといった部分を意識し、楽器も多種多様取り入れるようにしました。
音楽にもストーリー性や鼓舞する仕掛けが!
――『幻想水滸伝』らしさを意識することはありますか?
東野さん:『幻想水滸伝II』を制作する際に、テーマ曲で、どこまで初代の音楽を残そうかというのは考えました。モチーフなど断片が見え隠れするだけで、一貫性が生まれるんじゃないかと思いました。
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『幻想水滸伝II』のオープニングの戦争のパートでは、バックで出撃ラッパの音が流れています。そのラッパの音は初代の出陣のテーマのメロディです。断片的に出すことでリンクされるといいますか、気づかなくても潜在的に繋がっている感じが出るんじゃないかなと思っています。
曲数も多く、いろいろな方が携わっているので、バラバラになって収拾がつかなくなるのを避けるために、テーマやメロディを量産するのではなく、あるものを手を変え品を変え試行錯誤していきました。
メロディはそのままに楽器編成を変えたり、モチーフを上手く使ったり、テンポを倍速にしたり2倍に引き伸ばしたり、複数のテーマをクロスオーバーさせたり。
例えば、ルカ・ブライトとの最後の戦いで流れる「追い詰める」という曲があります。王国軍のBGM「王者の行進」のメロディを少し早めにして使用していて、途中で笛の音が出てくるんですね。これは回想の中のメロディで、キャロの街やゲンカク、ナナミとの思い出を表しています。その音をちらっと出すことで、主人公の脳裏に思い出が浮かび、でも戦争の音楽でかき消されて現実に戻されていく、曲の中にもストーリー性を作りました。自分の解釈で創造できる部分もあるので、そういう部分でも工夫してモチーフを使うことを意識して曲を作っています。
気づいていただけるかわからないですけど、忍ばせておくことで、潜在的に訴えかけられるものがありますよね。
蒲地さん:一ファンなので、こんないい席で貴重なお話を聞かせていただいて、「ふぁ~」となっています。
――蒲地さんが、過去作品の楽曲をアレンジしたり、オマージュしたりする場合に意識していることはありますか?
蒲地さん:歴代の有名なメロディやモチーフに、新しいメロディを重ねることで、今の同じ時を生きているような感じに演出したいなというような意図があります。
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なかなか気づかれはしないんですけど、こっそりと混ぜ込んで「気づく人は、気づいてくれ」という気持ちで(笑)。
東野さん:わかる(笑)。
蒲地さん:今回のコンサートでお出しできない曲の中にも、まだたくさんこっそりモチーフが隠れているものがあるので、そういうところを誰か気づいてくれると嬉しいですね。
――お二人に今回のコンサートで演奏される楽曲で、特に思い入れの深いものを教えてください。
東野さん:「回想」ですね。歌の高橋由美子さん、ピアノが私、そしてオーケストラという完全版は、今まで1回もやったことがない編成です。初めて実現するので、すごく楽しみです。
蒲地さん:『幻想水滸伝I』の「失われた日々」が、昔からすごく好きです。長いダンジョンを超えてテッドの村に行くんですけど、初めて聴いた時に「なんて切ない、いい曲なんだ」と思ったことを覚えています。今日、一番最初に演奏されるということで、本当に楽しみにしています。
『幻想水滸伝 STAR LEAP』では、戦争の曲「戦旗を掲げよ!」です。『幻想水滸伝』と言えば、戦争のカッコいい曲。今回、一番最初に作らせていただいた曲が「戦旗を掲げよ!」で、自分の中でも『幻想水滸伝』らしさをどういう風にしていけばいいのか苦戦しながら作ったので、思い入れがあります。
――最後に、『幻想水滸伝』の音楽を愛するファンへメッセージをお願いします。
蒲地さん:敬愛する東野さんはじめ、これまで『幻想水滸伝』に関わってきた多くのサウンドクリエイターが、当時の開発環境の中で試行錯誤しながら、音作りへかけた情熱に思いを巡らせています。
『幻水SP』でも、その方々の志をしっかりと継承しながら、さらに新しい世界を皆さんと一緒に広げていけるよう、誠心誠意、全力で挑戦してまいります。
今後も「この曲、素敵だな」と心から感じていただける楽曲をサウンドスタッフみんなで創出していきたいと思いますので、ぜひ期待してお待ちいただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
東野さん:30年前に初めて『幻想水滸伝I』を遊んでいただいた方から、新しく最近知ってくださった方まで、たくさんの方の応援があってここまで来ることができたのかなと思い、本当にもう感謝の気持ちでいっぱいですね。
この先また10年、20年、30年と、『幻想水滸伝』が愛されるように、作品に関わったものとして願っています。
東野さん:わかる(笑)。
蒲地さん:今回のコンサートでお出しできない曲の中にも、まだたくさんこっそりモチーフが隠れているものがあるので、そういうところを誰か気づいてくれると嬉しいですね。
――お二人に今回のコンサートで演奏される楽曲で、特に思い入れの深いものを教えてください。
東野さん:「回想」ですね。歌の高橋由美子さん、ピアノが私、そしてオーケストラという完全版は、今まで1回もやったことがない編成です。初めて実現するので、すごく楽しみです。
蒲地さん:『幻想水滸伝I』の「失われた日々」が、昔からすごく好きです。長いダンジョンを超えてテッドの村に行くんですけど、初めて聴いた時に「なんて切ない、いい曲なんだ」と思ったことを覚えています。今日、一番最初に演奏されるということで、本当に楽しみにしています。
『幻想水滸伝 STAR LEAP』では、戦争の曲「戦旗を掲げよ!」です。『幻想水滸伝』と言えば、戦争のカッコいい曲。今回、一番最初に作らせていただいた曲が「戦旗を掲げよ!」で、自分の中でも『幻想水滸伝』らしさをどういう風にしていけばいいのか苦戦しながら作ったので、思い入れがあります。
――最後に、『幻想水滸伝』の音楽を愛するファンへメッセージをお願いします。
蒲地さん:敬愛する東野さんはじめ、これまで『幻想水滸伝』に関わってきた多くのサウンドクリエイターが、当時の開発環境の中で試行錯誤しながら、音作りへかけた情熱に思いを巡らせています。
『幻水SP』でも、その方々の志をしっかりと継承しながら、さらに新しい世界を皆さんと一緒に広げていけるよう、誠心誠意、全力で挑戦してまいります。
今後も「この曲、素敵だな」と心から感じていただける楽曲をサウンドスタッフみんなで創出していきたいと思いますので、ぜひ期待してお待ちいただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
東野さん:30年前に初めて『幻想水滸伝I』を遊んでいただいた方から、新しく最近知ってくださった方まで、たくさんの方の応援があってここまで来ることができたのかなと思い、本当にもう感謝の気持ちでいっぱいですね。
この先また10年、20年、30年と、『幻想水滸伝』が愛されるように、作品に関わったものとして願っています。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/dengeki/61156/a663c3950978c8665d88b6f43e45f01ef.jpg?x=1280)
――ありがとうございました。
セットリスト
●Overture『幻想水滸伝 30th Anniversary』
失われた日々~『幻想水滸伝』より
シーサイド・スプリング~『幻想水滸伝IV』より
大河を駆ける~『幻想水滸伝V』より
美しき黄金の都~『幻想水滸伝』より
回想~『幻想水滸伝II』より
丘から吹く風~『幻想水滸伝III』より
幻想の世界へ~『幻想水滸伝』より
●『幻想水滸伝IV』ハイライト『罰の紋章』
出航
戦闘
丘をのぼって
輝ける海よ!空よ!
宿命の対決
罰の紋章
●『幻想水滸伝V』ハイライト『太陽の紋章』
ふたつの守護紋章
遥かなる旅路
強大な敵
絶望と希望
大河と太陽
闇に哭する光
108の星々がつむぐ物語の果てに
●『幻想水滸伝 STAR LEAP』より
芽吹きの広野
苦難を越えて
静寂の郷
栄えし大樹の郷
行軍、星のもとに
戦旗を掲げよ!
●Rhapsody for Battle Remix Ver.2
魔物たちとの対決~『幻想水滸伝』より
煌めく刃~『幻想水滸伝III』より
華麗なる大剣使い~『幻想水滸伝IV』より
突然の戦い~『幻想水滸伝III』より
舞踏狂詩曲~『幻想水滸伝V』より
Mad Luca~『幻想水滸伝II』より
Gothic Neclord~『幻想水滸伝II』より
●『幻想水滸伝I』ハイライト『ソウルイーター』
失われた日々
Penpe
緊迫のテーマ〜インパクト編
悲しみのテーマ〜アンサンブル編
出陣のテーマ
感動のテーマ
幻想の世界へ
最強の敵
緊迫のテーマ〜Tama-dator
Avertuneiro Antes Lance Mao〜戦いは終わった〜
●『幻想水滸伝II』より 『オープニングBGM』〜『回想』
Piano:東野美紀 / Vocal:高橋由美子
●『幻想水滸伝II』ハイライト『始まりの紋章』
過ぎた日々
回想〜ストリングスバージョン〜
怒りの鉄拳
悲しみのレクイエム
迷宮〜PENPE2
対決の時
銀狼
Chant~あなたと出会い生をうけ、あなたを失い死を知った〜
彼方の星
エンディングマーチ〜我らは常にいつならん(108人のその後)〜Coda
勝利(スタッフロールBGM)
●『幻想水滸伝III』ハイライト『真なる五行の紋章』
・第一楽章
丘から吹く風
旅立ち
騎士の誇り
ビネ・デル・ゼクセ
大空洞
火花を散らして
明るい農村
かつての英雄を求めて
・第二楽章
帚星の行方
円の宮殿
交錯した思い
最後の勝負
おだやかな日々へ
●アンコール
1曲目:彼方の星
2曲目(前半):幻想の世界へ
2曲目(後半):救出