スパイク・チュンソフトより7月25日発売予定のNintendo Switch 2/Nintendo Switch/Steam用アドベンチャーゲーム『伊達鍵は眠らない - From AI:ソムニウムファイル』のレビューをお届けします。
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スピンオフだと思って油断していたら……【伊達鍵は眠らない - From AI:ソムニウムファイル】
すいません! 完全に油断していました!!
『伊達鍵は眠らない』の情報を最初に知ったときは『AI:ソムニウムファイル』シリーズの新作が発売されるうれしさはありつつも、スピンオフ作品として発表されたことや、シナリオを担当している打越鋼太郎さんが監修という立場だったことからファンディスクのような内容を想像していたのですが、想像以上に本格的で夢中にゲームを進めていきました。
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プレイしているときはあまりのおもしろさに「正式にナンバリングを付けてもよかったのでは?」と何度も思っていました。本作のシナリオはディレクターの山田和也氏が手がけているそうですが、ここまで完璧に打越さんの作り出す『AI:ソムニウムファイル』の世界観やセリフ回しを完全再現するとは思いませんでした。
打越さんが監修しているとはいえ、キャラクターの性格や言動にも一切ブレが無く、驚きました。なによりとても先が気になるストーリーになっています。
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プレイしてわかったのですが、本作は『AI:ソムニウムファイル』ファンに向けてしっかり作られており、「これまでシリーズを追い続けていたユーザーによろこんでもらいたい」という気持ちが強く伝わってきました。
ストーリーの展開としては第1作『AI:ソムニウム ファイル』と第2作『AI:ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ』の間を描くものです。少なくとも『AI:ソムニウム ファイル』をクリアしてから遊ぶことを強く推奨します。
『AI:ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ』のキャラクターも登場してストーリーを盛り上げてくれるため、プレイしているとより理解できますが、『伊達鍵は眠らない』をクリアしてから『AI:ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ』をプレイするのでもアリかなと思います。
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『伊達鍵は眠らない』のストーリーはネットアイドルのイリスが宇宙人にさらわれたことから物語がはじまります。イリスから助けを求められた主人公の伊達は彼女の脱出に協力をしながら、事件のカギを握る重要参考人の夢のなかを探索。事件の真相を探るために奔走することに。
今回も陰謀論やSFなど多彩なオカルトをごった煮したようなストーリーで、今回は社会をリセットする“グレートリセット”や世界に新しい秩序をもたらす“ニューワールドオーダー”といったテーマを本作ならではにアレンジ。これまでのシリーズ同様に多彩な雑学を用いて都市伝説や超科学にしっかりとした説得力を持たせており、興味深く読み進められました。
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幅広い難易度が用意されているのがうれしい【伊達鍵は眠らない - From AI:ソムニウムファイル】
伊達の左目が持つ特殊な機能を使って現場を調べる“捜査パート”と重要参考人の夢の世界を探索して“ソムニウムパート”を進めていくのはこれまでのシリーズと同様ですが、今回はそのふたつのパートに加えて閉鎖空間を探索しながら謎を解いていく“脱出パート”も存在します。
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部屋にあるものを組み合わせたり暗号を解いて鍵を開けたりと本格的な謎解きが楽しめる“脱出パート”ですが、一方で幅広い難易度が存在。いちばん簡単なモードであればほぼ答えまで教えてもらうことができるので、詰まる心配はありません。
本作はメインストーリーがとても先が気になる作りになっているので、脱出パートにフォローがあるのは助かります。イージーであれば次に調べる場所も分かるのでストレスフリーで遊べます。
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脱出パートは時間を気にせずじっくり考えることができますが、クライマックスには制限時間がある展開に。どちらを選んでも破滅が待つ究極の選択を迫られるなか、現状の危機を突破する第3の選択肢を探すことになりますが、その正解を見つけたときはとても気持ちいいです。
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脱出パートは最初の部屋こそイリスひとりで挑戦することになりますが、ゲームが先に進むと別々の場所にいる複数人が協力して部屋から脱出を目指すことになることも。パズルがより複雑になって攻略しがいがありますし、意外な人物の一人称視点も楽しめるのでファンにはたまりません。本編および脱出パートにどのキャラクターが登場するのかはプレイしてからのお楽しみですが、シリーズをプレイしてきたファンなら大満足間違いなしです。
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おなじみのソムニウムパートは伊達と精神がつながったアイボゥが女性の姿となって現れ、伊達に代わって調査をおこなうことになりますが、今回もいろいろとはっちゃけていて笑わせてくれます。このパートでは正しい選択をすることで展開が進んでいきますが、間違った選択肢を選んだときも、伊達とアイボゥのおもしろいやり取りが見れるのでうれしいです(笑)。
ソムニウムパートは2作目の『AI:ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ』でプレイフィールが向上しましたが、本作はそのシステムを踏襲しているため、ストレスフリーで楽しむことができました。こちらも幅広い難易度が用意されており、イージーなら制限時間に焦らずにプレイすることが可能です。
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なお、これまでのシリーズではソムニウムパートで夢のなかに入る対象のキャラクターは事前に分かっているのが基本でしたが、『伊達鍵は眠らない』で最初に調査するソムニウムパートは誰なのか分からない状態になっています。
ソムニウムパートの最後に誰の夢を捜査していたのか判明することになりますが……筆者はここで「そう来たか~!」と一気に本作のストーリーに引き込まれました。このタイミングで「ぜんぜんスピンアウトじゃない!!」と思わず言ってしまうほど。ここから先は最初にも言ったように本当に夢中でゲームを進めていきました。
いったい誰の夢を調査していたのかは実際にゲームをプレイしてもらいたいですが、ぜひ楽しみにしておいてもらいたいです。あいかわらず、このシリーズは先が気になる展開を作るのがうまい!
キャラクターに関しては、本作にはこれまでシリーズに登場していたキャラクター以外にも新キャラクターも。ABISの技術者である月夜野日菜はピュータの後釜となるキャラクターですが、謎解きマニアという一面があり、脱出パートではとても頼りになります。イージーでプレイしている人は彼女に頭が上がらないはず(笑)。
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伊達と日菜の関係性もよく、普段は縦横無尽に振る舞う伊達が日菜に振り回される様子は新鮮。ゲームを進めれば進めるほど日菜のことが好きになるのでぜひ注目してみて欲しいですね。
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もうひとりのキーマンで、脱出ゲームの主催者を名乗る明美に関してはなにを書いてもネタバレになるので言及はできませんが、とぼけた性格でかわいらしいデザインながら、凄みのあるセリフで緊張感を生むことも。演じている森なな子さんの芝居も素晴らしいです。
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ネタバレができないので魅力を端的にしかお伝えできないのが悔しいですが、軽々と“スピンオフ”という言葉のデメリットを越えてくる作品でした。ぜひプレイしてみてください!
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