円谷プロダクションは、初期『ウルトラマン』シリーズの海外利用権を巡り、ユーエムと争っていた訴訟で、円谷プロ側の主張が全面的に認められる勝訴判決が下されたことを発表しました。

【円谷プロ】ウルトラマン海外権利訴訟で全面勝訴。76年書面に関する争いに一区切り
この問題の根底にあるのは、通称「1976年書面(76年書面)」と呼ばれる1枚の文書です。
76年書面は、タイの実業家(故ソンポテ氏)が1976年に円谷プロと海外利用権の契約を結んだと主張し、その権利をユーエムが引き継いだもの。一方で、円谷プロ側はこの書面は偽造されたものだと一貫して主張してきました。
海外では偽造と認められていたものの、日本では一度敗訴
この76年書面はタイやアメリカでは、すでに筆跡鑑定などの結果から偽造であるとの判決が出ています。
しかし、過去に日本で行われた裁判では偽造とは判断されないと判決。ユーエムはこの日本の過去の判断を根拠に、海外で『ウルトラマン』のビジネスや侵害行為を継続していました。
この判決のねじれとも言える状態を解消するため、円谷プロは新たな一手に出ました。
仮に1976年の契約が有効だったとしても、期間の定めのない契約なのだから将来に向けて解約できるとし、2014年に解約通知を送付。そして2024年に、この解約が有効であることを確かめる裁判を改めて起こしていました。
そして東京地裁は、円谷プロの主張を全面的に認め、2014年の解約通知は有効と判決。
契約は適法に終了しており、ユーエム社は日本国外で初期ウルトラマンシリーズを利用する権利を持たないことが法的に確認されました。
円谷プロは本判決を受けて、『ウルトラマン』シリーズの更なる発展に向けてグローバル展開を推進していくとしています。
「76年書面」に関する利用権不存在確認訴訟の勝訴判決について(プレスリリースより)
株式会社円谷プロダクション
当社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:永竹 正幸)が、ユーエム株式会社(以下「ユーエム社」といいます)を被告として提起しておりました、初期ウルトラマンシリーズの日本国外利用権に関する「利用権不存在確認請求事件」につきまして、2026年5月14日に、東京地方裁判所において、当社の主張が全面的に認められる勝訴判決(以下「本判決」といいます)が言い渡されましたので、お知らせいたします。
訴訟の背景について
タイ人実業家の故サンゲンチャイ・ソンポテ氏(以下「ソンポテ氏」といいます)が1976年に当社との間で締結したと主張し、その後ユーエム社が承継したとされる、いわゆる「1976年書面(以下「76年書面」といいます)」に基づく、初期ウルトラマンシリーズ作品の日本国外における利用権(以下「本件利用権」といいます)を巡り、四半世紀以上にわたり争いを余儀なくされてまいりました。
当社は一貫して76年書面は偽造されたものであると主張し、タイ最高裁(2008年)および米国連邦裁判所(2018年)においても、筆跡鑑定などの結果を踏まえて同書面が偽造であるとの司法判断が下されてきました。
米国の訴訟では、ソンポテ氏自身が76年書面の存在を当社側に開示してきたのは、当社側の署名者として表示されていた円谷皐が逝去した1995年の翌年の1996年のことであり、20年もの長きに亘って隠蔽していたという不自然な事実も、陪審員全員が偽造の判断を下す結果に繋がったものと理解しています。
ただ、残念ながら、過去に日本で行われた訴訟においては76年書面を偽造と判断しなかった事情があったことから、その後もユーエム社側が同書面を根拠とした海外の一部地域での展開や侵害行為を継続していました。
当社は、ユーエム社側の無断行為を止めるため、2014年7月10日付でユーエム社等に対して76年書面に係る契約の解約通知を行い(仮に契約が有効であったとしても、期間の定めのない契約として将来に向かって解除するもの)、2024年3月5日に、この解約が有効であり、それ以降ユーエム社の日本国外における本件利用権が存在しないことの確認を求める訴訟を改めて提起しておりました。
判決について
本判決において、裁判所は、2014年7月10日に当社が行った解約通知は有効であり、76年書面に係る契約は、適法に終了していることを確認した上で、ユーエム社が日本国外で初期ウルトラマンシリーズ作品を利用する権利を持たないことを法的に確認しました。
今後の事業展開
本判決は、76年書面に関する当社の主張が正当であることを確認した判決であり、当社は、今後も、「ウルトラマンシリーズ」の更なる発展に向けてグローバル展開を推進してまいる所存です。
お取引先様、ご関係者様、ウルトラマンシリーズファンの皆様におかれましては、今後とも変わらぬご愛顧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。