三つ子の魂百までと言われますが、幼少期に限らず、ゲームを遊んだ思い出は脳に深く刻まれるもの。
何年、何十年たっても、「なんでオレ、こんなこと覚えてるんだろ…」と愕然とするような記憶が残りがちでして。
何年、何十年たっても、「なんでオレ、こんなこと覚えてるんだろ…」と愕然とするような記憶が残りがちでして。
そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります! 今回は、24年前にPS(プレイステーション)で登場した『ファイナルファンタジーIX』について紹介します。
“原点回帰”で頭身の低いキャラクタービジュアルに戻ったなか、異彩を放つ“黒魔道士”の存在感
シリーズ最高傑作ともいわれる『ファイナルファンタジーVII(FF7)』のあと、賛否両論ありつつ学園モノ×ファンタジーRPGという新たな展開を見せた『ファイナルファンタジーVIII(FF8)』を経て、“原点回帰”をテーマに登場したのが本作でした。
個人的には『FF1』~『FF5』がめちゃくちゃ好きで、その後のリアル寄りなSFファンタジーっぽい『FF6』~『FF8』は、それぞれガッツリ楽しみながらも「なんか違う」という気持ちを捨てきれなかった筆者としては、ビジュアルがわかりやすく昔の雰囲気に戻った『FF9』を見たときは、実家に帰ったような安心感を得ていたものです。
とはいえグラフィックは進歩しており、キャラクターのビジュアルもデフォルメされた低頭身とはいえ、当然ながら昔のドット絵に比べると詳細かつ美麗な感じに仕上がっております。
そんななか、比較的ドット絵に近い雰囲気が残っている“黒魔導士”ビビのグラフィックは異彩を放っており、かつてジョブの1種として登場していた黒魔道士そのものだったんですよね。15歳のときに『FF1』に夢中になった世代としては、とにもかくにも久々に登場したこの謎めいた見た目に「ギュイーン!」と惹かれてしまったわけです(※参考までに、銀河鉄道999の車掌さんも大好きでした)。
もちろん、こんな胡散臭い見た目のキャラクターが主役なわけではなく、王道のイケメンヒーロー&可愛らしいヒロインを含む主役級キャラクターはしっかり存在するのですが、その主役たちを含むパーティの一員として登場するビビのほうが、じつは見た目のインパクト以上に存在感が高かったりするんですよね。
プレイ開始当初はまさかこんなに重要な役回りのキャラクターだとは思っていなかったんですが、明らかにほかの人々と異なる見た目が、単に過去作のオマージュ的なキャラクターというだけでなく、物語の深層に絡む壮大な伏線にもなっていたのです……。
“原点回帰”ということで初期シリーズの象徴であった“クリスタル”も大々的に復活し、かつてのファンタジックRPGの王道のような展開を想像していた私としては、やや面食らった覚えもありますが、それだけにインパクトのあるストーリーをおおいに楽しませていただきました。
その真相は実際にプレイしてもらいたいこともあり割愛しますが、とんがり帽子に青いローブ、そして何より黒い霧のようにぼんやりした暗い顔に浮かぶ黄色い2つの目……この伝統的なビジュアルに、まさかこんなに深い意味を持たせるとは……と感心した覚えがあります。
そんなこんなで哀愁漂う展開も多いのですが、クリアしての感想は「プレイして良かった!」の一言。今なら家庭用ゲーム機だけでなくPCや携帯でもプレイできるようなので、気になった方はぜひ遊んでみてください!
最後に余談ですが、黒魔道士ビビと似たビジュアルの敵として「黒のワルツ」というボスクラスの強力なキャラクターが登場しますが、こちらの見た目が“スタイリッシュ黒魔道士”な感じですごくカッコいいんですよね! これまたストーリー的な詳細は割愛しますが、ぜひ本作をプレイして確認してほしいと思います。
栗田親方:ゲーセン黎明期からゲームにハマり、ハイスコアラー⇒格闘ゲーマーと転身しつつゲーム人生を楽しんでいます。生涯現役。