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インティ・クリエイツ新作『魔女ガミ』のここが好き。和風×ファンタジーの歪んだ世界観、記憶喪失の主人公と栞のような“父”、神速スラッシュアクション…刺さる人には刺さる要素がてんこ盛り

文:sexy隊長

公開日時:

 インティ・クリエイツより、2025年10月30日に発売予定の『魔女ガミ-The Witch of Luludidea-』。本作は、インティ・クリエイツ30周年記念プロジェクトとして発表された“新感覚ガールズスラッシュアクション”です。

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 PVをひと目見ただけで伝わる、妖しくも美しい世界観。そして、画面狭しと駆け巡る、圧巻の超高速スラッシュアクション。ビジュアル面もアクション面にも、独特な魅力がこれでもかと詰まった作品です。

 今回、先行で体験版をプレイすることができましたので、本作の魅力や、プレイして気になったことなどを紹介したいと思います!

※本記事はインティ・クリエイツの提供でお送りします。

妖艶で退廃的。和風×ファンタジーな世界観に惹かれる


 インティ・クリエイツの新作レビューとなると、このアクションを観てください! と、本来なら言いたくなります。本作ももちろんアクションじゃ素晴らしく爽快で楽しい作品に仕上がっていますが、まずは世界観とビジュアル面について語りたいと思います。

 その独特で妖艶なビジュアルと世界観は、手に取ったプレイヤーをすぐに作品の中へと引き込んできます。

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 舞台となる“オルケスグラ”は、悪夢と幻想が交錯する奇々怪々な世界。一歩足を踏み入れるだけで、その異質な雰囲気が感じ取れるはずです。

 本作のアートは、『Bloodstained: Curse of the Moon』、『ブラスターマスター ゼロ』シリーズのビジュアル、キャラクターデザインを担当した“夏目裕司氏”がディレクターとして担当しており、インティ・クリエイツの過去作とは一線を画す新たな挑戦として、色彩豊かなダークファンタジーの要素を強く打ち出しています。

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▲『Bloodstained: Curse of the Moon』
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▲『ブラスターマスター ゼロ トリロジー メタファイトクロニクル』

 背景には、崩れかけた神殿や不気味な紙のモチーフが散りばめられています。

 ステージに登場する異形の敵や幻想的な風景など含めて、細部まで丁寧に描かれた手描きアートをそのまま採用したかのようなビジュアルが世界観を表現!

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 この空気感は、単に背景やビジュアルとして魅せるだけではなく、ストーリーやキャラクターたちのバックボーンと密接に結びついている……と感じられる点が非常に面白いところ。

 というのも本作の主人公“シロハ”は記憶喪失の状態で目を覚ますところから始まります。自らを父と名乗る、栞のような姿をした存在“シオリ”との出会いをきっかけに、奇妙で不穏な世界“オルケスグラ”の謎に足を踏み入れていくことになります。

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 「この世界は一体何なのか?」、「シロハの過去に何があったのか?」といったミステリアスな要素は、緻密に作り込まれたビジュアル・世界観にうまく溶け込んでおり、強烈な没入感と好奇心をかき立ててくれます。

 また、シロハの前に立ちはだかる“マジョガミ”たちも、本作の魅力を語るうえで外せない存在。どのキャラクターも一目で忘れられないほど独特なデザインを持ち、どこか狂気を感じさせる個性を放っています。

 そのキャラクターデザインは、ただ見ているだけでも胸の奥にじわりと広がるような、不安感と興味を同時に呼び起こしてくれます。

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 インティ・クリエイツ作品なので、登場するマジョガミたちは、戦闘だけでなくストーリー展開にも深く関与。彼女たちの背景や動機が少しずつ明らかになることで、オルケスグラの歪んだ世界の全貌を垣間見ることが想像できます。

 体験版では1人のマジョガミと出会えましたが、今後進めていく中でどんなマジョガミと出会えるのかが楽しみです。

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 音楽や効果音も、本作の世界観を支える重要な要素となっています。ダークで神秘的なメロディと、アクションの緊張感を際立たせるビートが巧みに融合しています。

 特筆すべきだと思えたのが、インティ・クリエイツ作品の中でも珍しいほど“ゴシック”な音楽のテイストです。幻想的でありながら、どこか不穏さを孕んだ旋律は、歪んだ世界“オルケスグラ”を見事に表現しており、視覚だけでなく聴覚からもこの異世界に引き込まれていく感覚を味わえます。

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 ビジュアルとBGMとストーリーの融合は、インティ・クリエイツが得意とする“ゲーム全体で一つのアートを構築する”手法を体現しており、プレイヤーに視覚的・感情的な体験を提供します。

 この感覚は静止画だけでは伝わらない……! ぜひプレイして体感していただきたいです!

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 ちなみに限定版には、設定資料集とサウンドトラックCD(2枚組)がついてくるので、めちゃくちゃ欲しい……と、既に思います(笑)。予約せねば。

爽快かつ戦略的! 縦横無尽の“神速スラッシュアクション”


 アクション面での最大の見どころは、なんといっても主人公シロハが繰り出す神速の斬撃“セツナ”を駆使したハイスピードアクションにあります。

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 “セツナ”は攻撃手段であると同時に、ステージを縦横無尽に駆け巡るための移動技であり、敵の攻撃をかいくぐる回避行動としての役割も果たします。ボタンひとつで敵へ瞬時に突進し、一刀両断にするその感覚は、まさに爽快そのものです。めちゃくちゃかっこいい。

 操作自体はシンプルながら、敵の位置や地形を瞬時に見極めて“セツナ”を連続して繋げていくことで、まるで戦場を舞うようなスタイリッシュなアクションが完成します。この一連の流れが生み出す“つなぐ快感”は、一度味わうとクセになる中毒性を秘めています。

 ただのボタン連打では再現できない、タイミングと判断力が問われるテクニカルな操作感も、本作ならではの醍醐味といえるでしょう。見た目の華やかさと裏腹に、プレイヤーの腕が問われる奥深さがあります!

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 インティ・クリエイツファン向けに言うとしたら、セツナは『蒼き雷霆 ガンヴォルト 鎖環』に登場する“雷霆煉鎖(ライテイレンサ)”を思い起こします。敵に向かって瞬時に連撃する、あのスピード感と手応え。それをさらに洗練させ、探索と戦闘をシームレスに繋いだ本作のセツナは、まさに“基本にして奥義”とも呼べる存在です。

 さらに、アクションの奥深さを加えているのが、タメて放つ三連続攻撃“三連セツナ”や、敵の防御を破壊する“呪詛霧(じゅそむ)の破壊”といった派生アクション。闇雲に突進するだけでは勝てない手ごわいボス敵や、一筋縄ではいかないステージギミックに対し、これらのアクションをいかに的確に使い分けるかが攻略の鍵となっていそうです。

 単純な爽快感だけでなく、プレイヤーの腕が試される戦略性も兼ね備えている点が、本作のアクションをより一層魅力的なものにしています。

シロハのアクションを少しだけご紹介!

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 シロハは、日本刀のような武器“カミキリ”を使って、さまざまな斬撃アクションを繰り広げます。漢字にするならば紙切り……だと思うのですが、神斬りとも書けるのでしょうか?

 そんなシロハの戦闘スタイルですが、“魔法紙(まほうし)”というコストゲージをうまく管理することがポイントです。

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 魔法紙を使いこなすことで、強力な攻撃やスピーディーな立ち回りが可能になり、戦況を有利に進めることができます。

斬撃

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 基本となる攻撃が“斬撃”です。一撃の威力は低いものの発生が非常に早く、近くにいる敵をまとめて攻撃できるのが特徴。ボタンを連続で入力することでコンボへと派生します。

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 この斬撃は“魔法紙”を消費せずに使用できるため、リスクなく使える主力アクションです。

 さらに、斬撃を敵に当てることで魔法紙を回復できるため、斬撃を制する者が本作を制することになるのではないでしょうか。

セツナ

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 魔法紙を1つ消費することで、狙いを定めた敵1体に向かって一気に急接近し、斬りつける攻撃が発動します。

 このときの攻撃方向に応じて、“太刀筋(ヨコ/タテ/ナナメのいずれか)”が決まる仕組みです。うまく使い分けていきたいですね。

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 さらに、この攻撃で敵を倒した場合は、斬撃と同時にそのまま敵を貫通するように移動する性質を持っています。

 これにより、スピード感あふれる連続アクションへとつなげることができるだけではなく、通常のジャンプでは届かないような高い位置へと移動することも可能になります。

三連セツナ

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 魔法紙を1つ消費し、“セツナ”をチャージしてから発動すると、通常とは異なる三連続攻撃に変化する、強化版セツナといったところでしょうか。

 ヨコ・タテ・ナナメの3種類すべての“太刀筋”を一度に繰り出せるので、守りを固めた敵すらも切り裂く事ができるのが最大の魅力です。

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 ただし、発動までにチャージ時間が必要なため、タメ動作中は無防備になってしまうというリスクもあります。

 使いどころを見極めることで、大きなダメージと華麗な連撃を狙える上級者向けのテクニカルな技です。

呪詛霧(じゅそむ)

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 “呪詛霧(じゅそむ)”に包まれた敵は、あらゆる攻撃をシャットアウトしてしまい、通常の攻撃ではダメージを与えることができません。

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 この呪詛霧には、ヨコ・タテ・ナナメのいずれか1つに“弱点角度”が設定されており、対応する方向の“太刀筋”で攻撃することでのみ破壊が可能です。セツナを使う際は、敵の弱点角度をしっかり見て、正しい方向から攻撃をしかける必要があります。

 先ほど触れた“三連セツナ”を使用すれば、すべての太刀筋(ヨコ・タテ・ナナメ)で連続攻撃を繰り出せるため、方向を気にせず呪詛霧を破壊することが可能です。三連セツナの活用が呪詛霧攻略のカギとなりそうです!

わずか15分の体験版に凝縮された、ネオ・インティ(!?)成分

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 本体験版では、物語の序章とその道中、そして最初の“マジョガミ”との戦いまでをプレイできます。

 プレイ時間は15分ほどとコンパクトながら、その短い中に本作の魅力と“可能性”がギュッと詰め込まれています!

神と紙が織りなす、唯一無二の“カミ”の世界

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 プレイしてまず驚かされたのが、ビジュアルと世界観の圧倒的な完成度です。

 本作は“神”と“紙”というふたつのモチーフを軸に構築された幻想世界が舞台となっており、神秘的かつ言葉では言い尽くせない独特な雰囲気が醸し出されています。

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 中でも注目したいのが、会話シーンの演出です。

 テキストは、まるで文庫本の1ページや舞台台本を思わせる“紙”の上に印刷されたような質感とフォントで表示されており、“本に書かれた物語を読む”という感覚があります。こだわりがスゴイ。UIにセンスがあります……。

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 これはきっと『ガンヴォルト』シリーズでおなじみの“ライブノベル”の派生進化系とも言える表現でなのではないでしょうか。本作の“紙を通じて物語を語る”システムに仕上がっています。

紙をテーマにしながら、まったく違う表現へ

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 “紙”をモチーフにした2Dアクション作品としては、『九魂の久遠(くこんのクオン)』が“きりえ”調の幻想的なグラフィックで印象を残しましたが、本作は同じく紙をテーマにしつつも、まったく異なるアートスタイルでアプローチしています。

 質感や構成要素に至るまで、ひと目で“これまでにない作品”であることを実感できる。ビジュアル面でのこだわりと新しさを感じさせてくれます。

“セツナ”が体現する、ハイスピード&ハイセンスなアクション

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 アクション面においても、“セツナ”を軸としたスピード感とスタイリッシュな演出は本作を象徴する要素です。操作の気持ちよさ、見た目のかっこよさ、そして戦略性を兼ね備えたこのアクションは、まさにインティ・クリエイツの真骨頂。

 『ガンヴォルト 鎖環』で登場した“雷霆煉鎖”の手応えを思わせつつ、より洗練された操作感が体験でき、新たな挑戦を感じさせる仕上がりとなっています。

“インティ作品らしさ”と“進化”が共存する、30周年にふさわしい一作

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 実際に体験版をプレイして感じたのは、「インティ・クリエイツ作品でありながら、これまでとは一線を画す作品に仕上がっている」ということ。30周年記念プロジェクトという位置づけにふさわしく、ビジュアル、アクション、世界観すべてにおいて、同社が積み重ねてきた要素を正統進化させた“ネオ・インティ”とも呼ぶべき作品になっています。

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 インティ作品ファンにも、インティ作品初体験の方にも、強くおすすめしたい注目の一作です! 今後の情報にも期待がかかります。

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