バンダイナムコエンターテインメントが、PS5/PS4/Nintendo Switch/Xbox Series X|S/Xbox One/PCデジタル版で2025年発売予定のサスペンスアドベンチャーゲーム『リトルナイトメア3』について、メディア向けにデモバージョンの先行プレイを実施しました。その先行体験レポートをお届けします。
最新作はマルチプレイで最大2人で遊べる!『リトルナイトメア3』先行プレイレポート
『リトルナイトメア3』は、シリーズ3作目となる最新作。新主人公のロゥとアローンの2人を操作して、“ノーウェア”という悪夢のような場所からの脱出を目指します。
世界観は『リトルナイトメア』『リトルナイトメア2』の不気味でホラーな雰囲気そのままで、新たな物語やステージ、演出やゲームシステムなど多くの部分がアップデートされています。
筆者はシリーズの知識はありつつも、そこまでやり込んでいない状態で試遊に臨みましたが、問題無く楽しめる作りという印象。シリーズ初見の方がプレイしても、問題なく楽しめるでしょう。
ただし、やはりホラーの要素は含んでいる作品なので、ある程度の“心臓の強さ”は必要かもしれません。逆にホラーにある程度耐性があれば、常に漂う緊張感が心地よく感じられることでしょう。
本作の一番の注目点は、最大2人による協力プレイでゲームを進めていくマルチプレイシステムです。前作でも協力アクションはありましたが、本作ではプレイヤーはロゥとアローンのどちらを操作するか選択して、2人での同時プレイが可能です。1人プレイの場合、もう片方のキャラクターはAIのCPUによる操作で、前作のようなプレイヤーとCPUの2人で進んでいきます。
今回の試遊では実際にプレイヤー2人での協力プレイを体験。やはり協力プレイとなると、お互いの意思疎通や連携が求められるのでそこが難しくある反面、コミュニケーションを取りながら進めるという、ソロプレイでは味わえない面白さを感じられました。
プレイ中には、協力プレイを一緒に体験した方と「ここはこうすれば先に進めるのでは?」「ここから先に進めないか?」など、攻略の相談をして盛り上がりました。ときには、片方が凡ミスでやり直しになってしまい「ごめんなさい!」と渾身の謝罪をする場面も。この攻略方法を相談したり、珍プレイを謝ったりして和む展開は、協力プレイの醍醐味と言えます。
失敗してゲームオーバーになると、相方を待たせて1人だけ途中からやり直す場合と、2人同時にやり直す場合の2パターンがあるようです。先に進んだ相方のあとに失敗して待たせている際は、待ち合わせに遅刻しているときのようなどうしようもない焦燥感に駆られてムズムズしました。
ゲームオーバーのパターンは数多くあり、怪物に捕まる、感電する、などなど……進むたびに新しい失敗のパターンを確認できました。試遊した筆者からのアドバイス……というか反省点をお伝えすると、落下してやり直しになる場所もあるので、ゲームでよく不注意で転落する傾向がある方は足元を見ながら慎重に進むことをオススメします。
プレイヤーを悩ませる難所は多いものの、その代わりにチェックポイントはかなりこまめに設定されており、失敗してもすぐ元の場所に復帰できます。これはかなり親切な設計ですね。しかし、その影響で再チャレンジの度にプレイが雑になってしまい、同じ場所で何度もやり直し……ということもあったので油断は禁物です。
ロゥは弓矢、アローンはスパナをそれぞれ装備しており、行えるアクションが異なります。それらを使ってギミックを解く場所があるのですが、そのパターンはかなり豊富。スパナでチェーンを壊したり、弓矢でスイッチを押したり、中にはすぐには思いつかないような工夫が求められる箇所もあり、プレイ中は常にクイズを解いているような感覚でした。先に進むにはどちらの存在も不可欠です。
ギミックや進み方の攻略に関してはピンキリの印象で、誘導されるようにすぐにギミックを解ける場所もあれば、何度も挑戦してやっと正解のルートがわかる場所もあります。難易度は場所によりけりなので、意外とサクサク進んだり、唐突にやってくる難所で苦しんだり、難しすぎず簡単すぎずのちょうど良いバランスです。
また、これは『リトルナイトメア』シリーズで共通していることですが、今作も主人公のロゥとアローンの一挙一動がとても愛らしく、周りの雰囲気や背景に目を瞑れば、まるで愛玩動物を眺めているような気分を味わえます。
協力アクションの場面では一緒に重い扉を開いたり、片方を持ち上げてハイジャンプさせたり、よりその愛らしさに磨きが掛かっているように見えます。何度も言いますが周囲の背景に目を瞑れば……の話ですが。
恐ろしさ際立つ“キャンディ工場”を探索!『リトルナイトメア3』先行プレイレポート
今回の試遊で体験できたのは、本編である程度ストーリーを進めた先で訪れる“キャンディ工場”のステージでした。
ステージは全体的に薄暗く、廃水や虫がそこら中に見られます。しかも、中には腕の多い謎の夫人が闊歩しています。まさに『リトルナイトメア』の世界観をそのまま形にしたような恐ろしいステージで、デモ版とはいえゲームの雰囲気は存分に感じられました。
今回のデモ版でプレイした際の難所を挙げるなら、前述の腕の多い夫人から身をひそめる場所でしょう。彼女に見つかるとわし掴みにされて問答無用でゲームオーバーになってしまうので、うまく隠れながら先に進まなければいけません。
しかし、彼女は部屋の至るところを歩き回るので、同じ場所に隠れているだけでは視点の角度の関係で見つかってしまいます。そのため、忍び足で彼女の死角に回り続けるという、ステルスゲームのような慎重さと辛抱強さが求められる場所でした。
本シリーズの共通のスタイルとして、物語の説明は最低限に抑え、主人公たちやキャラクターの動きと周囲の雰囲気や動きからプレイヤーが物語を感じ取るような描き方があります。これは最新作の本作でも同様で、いい意味で“説明しすぎない”スタイルの作風といえるでしょう。プレイしている間も「じつは主人公たちはこうなのでは……?」「この場所は実は……」と考察が捗ります。
ストーリーについては、歴代シリーズでは後半になるにつれて“ちゃぶ台返し”のような真実が明らかになる物語だったので、今作ではどんな展開が待ち受けているのか、シリーズをプレイしてきた人ほど気になるはず。デモ版ではほんの触りの部分しか物語は明かされなかったので、製品版でどんな物語が描かれるのか楽しみです。
協力プレイが可能になったことで、歴代シリーズよりも多くのシチュエーションでプレイできるようになった『リトルナイトメア3』。ホラーが苦手でも「友人と一緒にプレイするならいけるかも……」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
2人で相談したくなる場面もあるので、一緒にギミックを攻略したり、共に驚いたりしているうちに、プレイヤー同士の仲も深まることでしょう。本作からマルチプレイが追加されたことで、友人間のコミュニケーションを促進するゲームとしての側面も加わったと言えます。実際、1人でプレイしていたら萎えてしまうような失敗も、2人でプレイしていれば笑って済ませて気楽に再チャレンジできました。
まだまだ発表されていない情報も多い本作ですが、現状の試遊段階での感触はかなり良好。従来通りのサスペンスアドベンチャーゲームとしてはもちろん、最新作は友達と2人で遊ぶマルチプレイゲームとしても、これからの続報に期待したいところです。