
第7回となる今回は、前回に続いて新川氏の過去の歴史を振り返り、クリエイターとしての原点を探るため、かつて電撃PlayStation誌との二人三脚で行われたプロモーションについて振り返っていただきました。
なお、新川氏が原作小説を執筆し、プロデュースまで担当しているPS5/PS4/Switch/PC向け新作ゲーム『エトランジュ・オーヴァーロード』が、ブロッコリーから好評発売中です(パッケージ販売はNintendo Switch版のみ)。

さらに新川氏が設立したキマイラ機関より、超絶やり込みシューティングRPG『宇宙銀河ウォーズ』もSteamにて好評配信中なので、本連載とあわせて、ぜひチェックしましょう!

新川宗平:1996年、日本一ソフトウェアに営業職として入社。プロデューサーやシナリオライターとして『マール王国の人形姫』『魔界戦記ディスガイア』などの制作に携わる。2009年、同社代表取締役社長に就任し、2022年退社。同年、合同会社スーパーニッチを設立し、代表を務める。同時期から“喜多山浪漫”名義で小説『エトランジュ オーヴァーロード』を執筆&発表。ゲーム化などのメディアミックスに乗り出す。
電撃PlayStationとの二人三脚――そして社長業とクリエイターの二足のわらじ【新川宗平インタビュー連載 スーパーニッチの流儀:第7回】

――私たち電撃PlayStation(現:電撃オンライン)との関わりなど、メディアとの関係性についてはいかがでしょうか? 長くお付き合いさせていただいております。
新川宗平氏(以下、敬称略):新卒入社した頃からお世話になっていて、『ジグソーアイランド』『ロジック麻雀 創龍』など、日本一ソフトウェアがまだ無名でパズルゲーム、テーブルゲームを作っていた時代からのお付き合いなので、“タイトルを一緒に育ててもらったメディアさん”だと思っています。
『マール王国の人形姫』で初めて電撃さんの表紙を飾らせてもらったことや、『魔界戦記ディスガイア』でようやく国内10万本の壁を超えたときには編集部の皆さんからお祝いの言葉をたくさんいただいたり、その『魔界戦記ディスガイア』の攻略本が販売本数に対して50%以上の装着率で売れたことなど、たくさんの思い出があります。
電撃さんとは、私が入社1ヶ月で営業職に加えて開発の仕事も兼任することになり、開発中のROMを直接編集部に持っていって、意見をもらって修正して……というのを繰り返していたことも思い出深いです。
あの開発者とメディアが一緒になって作り上げていく感じはすごく良かったと今でも思っていまして、企業所属のディレクターさんやインディーゲームのクリエイターさんたちも、ゲームメディアの方に直接見せて関係を築いていくと、面白いものが育つんじゃないかなと思います。
――新川さんは30代で社長に就任されましたが、クリエイターと経営者の“二足のわらじ”を履くことになり、創作の時間を削ってでも経営者として成し遂げたかったことはあったのでしょうか?
新川:まったくなかったですね(笑)。社長になったら「自分の好きなゲームを作って、やりたい放題できる!」と思って引き受けました。まあ、実際はそんなことなかったんですけど。
ただ、上場企業の社長として株主総会で業績報告をするなど、ゲームの制作だけでなく企業経営やマネジメントについて考える機会が増えたことは、自分のプラスになったと思っています。
――ファンタジーRPGの会社というイメージを覆し、『流行り神』で本格ホラーADVを確立したのも社長(経営陣)としての采配ですか?
新川:経営的な必要性から“開発の2ライン化”を求められ、当時メインで作っていた『ファントム・ブレイブ』と並行させる形で立ち上げました。
当時まだ20名程度の会社だったので2ライン化するにしても人材不足だったので少人数で作れるアドベンチャーゲームにしました。私を含むホラーやミステリーが好きなスタッフ4人が集まり、“科学かオカルトか言い切らない”都市伝説をテーマにしました(その中の一人に後に『魔女と百騎兵』や『ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』でヒットを飛ばす泉達也もいて、彼がディレクターを担当しました)。
『魔界戦記ディスガイア』がヒットした直後だったので、ディスガイアのアドベンチャーゲームにすれば売れるのはわかっていたんですが、活きのいいスタッフばかりだったので「全然違うもので面白いことをやってやろう!」という気持ちで『流行り神』を企画しました。
同じ理由で「『ディスガイア2』なんて誰でも考えるだろうから、ぜんぜん違うゲームを作ってやろうぜ!」という意気込みで『ファントム・ブレイブ』を立ち上げました。あの時代はみんなロックでしたね(笑)
こうして2ラインでの開発がスタートしましたが、『ファントム・ブレイブ』と『流行り神』の両方のシナリオを私が書いていたんですよね。
あとから冷静になって「2ライン化って、自分が2倍働くことやん!」って気づきました。でも、あのときは楽しかったので苦にならなかったですね。
そういう意味では今、スーパーニッチでやっていることも同じかもしれません。2ランどころか10ラインぐらいやっていますが、楽しすぎてちっとも苦になりません。
楽しく働くことは、品質向上にも生産性向上にも寄与するのだと今更ながら悟りました。
次回へ続く
『エトランジュ・オーヴァーロード』好評発売中!

発売日:2026年3月26日
販売元:ブロッコリー
対応機種等:Nintendo Switch/PS5/PS4/PC(Steam)
CERO区分:B(12才以上対象)

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