VTuberプロダクション“にじさんじ”を運営するANYCOLORが、2026年4月期の通期決算を発表しました。
そのなかでファンの男女比に関する非常に興味深い内容が記載されています。
そのなかでファンの男女比に関する非常に興味深い内容が記載されています。

にじさんじの売上は556億円。前年比30%増の急成長
まずは“にじさんじ”は今、どれくらいの規模なのかという全体像から。
売上高は556億8200万円で、前年同期比29.9%増。営業利益は201億7300万円で前年同期比23.9%増。
営業利益率36.2%を達成しており、その成長を大きく牽引しているのが、売上の約7割を占めるグッズやボイスなどのコマース領域です。コマースの売上高は年間380億9200万円に達しています。


一方で、Q4(第4四半期)単体を見ると営業利益が前年同期比で減少していますが、これは過去のグッズ在庫を考慮し、会計上一定の基準で約18億円の棚卸資産評価損を計上したという、今後のための適切な仕入水準の検討を伴うものです。YouTubeのメンバーシップや広告収益、企業案件も堅調と言えます。


今回注目したいのは、この強固な基盤を支えている“ファン層の熱量のあり方”です。
可処分時間と可処分所得。データが可視化した男女それぞれの推し活【にじさんじ】
決算資料には、ファンの肌感覚を裏付けるデータが掲載されています。

オフィシャルストアでのグッズ購入やFC加入などに必要な“ANYCOLOR ID”の登録者の性別比は女性が71%(男性29%)、一方でYouTube再生時間は男性が54%(女性46%)。
ネット上ではしばしば「にじさんじは女性ファンが熱心に支えている」と語られますし、実際にオフィシャルストアなどでアクティブに購買行動を起こしているのは7割以上が女性ファンです。
一方で、YouTubeの配信を長い時間じっくり楽しんでいるのは、男性ファンが過半数を占めています。
これらから男性ファンは配信を長時間視聴するなど、“可処分時間で推す”傾向が強く、女性ファンは配信を楽しみつつ、グッズやボイスの購入といった形で“想いを形(可処分所得)にすることで推す”比重が大きいと見ることができます。
この熱量の表現方法の違いによるギャップこそ、現在のにじさんじファンのリアルな推し活の実態と言えるでしょう。男女どちらの層も、それぞれのスタイルでコンテンツを熱心に支えています。
にじさんじTCG『7 Colors』は男性ファンへの購買意欲を刺激するアプローチか?

このデータを踏まえると、ANYCOLORが男性ファンの購買意欲を刺激するグッズの展開を狙っていると考えるのは自然なことでしょう。
その象徴的な施策と思われるのが、2027年新春に発売予定のTCG『NIJISANJI 7 Colors Card Game』です。
2025年のデータになりますが、TCGのメインユーザーは20代・30代の男女、特に男性ユーザーの方が多いとハピネットの調査結果が出ており、これは一般的な肌感覚と大きなズレもありません。
コレクション性や対戦の面白さを持ち、男性ユーザーの参入も期待できるTCGというジャンルに“にじさんじ”IPを投入することで、これまでグッズ購入に動きづらかった層を巻き込む可能性を秘めています。