2023年6月29日にNintendo Switch版、8月10日にiOS/Android版が発売された、スクウェア・エニックス原作の友情結合シミュレーションアドベンチャー『結合男子』。
本作の初舞台“Experimental Theater「結合男子」”が、5月7日~13日に日本青年館ホールにて、5月17日~19日には、COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて公演されます。
本作の初舞台“Experimental Theater「結合男子」”が、5月7日~13日に日本青年館ホールにて、5月17日~19日には、COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて公演されます。
【🎉舞台化決定🎉】
— 『結合男子』公式@広報モル (@Ketsugou_PR) November 4, 2023
舞台『#結合男子』
2024年5月上演
詳細は後日発表予定!続報をお楽しみ!
▼舞台公式サイトhttps://t.co/DsKmIOYsFG
▼#AGF_2023 ステージ配信中!📺https://t.co/bEkIZGOql4 pic.twitter.com/vnKK2R3QHa
この記事では、ゲーム本編をプレイし『結合男子』に激ハマりした舞台観劇大好きライター“ことめぐ”が、本公演のゲネプロ公演のレポートをお届けします。
●舞台写真撮影:佐藤 薫/高田真希子
原作要素を丁寧に織り込んだ演出に感激。ダンサーさんとのダンスはかっこよすぎたし、見たかったバトル演出に原作ファンの筆者、大満足!
原作『結合男子』のゲームストーリーは、元素の力を宿す10人の志献官(しけんかん)たちが、万物を呑み込み虚無へと還す『デッドマター』から世界を救うため戦うという物語です。
そして今回の舞台の概要は、「世界の危機に立ち向かう10人の志献官(しけんかん)とミラーズ・天空王九慈(そらたかくじ)、総勢14人のダンサーで贈る新感覚ステージを劇場で体感せよ」というもの。
概要を読む限り、ゲームで展開されたストーリーが再現されるようですが、舞台ならではの演出であるダンサーさんを交えた新感覚のステージになるということで、ワクワクしながら公演当日を迎えました。
本作は舞台と客席を繋ぐ演出として、ゲームで登場する媒人(なこうど。プレイヤーの立ち位置)が所持しているガラス管をモチーフにした“結導ライト”が公演グッズとして登場。無線制御機能を搭載しており、演出に合わせてカラーが点灯します。
結導ライトは席ごとに点灯する色が決まっており、公演前に専用のボックスに入れて認証する必要があります。
詳しい設定方法などは公式X等をご覧ください。
【結導ライト用 座席ブロック図】
— Experimental Theater「結合男子」 (@Ketsugou_stage) May 7, 2024
結導ライトをご利用のお客様は、事前にご自身の座席ブロックをご確認下さい。
座席認証をスムーズにするため、ぜひご協力をお願いいたします。#エクスペ結合男子 🧪 pic.twitter.com/0XSl8zMZ29
会場に入りステージに目をやると、ポールが何本も立っていてブロックのような重厚感があるセットが組まれていました。
ゲームのファンとしてはもう場内アナウンスからテンションダダ上がり。なぜなら、ゲーム内に度々登場するキャラクター・モル公によるアナウンスだったからです。
※モルは知能が強化されたモルモットで、志献官や職員たちの業務支援や部署間の連絡係。モル公は、媒人(プレイヤー)の補佐を担当。
Experimental Theater「結合男子」
— Experimental Theater「結合男子」 (@Ketsugou_stage) May 9, 2024
開演前と休憩時にはモル公からアナウンスがございます!
声は原作同様、 #宮田幸季 さんにご担当いただきました✨
お聴き逃しなく🐹🎶
🎫東京公演https://t.co/eKuJyFm6H1#エクスペ結合男子🧪 pic.twitter.com/GTXq4A0daS
ステージが暗転し、スクリーンに“新和18年”という文字が。モル公によると今から展開されるストーリーは彼に出会う前、過去のもの。
笹⻤(古屋敷 悠さん)司令のもと、志献官たちが鎌倉防衛戦に挑みますが、この戦いで多くの仲間を失ってしまいます。そして新たな志献官を戦力として補充する為、国民から見つけ出すことに。
エクスペリメンタルな舞台の幕開けを告げる志献官10人によるダンスと歌唱で物語は幕を開けます。
時は経ち、“50”と浮かび上がったガラス管(※グッズの結導ライトはこのガラス管がモデルになっています)がスクリーンに映し出されると、ステージには源 朔(⾼橋祐理さん)と安酸 栄都(⾼野渉聖さん)の2人が登場。観客側を向いた2人は、私達(媒人)に話しかけます。
筆者はゲームのこの冒頭シーンで栄都に落ちたので、媒人との出会いのシーンがとても丁寧に描かれており感激。一気に『結合男子』の世界に引き込まれました。
栄都は元気で笑顔がとっても素敵な志献官なのですが、栄都役の⾼野さんが彼のようなニコニコの笑顔で演じている姿を見て「栄都がいる……!」と更に感動。
栄都に見とれていると、ここでまさかの急展開となりびっくり!(何が起きるかは観てのお楽しみ) ちなみに筆者は今までこのような演出を見たことがなかったので、驚きと同時に爆笑してしまいました(笑)。
驚きの展開のあとは、筆者がゲーム本編の気になるキャラクターの1人とても取り上げた清硫 ⼗六夜(武⼦直輝さん)が登場。
⼗六夜はなんとも面倒くさいオジサンなのですが、武子さんが志献官達にウザ絡みする彼をとてもかっこよくイヤミなく演じており、またまた感動。
ここからは筆者が推しているキャラクターが続々登場し、感動の大洪水。
ここでまたまた驚きの展開に突入!
尋常小学校の生徒の前で志献官について説明をする仁武さんの前に、フラリと舎利弗 玖苑(荒牧慶彦さん)が登場。
結導ライトが点灯し始め、なんとマイクを持つ玖苑。なんと玖苑ソロ歌唱がスタート。
玖苑さんはゲーム本編でも登場する度にその場の空気を一変させるくらい強烈なキャラをお持ちの志献官なのですが、舞台でも空気を変えていました(笑)。この後も彼は、朔と三宙の喧嘩を仲裁するべく驚きの行動を取るので必見です。
ちなみに筆者はこのシーンがゲームでお気に入りで、舞台で再現してくださって歓喜……!
次のシーンでは公式サイトでも発表されている自己紹介日替わりペアナンバー“化学反応式”のコーナーへ。ゲネプロでは⼀那(福澤 侑さん)と⼗六夜のペアを披露してくれました。
……しかし結果は“結合失敗”。こんなこともあるんですね(笑)。ふたりが披露した化学反応は“四塩化硫黄”。
“塩化硫黄”は《毒》で、殺虫剤などに含まれているらしいです。ふむふむ、このコーナーは勉強になります。
そして今回はもう1組披露して下さることになり、⼀那と四季(早乙女友貴さん)のペアで今度は挑戦。結果は“塩化ベリリウム”、で成功!
この“化学反応式”では、ペアによる歌唱、そしてダンサーさんを交えたあまりにもかっこいいペアのダンスが見られるので、推しのペアの公演をぜひご覧になることをオススメします……!
楽しいコーナーの後は一気にシリアスなシーンへ。鎌倉をプロキオンが襲っているということで、朔・栄都・六花(高梨 怜さん)の3人が作戦に赴くことに。
オカッパ姿が可愛らしいいつも栄都にぴったりくっついている七瀬(西山蓮都さん)、地下牢にいる⼀那についてのエピソードを挟み、ついに作戦実行の日がやってきます。
ここで筆者がゲームレビュー記事で「観てみたいシーン」として上げていた鍛炭 六花が筆で戦うシーンが観られました……!
本公演の衣装・造形はスクウェア・エニックスさんの舞台ではすっかりお馴染みの“マッシュトラント”さん。六花の筆のようにゲームでチラリと映っていた武器を、舞台では志献官が手にしながら華麗に舞う姿が見られるので、本当に、本当に必見です。
マッシュトラントさんの武器は造形の素晴らしさもさることながら、重量をしっかりと感じられる作りになっており、本当に実在するかのような存在感があるところが本当に素晴らしいんです。ぜひ武器の作りにもご注目いただきたいっ!
ゲームだと作戦(バトル)はオートで進んでいく為あまり細かい描写はなかったんです。ですので「恐らく舞台でバトルシーンが観られるのでは……?」とすごく期待していました。
分子術“二酸化炭素”を発動する際にはスモークが出たり、栄都が六花を庇うようなシーンが見られたり、まるで一種のアトラクションを体験しているようで迫力満点。とくに気になっていた六花の筆でのバトルは、ブンブンと思いっきり振り回していてとても可愛らしかったです。
そして『結合男子』のバトルといえば、やはり“結合術”。ついにそのシーンがやってきました。
今は亡き兄・碧壱(あおい)の声が聞こえ「兄さんみたいにならなきゃ……」と苦しむ朔。その様子を見て栄都が「朔は朔だよ!」という言葉を送り……結合術が発動!
元々注目していた箇所ではありましたが、囲み取材の際に栄都役の高野さんが「結合術のシーンが大好き」と仰っていたので更に注目したシーンです。
また、ゲームをプレイしていて初めて結合術を発動したのがこの2人だったというのもあり、感慨深さもとても感じました。
手を伸ばし手を取り合う朔と栄都。栄都が持つ弓に朔が手を重ね、敵は消滅し作戦は成功。
しかし敵を倒したのも束の間、次の作戦が告げられます。それは7日後に決行する“横浜再生作戦”――――。
媒人はふと記憶が蘇り、志献官たちのとある未来を目にします。そして舞台上ではその未来が天空王 九慈(吉⾼志⾳さん)の登場と共に描かれました。
ここでモル公によるアナウンスが入り休憩へ。20分後に幕を開けた二幕はスクリーンに映し出された“とある選択肢”からスタートします。
媒人は志献官たちに未来を見たことを告げます。そして次の作戦へは⼀那・三宙・四季・玖苑・七瀬の編成で挑むことに。
その後は作戦に向け四季と三宙が銃を使って訓練をする様子、“訓練”のシーンでは、⼀那・三宙・四季・七瀬の4人が武器を手に、音楽に合わせてとてもダンサンブルな訓練を魅せてくれました。
仁武の体に起きている変化、筆者が大好きな悩む六花を栄都が励ますシーンもありました。
どちらもストーリーの根本に関わってくるシーンではないのですが、しっかりと志献官たちの関係を舞台でも描いてくださっており、ただただ感動。
歌唱シーンを挟み、志献官たちの歌声のハーモニーの美しさに酔いしれていると、そのまま横浜再生作戦へ突入。
そしてまさかのペアの結合術発動にびっくり。栄都と朔だけかなと思っていたら他のペアでも見られるとは……!
結合術のおかげもあって作戦は成功しますが、空の様子が不穏になっていることに気づきます。そして媒人と志献官たちの前に“ミラーズ”である天空王 九慈(吉高志音さん)が―――。
志献官たちを次々に襲う天空王 九慈。そして仁武は媒人にあることを問います。そしてその選択によって下った結末とは―――。この先の未来は、ぜひご自身の目で確かめてみてください!
そして空には月が浮かびさざ波が響く中、志献官10人が歌唱。
本作の見所でもあるダンサーさんを交えての迫力あるダンスで締める幕引きはとても美しく、先程まで観ていた『結合男子』の余韻にじっくりと浸れるものでした。
原作は分岐が最大45通りあり、エンディングは90種類以上あります。それをどのように舞台で描くのかなとずっと考えていましたが、とてもよくまとめられていたなと感心してしまいました。
囲み取材の際に「舞台はスピーディに進んでいく」と聞いていたのですが、原作ファンとしてはむしろ「こんなに細かいシーンもやってくれるの!?」と構成の丁寧さにびっくりでした。
志献官は10人という大人数なので、一人一人を描くのは無理だろうなと思っていたのですが、まったくそんな心配は無用でした。
ゲーム本編をプレイした時と同じ、学園モノのようなワチャワチャ感がある志献官たちのやりとり、媒人に語りかけ巻き込むような演出、そしてゲームにはなかったダンスや歌唱で新たな『結合男子』の魅力が最大限に引き出されており、原作ファンとして大変納得ができる丁寧に作り込まれた舞台でした。
そして、今まで観劇させていただいていたスクウェア・エニックスさんの舞台に共通することで何度も書いていることではあるのですが、スクウェア・エニックスさんの舞台は初見の方を置いていかないな、と本公演でも思いました。
『結合男子』はやや難しい用語が出てきますが、物語の軸となる用語の説明を物語に自然に織り込んでくださっていて改めて感心。
ですので、ゲーム本編をプレイしていない方はもちろん、ゲーム本編が好きな方、出演者のみなさんのファンの方、元素に興味がある方など本当にたくさんの方に楽しんでいただける作品になっていると思います。
筆者はまだ結導ライトをみなさんが点けているところをこの目で見ていないので、必ずプライベートでも観劇させていただきたいと思います。
……というか、ハマったのは最近ですが作品の大ファンですし、普通に志献官のカードも欲しいし、回替わりペアも見たいっ! この原稿を書き終えたら媒人のみなさんと一緒に楽しむぞー!!
最後に余談なのですが、いつもでしたらこの時期はGW明けで鬱々としている私。ですが「『結合男子』の舞台がある!」という気持ちがあり、なんとか今年は乗り越えることができました。
そして1人の舞台好きとして、今回の公演を観劇を通して思ったことがあります。
やはり舞台の力、エンターテイメントの力はすごいな、と。観た人の心をこんなにも鷲掴みにし、魅了してくれる《舞台》はやっぱりすごいです。
こんなにも人の気持ちを動かし、幸せな気持ちをいただけて、この舞台に携わっているみなさまに感謝の気持ちでいっぱいになりました。
きっと筆者のように思った人は少なくないかなと思います。これからも舞台好きとして、小さなきっかけを見逃さずに、いろんな舞台を鑑賞していきたいなと思います。
みなさんもぜひ舞台上で起こるエクスペリメンタルな化学反応を楽しんでみてください。
公演情報
【公演名】Experimental Theater「結合男子」
【公演期間・劇場】
・東京公演:2024年5月7日(火)~5月13日(月)日本青年館ホール
・大阪公演:2024年5月17日(金)~5月19日(日)COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
【原作】『結合男⼦』(SQUARE ENIX)
【演出】松崎史也
【脚本】三浦 香
【振付】REX(福澤 侑Daiki 皇希)
【出演】
《志献官》源 朔:高橋祐理/安酸 栄都:高野渉聖/鍛炭 六花:高梨怜/宇緑 四季:早乙女友貴/凍硝 七瀬:西山蓮都/浮石三宙:北出流星/鐵 仁武:磯野 大/舎利弗 玖苑:荒牧慶彦/塩水流 ⼀那:福澤 侑/清硫 ⼗六夜:武子直輝
《ミラーズ》天空王 九慈:吉高志音
ほか
【配信情報】
■配信公演※アーカイブ配信あり
[東京公演]
・2024 年 5 月 7 日(火)18:00 初日公演
[大阪公演]
・2024 年 5 月 19 日(日)12:00 公演
・2024 年 5 月 19 日(日)17:00 大千穐楽公演
【ライブ配信販売ページ】
https://www.dmm.com/digital/stage/-/theater/=/name=ketsugou-danshi/