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『近畿地方のある場所について』著者・背筋がシナリオを手掛ける探索ステルスアクションゲーム『まだ猫は逃げますか?』レビュー。猫ならではのアクションと考察のはかどる物語が魅力【電撃インディー#1172】

文:電撃オンライン

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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、KADOKAWAが送る、ステルスアクションホラーゲーム『まだ猫は逃げますか?』のレビューをお届けします。

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 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!


ネコ特有のアクションを活かして謎の男から逃げるステルスホラー【まだ猫は逃げますか?】


 本作はステージ制の探索型ステルスホラーゲーム。プレイヤーは猫となり、不気味さの垣間見える民家を探索し、自分を飼っていた家族に起きた悲劇の真相を見つけ出すことになります。

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 各ステージには制限時間があり、その時間内にステージに散らばった事件の記憶が宿った物を探し出し、出口にたどり着けばステージクリアです。

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▲記憶の宿った物品は大抵奇妙な見た目をしています。

 本作最大の特徴は、プレイヤーが猫であるという点です。人よりも視線が低く、懐かしさを感じるような間取りの民家でも広く感じられます。

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▲猫目線だと仏壇もかなり大きく見えますね。

 さらには、机や棚の上を跳び回ったり、人では通れない隙間を縫うように進んだりと、猫らしいアクションも満載です。

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▲人がいたら絶対に怒られそうな食卓の上なんかも登れます。

 ただ、猫目線なので猫の可愛さを味わうというよりは、猫の見ている景色を味わうという猫要素が楽しめます。

 そして、本作がホラーゲームであることも忘れてはなりません。

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 民家には謎の男が徘徊しており、発見されたり大きな物音を立てたりすると追いかけられ、捕まるとゲームオーバー。そのステージの最初からやり直しとなります。

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 そのため、動きを観察して男のいない隙を突いたり、環境を利用して追跡をかいくぐる戦略が求められ、ルートを構築していくパズルゲームのような面白さがあります。

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▲猫だからこそ身を隠せる机の下などは安全地帯になります。

 また、余談ではありますが、猫が主人公のゲームにおいて大事なこととして、本作では猫がひどい目に遭う描写はありませんでした。ゲームとはいえ、動物がひどい目に遭うシーンはあまり見たくない方も多いと思いますので、そこはご安心ください。

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記憶の断片から飼い主一家に起きた事件の真相を紐解け!【まだ猫は逃げますか?】


 本作のシナリオは、『近畿地方のある場所について』の著者・背筋氏による完全新作です。

 物には登場人物たちの会話が記憶されていますが、基本的には会話のみで構成されているため、断片的な記憶となっています。何が起きているのかが直接的に明言されることは少なく、そこから事件の全容を読み解いていく必要があります。

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▲記憶はこのような形で読み取ることができ、これらをつなぎ合わせて事件の真相に迫ります。

 この考察は、ゲームクリアに必須というわけではありませんし、進めていけば自ずと何が起きたのか分かるようになっています。ただ、含みを持たせた表現による不穏な世界観や、先の展開を予想し、その答え合わせをしていく面白さは、本作のような表現方法だからこそ味わえるものだと思います。

 中でも、物語の鍵となる“謎の男”については、筆者も良い意味で裏切られました。

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 全体的なボリュームもちょうどよく、猫という特徴を生かしたステルスアクションとシナリオの考察を手軽に楽しむことができました。

 特にシナリオは、考える余地がありつつも、最後にはしっかりと答え合わせができるという、塩梅の取れた作りになっているため、適度に物語を楽しみたい方にぴったりの作品です。


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