イマジニアが贈る、6月25日発売予定のNintendo Switchソフト『メダロット カードロボトルRB』。本記事では、そんな本作の魅力を、プレイして得られた感想や手応えをメインに、余すところなくお届けしていきます。

「メダロットがカードゲームに!?」と、本作の初報を聞いた時、筆者の脳裏には期待が駆け巡りました。
そして、実際にコントローラーを握ってデッキを構築したところ……本作は、シリーズが長年培ってきた「カスタマイズの楽しさ」と「ロボトルの緊張感」をカードゲームのシステムへと昇華させた、新たな『メダロット』と言える作品に仕上がっていることが分かりました。

本作『メダロット カードロボトルRB』を一番表現しているのが、ゲームのキャッチコピーである「知略と駆け引きが交差する、新たなロボトルが幕を開ける!」という言葉。
キャッチコピーだから当たり前……ではありますが、改めて認識するような形ですね。


機体・パーツ・メダルといったシリーズおなじみのカスタマイズ要素をそのまま活かしながら、奥深い戦略的なロボットバトルを楽しめる点が本作の最大の特徴です。
パーツやメダルの組み合わせはもちろん、戦況を一変させる必殺技“メダフォース”の使いどころなど、ヒリヒリするような駆け引きがカードゲームとして再構築。シリーズの伝統を継承しつつも、デッキ構築による無限の戦略性が、これまでにない新たなロボトルの魅力を引き出しています。
ゲーム内に登場するカードは、なんと400枚以上という大ボリューム!


多彩なカードを収集し、自分だけの最強デッキを構築する楽しさは、間違いなく本作の醍醐味と言えます。
しかも、歴代の人気メダロットたちだけでなく、彼らを支えてきたメダロッターたちもカードとして多数参戦しています。
シリーズの歴史を共に歩んできた往年のファンにとっては、画面を見るだけでも胸が熱くなるような、非常に豪華なラインナップとなっているのではないでしょうか。


プレイモードも非常に充実しており、ひとりでじっくりと世界観に浸りながら腕を磨けるソロモードに加えて、現代のゲームには欠かせない(ですよね!?)オンライン対戦にも対応しています。
離れた場所にいる友人や、全国に散らばる見知らぬライバルたちと、自慢のデッキを持ち寄って手に汗握るロボトルを繰り広げることができます。時代の進化はスゴイ。
また、ニンテンドーSwitch本体を持ち寄って遊ぶ「ローカル対戦」も実装されているため、かつて友達の家で通信ケーブルを繋いで遊んだあの頃のような、至近距離での熱いバトルも!

なお、本作には2つのバージョンが存在します。
ひとつは『メダロット カードロボトルRB カブトVer.』、もうひとつは『メダロット カードロボトルRB クワガタVer.』です。
ゲーム開始時(チュートリアル終了後)に貰える最初のデッキが異なり、カブトVer.では射撃タイプを主体としたおなじみの“メタビー”デッキ、クワガタVer.では格闘タイプを主体とした鋭い攻めが魅力の“ロクショウ”デッキが手に入ります。


それぞれのバージョンでしか出現しない限定カードも一部存在します。
が、通信対戦や交換を行うことで、もう一方のバージョン限定カードを入手することも可能となっているので、どちらのバージョンから始めても、最終的にはすべてのカードにアクセスできる仕様になっています。
本作の最も面白い部分であるデッキ構成

ここで、本作の最も面白い部分である“デッキ構成”について詳しく見ていきましょう! というのも本作のデッキ構築は、一般的なトレーディングカードゲームとはまた異なる特色があります。
1つのデッキは、以下の要素で構成されています。
・リーダーメダロット(バトルの核となる機体)
・左右の腕パーツ(最大4つまで装備可能。左1・右3や、極端な例では左4・右0といった尖った構成もシステム上可能です)
・メダル(メダル固有の“メダフォース”が使用可能)
・メダフォース(一発逆転を秘めた必殺技)
・スリーブ(カードを保護するだけでなく、特殊な視覚効果や個性を演出)
・実際に手札として使用することになる“35枚のカード”
このパーツカスタマイズの自由度こそが、本作の奥深さを支えています。迷う時間が長くなるのも事実ですが……!

パーツやメダルの組み合わせによって手札となるカードの方向性が決まるため、「あのパーツを載せるなら、このカードをデッキに組み込もう」といった、シナジーを考える楽しさが無限に広がっているのです。

『メダロット』における対戦は、先述した通り“ロボトル”と呼ばれ、基本的には複数のメダロットでチームを組んで戦うのが基本です。
本作は、そのロボトル特有の「パーツを破壊し合う」「機能停止に追い込む」というカスタマイズとバトルの要素を、カードゲームよりもむしろ“ボードゲーム”に近い、じっくりとした頭脳戦・心理戦の駆け引きとして落とし込んでいる印象です。
ですので原作の知識がまったくない人や、複雑なカードゲームが苦手な人であっても、一度ルールを覚えれば直感的に盤面の有利不利を理解し、のめり込むことができる内容に仕上がっていると思います。
初心者も安心! 全10項目の充実チュートリアル

「カードゲームとしてのメダロット」と聞くと、ルールが複雑なのではないか、覚えることが多くてハードルが高いのではないかと身構えてしまう方も多いかもしれません。
しかし、本作はその懸念を完璧に払拭する、充実したチュートリアルが用意されています!


具体的には、8つの“プラクティス”と、実際のバトル形式で腕試しができる2つの“チャレンジ”という、計10個のステップに分かれた大ボリュームの訓練モードがあります。
この10項目という数字からも分かる通り、解説は非常に丁寧かつ段階的です。

最初の数項目ではエネルギーと行動コスト、パワーやバリアといった、カードゲームのイロハのイから教えてくれます。

そこから徐々にパーツの攻撃特性、メダルの相性、そしてメダフォースの発動条件といった、メダロット独自のシステムへとステップアップしていくため、プレイヤーが情報過多で混乱することがありません。
筆者が実際にこのチュートリアルをプレイして感じたのは、ただルールを説明されるだけでなく、「なぜその行動が強いのか?」、「この状況では何を選択すべきか」という、戦術論にまで踏み込んだ内容を実践を踏まえて教えてくれるという点です。親切。

最後の“チャレンジ”をクリアする頃には、カードゲーム初心者や、メダロットをまったく知らないという人であっても、「あ、このゲームはこういう風に戦略を組み立てて、こうやって勝つんだ!」というゲームの流れが自然と身につくようになっています。
この丁寧なチュートリアルがあるからこそ、安心して本編の荒波へと飛び込むことができるのです。このチュートリアル設計は、高く評価できるポイントです!


地形と戦略が織りなす“ロボトルチャレンジ”&“ロボトルタワー”2つのメインモード紹介
チュートリアルを終えたプレイヤーを待ち受けるのが、本作のメインコンテンツとなる2つのソロプレイモード、“ロボトルチャレンジ”と“ロボトルタワー”です。
これらが本当に止め時を見失うほど面白いので、筆者もレビュー用のプレイ時間を忘れて没頭してしまいました(笑)。
全8種類の異なる地形を渡り歩きながら戦う“ロボトルチャレンジ”


まず“ロボトルチャレンジ”は、上述したチュートリアルから地続きの物語として始まるモードです。
プレイヤーは森林、岩場、砂地、平地、水辺、凍土、そして近未来的なサイバー空間という、全8種類の異なる地形を渡り歩きながら、各地で待ち受ける個性豊かなメダカードファイターたちと戦っていくことになります。

このモードで最も重要となり、かつ最高に面白いのが、リーダーメダロットの“脚部パーツ”の選択です。
『メダロット』シリーズにおいて、脚部パーツが地形の影響を受けるのは伝統ですが、本作ではそれがカードゲームのシステムと完璧に融合しています。

各脚部パーツには地形との相性が設定されています。
もし自分の機体が得意とする地形でロボトルを開始できた場合、「ロボトル開始時に、特別な効果を持つカードを2枚追加で所持した状態」という、圧倒的に有利なアドバンテージを得てバトルを始めることができます!

手札が命であるカードゲームにおいて、最初から強力な専用カードを2枚も多く持てるというのは、時に勝敗を左右するほど。

そのため、「次の対戦相手は水辺のステージを好むから、潜水タイプの脚部パーツに変えよう」「凍土での戦いになるから、氷上に強い多脚タイプを組み込もう」といった、戦う前のカスタマイズ段階からすでに戦略を駆使する戦いが始まっています。
ステージごとにデッキを見直し、最適な脚部パーツを考え、試行錯誤……沼にはまりそうで怖いですね。いや、もうはまってる……?
己の力と知識とアドリブ力が問われる“ロボトルタワー”


もうひとつの目玉モードである“ロボトルタワー”は、打って変わってプレイヤーのアドリブ力と総合力が試される、非常に緊張感のあるローグライク的なモードです。このモードでは、連続でバトルを行いながらタワーの階層をひたすら上がっていくことを目指します。
最大の特徴は、各階層で待ち受けるメダカードファイターや、バトルの舞台となる地形が、プレイするたびに完全にランダムで変化する点です。先ほどのロボトルチャレンジのように「あらかじめ敵の情報を知ってから、完璧な対策デッキを組んで挑む」という戦術が通用しません。

ここで鍵を握るのが、行動タイプの異なる複数のデッキをあらかじめ用意し、その場その場の状況に応じて使い分けるという戦略です。
本作には、大きく分けて“射撃”、“格闘”、“防御”、“回復”、“設置”、“支援”という6つの主要な行動タイプ(デッキタイプ)が存在します。
遠距離から一方的に火力を叩き込む射撃デッキ、リスクを恐れず一撃の重みに賭ける格闘デッキ、敵の猛攻を文字通り鉄壁の構えで防ぎ切る防御デッキなど、それぞれに明確な強みと弱みがあります。

ランダムに提示された地形や敵の傾向を見て、「この地形なら、こちらの支援型デッキの方が立ち回りやすいな」「相手は格闘重視の構成だから、防御とカウンターを仕込んであるこのデッキで迎え撃とう」と、その瞬間の最適解を導き出していく感覚は、知的な興奮をこれでもかと刺激してくれます。

難易度は“イージー”、“ノーマル”、“ハード”そして限界に挑む“エンドレス”の4つが用意されています。
どの難易度であっても「一度でも敗北すると、それまでの踏破数はすべてリセットされ、最下層からのスタートになる」というシビアなルールです。この一戦も落とせないというヒリついた緊張感が、毎回のロボトルを特別なものに変えてくれます。

しかし、決して理不尽な難しさではありません!
タワーを勝ち進むことで得られる報酬は豪華で、新しい強力なカードやカスタマイズパーツが次々と手に入ります。

負けてしまってして最下層に戻されたとしても、「次はあのパーツを使って、新しいデッキ構築を試してみよう」と、前向きに、かつ気軽にリトライしたくなる絶妙なゲームバランスです。
本作を深く楽しむために、このロボトルタワーは欠かせないモードであると断言できます。
『メダロット』の世界観と魅力を紐解く
ここで、本作の背景にある『メダロット』という作品そのものの世界観や魅力についても、改めて触れておきましょう。原作をよく知らないという方にとっても、この魅力的な設定を知ることで、ゲームへの没入感が何倍にも膨らむはずです!
『メダロット』の物語は、人間と同等、あるいはそれ以上の高度な人工知能を持ったロボット“メダロット”が広く普及した近未来を舞台にしています。
単なる便利な道具や機械としてではなく、「人間とロボットの絆や共存」を普遍的なテーマとして深く描いているのがいいところ。作中において、メダロットは子供から大人までが気軽に所有できるおもちゃ(ホビー)として普及しており、彼らメダロット同士をルールに則って対戦させる競技“ロボトル”が、世界中で空前の大流行を見せています。
街の公園から世界大会のステージまで、あらゆる場所で熱いロボトルが繰り広げられている、そんなワクワクするような世界が舞台となっています。
では、その“メダロット”とは具体的にどのような構造をしているのかが気になる人もいると思います。
その正体は、未知の力と独自の意思を秘めた六角形の小さなアイテム“メダル”によって駆動するロボットであり、“メダルロボット”の略称です。それぞれが知能や独自の性格、感情を持っており、オーナーである人間にとっての単なる命令対象ではなく、文字通り人生をともにするお友だちロボットとして描かれています。
機体は、すべてのベースとなる金属製の骨組み“ティンペット”を中心に構成。このティンペットに対して、頭部・右腕・左腕・脚部という4つのパーツを装着し、最後にその頭脳であり心臓でもあるメダルを背中に組み込むことで、初めて1体のメダロットとして機能し、動き出します。
さらに、メダロットの機体モチーフは非常に多様で、千差万別のモデルが存在する点も大きな魅力です。
シリーズを象徴するカブトムシやクワガタムシといった昆虫をはじめ、犬や猫、鳥などの身近な動物、植物、世界の神話に登場する幻想的な生物、さらには警察官や看護師といった特定の職業、飛行機や戦車などの乗り物まで、ありとあらゆるものがデザインのモチーフに。
本作『カードロボトルRB』でも、これらの多様なモチーフを持ったメダロットたちが総出演しており、カードを眺めているだけでも、メダロットが好きな方にとっては懐かしさがこみ上げてきます。
伝統と革新の融合! 新時代のロボトルがここにある

古くからのファンの方なら覚えているかもしれませんが、かつてニンテンドー3DSで発売された『メダロット8』や『メダロット9』といった作品のバトルシステムは、非常にカードゲームや対戦思考型ゲームに近いものを持っていました。
本作は、その「パーツを構築し、状況をコントロールする楽しさ」を、現代的なカードゲームのシステムへと見事に着地させています。
ただ形式こそ“カードゲーム”に分類されますが、実際にプレイしている最中の感覚は、リアルタイムの心理戦が展開されるボードゲーム、あるいは格闘ゲームのそれに近いものがあります。
バトル中には、メダロットならではの固有システムが多数盛り込まれています。

たとえば、攻撃後の硬直を無理やりキャンセルして次の行動へと繋げる“急速冷却”を駆使した怒涛の連続攻撃や、チームを組んでいる仲間メダロットとタイミングを合わせて一斉に襲いかかる“クロスアタック”など、一瞬の判断ミスが勝敗を分ける……というような展開が目白押しです。
また、カードゲームにありがちな「最初に手札事故を起こしたら、そのまま何もできずに負ける」といった理不尽さを軽減するシステムもあります。
相手の激しい攻撃によって自分のバリアが破壊された際、その破壊されたバリアが第二の手札として自分のリソースに加わり、さらに必殺の“メダフォース”使用できるという逆転の仕組みが用意されています。


これによって、どんなに絶体絶命のピンチに陥ったとしても、起死回生の大逆転を狙える。
この、最後までどちらが勝つか分からないハラハラ感は、ボードゲームを遊んでいる時のあの感覚そのものです。

事前のデッキ構築が重要であることは言うまでもありませんが、本作でそれ以上に重要なのは、刻一刻と変化する盤面や地形、そして相手の手札を読み解きながら、その場で最善の選択肢を選び取る“実践でのアドリブ力”です。
完璧なコンボを狙うだけでなく、予想外のトラブルに対してどう対応するかというプレイヤー自身の柔軟な思考こそが、勝利への一番の近道となります。
かつてメダロットに魂を燃やした往年のファンはもちろん、純粋に質の高い対戦ゲーム、頭脳戦を楽しみたいというカードゲームファンにとっても、本作は間違いなく心からおすすめできる傑作です。
自分だけの最強の機体を組み上げ、知略の限りを尽くして、ぜひこの新たなロボトルの世界へと飛び込んでみてください。
あなたの挑戦を、全国のメダカードファイターたちが待っていますよ!


