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『鬼武者 Way of the Sword』インタビュー:開発陣が語る殺陣へのこだわり。名作映画に着想を得た"静と動”の美学とは

文:シュー

公開日時:

 カプコンより9月4日に発売されるPlayStation 5/Xbox Series X|S/PC(Steam)用タイトル『鬼武者 Way of the Sword』。そのメディア先行プレイ体験会が行われ、体験版よりもさらに踏み込んだアクションや新しい『鬼武者』の全体像が確認できました。

 この記事では、プロデューサーを務める門脇章人氏、ディレクターを務める二瓶賢氏へ、実際に最新版をプレイした直後に実施したインタビューをお届けします。

▲プロデューサーの門脇章人氏(左)、ディレクターの二瓶賢氏(右)。

『鬼武者 Way of the Sword』について門脇氏、二瓶氏に聞く!


――今回のプレビューでとくに見せたかった意図や読者に注目してほしいポイントについて教えていただけますか?

二瓶
1つは、大型ボスの大唾拉(だいだら)という敵を通じて、人型同士の対決だけではない、鬼武者らしい大型敵とのチャンバラの迫力を体験していただきたかった点です。

 もう1つは"ワイドリニア”というフィールドの広がりですね。最初の情報解禁では意図的に伏せていた部分でもあったので、京都の街の中で展開する遊びの幅や深みを感じてほしいと思っています。


――それぞれの具体的な見どころや補足があれば、もう少し詳しくお聞かせください

二瓶
大唾拉戦に関しては、弓矢の兵器などの環境物に乗って攻撃したり、地形を利用して戦うのが醍醐味です。大型敵の攻撃をガードや受け流ししたときに、相手が膝を崩すといったダイナミックなアクションも盛り込んでいます。フェーズ1からフェーズ2への展開もかなりこだわって作ったので見ごたえがあるはずです。

 ワイドリニアに関しては、一本道を走るだけでなく、急に村人が走ってきたり、京都ならではの不気味な噂話を描くサイドクエストが発生したりします。清水寺や大江山のようなリニアなステージ以外にも、ワイドリニアなフィールドに鎮座するボスも存在するので、かなり魅力的な構造になっています。


――今作をプレイしていて、登場人物たちが"鬼”や"小手”の存在を当たり前のものとして認識しているのが印象的でした。今作における"鬼”とはどういう存在で、どういうテーマを持っているのでしょうか?

二瓶
今作は日本の史実や伝承をベースにしています。鬼たちがどこにいるかというと、今作では"地獄”のさらに奥底にある"無間地獄(むげんじごく)”という場所に幻魔たちが生息しています。

 幻魔が鬼門を通って現世へ這い上がって来ないよう、地獄界を統制していたのが"鬼の一族”です。時折、現世の生気が乱れるとワープホールのようなポータル・極窓(ごくそう)が開いて幻魔が現世に現れてしまう。その際、現世を守る側の人間として"鬼の小手”を授けられ、幻魔を倒すために選ばれた人物が"鬼武者”という位置づけになります。

――時代劇を見ているような本格的な殺陣(たて)を感じました。打ち合いのカッコよさだけでなく、「あえてすぐには斬りかからない静けさ」のような美学も大切にされているのでしょうか?

二瓶
まさにそこです。じつは僕、映画『椿三十郎』が一番好きでして(笑)。最初のプロトタイプの段階から、"動”の動きだけでは時代劇っぽくないと感じていたんです。"静と動”のメリハリをゲームの中に落とし込みたくて、武士の動きや敵に剣先を向ける構えにも徹底的にこだわりました。


 今回はプロの殺陣師の方をお呼びして、実際の殺陣のリアリティを追求しながら動きを作っています。敵に大勢で囲まれたときも、やみくもに襲いかかるのではなく、真ん中、右、左と連携して攻撃してくるようにプログラムを組んでいます。時代劇でおなじみの「うわぁぁ」と溜めてから倒れるリアクションや、高所から射ち落とされたときの落ち方なども、時代劇ロマンの約束事として意識して作っています。

――シリーズの核である"一閃”や、新アクションの"受け流し”についても教えてください。

二瓶
"一閃”の魅力は守りつつ、今作ではさらにバリエーションを増やし、狙いやすく調整しています。また、攻撃を重ねて相手の力図ゲージを削り、納刀でズバッと斬る"崩しシステム”も導入しているので、一閃が得意でない方でもカタルシスを味わえます。

 新要素の"受け流し”は現代のゲーム技術だからこそ表現できたアクションです。敵の攻撃と自分の刀の位置関係や地形の傾斜をリアルタイムに計算して受け流す仕組みになっており、成功させると"気焔”状態になります。気焔状態で攻撃すると青魂がたくさん出現し、それを吸い取ることで必殺技ゲージが溜まる、という新しいアクションサイクルを構築しました。

――京都のリアルな街並みや清水寺・建仁寺などの建築物にファンタジー要素が融合していますが、どのように落とし込んでいったのでしょうか?

二瓶
京都は1000年の歴史がある街なので、人の怨念や祈りなど魅力的なエピソードが豊富にあります。例えば清水寺の過去の逸話などを「じつは幻魔の仕業だったのでは?」と解釈して物語を作りました。

 再現にあたっては実際に現地で取材・計測を行いました。ただ、単に「江戸時代初期の京都」を厳密に再現しすぎると、現代の人が観光で知っている風景(建仁寺の双龍図など)とギャップが生まれてしまいます。ユーザーのみなさんが「あ、あそこだ!」と直感的に楽しめるよう、史実をベースにしつつ見映えや認知度を優先したアレンジを加えています。

――一度倒したボスと再戦できるモードがあるとお聞きしました。

二瓶
はい。拠点の"六道地蔵の寺”にある部屋で、クリアしたボスと再戦できるモードを用意しています。開発途中、ユーザーさんの「もう一度あのボスと手応えのあるチャンバラがしたい」という声を受けて急遽追加した要素です。

――副題の『Way of the Sword』の由来はなんでしょうか?

門脇
今作は初っ端からグローバルで勝負したいという意図があり、世界共通の名称を目指しました。海外の方からすると"鬼武者(Onimusha)”という言葉だけではどんなゲームか伝わりづらい部分があります。そこで直感的に「剣撃のアクションゲームである」とわかる"Sword‷という言葉を入れました。

 また、主人公が宮本武蔵であるため"剣の道=Way of the Sword”というフレーズが非常にしっくりきたため決定しました。


――宮本武蔵に対するライバル"巌流(佐々木小次郎)”のキャラクター像について教えてください。

二瓶
巌流は「カプコンが描く佐々木小次郎といえば巌流だよね」と思ってもらえるよう、時間をかけて作り込んだキャラクターです。

 野性味のある山猿のような武蔵に対して、巌流は長身で美意識が高く、あまり苦労せずとも剣が振れてしまう天才肌。それでいてどこか狂気を感じさせるサイコパス的な性格に設定しています。

 その性格を反映して、戦闘時もフェイントを織り交ぜてくるやっかいな動きをします。衣装も武蔵との対比で赤と青を意識するなど、ライバル関係を強調したデザインになっています。

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