往年の名作RPG『Wizardry(ウィザードリィ)』シリーズの系譜を受け継ぐ、3DダンジョンRPG『Wizardry Variants Daphne(ウィザードリィ ヴァリアンツ ダフネ)』。
2024年10月15日のサービス開始以来アップデートを重ねており、この夏には『ファイナルファンタジーXI』とのコラボも実施されるなど、ゲームファンからの話題を集めています。
2024年10月15日のサービス開始以来アップデートを重ねており、この夏には『ファイナルファンタジーXI』とのコラボも実施されるなど、ゲームファンからの話題を集めています。

『ウィザードリィ』シリーズといえば、ダンジョン内で全滅したら自力で(別パーティを作って)救助に向かわなければならず、最悪キャラクターが消失(ロスト)する可能性があるという、非常にシビアな仕様のゲームというイメージがありました。
とはいえ、「手軽さがウリのスマホゲーでキャラが消えるなんて、そんなことがあるわけない」と高を括っていたのですが、いざ遊び始めてみると思った以上に硬派で重厚なストーリーとゲーム性が待ち受けていました。
本記事では、『ウィザードリィ』を名前程度しか知らなかったシリーズ初心者が、実際に本作をプレイしてみた率直な感想をお届けします。
索引
閉じる『ウィズダフネ』の概要とストーリーを紹介。ゲーム性も世界観もとにかく硬派でダーク!

RPGの原点の1つとも言われる『Wizardry』シリーズは、1981年に当時のパソコン用RPGとして登場し、その後さまざまなPC・家庭用ゲーム機にて展開されました。
そして、2024年10月15日にシリーズ最新作となる『Wizardry Variants Daphne』(Drecom)がモバイルRPGとしてリリースされました(2025年3月6日よりSteamでも配信中)。

本作の舞台となるのは、世界を蝕む呪われた迷宮“奈落”。プレイヤーである“主人公”は、ダンジョン内で謎のモンスターに襲われ、開始早々にあっけなく死んでしまいます。

ここで主人公に問いかける謎の存在から性格診断のようなものを受けるのですが、これによって主人公の性格(アライメント)が決まります。


その後、目を覚ますと“屍人”となってダンジョンに閉じ込められていた主人公。そこで謎の亡霊“ルルナーデ”と出会い、共に脱出を目指して行動することになります。
彼女は主人公にしか見えない存在なのですが、歯に衣着せぬ言い方で的確なアドバイスをくれる非常に頼れる相棒といったイメージです。(あと可愛い)

さらに主人公は“逆転の右手”という特殊な能力を持っており、壊れた物を修復させるだけでなく、なんと“骨となった人すら生き返らせる”力を駆使して奈落に挑みます。
全体的にダークファンタジーの雰囲気が漂っており、イベント等でもシビアな展開が非常に多い印象を受けました。

ストーリーを進めていくとさまざまな登場人物が出てくるのはRPGの通例ですが、本作ではそんなキャラクターたちですらあっさりと死んでしまいます。
最初のダンジョンである“はじまりの奈落”では、主人公は騎士団と共に探索隊を組んで挑むことになるのですが、その仲間たちが敵モンスターや罠のせいで斬られて、刺されて、岩に押しつぶされて……と、無情にも次々とリタイアしていきます。このあたりの表現は生々しく、容赦がありません。


その一方で、探索が進むにつれて主人公の素性や能力が徐々に見えてくる部分もあり、ヒロインであるルルナーデの謎も相まって、どんどん先へと進めたくなる意欲に駆られます。
シリーズの伝統と“お約束”は健在! 緊張感と直感的操作が光る3Dダンジョン探索パート


探索は、マス目状に構成された3Dダンジョンを一人称視点で進んでいく、王道の3DダンジョンRPG方式です。プレイヤーは前進や後退、視点変更などを駆使しながら、一歩ずつ慎重に迷宮の奥へと足を踏み入れていきます。

本作はフィールド上に敵の姿が見える“シンボルエンカウント制”を採用しています。
しかし、意外と視認するまえにエンカウントするなんてことも多く、さらには敵の奇襲を受けて誰かしらにクリティカルダメージが飛び、なすすべもなく一撃で死んでしまうなんてことも……!?

ほかにも、ダンジョン内のギミックや宝箱に仕掛けられた罠によって手痛いダメージを受けるなど、道中は常に気が抜けません。
スマホならではのタップやスライドを駆使した直感的な操作法が採用されているため、ヒリつくようなダンジョン探索の緊張感を存分に味わえました。
手軽で親しまれてきたターン制のコマンドバトル……に潜む“死”の恐怖

戦闘システムは、王道とも言えるターン制のコマンドバトルです。攻撃・スキル・呪文・防御・道具・逃げるの各項目から1人1人行動を選択するというオーソドックスな作りなので、RPGを遊んだことがある人ならすぐに馴染めると思います。
特に序盤は強力なスキルや呪文などはまだ使えないため、パーティキャラクター全員に回復薬を持たせて必死にやり繰りしていました。また、オート操作もあるので、格下の雑魚敵程度であれば、ただ殴るだけのオート戦闘でサクサク進めることも可能です。
ただし、油断してこまめな回復を怠ったりすると、すぐにパーティメンバーが死亡してしまいます。
本作において“死亡”は本当の意味での“リスク”。適当に戦闘をこなしてキャラを死なせてしまうと、後々取り返しのつかない大きな後悔を生む……これこそが本作の醍醐味でもあります。

ちなみに、パーティメンバーが戦闘不能になった場合は、主人公の“逆転の右手”を使って1度に1人に限り、その場で蘇生させることも可能です。
ただ、その際目押しのアクションが発生し、失敗するごとに主人公自身にダメージが入ってしまいます。これが慣れないとかなり難しく、連続で失敗して主人公が死んでしまうなんてこともあり得ます。
なぜそこまで“死”が重いのか? その恐ろしい理由については、次の項目で紹介します。
味方が死んだらロスト(消失)する可能性あり⁉ シビアに設定されたデスペナルティ
本作最大の特徴であり、実際に自身がプレイしていて一番驚いたのがこれです。

戦闘でHPがゼロになると味方は“死亡”状態になります。
そこから街にある寺院で蘇生を試みるのですが……なんと蘇生に失敗するとキャラクターが“灰”になり、さらに失敗すると完全に“ロスト(消失)”して二度と戻ってきません。
これは、苦労してガチャで当てた“伝説の冒険者”キャラ(いわゆるSSRキャラ)でも同様です。

そこで重要となるのが“メンタル”の管理です。
仲間の冒険者はダンジョン内で何かしらのアクシデント(罠の解除に失敗したり、毒の床を踏んだり等)に遭遇するとメンタル値が減少していき、この数値が低い状態で死亡するほど、蘇生に失敗する可能性がどんどん跳ね上がっていきます。(戦闘中の蘇生に関わる成功サークルの大きさにも影響)
減少したメンタル値は時間経過で回復します。逆に言えば、無理をして死なせさえしなければロスト(消失)する危険もないため、一般的なスマホゲームによくある“スタミナ”の概念がないことも相まって、つい時間を忘れてプレイし続けてしまう理由になっています。

ちなみに、主人公が死んだ場合は、“再起の火”を消費して、直前からやり直せる救済措置が用意されています。
とはいえ、「死んだら難易度が優しくなる」といった要素はなく、「1回挑戦してみて、最悪やり直せばいいや」といった安易な考えで準備を怠って突撃すると、取り返しがつかなくなることもあり、常に“仲間を失うリスク”と隣り合わせの探索が求められます。

この“一歩間違えればすべてを失うかもしれない”という極限のプレッシャーがあるからこそ、ギリギリで強敵を倒したときや、無事にダンジョンから生還できたときの圧倒的な安堵感や達成感を序盤からひしひしと感じることができました。
スマホゲーの華といえばやっぱりコレ!? 本作の気になるガチャ要素は?


基本プレイ無料(ゲーム内課金型)のアプリということで、やっぱり気になったのはガチャ要素。本作では主に“一緒に戦ってくれる仲間の冒険者”はガチャ(遺骸の逆転)を通じて入手することになります。
入手した仲間は冒険者ギルドで“冒険者登録”し、最大6人のパーティを編成するといった流れです。


特徴的なのが、ただキャラが出てくるのではなく“ダンジョンで見つけた遺骸を逆転させる”という本作らしい独特な演出になっている点です。
朽ちていた骨の時間が逆回しされ、肉付けされてキャラクターの姿に変わる演出は、他のアプリにはない不気味さ兼ユニークさがありました。
ちなみに、高レアキャラとなる“伝説の冒険者”は強力なスキル(継承スキル)を持っている場合が多いため、運良く引けたら優先的にパーティへ編成したいところ。
しかし一般の冒険者、なんなら一番出やすい“名もなき冒険者”たちにもそれぞれ特徴や魅力があり、十分戦力になるため、そのまま育て続けても問題ないと思います。自分の好きな冒険者を使っていくのがオススメです!


また、ダンジョンの宝箱などで入手できる“ガラクタ”を集め、主人公の“逆転の右手”を使うことでランダムな装備に変換できる機能も搭載されています。
どんな性能の武器や防具が出るかわからないハクスラ要素が満載で、ここも本作にどっぷり浸かってしまう大きな要因なのかなと思いました。
何か新しい作品に触れてみたい、やり応えのあるゲームをやってみたい、ギリギリの緊張感を味わいたいという方には、ぜひオススメしたい作品だと思います。
まとめ:スマホゲーの常識を覆す骨太RPG。ぜひ容赦のない“奈落”への第一歩を


自分が今までプレイしてきた、ファンタジー系スマホRPGの常識のある意味“真逆”を行く『ウィズダフネ』。
最初は“ガチャで引いたキャラすらロストするかもしれない”というシビアな仕様に戸惑いましたが、一歩一歩慎重にダンジョンを踏破していく喜びに気づくと、繰り返し奈落に挑んで着実に強くなっていく達成感が心地よく、いつの間にか時間を忘れて探索に没入してしまいました。


“誰にでもおすすめ!”といった万人受けするお手軽なゲームではないと感じましたが、だからこそ、このゲームでしか得られない圧倒的な達成感と熱中度があります。
何か新しい作品に触れてみたい、やり応えのあるゲームをやってみたい、ギリギリの緊張感を味わいたいという方には、間違いなくおすすめしたい作品だと思いました。
もうすぐ『ファイナルファンタジーXI』とのコラボが始まるうえに、10月には2周年も控えているので、シリーズ初心者の方もぜひ、この容赦のない“奈落”へと足を踏み入れてみてください!