『魔界戦記ディスガイア』をはじめとした多くのゲーム制作を手掛け、喜多山浪漫名義で小説も執筆する新川宗平氏が、2026年7月14日に53周年(53歳)を迎えます。それを記念して、電撃オンラインではインタビュー連載“スーパーニッチの流儀”を連載します。
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第1回となる今回は、独立するまでの経緯と、現在の活動内容についてお聞きしました。50代からの再起動……なぜ新川氏は上場企業の社長を辞め、“スーパーニッチ”を選んだのか? 初めて語られる衝撃の内容にご注目ください!
なお、新川氏が原作小説を執筆し、プロデュースまで担当しているPS5/PS4/Switch/PC向け新作ゲーム『エトランジュ・オーヴァーロード』が、ブロッコリーから2026年3月26日に発売予定です(パッケージ販売はNintendo Switch版のみ)。本連載とあわせて、ぜひチェックしましょう!
エビテンで購入する新川宗平:1996年、日本一ソフトウェアに営業職として入社。プロデューサーやシナリオライターとして『マール王国の人形姫』『魔界戦記ディスガイア』などの制作に携わる。2009年、同社代表取締役社長に就任し、2022年退社。同年、合同会社スーパーニッチを設立し、代表を務める。同時期から“喜多山浪漫”名義で小説『エトランジュ オーヴァーロード』を執筆&発表。ゲーム化などのメディアミックスに乗り出す。
独立宣言――全てを捨てて《現場》へ帰る【新川宗平インタビュー連載 スーパーニッチの流儀:第1回】
――2022年、49歳という節目で長年勤めた日本一ソフトウェアを退職されました。経営者として会社を大きくする役割を次世代に託し、再び「ものづくりの最前線」へ戻ろうと決断された、その一番の動機は何だったのでしょうか?
新川宗平氏(以下、敬称略):日本一ソフトウェアには新卒第1期組として入社し、そこから26年、うち13年間、代表取締役社長をやらせていただきました。辞めたのは49歳の時です。50歳を手前にして「いつか人間は死ぬ。残りの人生をどう生きようか」と考えたんです。
当時、会社としては“若手をもっと育てなくてはいけない”というテーマがあり、現場が大好きで作るのも売るのも首を突っ込んでいた私としても「そろそろ現場に出るのは控えめにして経営に専念しよう」「若い子たちがのびのびやれるように、現場からは退いていこう」と、段階的に現場作業を引き継いでいきました。
でも、今後の人生を考えたとき、もともと自分は何がやりたくてこの業界に入ったんだっけと振り返ると、やっぱり“ゲームが作りたかった”んですよ。経営者として会社を大きく育てることに専念する道もありましたが、私にはあまり向いていない気がしましたし、そもそも経営をしたくてこの業界に入ったわけでもなかったので。そこで会社に相談し、2022年の8月に退任させてもらいました。
――退任後、クリエイティブや生活への向き合い方はどう変わりましたか?
新川:辞めた瞬間に悟った真理があるんです。人間って時間、人間関係、お金の3つのことに縛られて生きているんですよ。
辞めた瞬間に時間は自由になりました(笑)。会議や面談も全部なくなり、好きに寝て起きて、好きに人に会いに行ける。人間関係も、辞める時に名刺ホルダーを後任に全部預けてきたんですよ。個人的にLINEで繋がっていた人とのみ連絡が取れる状態になったので、気持ちが非常に楽になりました。
ただ、お金の問題はいろいろと考えましたね。上場会社の社長として働いていたときは安定した収入がありましたが、独立した瞬間、収入がゼロになるわけで。ローンも教育費もある中で、さてどうしようかと悩みました。
仕事が決まらなかったらどうしようというリアルな心配もありました。会社だと資金の用意はある反面、採算が取れる安定したものしか企画が通らず、クリエイターもサラリーマン化していく傾向があります。私は苦労してでも独立して、好きにやった方がいいなと決断し、そのスタイルで動くことにしました。
そんなこんなで独立して約3年半が経ちましたが、後悔は1ミリもありません。会う人みんなに「顔色が良くなったね、めっちゃ楽しそうだね」と言われます。自分としては「俺、(社長時代は)そんなしんどそうな顔してた?」って思うんですけど(笑)。
――人生の一大決心をされたわけですが、退職を告げた際のご家族の反応はどうでしたか?
新川:8月19日の午前中に退任の決議を受けて、午後からはもう暇になったんです。夏休みだったので息子(当時中学生)と電車に乗って出かけることになっていて、電車に乗る前に「お父さん、今日会社辞めてきたわー」って言ったんですよ。
そうしたら息子が「いいねー、かっこいいじゃん」って言ってくれて(笑)。子どもたちには事前に相談していなかったのですが、その言葉に救われました。
――現在は京都に家を持ちつつ、日本各地で仕事をしているノマド生活を送られているそうですが、環境を固定しない生き方が創作活動などに影響している部分はありますか?
新川:たしかに会社を辞めてからほぼ定住しておらず、今は東京が40%、岐阜が30%、京都が30%くらいの割合で、1週間同じ場所にいることがほぼない放浪者です。
退任した当日の夜もすぐに京都に向かい、ヴァニラウェアの神谷(盛治)さんと飲みに行って「実は辞めてきた」と話したら、驚かれつつも喜んでくれました。今の“スーパーニッチ”(新川氏が新たに設立した会社)のロゴと“喜多山浪漫”(作家としてのペンネーム)の似顔絵は、その時の独立祝いとして描いていただいたものです。
ただ、日本一ソフトウェア時代も岐阜と東京を行ったり来たりする生活が多く、会社や家ではなくホテルや移動中の新幹線などでも仕事をしていたので、会社を辞めてどうこうではありませんけどね。ゲーム作りやシナリオ執筆をする時間や場所を選ばなかったので、昔からノマド的な働き方をしていました。
会社を辞めて大きく変わったのは、時間の使い方ですね。移動生活自体は変わらずですが、起きる時間や寝る時間が自由になったので、昼寝をしてリセットしてからまた執筆ができるようになりました。寝て起きた後って、私にとっては頭がしゃっきりしている“ゴールデンタイム”なんですよ。昼寝をすれば1日に2回と、ゴールデンタイムを増やせるわけで(笑)。
さらに自分にとってのバフはサウナですね。岐阜にある新岐阜サウナはホームグラウンド的な場所で、ワーキングスペースに入り浸って、サウナに入ってはシナリオを書くということを繰り返しています。ずっとゴールデンタイムですよ(笑)。最近だと3日間サウナに通い続けて3万文字以上書きました。
【第2回へ続く(4月初旬掲載予定)】
『エトランジュ・オーヴァーロード』好評発売中!
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参考小売価格:8,580円(税込)、初回限定版12,980円(税込)
発売日:2026年3月26日
販売元:ブロッコリー
対応機種等:Nintendo Switch/PS5/PS4/PC(Steam)
CERO区分:B(12才以上対象)
発売日:2026年3月26日
販売元:ブロッコリー
対応機種等:Nintendo Switch/PS5/PS4/PC(Steam)
CERO区分:B(12才以上対象)