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『東京サイコデミック』今井秋芳氏インタビュー。ミステリーでありながら今という時代を切り取った体験を【サイデミ特集第8回】

文:電撃オンライン

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 グラビティゲームアライズから5月30日に日本先行で発売される、PS5/PS4/Switch/Steam用ソフト『東京サイコデミック ~公安調査庁特別事象科学情報分析室 特殊捜査事件簿~(以下、東京サイコデミック)』の特集企画第8回をお届けします。

[IMAGE]※本記事はグラビティゲームアライズの提供でお送りします。

 『東京サイコデミック』は、東京を舞台に起きる不可解な事件の真相を探っていくリアル科学捜査シミュレーションゲームです。プレイヤーは、実写を使った映像や資料、音声データなどを解析して捜査材料を収集。ダークウェブを通じて専門的な知識を持つ仲間たちとともに、謎に満ちた事件を解決していきます。

 ゲームの魅力を掘り下げていく特集企画の8回目は、本作のディレクターを務める今井秋芳(いまい しゅうほう)氏にインタビューを敢行! 『東京サイコデミック』の脚本・演出・ゲームデザインなどを担当した今井氏に、本作の魅力をうかがいました。(※インタビュー中は敬称略)

『東京サイコデミック』ディレクター 今井秋芳氏にインタビュー

今井秋芳氏プロフィール『東京魔人學園伝奇』シリーズや『九龍妖魔學園紀』など“ジュヴナイル伝奇”と呼ばれるゲームジャンルを開拓したゲームクリエイター。過去作では、ゲームシステムの企画だけでなく世界観・人物設定・シナリオ・アートディレクション・音楽プロデュース他、すべての制作に携わっている。

――まずは本作が作られた経緯と、今井さんがシナリオに参加された流れから教えてください。

今井
グラビティゲームアライズ(以下、GGA)さんから新作ミステリーゲームを作りたいというお話があって、以前から構想していたアイデアがあったので「それなら、こういうシステムでこういうゲームはどうでしょう?」と提案したら「いいですね。それで行きましょう!」と。

 最初に相談があってから、トントン拍子に話が決まった感じです。シナリオを誰が書くかは決まっていなかったですが、システムと謎解き部分を考えた私が書くのが一番いいだろうと思って、書くことにしました。

――今回の話のなかで、今井さんが一番お気に入りのエピソードを教えてください。

今井
やはり、自分で全部書いているので、すべてが気に入っています。基本的に私は自分が書いた場合、気に入らないシナリオを世に出さないので、書いて作品になっているということは、気に入っているということです。

――架空の新型ウイルスによる感染症と、それによって変わった世界という設定や、終盤の事件の展開などを見ると、コロナ禍を経た現実の情勢を思わせる部分がすごく多くともリンクする題材だと思います。やはり、現実の事件や情勢は今回のシナリオを書くうえで大きく影響したのでしょうか?

今井
そうですね。「なぜ、このテーマを扱うのか?」ということは意識しています。私が手がけた作品は、現代で起きる事件を扱ったり、現代の若者たちの悩みを描く現代劇が多かったりします。本作では、そこに現実の情勢を取り入れて、ミステリーとしてのシナリオでありながら、その時代がどういう時代だったのかも感じられるシナリオにできたらと思っていました。

 例えば、映画や小説では、現代のある時期を描いた作品があって、観たり読んだりした人が「ああ、確かにこういう時代だったな」と思い出すこともありますが、ゲームでもそういう時代を切り取った体験をプレイした人にしてもらえたらおもしろいなと。

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――各事件には、それぞれ都市伝説やオカルトがテーマとなっている部分があります。第1章の人体自然発火、第2章のファフロツキーズ、第3章の神隠しなど、各題材を選んだ理由について教えてください。

今井
最初に人体自然発火を選んだのは、比較的メジャーな超常現象な上に科学捜査するイメージをプレイヤーがしやすいと考えたからです。あまりに超常的過ぎると、導入としてはリアリティがなく「科学で証明できるのか? できないのか?」とはならないので。

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――Case4の題材となる話は、非常に今の時代らしい部分が見受けられました。今井さん自身、現実の世界情勢に対して何か思うところがあったのでしょうか?

今井
Case4は、GGAさんからも開発チームからも評価が高いエピソードです。先ほど言ったように私は全部気に入っているので、特にCase4に対して力を入れているとかはないですが、シリーズ構成を考えている時にクライマックスに相応しいエピソードにしたいとは思っていました。なので、プレイされて、そう感じてくれたのであれば、書いた甲斐がありました。

 今の時代、世界各地で戦争やテロがあり、日本も無関係ではないと思っています。戦争もテロも、そこに誰かの何らかの思惑があるから起きると考えています。

 情報が氾濫する現代の中で、自分たちが当事者ではないにしても、どんな思惑でそれが起きているのかは、しっかりと自分の目で見極める必要があるなと思っています。手に入れた物証=情報の中から、自分の目で真偽を見極めるというのは本作のゲームプレイでもあります。

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――本作はオカルトを科学的に立証していくミステリーとなっていますが、今井さんはミステリーがお好きなのでしょうか。好きな作品や、オススメしたい作品。最近読んで感銘を受けた作品などがありましたら、ミステリーも含めて教えてください。

今井
私は学生の頃からシャーロック・ホームズ好きなので、ホームズが至高ですね(笑)。海外ドラマでもグラナダ版『シャーロック・ホームズの冒険』が大好きで、ミステリー映画も好きでよく観ます。シリーズ物としては、『特捜部Q』や『ミレニアム』も好きです。

 オススメとしては、シナリオの上手さという意味で『DARK/ダーク』『THE GUILTY/ギルティ』『嵐の中で』、怖いのが大丈夫ならオカルトミステリーの『ジェーン・ドウの解剖』とかおもしろいと思います。

――ネコに餌をあげられる要素は、どういう意図で入れられたものなのでしょうか? みなさん、ネコがお好きなのですか?

今井
ネコは癒しなので。実は企画時にはネコが電源ケーブルを引っ掛けてプラグが抜けて、使用中の機材の電源落ちるとかやろうと思っていたんですが、時間がなくてやめました(笑)。

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――今回のゲームを遊ぶ方々には、いわゆる伝奇ものやオカルト的な今井さんの作風が好きなファンも多いと思います。そうした方々に向けて、メッセージをお願いします。

今井
本作はジュヴナイル伝奇ではないですが、私の作風にも近い魅力的な登場人物たちによるミステリアスな現代劇になっています。主人公=プレイヤーを中心とした高校生たちとは違う、大人たちの信念と情熱の物語をぜひお楽しみください。

『東京サイコデミック ~公安調査庁特別事象科学情報分析室 特殊捜査事件簿~』ファミ通DXパックが予約受付中!

商品名:東京サイコデミック ~公安調査庁特別事象科学情報分析室 特殊捜査事件簿~ ファミ通DXパック
販売価格:11,440円(税込)/ 10,400円(税抜)
発売日:2024年5月30日(木)※日本先行発売
対応ハード:Switch、PS5、PS4
メーカー:グラビティゲームアライズ

 下記5点のエビテン限定セット商品となります。

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