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《オクトラ大陸の覇者 開発者インタビュー:ネタバレあり》ファンに好評のクロスストーリーは今後ボリュームアップ!? これからの『大陸の覇者』の展望とは【オクトパストラベラー】

文:タダツグ

公開日時:

 スクウェア・エニックスのiOS/Android用RPG『OCTOPATH TRAVELER(オクトパストラベラー) 大陸の覇者』が、10月28日に4周年を迎えました。

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 このタイミングで、ファンから愛されている人気キャラのエリカやディトレイナが活躍する“クロスストーリー第2弾”が実装されたほか、“秘奥解放”による必殺技の強化で、戦闘バランスには大きな変革が施されています。

 ますます奥深さを増していく本作。その魅力の根源をお聞きするべく、今回は統括プロデューサーの鈴木裕人氏、プロデューサーの細川晋太郎氏、ディレクターの伊藤幸祐氏にお集まりいただいてのインタビューを実施しました。

 後半となる今回は、ますます盛り上がるストーリーの展望や、気になる『大陸の覇者』のこれまでとこれからについて、詳しくお話をお聞きしていきます。

(※)企画の構成上、本インタビューはストーリーのネタバレが含まれる可能性があります。極力クリティカルなネタバレにならないよう配慮していますが、気になる方はご注意ください。[IMAGE]
▲左から統括プロデューサーの鈴木氏、プロデューサーの細川氏、ディレクターの伊藤氏。


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クライマックスが近づいてきたメイン&シードストーリー。今後の展望は?《オクトラ大陸の覇者 開発者インタビュー:後編》


──ここからはストーリーについてお話をお聞きしていきます。現在『大陸の覇者』のストーリーはメインストーリーとシードストーリー、主線となる物語が2軸あると思っていて。それぞれの物語にだいぶクライマックス感が出てきているように感じているのですが、こちらについてはいかがでしょうか。

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伊藤幸祐氏(以下、伊藤)
お察しのとおり、両方のストーリーとも盛り上がりをみせており、プレイヤーの皆さんから多くの反響をいただいております。遊んでいただきありがとうございます。スケジュール感については何もいえませんが、どちらもクライマックスに向けてチーム一同、気合を入れて開発を進めているところですね。

──メインストーリーは7章でテメノス編も展開されました。そうなると、そろそろあの聖堂騎士の動向も気になってくるんですよね。

伊藤
あの聖堂騎士……はて。

──テメノスのマネですか(笑)。クリックくんですよ! ソローネ編のピルロ、アグネア編のドルシネア、パルテティオ編のアルロンドやオリと、ソリスティアのNPCキャラもだいぶ充実してきてますから。新しいクロスストーリーでも活躍するようですし、そろそろ彼の実装も期待しないほうがムリってものです。

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伊藤
クリックくんはまっすぐないい子ですし、プレイヤーさんに人気があることも、旅団への加入を期待されていることもちゃんと把握しています。恐縮ながら、今具体的にお伝えすることことはできないんですけど、そこは楽しみにお待ちいただければってところですね。

──実装決定のニュースを楽しみにお待ちしております。それにしても、7章の盛り上がりはすごかったですね。一気に物語が加速したというか、まさかの展開になってきたというか……。

伊藤
おかげさまで、たくさんのプレイヤーさんからリアクションをいただくことができました。しばらく息をひそめておられた方々が、ここぞとばかりにうわっと盛り上がっていただけているようで、我々としてもビックリしていますし、ありがたい限りですね。

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──そりゃあリアクションも大きくなるってものでしょう。正直、僕は怒ってますけどね。7章のボス戦に、色々な意味で。

伊藤
なるほど。感情を逆なでしてくる敵が相手でしたからね。

──ストーリー的な意味でも、キャラ的な意味でもそうですし。ぶっちゃけバトルのギミックにもイライラさせられました。皆さんの前でこう言っちゃうと、まるで文句を言っているように聞こえるかもしれませんが……。

鈴木裕人氏(以下、鈴木)
文句ではないってことですか。でも、言いたいことがあると?

──正直、言いたいことはある(笑)。まあ、文句というのとはちょっと違うんですけどね。「よくぞここまでイヤらしい敵を作りましたね!」ってところなんで。これは物語的にも、バトル的にもです。

細川晋太郎氏(以下、細川)
今回のボス戦に関してそういう感情を抱いていただけるのは、ある意味こちらの想定どおりとも言えます。

──というと?

伊藤
7章でセイルの前に立ちはだかるボスは、彼にとって深い因縁を秘めた相手ですからね。超えるべき対象でありながら、そう簡単には超えられない因縁の相手でもあって。プレイヤーの皆さんには、ある程度歯がゆい思いをしながら苦戦していただきたいという思いがありました。そのほうが、セイルが感じている苛立ちや焦燥感をよりリアルに感じていただけるのではないかと。

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──なるほど。あの敵の強さにはそんな狙いが……。

細川
基本的な方針として、メインストーリーなどの長編シナリオはそこまで難易度を上げすぎないようにしているつもりなんですけどね。

──えっ!?

鈴木
明らかに「ウソでしょ」とでも言いたげなお顔(苦笑)。

細川
ただ、後半の要所ともなってくるとそれはやっぱり別なんですよ。たとえば序盤で行き詰まってしまって、そこで投げ出されてしまうのは困るのでやりすぎないようにする必要があるのですが。物語が盛り上がってくる後半は、ボスに対する位置づけがちょっと変わってきます。とくに7章は物語としても急展開となっているので。加減しているなりに、いよいよ激しくなってきたって側面はありました。

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──まあ、結果的に超えられない壁ではありませんでしたけどね。シンプルに強いというよりは、なんというかギミックがすごく複雑で、頭を悩ませている時間が長かったなって印象です。つまりはイヤらしいってことですけど。

鈴木
ちなみに、もう撃破はされていますか?

──3回くらいやり直してようやく撃破出来ました。久しぶりの激戦でしたね。冗談抜きで5時間くらい戦っていた“全てを授けし者編 8章”のラスボスほどではないにせよ。こいつだけは絶対にぶっこ……失礼、ぶち倒してやるってテンションで戦ってました。セイルの感情に深くシンクロできた部分はあったと思います。

鈴木
素晴らしいですね。お見事です。

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──セイルを演じる花江夏樹さんの演技にはグッときましたし、感情を突き動かされるイベントでしたよ。

伊藤
深くのめり込んでいただき、ありがとうございます。

──戦い方にあのボスの性格というか、キャラ性がよく現れていますよね。そしてそれに苦戦すること自体にイライラが募っていた気がします。コイツを否定したいのに、そうさせてもらえないもどかしさ。プレイヤーの感情を動かすことが狙いだとすると、ある意味、うまくデザインされている敵かもしれません。なんせ本当に怒ってました、僕(苦笑)。

細川
倒していただいて本当によかったです。

──先ほどメインストーリーのお話はクライマックスに向かっているとお聞きしましたが。次くらいでまた一気に進むことになるのでしょうか。

伊藤
そうですね……。あまり具体的なことを言うのも無粋だと思うのですが、次回でいきなり「はい、おしまい!」ってなるかといえば、そんなことはないです。プレイヤーの皆さんに楽しんでいただきたいエピソードは、まだまだ準備していますよ。

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──メインストーリーのみならず、シードストーリーもありますからね。定期的に物語が更新されていくというのは、ファンとしてとてもありがたいなって思います。

伊藤
先ほどタダツグさんは、ストーリーはメインとシードの2軸とおっしゃられていましたが、今後はそこにクロスストーリーも入ってくるので、正確には3軸と思っていただいて大丈夫です。

──クロスストーリー、今後も頻繁に更新されるんですか? 怪盗エルのエピソードだけでも相当楽しみですが、そういったコンテンツが充実するならとてもうれしいことですよ。

伊藤
ぜひご期待いただければと思います。

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──よかった。『大陸の覇者』はリリースから4年が経過したことで、じつはこの先、ストーリーの比重が少しずつ軽くなっていくんじゃないかって懸念が勝手に僕のなかでありまして。お話を聞いている限り、そんなことはなさそうでホッとしています。

伊藤
クロスストーリーに関しては、我々としてもかなり実験的な側面があったといいますか。はたしてこの方向性が、プレイヤーの皆さんに受け入れていただけるのかという不安もあったのですが。フタを開けてみたらとてもご好評をいただけて、こちらのほうこそホッとしたんですよね。

──“畏孵(イフ)の断片”とはよく言ったものだと感心してしまいました。正史ではないifだとすれば、ある意味なんでもアリな夢の祭典のようなものですから。

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伊藤
物語的には、あれがあふれかえるとたいへんなことになるんですけどね(笑)。とはいえこれからは、もっとクロスストーリーにも力を入れていこうと考えていることはお伝えしておきたいな、と。

──それこそ先日の『ファイナルファンタジーIV(以下、FFIV)』とのコラボも、この“畏孵(イフ)の断片”を物語に盛り込んだことで、違和感なく物語が楽しめましたから。クロスストーリーはバトルの難易度も高くないですし、メインストーリーやシードストーリーより気楽にプレイできるので、初心者さんを呼び込むきっかけにもなるかもしれませんね。

伊藤
そうなってほしいです、本当に。

──そもそも、クロスストーリーの企画ってどうやって生まれたんですか? どのキャラにスポットを当てるのか、といったお話は最初に決まっているものなんですかね。

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伊藤
そもそものコンセプトとしては、世界観の拡張とキャラクターの掘り下げですね。メインストーリーが進んでいくと、お話しの時系列が過ぎてしまったことで、どうしてもフォーカスしにくいキャラクターが出てきてしまうじゃないですか。

──それはありますね。仮に人気が高くても、もうお話に絡めないってキャラは出てきちゃいますから。だからこそ、怪盗エルには拍手を贈りたい!

伊藤
ありがとうございます(笑)。正直、サイドソリスティアはお話が進んでいる最中なのでまだいいのですが、オルステラ側のキャラたちは、今のままではなかなか活躍の機会がありません。

──たしかに……。

伊藤
でもプレイヤーの皆さんのなかには、またオルステラ側のキャラたちの物語を見たいという方もいっぱいいると思いますので、その欲求を満たすためにもなんらかの器を用意したいと考え、クロスストーリーの企画が生まれました。

──かなり細かいところまでこだわりが感じられますよね。メインでお話を引っ張っていくティツィアーノとピルロが、ニューデルスタのギルの酒場で会話しているとき、カウンターの向こうでトリッシュが料理を作っていたりとか。こんなの『大陸の覇者』でしか実現できませんよね。めちゃくちゃ感動してしまいました。

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伊藤
どこにどのキャラを配置して何をさせようか……といった見せ方は、細川にも企画に参加してもらい、かなり詳細に詰めています。1つあたりのストーリーはそれほど長くはないものの、コンテンツのボリュームとしてはメインやシードの1章ぶんに匹敵するぐらいのカロリーとなっているので、ガンガン更新していけるものではないんですよ。

──細部にまでこだわって作られているのは十分伝わってきています。まだ未プレイの方にもじっくり堪能してもらいたいですよね。まあ、何もクロスストーリーに限ったことではないですけど(笑)。

伊藤
まさに。今後も『大陸の覇者』はシングルプレイRPGとしてストーリーに力を入れ続けていきたいと考えていますので、引き続きご注目いただきたいと思います。もちろんバトルコンテンツを充実させていくというのも、大きな課題といえますが。

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──バトルコンテンツは“波闘の写記”の実装もあって、だいぶプレイヤーの満足度も上がっているんじゃないですか? 僕はあれ、ランクEXはちょっと寝かせてしまってますけど(汗)。

細川
あちらはエンドコンテンツですからね。お好きなタイミングで遊んでもらえればと思っています。高難易度コンテンツももちろんですが、育成コンテンツも充実させていきたいんですよね。そういう意味では去年と同様、お正月にまた闘技大会をやろうと思っています。

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──こうして皆さんのお話を聞いていると、この『大陸の覇者』は幸せなコンテンツだなって感じますよ。まだまだ楽しめる要素がどんどん充実していきますし、皆さんが4周年は通過点として先を見据えておられることに安心感があります。

鈴木
ありがとうございます。このアプリゲーム業界自体も、まだ大きな旅路のなかにあると思っておりまして。だからこそ都度考えながら、トラベラーの皆さんとともに、まだまだ先に歩いていきたいんですよね。

──インタビュー前編で細川さんが、このままの勢いで5周年、6周年という言葉を口にされていましたけど。個人的には8周年までは頑張ってほしいんですよね。

鈴木
8周年ですか、なるほど。88周年って無茶ブリされるかと思ってドキッとしましたので、ちょっと安心しました(笑)。

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──目指してほしくはありますけどね(笑)。先のことは誰にもわかりませんし、言質が取りたいわけでもないんです。ただ、こんなご時世だからこそ、制作サイドである皆さんが「次はこれをやりたい」、「じつはあれもやろうと考えている」って我々プレイヤーに伝えてくれることが、どれだけありがたいことか。

鈴木
心意気を汲んでいただき、ありがとうございます。トラベラーの皆さんにできるだけ長く、楽しく遊んでいただくというのは我々の一番大切な目標です。

細川
なんか僕があまりうまくお伝えできていないのかもしれませんが、これからも普通に続きますよ。そのために頑張っていますので。

──いえ、しっかり伝わっていますのでご安心を!

伊藤
細川は実直ですからね。僕が言うのもなんですけど“やることが当たり前”だと思っているタイプ。そして、誰かが止めない限りずっと走り続けるタイプでもあり……(苦笑)。

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鈴木
たしかに……。僕が細川にプロデューサーのバトンを渡したのは、彼のそういう実直な心意気をずっと側で見てきたからでもあるんです。彼にプロデューサーを任せれば、よりコンテンツを長く走らせ続けてくれるという確信がありましたし、今も統括プロデューサーとして、安心して見守らせてもらっています。ただ、ずっと走り続けて倒れられても困るので、ちゃんと息抜きの時間を設けつつ頑張ってもらいたいなと。

細川
なんと答えたらいいかわかりませんが(笑)。プレイヤーの皆さんに楽しんでいただけているうちは、ずっと続けていきたいと思っているということで!

──なんかお話がいい感じにまとまった気もしましたが、インタビューはもうちょっとだけ続くんじゃ(笑)。なのでもう少々お付き合いください!

4周年を迎え、プレイヤー間の戦力差はどうなった?《オクトラ大陸の覇者 開発者インタビュー:後編》


──ここからは、より長くコンテンツを続けていっていただくための施策というか、どうお考えになられているかをお聞きしたいと思います。個人的には4年という時間が経過したことで、プレイヤー間の戦力的な格差はどうしても広がってきているんじゃないかと懸念しているのですが。そこらへん、どうお考えでしょうか?

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細川
プレイヤー間の戦力的な格差が存在するかといえば、それはもちろん存在しますね。先ほどのメインストーリーのバトルバランスにも通じるお話なのですが。運営がスタートして1年目ぐらいまでの期間って、コンテンツの種類そのものがあまりなかったこともあり、それこそメインストーリーのボスがゲーム内の最難関コンテンツとして君臨していた時期がありました。

──ありましたね、そういう時期も。もはや懐かしいともいえますが。

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細川
ただ、その形にはやっぱり問題があって。これは“全てを授けし者編”のストーリーを更新していた時期のお話なんですけど。プレイヤーさんがメインストーリーのボスで行き詰まってしまうタイミングがいくつか発生しちゃったんですよね。

──具体的には、最新キャラをしっかり揃えて挑むプレイヤーへの難易度調整を施すと、必ずしもそうではないプレイヤーが行き詰まってしまうようなタイミングが来てしまったということでしょうか。

細川
はい。そして、それは『大陸の覇者』というコンテンツにおいてふさわしい状況ではないだろうということで。今はメインストーリーの難易度と、エンドコンテンツの難易度はしっかり切り分ける方針になりました。

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──メインストーリーをそこまで難しくしないというのは、そういう狙いがあってのことだったんですね。

細川
その一方で、メインストーリーのボスが軒並み簡単になってしまうのも狙いからは少しズレるんですよ。せっかくシナリオの内容を重くしても、肝心のボスが弱いと拍子抜けしてしまいますし、『オクトパストラベラー』というコンテンツのプレイ感覚としてもあまりよろしくない。なので、やっぱり緩急はつけるべきだと考えているわけです。

──そしてその“急”がちょっと激しくなったのが、最新の7章だったというわけですね。

細川
そうですね……。正直なところ、エンドコンテンツとメインストーリーの難易度をしっかり切り分けて考えたとしても、やっぱり一定数のプレイヤーさんからは「難しくて勝てない」といったお声はいただくんですよ。

──その逆に「簡単すぎてつまらない」というお叱りもあるかもしれませんし……。運営型ゲームの難易度バランスの調整が、いかにたいへんかが伝わってきます。

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細川
プレイヤーの皆さんから生の声を聞かせてもらえるのは貴重なことなので、とてもありがたいんですけどね。それを放置しておくわけにもいかないので、そこはプレイヤー全体が徐々に強くなっていけるように整える……そんな形で複数のアプローチを仕掛けていきたいと思っています。

──複数のアプローチですか。具体的にお聞きしても?

細川
1つは3周年の際の“オーバークラスアップ”や、先ほどお伝えした必殺技の秘奥解放のような、すべてのプレイヤーさんの戦闘力を底上げする仕組みです。これらは課金の有無にかかわらず、全員が恩恵を得られることを目的として実装しており、ログインを続けるだけで戦力強化していけるよう設計しています。

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──昨年実装のオーバークラスアップについては、星3キャラと星5キャラの能力差が絶妙に縮まったこともあり、プレイヤー間の戦力差にも影響を及ぼしたのでは?

細川
実際にオーバークラスアップの実装以降は、メインクエストの突破率がかなり上がっていることがデータにも表れています。“全てを授けし者編 8章”のラスボスなんかは実装当時「どれだけの人が勝てるんだよ!」って難易度になっていたかもしれませんが(苦笑)。

──あれは相当な脅威でしたからね(苦笑)。

細川
今ではしっかり準備すれば、普通に勝利できるぐらいのバランスに落ち着いているというデータがあります。実装時には難しくて手が出ないコンテンツも、時間の経過でさまざまな施策が盛り込まれ、プレイヤー側が強くなることでしっかり撃破でき、満足感を得ていただく。そういう体験をしてほしいなって思いますね。

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──過去、直接的にボスを弱くするって施策もありましたけど、あの方向性はできるだけ避けたいってことですかね。

細川
はい。もちろん今後もそういった手法は取れるんですが、あれはあまり体験としてよくないということが身に染みてわかりましたので……うん。もうやりません。よっぽどヒドいことにならない限りはやらないです。

──そうならないようにぜひ頑張っていただきたいです。なんだか、話しづらいことまでしゃべっていただいてしまってすみません(苦笑)。

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細川
いえいえ! 我々としてもプレイヤーの皆さんに、しっかりとゲーム内外の情報や運営方針、開発の意図などをお伝えしていきたいと常々思っていますが、どうしても限界はありますので。こうしてインタビューという形で、情報発信の機会をいただけるのは助かりますよ。

──今年もSNSで開催されている“芸術の覇者”だったり、不定期で開催されている“オクトラジオ”だったりと、プレイヤーの皆さんと交流したり、対話したりできる施策もたくさん仕掛けられていて、自分としてはとても好感触ですけどね。

伊藤
出来る範囲でプレイヤーの皆さんと対話しながら、なるべく近い距離でやっていくというのは、これからもこだわっていきたいところです。そうすることで我々の意思も伝わるでしょうし、「まだ続けていくんだね、この人たち」って安心していただけるとも思いますから。

──ありがたい運営方針!

伊藤
プレイヤーの皆さんにもゲームの難易度やストーリーを遊んでみての感想、ゲームに対するご意見など、ぜひ声をお寄せいただければうれしいです。それを見ることで我々にも気づきがありますし、今皆さんがどんなことを知りたいのか、そして何を考えてゲームを遊んでくれているのかの指針になったりもしますので。どうぞよろしくお願いいたします。

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──では、もう一度細川さんにお話を戻していいですか? 先ほど、プレイヤーさんが徐々に強くなれるようなアプローチを複数仕掛けるとおっしゃっていましたが。オーバークラスアップや秘奥解放のようなプレイヤー全体の底上げ以外にも、何らかのお考えがあるってことですよね?

細川
はい。2つ目はもっとわかりやすい施策ですよ。具体的にはおもにコラボや周年時のタイミングになりますが、“キャラクターの配布”や“無料100連導き”などの直接的な配布施策ですね。直近の配布キャラクターでいえば、『FFIV』コラボで皆さんに手に入れてもらったセシルは、能力的にかなりご好評をいただけた手ごたえがありました。

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──実際、剣士としてかなり有能ですよねセシルって。僕、じつは『FF』シリーズでは『FFIV』が3本の指に入るくらい好きなので。『大陸の覇者』がコラボしてくれたときは心の底から感動しました。マジで“畏孵の断片”さまさまでしたよ!

細川
実際、あのコラボから本作に入ってきてくれた方もたくさんおられるので。そういう方に向けても喜んでもらえるという意味で、セシルは意図して強めの能力に設計しています。

──あれは本当にありがたかったですし、お導きできたプレイヤーの皆さんも喜んでおられるのでは。

細川
無料導きについても、目当てのキャラがもし来なかったとしても、不要な覚醒石を砕いて別のキャラの成長に使うといったこともできますからね。そうしてプレイヤー全体の戦力アップに繋げていくというのは、じつは重要課題としてずっと取り組んでいることなんです。これからも時期を見て、色々と仕掛けていきたいと思います。

──プレイヤーサイドがしっかり強くなっていくことで、いつかは強敵にも勝てるというのは、潮が満ちるの待つみたいでなんだかいいですね。今はまだ手が出ない波闘の写記のランクEXの敵たちにも、いつか笑って勝利できる日が来るはず……。

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細川
“波闘の写記”はエンドコンテンツという位置づけですから。逆に、すべてのプレイヤーさんが簡単にクリアできるようでは困る側面もありますけど(苦笑)。

──実際、あれってどれくらいのプレイヤーさんがクリアしているものなのでしょう。難易度設計や、そもそもの開発コンセプトについても教えていただけますか?

細川
今お伝えしたとおり、バトル好きの方々に向けたエンドコンテンツとして用意したというのが“波闘の写記”のコンセプトです。多くのプレイヤーさんが触れてくださっており、正直なところ賛否両論をいただいているコンテンツでもあります。

──なるほど。難しすぎるって声が多いってことでしょうか。

細川
傾向としては、バトルが好きな方には比較的好意的な回答をいただいている一方、手軽に楽しみたい方からはプレイコストの重さを指摘いただくことが多いですね。

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──軽い気持ちでプレイしたら、痛い目を見ますからね。なんといってもエンドコンテンツなわけですし、ある意味当たり前ですが。

細川
この場を借りて“波闘の写記”の実装意図を説明させていただきますと。先ほどから話題にあがっている“プレイヤー間の戦力の差が広がっている”という状況のなかで、すべてのレベル帯の方々に対して“適切な難易度のエネミーを属性や行動パターンのバリエーションを維持しながら供給し続ける”というのは、物理的に難しいという事情が前提として存在します。

──なるほど。

細川
そして、この状況を少しでも改善したいという想いから生まれたのがこのコンテンツであり“難易度に幅を持たせやすく、さらには組み合わせ次第でプレイ体験も変わるバトル”というのが、主たるコンセプトになっています。

──自分で難易度の調整ができるというのは、かなり斬新ですよね。

細川
タイミング的にはオーバークラスアップが実装された後だったので、星3、星4キャラクターの活躍の場を用意したいという意図も盛り込まれています。一方で、星5をフル編成して戦いたいという声もいただいており、ステージによっては星3、星4の編成制限を除外してもいいのかもしれないなど、まだ手探りな部分もありますね。

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──個人的には、星の数による制限の撤廃は歓迎ですが。結局は他の制限が入ってくるわけですし、なかなか一概に言えないところです。

細川
先ほどお話ししたように、メインストーリーやシードストーリーなどの連続シナリオは、できるだけ多くの人に遊んでいただくため、極力難易度を上げすぎないようにしているので。バトルコンテンツである“波闘の写記”の、とりわけ難易度ランクEX以上のステージについては、コアプレイヤーの方が腕試しできる場として想定しています。

──やり込み派の方というか、腕試しは望むところってプレイヤーさんも少なくないでしょうからね。

細川
システマチックなUIですし、シナリオ中のボスバトルなどと比較してどうしてもケレン味が足りないぶん、せめて報酬側で達成感を提供したいということで、着せ替えアイテムやアーティファクトなど、手をかけた報酬を設置していますが……。喜んでいただけている方がおられる一方、報酬の存在とプレイコストの重さが合わさって、相乗効果的に不満へ繋がっている側面も認識しています。

──報酬があると“クリアしなければならない”って意識が生まれてしまうのは、ゲーマー心理的に理解できます。それでプレイコストの高いランクEXにチャレンジするのはしんどいかもしれませんね。かといって、あれだけの難易度をクリアしてなんの達成感も得られないのは、それはそれでモチベーションの低下につながりかねないし……ジレンマですね。

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細川
おっしゃるとおりです。ただ、各ステージに設定された報酬に獲得期限などは設けていませんし、2週間ごとにリセットされるクリアポイントの蓄積報酬については、難易度の低いステージをクリアすることでも獲得可能に設計していますから。

──無理に難易度を上げて、ストレスを溜めながらプレイする遊び方は推奨していないってことですかね。

細川
ええ。すでにお伝えしたとおり、すべてのプレイヤーを対象とした戦力の底上げはタイトルの重要課題として認識していますので。オーバークラスアップや秘奥解放の実装のような派手なものばかりではないにせよ、戦力強化の施策は要所で入れていくつもりです。先ほどの例でたとえるなら“全てを授けし者編 8章”ボスの突破率が、実装当初と比べてどんどん上がっているのと同様に、多くの方が「今ならしっかり準備すれば、波闘のランクEXも普通にクリアできるな」と感じられるようになるタイミングも、いずれくるのかなと考えています。

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──基本的には焦らず、じっくりプレイしていただきたい、と。

細川
本当に。先ほどタダツグさんが“潮が満ちていくのを待つ”と表現されていましたが、まさにそれに近い気がします。

──じっくりと待つというのも、ひとつの最適解になりえるってことですね。『大陸の覇者』には、これからもそういう“遊び続けたくなる”成長曲線を描く作品であってほしいと願っています。

細川
その言葉はしっかり受け止めたいと思います。

今後のキャラ実装の傾向を聞く。『オクトパストラベラー』の男性主人公たちのExジョブはどうなる?《オクトラ大陸の覇者 開発者インタビュー:後編》


──最近は“武器種や属性の弱点を付与できるキャラ”や“特定の行動で●●ptを溜めてアビリティ効果を強化して戦うキャラ”が増えてきて、戦略の幅が広がってきている印象がありますが……。キャラの実装について、どのようなことを意識されているのか教えてもらえますか?

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細川
戦術の幅が広がる仕組み、そして「こんなことができるようになるのか!」と新たな発見があるような仕組みについては、これからも考えていきたい部分です。キャラクターの実装に関しては、まず武器種や属性のバランスを意識していますね。

──個人的に、最近は属性攻撃で戦うパーティを多用していて。オズバルド先生やExオフィーリアが戦略の要になっています。属性攻撃のバリエーションは、ここ1年ぐらいでだいぶ勢いを増している印象がありますね。

細川
バランスはもちろん意識しているわけですが、必ずしもそれを重視しすぎないようにはしているつもりです。その時々のトレンドや、ゲーム内における遊びの変化みたいなものを感じてほしいとも思っていますので。我々としては、すべての武器種や属性のバランスが常に完全に取れていても、それがゲームとして面白いわけではないと考えているんですよね。

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──自分としても、その時々で多少の凸凹はあって然るべきって気はしますね。それが運営型ゲームの面白さでもありますから。

細川
そういう意味でいうと、今年はオスカやExサザントスの加入により、槍がだいぶ強くなったと思いますし、直近では杖を面白くしていきたいと考えています。8月にレリーシャというキャラクターを実装しましたが、彼女はこの先、杖を強化していくうえでカギを握るキャラの第1弾みたいな位置づけですね。

──レリーシャさん、まだあまり使っていなかったです……ごめんなさい。ただ、そういう武器種の面白さを引き出す性能のキャラが、いわゆる恒常ガチャでお導きできるというのはプレイヤーにとって嬉しい部分かと。

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細川
水着のExバルジェロで扇の使い勝手も上げたつもりですし、4周年キャラのセラフィナも使いこなしていただければ新しい戦略が広がると思いますよ。

──ちなみに『オクトパストラベラー』の男性主人公たちって、今後Exジョブとして登場することはあるのでしょうか? 僕はオルベリクにすごく思い入れがあるので、ぜひ新しい衣装で登場してほしいんですけども。

細川
答え方が難しいですね(苦笑)。言える範囲でのお答えになりますけど。『オクトパストラベラー』の男性主人公たちのExジョブについては、もちろん考えていますし、これからやっていきますよ。それがいつ頃なのか、そしてどんな性能になるかというと、それはちょっとここでは言えませんけど。

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伊藤
なんなら、わりと近いタイミングで何か動きがあるかもしれませんよ。ないかもしれませんけど。

──どういう匂わせですかそれ(苦笑)。

細川
フワッとした言い方になっちゃいますけど。『オクトパストラベラー』の主人公しかり、『大陸の覇者』のキャラクターしかり、基本的にはどのキャラクターにもExジョブの可能性はあると思っていただければ。もちろんExジョブばかりではなく、新規キャラクターも今後増えていくものとお考えください。

──メインストーリーを進めている感じ、近い将来ミディヤも仲間として加入してくれるんじゃないかと踏んでいますよ。正直なところ、彼女がこんなに物語に絡んでくるキャラになるとは思っていなかった側面もありつつ。

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伊藤
特注のメイスを持ったドット絵のキャラですし、最初から特別感を出していたつもりなんですけどね(汗)。

──たしかに……僕の感性のアンテナが低くて申し訳ないです(苦笑)。

伊藤
とんでもない。実際、初登場時はそこまで強いインパクトを残すキャラではなかったかもしれません。ただ、お話が進むにつれてセイルとの絡みはどんどん増えていますし、プレイヤーさんのなかでも注目度は上がってきているところだと思います。

──ミディヤには、セイルを支えてあげてほしいですよ。今の彼、あまりにもしんどそうですからね。こちらが思っていた以上に過酷な運命を背負っていますし“選ばれし者”ってそういうことだったの? と、強い衝撃を受けましたから。

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伊藤
セイルの物語がどんどん重たくなってきているのは間違いないですね。キャラの実装はもちろん、今後のストーリー展開にもぜひご注目いただければ!

──アプリゲームでここまで本格的なダークファンタジーを楽しめるというのは、なかなかすごいことだと思ってしまいます。個人的には『大陸の覇者』って、ゆくゆくは家庭用ゲーム機やPCで、買い切りのソフトとしてプレイできるようになってほしいなあと願わずにはいられません。

鈴木
それ、ずっとおっしゃってくれていますよね。我々としては『大陸の覇者』をそれだけ高く評価していただけているということで、とてもありがたく受け止めています。

──たぶん永遠に言い続けますよ。“極めし者編”や“授けし者編”も含めて、これだけのボリュームとクオリティを誇るゲームが、デジタルの海にたゆたっているだけなのは勿体ないって本気で思っているので(笑)。自分のなかでは、ずっと手元に残しておきたいタイトルです。そのためにも皆さん、とくに統括プロデューサーである鈴木さんにはなんとか頑張ってもらって……。

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鈴木
もちろん僕個人としても『大陸の覇者』はコンテンツとしてしっかり作り上げることができた手応えを感じていますし、普段アプリゲームをプレイしないプレイヤーの方々にもこのゲームを届けたいという気持ちは強いです。ただ、申し訳ないのですが、今の時点で具体的にお話しできることは何もありません。

──アプリゲームのコンシューマ版とか、過去にあまり例がないことだと思いますし、なかなか難しいことは理解しています。そういう意見もあるってことで受け止めていただければと。

鈴木
はい。実際にプレイヤーの皆さんから、高い熱量でそういった意見をいただくこともありますから。しっかりと受け止めています。だからこそきちんと考えていきたいなと。

──『大陸の覇者』にはこれからもどんどん盛り上がってほしいんですよね。何度かお話に出ましたけど、『FFIV』とのコラボなんかもすごく話題性があったじゃないですか。ああいう施策でファンが増えたり、またカムバックしてくれる人が増えたりすれば、コンテンツとしての未来は明るいのではないかと思えます。

細川
そうですね。正直なところ『FFIV』コラボに関しては、おかげさまですごく好評をいただきました。新規のプレイヤーさんにもたくさん遊んでいただけましたし、これを機に戻ってきてくれたカムバック勢の方もたくさんいるので、とてもありがたかったです。

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──朗報ですね。多くの人にこの『大陸の覇者』というコンテンツを知っていただくというのは、とても大事なことでしょうから。

細川
我々としてもコンテンツとしての認知を高め、そのうえでちゃんとゲームを楽しんでいただくことが重要だと考えていて。コラボからゲームに触れていただいた方、そして復帰していただいた方に本作の楽しさを味わっていただくための導線はしっかり考えたつもりです。具体的には難易度をとっつきやすいレベルに調整したり、配布キャラであるセシルを意図して強くしたりなどですね。

──あのコラボは本当に力が入っているなと感じましたからね。今後は“畏孵の断片”の存在によって、コラボもやりやすくなるのでは?

伊藤
そういう側面はあるかもしれません。

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──せっかくコラボするのであれば、今後も『FFIV』の時と同じくらい注力してほしいですね。タイトルの属性的に、コラボばかりを精力的にやっていくのは違うなって思いもありつつ(笑)。

鈴木
そもそも『オクトパストラベラー』というタイトル自体が、“古き良きRPGを現代の技術で生まれ変わらせたらどうなるだろう”というテーマのもとに、挑戦が始まった作品なんですよ。

──なるほど。

鈴木
その系譜である『大陸の覇者』において、クロスストーリーという形で“あの頃のRPG”が蘇り、懐かしさに浸りながらも新鮮に、コラボならではのif体験を楽しんでいただく。そしてその体験が『オクトラ』ファンはもちろん、スクウェア・エニックスのゲームのファンであったり、RPGファンであったりする方々に喜んでいただけるのであれば……とても素敵なことだなって思うんですよね。

──本当にそうですね。『FF4』のセシルと、『ライブ・ア・ライブ』のオルステッドが一緒のパーティで戦うなんてシチュエーション、なかなかないですから(笑)。

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鈴木
遊び心に満ちたフォトスポットもご用意していますが、あんなスクリーンショットが撮れるのは『大陸の覇者』だけだと思いますし、そういった要素すべてをひっくるめての“if体験”ですからね。ただコラボするわけではなく、『大陸の覇者』ならではの切り口でif体験をしていただけるものに仕上げるということには、今後もこだわっていくべきだと感じています。

──素敵な“if体験”を楽しみにしていますね。それでは、そろそろシメの質問ということで、最後にそれぞれからファンへのメッセージをいただけますか?

伊藤
まずはプレイヤーの皆さんのおかげで4年目を迎えられたことに、あらためて感謝いたします。本当にありがとうございました。メインストーリー、シードストーリー、クロスストーリーと、今後もさまざまな物語を皆さんにお届けしていきたいと思っていて、現在仕込みの真っ最中です。

 広げた風呂敷はしっかりたたみつつ、一方でまた別の風呂敷を広げていくというか。ゲーム的な表現で言えば、常に攻撃を繰り出していきつつ、守るべきときはしっかりと防御を固める……そういった攻守両方の姿勢で今後も取り組んでいきたいですね。

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──わかりやすいお言葉。『オクトラ』において、ブレイクは必ずしも攻撃のためのものではないですもんね。時には守りを固めるためのブレイクだってありえるわけで、運営チームがそういった臨機応変さを意識してゲームを作り続けてくれるというのは安心感があります。

細川
攻めと守り、どっちも大事ですからね。おかげさまでサービスも5年目に突入したわけですが、ここで安定を取るというか守りに入ってばかりでは、ゲームとしてつまらなくなっちゃうと思うので。かといって攻めてばかりでは、それはそれでプレイヤーの皆さんのご期待に沿えないというか、取りこぼすものが増えてしまうでしょうし(苦笑)。臨機応変にやるというのはこれまでも意識してきましたし、これからも心がけたい部分です。

──おっしゃるとおりだと思います。

細川
少なくとも、予定調和にはならないようにしたいですね。ゲームを遊んでいて「ここでこんなものが来るのか!」というサプライズみたいなものがないと、遊んでいて楽しくないじゃないですか。要所でしっかりワクワクしてもらえるよう、これからもさまざまな趣向を盛り込んで行こうと思いますので、プレイヤーの皆さんにはぜひついてきていただければ嬉しいです。

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──応援していきます! では、最後に鈴木さんからメッセージをお願いできますか?

鈴木
はい。『大陸の覇者』の4年目を振り返ってみると、この1年間はどちらかというと“攻め”を重視していたように感じています。待望だった全世界リリースも達成できましたし、各国でしっかり結果も出せているということで、うまく攻勢を仕掛けられた1年でした。勝ち取った足場をしっかり固める必要がありますので、そういう意味で次なる5年目は、どちらかというと守りが主体になる気がします。

──その言葉から、コンテンツを長期展開していくという意志や力強さを感じますね。猪突猛進だけでは不安になりますし守りも絶対に大事(笑)。

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鈴木
そうして力を蓄えられれば、うまくすると5周年くらいのタイミングで、これまで以上の攻めに転じることができるとも考えています。今はまだ具体的にお話をするのは難しいのですが、まだまだ『大陸の覇者』の今後を楽しみにしていていただけたらと。

──期待が膨らみますね! これまで以上の攻勢を仕掛けるって、ものすごくそそられるお言葉。

鈴木
未来についてはまたどこか別の機会でお話させていただくとして。まずはプレイヤーの皆さんに、4周年を全力で楽しんでいただけたら嬉しいです。繰り返しになりますが、『大陸の覇者』はプレイヤーの皆さんに愛していただけたからこそ、ここまで成長することができたコンテンツ。今後ともその期待にお応えできるよう、チーム一丸となって頑張って参りますので、引き続き応援をよろしくお願いいたします!

──本日はお忙しいなか、どうもありがとうございました。

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