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【ほぼ週刊電撃スタッフコラム:オッシー】『伊達鍵は眠らない』プレイすると『AI』のキャラの濃さに改めてビビる。『He is Coming』中毒性高すぎてヒュドラが夢に出てきそう。映画『ネムルバカ』に地元が出てきて歓喜

文:オッシー

公開日時:

 みなさんこんにちは。BitSummit初参加!(一週間以上前だけど……) 「広すぎて回りきれない」と色々な人に言われていたので戦々恐々としていたけど、初日にサクっと回れて余裕ぶっこいてたら、もう一フロアあったでござるの巻……(みやこめっせの1Fと3Fが会場なのに、1Fしか回ってなかった)。二日間で行程組んでいて本当に良かった。加齢による注意力不足が否めないオッシーがスタッフコラム第十回目お送りします。
※BitSummitネタ書こうと思ったけど機を逸したので無かったことに。加齢はマジで時を加速しすぎる。

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 このコラムでは、狂ったようにプレイしている日々のゲーム体験や、ゲーム以外の趣味である映画鑑賞などで摂取したエンタメコンテンツを、短文レビューを形式でお送りしています。今回もゲーム編と映画編です。ネタバレ注意!

インベントリきつすぎて合体ゴーレムと調合魔女鍋を今日も探し続ける

タイトル:『He Is Coming』
プレイ状況:Steam版 ウッドランドクリア ウェットランド挑戦中

 めたんこ評判いいのと、ファミコンチックなグラフィックに惹かれてプレイ。なんやこれなまら面白い。

 ゲーム性は『エルデンリングナイトレイン』みたいに3日間を過ごしてキャラを強化し、最後の夜に出てくるボスを倒す。一日の最後にボスが出てくるのも同じ。夜渡りならお馴染み。とはいえアクション性は無く、マス目を移動していくと時間が経つのと、フィールド上の敵も動く仕組み。戦闘は完全オート。ビルドがすべて。

 フィールド上の宝箱を開けるとアイテムが3つ出てきてそこから一つを選ぶお馴染みのシステムもある。が、インベントリがかなり少なくて、各日のボスを倒すと拡張はするんだけど、全然足らない。アイテムが前述の宝箱以外にも色々とゲットできるので、とにかくインベントリ管理というか、アイテムの取捨選択が肝になってくる。

 そこで大事なのが、同じアイテムを合体してランクを上げてくれるゴーレムと、異なる食べ物アイテムを合体してくれる魔女の壺。これで初日からガンガンアイテム欄を整理しながらランクアップしていくのが重要。

 プレイ感覚はTCGに近い。アイテム同士のシナジーでインフレしていく感じ。ランダム性も相まって、思い通りのビルドが完成したときはかなり嬉しい。発動条件が色々あるので(体力が半分になった時、とかシールドが削られた時、とか)それが上手く噛み合って超火力で殴れたりすると脳汁出る。

 難易度は高く、特に三日目の最後に待ち構える夜の王ならぬラスボスがかなり強い。よほどランク高いアイテムで固めない限りゴリ押しは難しい。そこで、ラスボスを見越して3日間でビルドを磨いていくんだけど、運の要素も強いので、ヒリヒリするのが楽しい。でもウェットランドのヒュドラいくらなんでも強すぎない? せっかく開始時発動で超火力出せるようにコンボ組んだのに、三連戦とか辛すんぎ。最後の首までは行けるんだけどね……。

 ワンプレイが短めなのと、ランダム性が高く、難しいのも相まって、とにかく中毒性が高い。ついついやっちゃう。シンプルなファミコンライクなグラフィックやSEも最高。これでアーリーアクセスだって言うんだから楽しみすぎる。まあフルリリースまでにヒュドラぬっころせるように頑張ろう。

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▲こういうグラフィック好き。初代ゲームボーイにこんなグラフィックのRPGあった気がするが思い出せない。

見た目と中身のギャップが『AI』シリーズって感じ。過去キャラもいっぱい出てくるし、ファン的には嬉しいね

タイトル:『伊達鍵は眠らない - From AI:ソムニウムファイル』
プレイ状況:Switch2版 クリア済み

 大好きな『AI』シリーズの新作! 続編というよりはスピンオフの位置づけ。『ニルヴァーナイニシアチブ』の後日談でもある。

 『AI』シリーズは洗練された見た目とは裏腹に、何故かオッサン的なギャグが満載なテイストと、エグいストーリーが相まった唯一無二の謎解きアドベンチャー。『ゼロエスケープ』三部作も最高だけど、全般的にシリアスだったのが、『AI』は程よくギャグが入っていて緩急が付いていて良いのよ。

 特にキャラが本当に立っていて、AIなのに誰よりも人間っぽい相棒・アイボゥを始めとして、イケメン強キャラなのにエロ本大好きな主人公・伊達鍵とか、小学生なのに戦闘力高すぎ芸能事務所社長・みずきとか、全然リアルじゃないけど楽しいからいいじゃんの精神で好き。全体的にコメディテイストで楽しい。

 とはいえ、前作・前々作は事件とその背景はかなり重めだった。それに比べて、本作はスピンオフということもあり、そこまで重くは無い。途中で、「あれ、これもしかして日常回?」と思ったくらい。まあ最後の方はちゃんと『AI』らしくややシリアスにはなるのでご安心を。

 いつものソムニウムパートもありつつ、今回の主軸は脱出ゲーム。『ゼロエスケープ』でおなじみのやつ。個人的には、今回の脱出ゲームは難しめだった(難易度はスタンダード)。解けるときはガンガン進むけど、一旦躓くとずーっと引っかかっちゃう。思い込んじゃうとダメよね。ソムニウムパートは相変わらずぶっ飛んでいて楽しい。外れ選択肢と分かっていてもついつい選んじゃう。アイボゥが過去最高にハッスルしてた気がした。どんだけネタ仕込まれとんねん、っていうね。

 ラストはいつも以上に丸く収まるのはスピンオフだからかな。厳しいところは厳しい『AI』シリーズが好きなので、ちょっと許しすぎじゃない? とは思ったけど、ファン的にはいいのかな。好きなキャラが脱落したら悲しいもんね。

 
以下超重要ネタバレ注意!!!

 このシリーズは最後にインド映画ばりにみんなで踊るのが恒例だけど……今回も踊るよ! でもあせとんちゃんソロダンスだった。これはこれで良きかな。

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▲唐突に始まる山芋線ゲーム。これ一応、最終バトルなんだけど……アイボゥ最高かよ。

二刀流(色んな意味で)無常ちゃんを愛でる会

タイトル:『明末:ウツロノハネ』
プレイ状況:PS5版 プレイ中

 外国産ソウルライクの最新作をプレイ。世界観的には中国の明王朝の話なので、『SEKIRO』っぽいが、ゲーム性は回避メインなので『ブラッドボーン』とかに近いかも。パリィもあるみたいだけど、使っているビルドがジャスト回避メインなのでそっちしか分からない。

 お手本のようなソウルライクで安定して面白い。死んだ時、ソウル的なやつも一気に落とすんじゃなくて、ちょっと手元に残ったりする。お情けシステム(と勝手に呼んでいる)。あとは死んだり行動でゲージが溜まっていって、死んだ時に乱入者NPCが出てきたりする。その乱入者がソウルを持っているので、倒さないと取り返せなくて序盤は辛い。でもあんまし強くなくて、溜め強攻撃ですぐにダウンするので、ちょっと慣れてくれば脅威では無い。

 単純なレベルシステムではなく、スフィア盤的な自分で好きなビルドに伸ばしていける成長システム。体感だけど、これで結構火力が上がるので、雑魚敵硬いーみたいなことはあまり無い。後述の羽強化も相まってガンガン攻められる。

 このゲームは回避が大事で、ジャスト回避すると“羽ゲージ”が溜まっていく。これを消費してスキルや通常攻撃を強化できるのだが、これが楽しい。ギリギリで躱してすぐに反撃に移れるので、スピード感があってよい。躱せないとボッコボコにされるけど……それはソウルライクでは当然なので仕方なし。

 全体マップが無い?(多分)ので、マップはちょっと分かりづらい。あと『エルデンリング』でいうところの祝福の数が少ないので、道中で死ぬと結構辛い。もっとじゃんじゃん祝福置いていいのよ。祝福置かずに、ショートカット開放して序盤の祝福を使わせたりする。まあすっきりしていいけど、どこの祝福が目的地に近いか分からずちょっと混乱したりする。

 あと祝福祝福言ってるけど、ゲーム内では「厨子」ね。この厨子、たまにニセ厨子が紛れ込んでたりする。ニセ厨子はすっくと立ち上がって襲ってくる。『FF7』のユフィちゃんかよ。ただでさえ少ない厨子がこれだから、回復薬ない状態で遭遇すると絶望する。倒すと普通のチェックポイントになるので、マジモンの死闘になることが多い。勝てばいいけど、負けると遠いのよ……。

 ちょっと気になったのは、古代中国の話なので、漢字がたくさん出てくる。そして読めない。読めても頭に入ってこない。ちゃんと吹き替えしてあるのでそこはマジ感謝。吹き替えなかったらボスの名前とか分からなくて、「なんかあの…紅の卿のやつ」みたいな呼び方になる。吹き替えあってもすぐに読み方忘れてそうなってるけど。
最後に、最大にして最強の利点は、主人公の無常ちゃんがカワイイ。あとエロい。衣装によってはパン・ツー・丸・見え。『ステラーブレイド』のイヴちゃんを彷彿とさせる。殺伐とした世界に降り立った半ケツ天使。このゲーム、やたらハシゴがある上にハシゴの昇降がめっちゃ遅いのよ。ユーザーに無常ちゃんのバックショット見せるためにわざとやってる説ある。そこらへんも『ステラーブレイド』思い出した。もちろんエロくない衣装もある(というかほとんどそう)ので、硬派を気取る男子諸君も安心。

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▲ちげーし。はしごショートカットの説明するために取ったスクショだし。

 
次は映画編! 超ネタバレ注意!

作中で揶揄するために使われた楽曲の方が好きなオレってやっぱ異端かな……?

タイトル:映画『ネムルバカ』

 Netflixで新着配信されていたのでなんとなく視聴。人が死なないのもちゃんと観るのよ。むしろラブコメとかボーイミーツガールとか大好きだし。

 大学の女子寮に住む先輩後輩の女子二人の話。先輩はバンドとかやってて才能ある感じ。後輩は夢とか無くて、怠惰な生活送っているけど、先輩のことは尊敬しているポジション。

 んでまったり日常を描いていくんだけど、これが結構いい。見た目はダウナーだけどしっかり夢を追う先輩と、目標とか無いけど、何者かになりたい後輩の貧乏生活が描かれる。先輩のバンド仲間も良い感じに貧乏でいい。学生時代思い出すね。

 後輩ちゃんがレンタルビデオでバイトしてるの。そこの同僚が意識高い系というか、ネット知識でイキるオタクみたいな感じで後輩ちゃんに言い寄ってくる。後輩ちゃんは割といいやつなので、ご飯に付き合ったりするんだけど……それに勘違いしたバイトの同僚がしつこく誘ってくる時に先輩が助けにきたり。シスターフッド的な良さがある。

 そんなこんなで前半はまったり日常系だが、物語が動くのは、先輩がレコード会社にデビューを持ちかけられるところから。てっきりバンド全体だと思ってみんなでレコード会社に向かったら、実は先輩ソロでのデビューのお誘いで、他のバンド仲間はお呼びでない、みたいな。でもバンド仲間は快く送り出してくれて胸熱。

 そんで先輩はソロデビューを選択するんだけど、今までやっていたロック音楽では無くて、なんかポップな感じのソロシンガーをやらされるのよ。映画『デトロイト・メタル・シティ』の「甘い恋人」みたいな感じ。それでも先輩は良しとして、後輩ちゃんを置いて女子寮を出ていく。

 数年経って、後輩ちゃんの元に先輩からと思われるコンサートチケットが投函される。そのコンサートに行った後輩は、すっかり毒抜きされた先輩にキレるのだが……みたいな展開。つまり作中ではポップな曲は「つまらない音楽」、ロックな曲は「魂の入った曲」という分別なワケ。

 実際、先輩が得意とする曲がタイトルにもなっている「ネムルバカ」というロック曲なの。で、実は歌のタイトル自体も伏線になっているんだけど、まあいい曲はいい曲。でもさ、先輩の毒抜きされたポップな曲の方が単純に好みで好きだったもんだから、後輩ちゃんが「こんなつまんねー音楽やるために私を捨てたのかよ!」みたいなことを言うんだけど、いやポップな曲の方が良かったわーと思って全然共感できなかった。まあそもそもの感性も問題だからしゃーなし。「甘い恋人」もめっちゃ好き。

 そんなことより、後輩ちゃんのバイト先のレンタルビデオ屋が、どこにでもあるような潰れかけたレンタルビデオ屋なのよ。でもなんか既視感があってさ。まあレンタルビデオ屋なんてどこも同じだけど。と思ってたら、店先に出るシーンがあって、そこを見たら「あ、これ近所だ!」と気付いた。めちゃんこ地元で、なんならそのレンタルビデオ屋も行ったことあったわ。もうそのビデオ屋さんは潰れたけどね。別にだからどうって話なんだけど、自分の知っているところがそういう収録場所に選ばれるとなんか異様に嬉しくない? この現象に名前を付けたい。

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