REJECT所属のプロゲーマー・ふ~ど選手の書籍『勝つための7つの理論 ふ~ど流10年使える格闘ゲームの攻略』が本日8月27日に発売されました。

本書は、短期戦・長期戦ともに長年高い勝率を誇る格闘ゲーム界のトッププレイヤー“ふ~ど”選手による“今後10年使える格闘ゲームの攻略論”というコンセプトで制作!
格闘ゲームにおけるキャラクター選びから始まり、練習や攻め、守り、立ち回り、対戦の深淵ともいえる“人読み”までの思考を“ふ~ど”選手ならではの視点で述べていきます。さらに、格闘ゲームとともに生きてきた“ふ~ど”選手のこれまでを振り返る人生攻略も収録しています。
また、特別企画として“ふ~ど”選手と旧知の間柄であるCrazy Raccoon所属の“かずのこ”選手との対談も実施。最前線を長らく走り続けてきた2人のベテランが導き出した“攻略が伸びる仮説”にもご注目ください。
本記事では、本書の第1章“勝つためのキャラ選び 最強プレイヤーが持つ答えと強キャラの条件”より一部を抜粋してお届けします。全容が気になった方は、ぜひお手に取ってみてください。
例外的なキャラ選択について
カプコンカップやSFLに出場するトッププロでも、強キャラに片寄り過ぎない理由は?
ここまでの内容を理解してくれた方は、現在の『スト6』における競技シーンを見わたしたときに、おそらく「勝つことが求められるプロゲーマーは、なぜ全員が最強キャラを使わないのか」という疑問が生まれると思う。
たしかに実際は、世界最高峰の個人戦であるCAPCOM CUPや、世界最高峰のチーム戦であるストリートファイターリーグ(SFL)で使用されているキャラを見ると、かなりバリエーションが豊かだ。最強クラスのキャラが多いのは間違いないが、中堅キャラはもちろん、弱キャラでさえ、いずれかの大会で見る機会があった。
格闘ゲームの攻略という観点からはやや離れる要素だが、本章のテーマである“勝つためのキャラ選び”に関連して、自分なりにこの疑問に答えていければと思う。
海外選手の場合。1人だけ飛び抜けて強いので、どのキャラでも勝てている可能性がある
大前提として、“勝てるなら何を使ってもいい”と言える。昔のゲームセンター(ゲーセン)を例にあげると、新宿や高田馬場などのレベルの高いゲーセンでは、弱キャラだと強キャラに押しつぶされて勝てないので、「これは強キャラを使わないとダメだ」という結論になる。ところが、レベルが低めのゲーセンなら、地力の高いプレイヤーはどのキャラを使っても負けることはない。
そうなると、「好きなキャラでも、どうせ負けない」という考え方のまま闘い続けることになる。強いキャラを使う理由の最大の目的は“勝つため”なので、弱キャラでも勝てているようなら、その時点でキャラ選びは成功しているとも言える。
例えばCAPCOM CUPには世界中からいろいろな選手が集まるが、なかにはプレイヤー人口がそこまで多くない地域もある。そういった地域では1人だけが飛び抜けて強いパターンが多く、一般的に弱キャラと言われているキャラを使っている場合もある。その結果、海外のプレイヤーは強キャラに片寄らず、“CAPCOM CUPには、さまざまなキャラの使い手が出場している”という図式が完成する。
仮定の話になるが、そういう海外のプレイヤーたちを「一緒に練習しよう!」と東京に呼んだとしら、1カ月でキャラを変える可能性が高いと思う。レベルの高い日本のゲーセンで起きたことと同じように、強キャラに押しつぶされて「全然このキャラじゃ勝てない……勝つためにはキャラ選びからもっと考えなければいけない」という感想を抱くのではないだろうか。
日本のプロゲーマーの場合。ブランディングに影響あり
次に日本の選手について、SFLに出場するようなトッププロでも、キャラクターがそこまで片寄らない理由を考察していきたい。
まず『スト6』はどのキャラでもそれなりには闘えるという点が大きい。ほかの2D格闘ゲームと比べてシステムの汎用性が高いので、「このキャラでは本当に勝てない」といった極端な弱キャラもいない。同じシリーズの『ストIV』や『ストV』と比べてみても、弱キャラで勝つのはそこまで無理な話ではない。
そのうえで重要なのは、やはりプロゲーマーという職業は“人気商売”という面もあることだ。プレイヤー人気の向上を考えた場合、プレイヤーの“色”というか“キャラクター性”を意識する必要があり、それらの要素は使用キャラと密接にかかわってくる。
例えば、“最強クラスのエドを使ったほうが、今よりも強くなれる自信がある”というプレイヤーがいたとしよう。そのプレイヤーが“現在の使用キャラでは最強”という立ち位置で、エドに移行して強くなっても“エド使いのなかだと10番目以下の強さになってしまう”状況だったら、どちらを選ぶのか。これが“現在の使用キャラで3番目に強い”立ち位置だったら踏ん切りもつきそうだが、“そのキャラの第一人者”という“色”を捨ててまで、多数の強豪プレイヤーに埋もれながらエドを使う道を選べるのだろうか……。
僕がプロゲーマーになる前にゲーセンで遊んでいたときでさえ、そういった“強さ”と“プレイヤーの色”を天秤にかける問題は起きていた。これまでの格闘ゲームの歴史を振り返ってみても、プレイヤーとキャラは印象深く結びついている。この件は、弱キャラもしくはレアキャラを使い続けるプレイヤー本人に聞いたわけではないが、客観的に見てもそういう要素があると考えるのが自然だろう。
やや余談になるが、例えば人がたくさん集まるオフライン大会や対戦会に行ったときに、レアキャラの使い手だと「〇〇さんのマリーザを応援しています!」とか「〇〇さんのマノンが目標です!」といった、とてもうれしい言葉をかけられることがある。ところが、勝つためにどんどんキャラを替えていく僕のような強キャラ使いだと、「勝ってください!」としか言われないという“強キャラ使いの悩み”があるのだ……。
『勝つための7つの理論 ふ~ど流10年使える格闘ゲームの攻略』目次
- 第1章:勝つためのキャラ選び 最強プレイヤーが持つ答えと強キャラの条件
- 第2章:勝つための練習 負け方の変化が自分を進化させる
- 第3章:勝つための攻め 投げ択を仕掛けた回数が勝利へとつながる
- 第4章:勝つための守り 技の理解度と意識配分の重要性
- 第5章:勝つための立ち回りと考え方 上級者の思考に近づくための一歩とコンセプトを持つこと
- 第6章:勝つためのゲームとの向き合い方 長く続ける秘訣と強くなるための環境構築
- 第7章:勝つためにやるべきこと 10年使える格闘ゲームの攻略
- 人生攻略論:すべてを遊び、楽しく生きるために
- 特別企画:かずのこ×ふ~ど格闘ゲーマー対談
概要
- 書名:勝つための7つの理論 ふ~ど流10年使える格闘ゲームの攻略
- 著者:ふ~ど、栗田親方
- 発売日:2026年8月27日(木)
- 定価:2,310円(2,100円+税)
- 仕様:A5判、176ページ
- 発行:KADOKAWA Game Linkage
- 発売:KADOKAWA