みなさんこんにちは。「捨てる神あれば拾う神あり」って言葉ありますでしょ? 長年仕事やっていると、やっぱうまく行かないことも多々あるわけ。メンタル弱々オジサンはそういうので激しく落ち込む。
でもそんな時に、ひたむきに頑張っていると、ひょんなことから良い話が舞い込んだりもする。「禍福は糾える縄の如し」とも言いますしお寿司オッシー(なんか韻ふんでる)がコラム58回目をお送りします。

このコラムでは、狂ったようにプレイしている日々のゲーム体験や、ゲーム以外の趣味である映画鑑賞などで摂取したエンタメコンテンツを、短文レビュー形式でお送りしています。今回は映画レビューだよネタバレ注意。
(自業自得だけど)ピーター・パーカーが消えた世界
・映画『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』
前回のコラムにて過去3作のまとめアリマス。
前回のコラムにて過去3作のまとめアリマス。
前作『ノー・ウェイ・ホーム』で、ルルーシュばりにうっかり世界を書き換えてしまったピーター・パーカー(とドクター・ストレンジ)は、その罰として、“ピーター・パーカー”の記憶が世界中のすべての人から消された世界でひっそりと生きていたのだった。
まず、トム・ホランドがめっちゃ大人(青年)になっていてビビる。
『ホームカミング』はほぼ少年と言っても良い見た目だったし、前作『ノー・ウェイ・ホーム』でも、わりと幼さの残るベビーフェイスだったのに、今作では急に大人びた容姿になっていた。
例によって、また前情報を入れてなかったもんだから、一瞬、トム・ホランドから別の俳優に代替わりしたのかと思ったわ。
ピーター・パーカーのことは誰も覚えてない世界で、それでも手弁当でスパイダーマンとして人助けをするのは、なかなかにエモい。だってハイテクスーツをミシンで作ってるんだぜ⋯⋯。
でも、今まではアベンジャーズとの繋がりで、スターク・インダストリーズからも技術供与を受けていたわけでしょ? だから、資金的にもバックアップを得ていたと思うんだけど⋯⋯今作はどうやって生計を立てているか謎。
大学(MIT)進学も諦めて、(傍目から見たら)ニートしているようにしか見えない20代男性。正直しんどい。
まあ、身から出た錆というか自業自得というか⋯⋯前作『ノー・ウェイ・ホーム』で色々とやらかしたからではあるんだけど、元を辿れば『ファー・フロム・ホーム』でミステリオ倒して世界を救ったからだからね。可哀想ではある。
序盤で、街中を暴走する戦車の追跡戦。ここでいきなり謎の男フランクが出てくるんだけど、なんか旧知の仲っぽい感じで出てくるもんだから、せっかく一日で過去作3作も映画観たのに、どっかで見落としたかな~? と思っていた。
映画観終わった後に調べたら、『パニッシャー』というスピンオフに出てくるキャラだった。オマエ準レギュラーみたいな顔しやがって、初登場だったんかい!
まあでも、このフランクはかなり良いキャラだった。というか本作の陰の主人公と言っても良いレベル。
精神攻撃系の能力者⋯⋯地味だけど、あのゲームっぽくてゲーマーには嬉しい【ブランド・ニュー・デイ】
この暴走戦車を駆るのは⋯⋯なんか小太りのおばちゃん。しかも記憶に無いみたい。
どういうこっちゃ⋯⋯と思っていたら、なんか次々と人々の間を憑依して飛び回る表現が。
そう、今作のヴィランは、人々の意識間をジャンプできる憑依系能力者なのだ!
この一般ピーポーの間をどんどん飛び回る表現が、めちゃくちゃ既視感あったんだけど⋯⋯これ完全に『野狗子: Slitterhead』やんけ!
※『SIREN』で有名な外山圭一郎氏のゲーム。主人公は精神体で、次々とそこら辺の一般人に乗り移って戦う(その過程で一般人は死んだりする)ユニークなゲームでめっちゃ面白いのでオススメ。
乗り移るのが兵士ならまだしも、一般人だったりすると戦闘力が皆無だったりするのがまんま『野狗子』で、個人的にはニヤニヤしながら観ていた。
ただ、今作のメインモンスが、この憑依系能力者なのよ。なので、今までみたいにヴィランとの直接バトルがないのよね。だって本体は弱々だから、ジョジョのスタンドバトルみたいに、どうしてもギミックバトルになりがち。
でも、そこはMCUというか“アベンジャーズのある世界”なので、力技で解決していた。
何かというと、力のあるヴィラン(もしくはヒーロー)に憑依することで、バトルシーンを創出してるのよね。
おかげで、普段なら闘わないようなカード(ヒーロー対ヒーロー)の戦いが観られるのは良かった。
(まあでも、本家アベンジャーズでもキャプテン・アメリカとアイアンマンのバトルとかあったけどね⋯⋯)
ということで、今作の一番のメインバトルは、「スパイダーマン(withパニッシャー)VSハルク」。
昔は『インクレディブル・ハルク』単体の映画もあって、結構好きだったけど、やっぱりあまり売れなかったのか続編出なくなったね。
まあ緑のゴリラが暴れるだけだと、やっぱちょっと見栄えしないからかしら⋯⋯。ジキルとハイド的な二面性が結構好きだったんだけどなー。
それはそれとして、『アベンジャーズ』でもそこまで出番のないハルクが、まさか『スパイダーマン』映画でフィーチャーされると思ってなかったので、これはとてもよかった。
基本的にハルクの武器は怪力しかないから、ちょっと物足りない感もあったけど、圧倒的な力と防御力(硬さ)でスパイダーマンを追い詰めていた。高層ビルから落ちる姿は『キングコング』感もあったわ。
ラストバトルがNINJAなのはちょっともったいない気もしたが⋯⋯アクションは◯【ブランド・ニュー・デイ】
メインモンスは憑依系能力者なんだけど、悪役としてはただの人間なのよ。
そう、今回の一番の悪者はダメージコントロール局長。
作中ではこの“ダメージコントロール局”がフィーチャーされてるんだけど、長いしダメージをコントロールするとか日本語にすると良く分からないので、“ダメコン”呼ばわりされていたのがちょっと面白かった。だってなんかダメなロボットのロボコンみたいじゃん。
そんでこの局長は悪いやつだけど、ただの人間なので戦闘力は皆無。なので、護衛としてNINJA部隊を雇っている。元々は無軌道な戦闘集団で、スパイダーマンに捕まえてもらったのを洗脳かなんかして護衛にしてる設定。
そういえば、ゲーム版の『スパイダーマン2』でもこのNINJAたちいたわ。すばしっこくて結構手強かった記憶。
そんでこれが色々あって、ヴィランに集団憑依されて襲ってくるのがラストバトル。
忍者刀や手裏剣を使った殺陣バトルは楽しいんだけど、ちょっとラストバトルとしては地味だったかな~。やっぱりスパイダーマンと巨大な敵とのバトルが観たかった感はある。
今回は人間ドラマがメインだったので、そもそもアクションバトル自体が全体的に少なかったんだよね。ドラマメインだから、そこを回しやすいようにヴィランも精神攻撃系にしたんだと予想。
蜘蛛ですがなにか? 作品を越えて自分に返ってくるキモい蜘蛛の呪い【ブランド・ニュー・デイ】
先述の通り、今回のピーター・パーカーは孤独なので、スターク・インダストリーズの援助も受けられない。なのでテック的なところも全部自分でやってる設定だった。
さらに、体内の遺伝子構造が変化して、蜘蛛の遺伝子が強くなってバランスが崩れている状況なのよ。
ゲームでも覚醒・暴走能力があったけど、あんな感じで、蜘蛛遺伝子が強くなると、めちゃくちゃ強くなるけど人間性が薄まって暴走しちゃう。
トム・ホランド版のスパイダーマンはウェッブ(糸を出す)能力は機械頼りなのよ。手首にガジェットを装着して、そこから糸を出してる。一方、トビー・マグワイア版のスパイダーマンは、生体的・有機的に糸を体内で生成してる。
それはネタにもなっていて、前作『ノー・ウェイ・ホーム』でトビー・マグワイアが出てきた時に、「体内で糸作るとかキモ!」みたいなことをトム・ホランドとかガーフィールドが言ってて、「そんなイジるなよ⋯⋯」みたいにトビー・マグワイアがしょんぼりしてた。
ところが、本作ではなんと、蜘蛛暴走時はトム・ホランドも有機的に糸を生み出す能力を手に入れることに! それを見て、「うわーキモ」って自分で言っているピーター・パーカーは、完全に前作のトビー・マグワイアからの流れで笑った。直前に前作履修していてよかったわ。
ちなみに、有機ウェッブと機械ウェッブは併用できない設定。正直なんでや? と思ったけど、ゲームでも同じ場所には一つしか装備できないし、そういうもんやろと勝手に納得した。
機能的な違いは作中ではあんまなかったんだけど、ラストバトルのNINJA戦(の取り巻きのダメコン兵士)で大活躍!
というのも、なんかダメコン兵士の持っている兵器は、対スパイダーマンを想定していて、機械式ウェッブは打ち消されるのよ。
でも、有機ウェッブには効かないみたいで、その兵器を打ち破ったのはカッコよかった。「有機100%(光GENJI)」つってな。昭和生まれにしか通じないネタ。
(と思って調べたら、「勇気100%」ってまだ『忍たま乱太郎』で使われてるのね。パネェ)
パニッシャーとかいう孤高気取ってるくせにやたらノリの良すぎる廃課金オジサンについて【ブランド・ニュー・デイ】
今作のMVPは、スパイダーマンでもハルクでも、MJやヴィランでもない。間違いなくパニッシャーことフランクやろ。
最初に書いた通り、今作で映画初登場なクセに、やたらスパイダーマンの旧知の仲感を出してくるんだよね。
なんかスパイダーマンが、「スタテン島で命を助けた貸しがある」みたいなことをしきりに言うのよ。スタテン島ってどこやねん。原作ファンしかわからんやろがい。
このフランクさん、最初だけの顔見せ登場かと思ったら、中盤からめっちゃ出てくる。
廃墟になった造船工場的なところに住んでいるんだけど、ブービートラップや地雷で侵入者を防ぎつつ、武器や爆弾製造工場を兼ねているという徹底的な変人っぷり。『トレマーズ』のフレッパー夫婦思い出した。あれも人気出すぎて続編で主人公に昇格したんよな。
しかも、愛する家族を失っている設定を匂わせつつ、スパイダーマンとスタンスは違えど正義のために戦っているとなれば、確かにスピンオフの主人公なわけやで。
同じく変人設定のMJと意気投合してたのもよかった。そんで悪態つきながら、結局スパイダーマンを助けるのも良き!
パニッシャーさんは普通の人間なので、ゴリッゴリの完全武装。なんか電子マイン的なやつとかアサルトライフル、果てにはごっついスナイパーライフルも持ち出す。フランクさん独身貴族だからって廃課金しすぎでは⋯⋯?
極めつけはラスト、凶弾に倒れた(つっても撃ったのフランクだけどな)ピーター・パーカーの正体を知り、「予想通りの好青年だ」と言って友情を結ぶシーンは本作のハイライトだと思う。
さらに、ピーター・パーカーを病院から逃がすために、自らがスパイダーマンのマスクを被って陽動するんだけど、その時にめっちゃノリノリなのよ。
傷だらけの歴戦の兵士感を出している強面のパニッシャーさんが、スパイダーマンのマスク被って踊ってるの最高だった。こんなん好きになるやろがい!
総評:アクション少なめだけど脚本は良かった! パニッシャーさんの今後に期待【ブランド・ニュー・デイ】
ということで、今回は人間ドラマメインで脚本は良かったと思う。
アクションシーンは少なめだったけど、トレードオフかな。
前作はアクションはめっちゃよかったけど、脚本がヒドかったからね⋯⋯それよりは今回の方が好み。
キャラはめっちゃ立ってて最高だった!
パニッシャーさんはもちろんだけど、ヴィランのジーンも、今後も味方側で出てきそうな気配もあったし、背景も語られていてよかったわー。まあちょっと能力を強くしすぎたので、(脚本上)使いづらいから、このまま存在を消される可能性もあるけど。
そういえば、ジーン役の子はどっかで見たことあるな~と思いながら観てたんだけど、途中で気づいた。『ストレンジャーシングス』のマックスやんけ!
よくよく考えたら、赤毛の少女ということで共通点あるんだけど、すっかり大人びていて気づかなかった。だって赤毛のそばかす少女って感じで幼いイメージだったんだもん⋯⋯。
『ストレンジャーシングス』の方でも後半のシリーズでは大活躍だったけど、今作では完全にイレブンよろしく超能力者に進化してた。この子は今後も売れそうね!
あとジーンはお姉ちゃんから交感で受け取った“V-MAX”という言葉の謎をずっと探している設定なんだけど、最初にスパイダーマンがブラック・ウィドウから“V-MAX”の単語を聞いた瞬間から「『レイズナー』やんけ!」となって興奮してた。なおV-MAXの正体は⋯⋯。
また、恒例のアベンジャーズからの参戦も、ハルクやブラック・ウィドウなど、メインどころじゃないのも良かったな。こうやって別作品で出番が出来ると嬉しいよね。
ということで、非常に満足でした。自分だけだと観に行かなかったと思うので、息子に感謝。
そういえば、ちょうどマーベル格ゲー『MARVEL Tōkon: Fighting Souls』がもう出るね。まあもちろん映画に合わせたんだろうけど。
普段は格ゲーあんまやらないんだけど、映画観た後だと興味出てきた! スパイダーマンvsハルクで映画再現やりたいな!