電撃オンライン

都市伝説にまつわる事件を解決する『都市伝説解体センター』レビュー。謎解き重視でミステリー好きにおすすめ!【電撃インディー#729】

文:電撃オンライン

公開日時:

 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、集英社ゲームズが2024年内に配信予定のNintendo Switch/PC(Steam)用ソフト『都市伝説解体センター』のレビューをお届けします。

[IMAGE]

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

謎解きはもちろん、キャラ同士のかけ合いも面白い! 都市伝説にまつわる事件を解決するミステリーアドベンチャー【都市伝説解体センター】


 本作は、都市伝説をテーマとしたミステリーアドベンチャー。

 プレイヤーは、怪異・呪物・異界などの調査・解体を行う“都市伝説解体センター”に所属する“福来あざみ”となって、さまざまな依頼を解決していくことになります。

 都市伝説を題材にしていることもあり、ついホラーゲームかと思ってしまいがちですが、あくまでもミステリーが主体。謎解きがメインとなるので、ホラーが苦手という方にもおすすめできる作品となっています。

[IMAGE]

 主人公のあざみは、生まれたときから変なモノが見えてしまうことに悩んでおり、解決を求めて都市伝説解体センターを訪れます。そこで出会ったのが、千里眼を持つというセンター長の“廻屋渉”でした。

[IMAGE]

 あざみは現代では珍しいくらいの、かなり純真な性格の女の子。相手に言われたことを、そのまま素直に信じ込んでしまうところがあります。

 これに対して、センター長の廻屋はちょっと腹黒いところもある(!?)ような、やり手のタイプ。あえて情報を伏せて、あざみをわざと不安にさせているように見えることもあり、もしかしてダマされているんじゃ……? と疑ってしまうことも。

 とはいえ、あざみが一方的に振り回されているだけかというと、そうではありません。彼女にも思い切ったところがあり、案外ちょうどよいバランスになっているのがいいところ。

 そんなキャラクターたちのやり取りの面白さも、本作の魅力の一つとなっています。

[IMAGE]

 自分の悩みについて相談したあざみは、その対策として廻屋から特殊なメガネを渡されます。

 このメガネの効果で、あざみは変なモノをはっきり見ることができるようになりました。さらに、実はこれらが幽霊ではなく、“過去その場所にいた人や物の姿が見えている”のであり、あざみ自身の“念視”能力によるものだということが判明します。

[IMAGE]

 廻屋に「楽にされては?」と言われるがままイスに座ろうとすると、突然の痛みに驚くあざみ。なんとこのイスは、座った者に死をもたらすと言われている呪いのイスだった……! と衝撃の事実が発覚します。

[IMAGE]

 どうしてそんなイスがこんなところに!? とツッコミを入れるヒマもなく、あざみは急いで呪いを解く方法を探すことに。

[IMAGE]
▲机の前に置かれているイス。来客用かと思いきや、呪いのイスだった……! つい「そりゃないよ~!」と口に出したくなってしまいます。
[IMAGE]
▲あざみが素直すぎてちょっと心配になることも!?

 調査を開始してみたものの、たくさんある資料の中から目当てのものを見つけるには、どうしても時間がかかってしまいます。そこで、あざみの念視能力の出番です。

 メガネをかけることで見える痕跡をたよりに、呪いを解くための研究資料を探します。

[IMAGE]

 変なモノを見えないようにするのではなく、あえてピントを合わせて見えるようにした上で、事件解決に利用する、という発想が面白いですね。なんとなく廻屋の思惑を感じるところもありますが、ここは素直に従ってみましょう。

 無事に研究資料を見つけて一件落着かと思いきや、呪いの解除方法が書かれておらず、パニックになってしまうあざみ。廻屋は、落ち着いてイスに座ったときのことを思い出し、改めて調べてみるよう提案します。

[IMAGE]

 集めた情報を整理していくことで、これは理不尽な呪いではなく、冷静に考えれば解決できる事件だ、ということが分かるわけですね。ここからはミステリーアドベンチャーらしく、謎解きに挑むことになります。

[IMAGE]

 真相はネタバレになってしまうので伏せますが、穴埋め問題のようなかたちで結論を導き出すことになります。謎解きとしての難易度はそれほど高くないので、じっくり考えれば分かるはず。

 ようやく事件解決かと思いきや、あざみは調査に夢中になるあまり、イスを壊してしまいます。

[IMAGE]
▲情熱のあまりイスを壊してしまうあざみ。意外と力持ち……?

 あれよあれよと言う間に、イスの修理費として借金を抱えることになり、返済のために都市伝説解体センターで働くことに!? なんでも素直に受け取ってしまうあざみの性格もあり、怒涛の展開です。

[IMAGE]

 ここまでは、あざみの念視能力を使って調査を進めてきましたが、本作ではもう一つ、SNSを使って情報を集める“SNS調査”という方法があります。

[IMAGE]

 この方法については、都市伝説解体センターのもう一人の仲間“止木休美(通称:ジャスミン)”から聞くことができます。

 SNS上にある膨大な投稿の中から怪しいワードをキーワードとして拾い上げ、検索をかけてウワサの広がった先を調べていくことで、都市伝説の輪郭が見えるようになるという、SNS調査の基本を教えられたあざみ。

[IMAGE]

 廻屋に渡されたメガネの効果で、重要なキーワードは動いて見えることに気が付きます。このキーワードをさらに検索して情報を拾い集めていくと、都市伝説への対応の仕方も分かるようになるのだとか。

[IMAGE]

 写真を使った目撃情報などもあり、有力な手がかりになりそうです。ジャスミンによる丁寧なレクチャーのおかげで、筆者もすんなりSNS調査を進めることができました。

[IMAGE]

 ちょっと面倒くさがりで、ぶっきらぼうな先輩かと思いきや、意外と面倒見のよいところがジャスミンの魅力。ミステリーとしての面白さはもちろん、こうしたキャラクターたちが持つ個性や、会話の楽しさにも注目の作品となっています。

 さまざまな調査方法を使いながら、どんな都市伝説に立ち向かっていくことになるのか……!? 続きが非常に気になる作品となっていますので、ぜひチェックしてみてください!


    本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります