電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、レトロ風アクションシューティング『アンシェリアントリガー』を紹介します。
なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!
『アンシェリアントリガー』の魅力
古き良き疑似3Dシューティングをもう一度!
本作は、ピクセルより登場のNintendo Switch用新作疑似3D“風”シューティングです。惑星ガラドシークと呼ばれる惑星を舞台に、探偵事務所で働く2人の美女の活躍を描いた作品となります。
まず画面を見ても分かるように、ゲーム自体は、90年代の古き良きアクションシューティングを再現したものとなっています。当時の2Dで描かれた疑似3Dを再現したもので、操作方法が異なる2人の主人公のどちらかを操作し、さまざまな惑星を舞台にしたステージをクリアしていくことになります。
木村明広氏のキャラクターがステキ
本作で大きな魅力となるのは、やはり木村明広氏がキャラクターデザインを務めたキャラクターと、古典的ながら王道ともいうべきスペースオペラ的世界観でしょうか。
木村明広氏は、90年代初期、パソコン版の『エメラルドドラゴン』や『アルシャーク』などのキャラクターデザインを手がけた伝説的イラストレーターです。古くからPCゲームに親しんでいた人にとっては、当時の記憶がよみがえるかもしれません。その懐かしさだけで、幸せな気分になれそうです。
とくに自分の場合、まさに直撃世代だったので、木村氏のキャラが高画質でド派手にアニメーションしてくれる様は、その感動もひとしおでした。2人の軽妙なセリフの掛け合いも最高です。
一方、懐かしさだけでなく、どこか新しさを感じるのも本作の特徴。あくまで疑似3D“風”であり、3Dを2Dで表現した当時の画面を3Dで再現している(ややこしい)わけで、そこが現代のゲームであるという雰囲気も感じるのです。現代のゲームに慣れた人にとっては、逆に新鮮味を感じるのかも知れません。
分かりやすく、入り込みやすい王道ストーリー!
世界観も90年代のSFアニメを彷彿させるもので、内容も王道です。その物語は、惑星ガラドシークの大都市ワティにある小さなイームズ探偵事務所で、浮気調査などをしながら燻っていたミアとシェリルの元に、緑の惑星サリウスを調査するという依頼が舞い込むところから始まります。
サリウスは何かといわく付きの惑星で、しかも依頼主が匿名と、どこか不穏な気配を感じるミアとシェリルでしたが、経営が傾いてしまった事務所を守るため、2人はサリウスへ向かうことになるのでした。
物語冒頭は分かりやすく、導入がすんなり進むので、一瞬で世界観に没入できます。そこから徐々に謎めいた展開になっていき、2人は壮大な陰謀に巻き込まれていくことになります。
ストイックなゲーム性はシンプルでわかりやすい
ゲームは、先述したように、主人公の背中からの視点で、画面の奥へと走り抜けていく疑似3D“風”シューティングです。
次々に登場する敵を倒していき、最後に待つボスを倒すとステージクリア。ゲームのメインとなるストーリーモードでは、1つのステージで4話ほどのエピソードが展開。ステージ中にキャラクター同士の会話が起こるだけでなく、アニメーションが挿入されることもあります。
主人公は2人から選択可能で、それぞれ操作が異なります。まずミアは、二丁拳銃で素早く攻撃できますが、基本地上を走るだけで、空中には2段ジャンプを使って移動することになります。
一方のシェリルは、大型キャノンで攻撃するほか、浮遊する能力を持っており、アナログスティックで画面内を自由に移動することができます。
主人公によってゲーム性も変わる!
個人的にはシェリルが好みで、彼女ばかり使っていました。見た目的な魅力はもちろん、操作がとてもわかりやすい! アナログスティックで自由に移動できるのは、この手のゲームのセオリー的な操作感で、なんとも“馴染む”のです。これは、90年代シューティングをプレイしてきた人には、きっと分かってくれると思います。
ただ、プレイした感じの操作感はまったく異なり、印象はかなり異なっていました。同じステージでも、2つのゲーム性を楽しむことができますね。
また、ゲージを最大に溜めることで、サポートロボの援護攻撃、ホーミングミサイル、フォースフィールドの3つの特殊な能力を使用可能です。
もっとも使いやすいのがフォースフィールド(バリア)で、敵の攻撃から身を守れるので、ボス戦などで大活躍してくれました。
難易度は意外にハード!?
画面はレトロな雰囲気ですが、難易度は高めとなっています。ストーリーモードではステージ中に複数話分のエピソードが展開するので、どうしても1ステージが長くなります。
しかし、本作に残機やコンティニューの概念はなく、体力が0になると容赦なくタイトル画面に戻ってしまいますが、クリアした惑星(4ステージ)ごとにセーブされているため、続きから再開できるので安心。筆者は、ステージの後半で倒されて少し呆然とすることもありましたが……(笑)。
ちなみにコツとしては、やはり攻撃よりも防御を優先すること。先述したフォースフィールドが便利なので、ステージの後半はできるだけバリアを展開しながら、慎重に進めることがポイントです。
また、オプションで難易度の選択もできるほか、フォースフィールドの強度の設定もできます。これでかなり楽になるので、シューティング初心者でも安心ですよ!
さまざまなモードで楽しめます
メインとなるストーリーモードだけでなく、トレーニングモードやアーケードモードなど、多彩なゲームモードを搭載しているのも嬉しいポイント。しっかりやり込むことができます。
また、“イームズのオフィス”モードでは、ゲームで入手できるポイントを使って、さまざまなカスタマイズが可能。サポートロボの強化やホーミングミサイルのロックオン数アップなど、特殊攻撃を強化することもできるのです。
さらに、登場人物や世界観、敵の情報を閲覧できる各種データベースを搭載。がっつりと情報量があるので、しっかり読み込めば、この世界をより深く理解することができます。これらの情報はゲームを進めるごとに増えていくので、重要なモチベーションにもなってくれるはず。
レトロゲーム好きならぜひ挑戦してみて!
レトロな画面なのに滑らかに3D移動できることが、どこか新鮮な印象を受ける本作。昔の疑似3Dの雰囲気をしっかり再現しているのですが、実際の昔の疑似3Dのようなパタパタ感はありません。90年代のシューティングが好きだった人、木村明広氏のキャラクターが好きだった人は、懐かしさだけではない満足感を味わえるハズ!
ちなみに同時発売される限定版には、パッケージ版ソフトに加え、豪華特装ボックス、アートワークス、オリジナルピンバッジ、オリジナル3Dメガネ(ゲーム内で一部利用可)、イームズの認定証が同梱された豪華版。
世界観が気に入ったなら、こちらでよりドップリ浸かってみて下さい!
『アンシェリアントリガー』とは(ストアページより)
新ジャンル!? 疑似3D2DSTG風3Dシューティング登場!
ミアとシェリル、2人の主人公が繰り広げる、5つの惑星を舞台にしたスペースオペラが幕を開ける。
エンディングテーマ「HERE WITH ME」
森川 美穂
■キャスト
ミア(CV : 岸本依茉)
シェリル(CV : 春海ひなの)
イームズ(CV : 保志総一朗)
O-P2(CV : 白松和奏菜)
ワズリア(CV : 野中秀哲)
セルトゥナ(CV : 各務立基)
ライーゼ(CV : 羽飼まり)
ドミトル(CV : 吉岡琳吾)
■スタッフ
キャラクターデザイン・イラスト:木村 明広
音楽:海田 明里
効果音:佐宗 綾子
効果音:オカモトタカシ
■ストーリー
惑星ガラドシークの大都市ワティ。
その片隅で事業を営むイームズ探偵事務所。
浮気調査や行方不明のペット探しなど、小さな案件が多く経営が傾く中、匿名の依頼主から緑の惑星サリウス調査の依頼が舞い込む。
サリウスは惑星産業大臣ワズリアの管轄であることや、依頼主が匿名であることなど不穏な気配を感じながらも、ミアとシェリルはサリウスへと飛び立つ。
それは2人が大きな陰謀へと足を踏み入れる引き金だった。
■ゲームシステム
敵を撃ち落としながら画面の奥へと走り抜ける、3Dシューティングです。
最後に待つボスを倒すとステージクリア、惑星ごとに4つのステージで構成されており、ストーリーモード、アーケードモード共に全24ステージの構成です。
また、アーケードモードには独自のボスが用意されています。
ミアは2段ジャンプと二丁拳銃、シェリルは大型キャノンを抱え、浮遊能力を持ちます。
主人公二人は操作方法も違うため、同じ敵やステージが相手だとしても、異なるゲーム性
を楽しむことが出来ます。
また、サポートロボのO-P2や、後方からの援護射撃、フォースフィールドなどにより、戦闘を有利に運ぶことが可能です。
多数ロックオンによるホーミングレーザーや敵集団を倒した時の加点など、疾走感と共に爽快感を体感できるゲームです。
フルボイスによるストーリー進行で、プレイヤーをアンシェリアントリガーの世界へ誘います。