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『コードギアス 奪還のロゼ』はシリーズファン必見。ルルーシュが主人公じゃないからって見ないというのは違うな、間違っているぞ【サブスクアニメ道】

文:電撃オンライン

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 さまざまなサブスクリプション動画サービスにより、最新のアニメから往年のアニメまで多くの作品が定額制で見放題になっている昨今。なかにはあまりに数が多すぎて「どれを見たらいいのかわからんッ!」とお嘆きの方もいるのでは? そんな方に“サブスクで視聴できるオススメアニメ”をレコメンドしていくのが本コラムの趣旨となります。

 今回は、ディズニープラスで毎週1話ずつ更新されている、人気シリーズの最新作『コードギアス 奪還のロゼ』の魅力を語ります。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは『コードギアス 奪還のロゼ』の物語に関する記述が多々あります。本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。

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▲ディズニープラス公式Xより。

『コードギアス 奪還のロゼ』は『復活のルルーシュ』の5年後を描く最新作。ロゼとアッシュ、2人の傭兵兄弟が紡ぐ新たな物語

 “コードギアス Next 10years Project”で発表され、劇場で先行上映された後にディズニープラスで独占配信されるという、かなり異色の形で世に送り出されている『コードギアス 奪還のロゼ』。劇場版『復活のルルーシュ』から5年後の世界を舞台に、ロゼとアッシュというブリタニア人の傭兵兄弟が、新たな戦いへと身を投じます。

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▲ディズニープラス公式Xより。
 ストーリーについては、『奪還のロゼ』公式サイトにあるイントロダクションを引用させていただくと……。

 
光和7年、ネオ・ブリタニア帝国に占領された合衆国日本・旧ホッカイドウブロックに、「ナナシの傭兵」として知られる傭兵兄弟がいた。
 
非常に優れた運動能力とナイトメアフレームの高い操縦技術を持つ兄のアッシュ、頭脳明晰で情報収集、作戦指揮を担当している弟のロゼ。
 
シトゥンペバリアと呼ばれる難攻不落のエネルギー障壁により4年間、黒の騎士団の解放作戦を退けてきた第100代皇帝カリス・アル・ブリタニアと、彼に仕えるノーランドら皇帝直属の騎士アインベルク達は、再び世界を混乱へと陥れようとしていた。
 
依頼を受けたロゼとアッシュは、日本人レジスタンスの七煌星団と共に、皇サクヤ奪還のため、ネオ・ブリタニア帝国に立ち向かう。

 ……と、このような導入になっています。かつてエリア11と呼ばれた合衆国日本が、再びネオ・ブリタニア帝国に蹂躙されるという設定からして、ファンなら気になるキャッチーな内容といえるでしょう。

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▲ディズニープラス公式Xより。
 前述のとおり、本作は劇場で全4幕構成で先行上映され、その後サブスク作品として1話ずつ毎週配信されていくという、他に類を見ない形で世に送り出されている状況です。記事執筆中の7月末現在、劇場版は第3幕まで(※各幕3話構成。第9話まで)公開されており、ディズニープラスでは第6話までが配信されています。

 これは個人的な見解ですが、地上波でのオンエアがないこと、そして何より“主人公がルルーシュではない”ことを理由に、視聴に踏み切れていないファンの方も少なからずおられるように感じており……。正直、これがすごくもったいないな、と思っていたりします。

 ただ、その気持ちは往年のファンとして痛いほどわかるんですよね。みんなルルーシュが大好きでしょうし、なかにはゼロ・レクイエム後の物語が蛇足だと感じる人もいると思うので……。

 その気持ちは同じファンとして受け止めたうえで、だからこそ、僕はあえて伝えたいのです。この『奪還のロゼ』は、そんな『コードギアス』を大事にしているファンの方にこそ見てほしい……そんな作品であるということを。無粋かもしれませんが、その理由についてここから語ってまいります。

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▲ディズニープラス公式Xより。
 ただ、この作品については出来るだけネタバレなしで見てほしいというのも本音。難しいというか、ジレンマというか、作品の魅力を語るうえで少なからずネタバレに触れてしまう部分はあると思うので、もし可能なら、まずは1話だけでも見てみてもらえないでしょうか? 1話ラストで味わえるこのケレン味……“騙された!”というこの感覚は、まさに『コードギアス』のそれ。本シリーズならではの醍醐味を存分に堪能できると思いますので。

 なんなら記事はここで一旦読むのを辞めてもらっても結構ですよ(汗)。よければ作品を鑑賞されたあと、あらためて読んでもらえればうれしいです。ということで、ここからはある程度のネタバレも挟みつつ、『奪還のロゼ』の魅力を語っていきましょう。

STORY:『復活のルルーシュ』から“地続き”の物語。シリーズキャラクターも多数登場!

 さまざまなサイドストーリーや外伝、いわゆる“if作品”も含め、たくさんの作品群が発表されている『コードギアス』シリーズですが、この『奪還のロゼ』は『復活のルルーシュ』から地続きの物語となっています。つまり、しっかりとした“正史”であると、僕は受け止めている次第。

 これは個人的な見解なのですが。『復活のルルーシュ』はTVアニメ版『反逆のルルーシュ(およびR2)』とは、世界線が異なっていると思っています。そのうえで、今回は“『復活のルルーシュ』の世界線”での正史というのが僕なりの受け止め方。ちょっとまどろっこしい言い方ですが、ここ、ファンにとっては大切なところだと思いますのであえて書いておきました。

 さて、物語は先に公式のイントロダクションの引用で紹介したとおり、ネオ・ブリタニア帝国の武力行使によって巻き起こった新たな紛争が焦点。超合衆国や黒の騎士団の力をもってしても、4年という短くはない期間、合衆国日本への主権侵害が止められていないという状況から物語はスタートします。

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▲ディズニープラス公式Xより。
 ゼロ・レクエイム、そしてその後の各種紛争や“ハシュベスの戸惑い”といった事件を経てなお、人類は戦いを止められないんだな……と強く痛感させられるこの武装蜂起。その背景には、悪逆皇帝ルルーシュ亡き後の強烈なブリタニアバッシングへの反発といった側面もあり、一概に“正義と悪”で断じることはできないあたりが、いかにも『コードギアス』らしいところなんですよね。

 物語の主軸はあくまでロゼとアッシュ、そして彼らが身を置く半ブリタニア勢力ゲリラ・七煌星団(しちこうせいだん)のメンバーたちです。ただ、シリーズキャラが思った以上に活躍してくれるので、ファンとしてはちょっと感動してしまいました。

 物語としてちゃんと違和感がないところが好きなんですよね。ひらたくいえば、“シリーズの人気にあやかろう”という打算的な側面でシリーズキャラを登場させているのではなく、彼らの立場や心情、そして『復活のルルーシュ』から5年後という状況でのポジションまでしっかりと考慮し、そのうえで“否応なしに巻き込まれいく”というこのストーリーラインの説得力たるや。構成力が素晴らしいと思います。

 ちなみに、僕は10年来のシリーズファンであり『亡国のアキト』や『双貌のオズ』といった関連作品もある程度は嗜んでいます。そんな僕からすれば、回を追うごとに垂涎の展開が待っていました。シリーズ作品のファンに対しての見せ場もしっかり用意されているので、見ていて止まらなくなるし、なんなら過去作も振り返りたくなるレベル。“コードギアス Next 10years Project”と謳っているのは伊達じゃない! 個人的に、マジでシリーズファンは必見の物語だと思っています。

BATTLE:ナイトメアフレームがバリバリに動く戦闘シーンは鳥肌モノ。やっぱKMFにはランドスピナーがよく似合う

 バトルシーンの描写にも、かなり力が入っている点もイチファンとして見逃せない部分。CGを駆使したナイトメアフレーム(KMF)のバトルといえば、かつて『亡国のアキト』がひとつの頂点を示してくれましたが、この『奪還のロゼ』はまた違ったアプローチで別の頂きを見せてくれているように感じています。

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▲ディズニープラス公式Xより。
 第六世代以降、飛行型の登場によってKMFの戦いの舞台は空へと移っていった側面もありましたが、『奪還のロゼ』のバトルはバリバリの地上戦になっていて、これが個人的にめっちゃツボで素晴らしい。アッシュが操るKMF・Zi-アポロ(ズィー・アポロ)が、ランドスピナー(あのローラーみたいなやつ)をギュンギュンに回転させて動き回る戦闘は、見ていて鳥肌が立つほどのカッコよさです。

 慣性が働いていることがハッキリわかる機動描写、重心を低く傾けて敵の背後を取るときのモーターサイクルのような疾走感、そして思わず劇場で「うおおっ!」と声が出てしまったオルテギアモードの存在(ネタバレが怖いので深くは語りませんが)……もう、すべてが最高! くねくねとギャルのように動くクインクラカ(とあるキャラが乗るライバル機)の挙動なんかは、ちょっと感動すら覚えましたからね(笑)。KMFによるバトルが大好きというファンの方も、きっと納得の出来栄えだと思います。これだけでも見る価値アリとさえ言いたいほど。

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▲ディズニープラス公式Xより。
 ちなみにアッシュとZi-アポロの戦い方って、カレンが駆る紅蓮やスザクのランスロットの戦い方とはちょっと受ける印象が違っていて。直線的で敵を正面から組み伏せる、カレンやスザクの戦い方には武士道や騎士道を感じる一方、アッシュのそれは曲線的かつ柔軟。敵の死角に入り込んで武器を奪ったり、高速の動きで背後を取って弱点(つまりはコクピット)を一撃で貫いたりと、傭兵というかもはや暗殺者とすら呼べる戦い方。敵を討つことに徹する無駄のない動きは、ある意味“主人公らしくない”戦い方です。

 そして、ここらへんはアッシュという人物が深堀りされ、彼という人間のことを理解すると見え方もおのずと変わってくる部分でもあり、そこがまた『奪還のロゼ』にのめり込む所以でもありました。

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▲ディズニープラス公式Xより。
 KMFのバトルから話が少し逸れますが、個人的に、僕はこのアッシュというキャラのことが回を追うごとに好きになっていて、自分でもびっくりしているほどです。マジで最高にいいヤツなんですよ。報われてほしい……色々な意味で……。

THEME SONG:オープニングもエンディングも名曲! 『コードギアス』の主題歌はこうでなくては

 オープニングやエンディング、挿入歌などが素晴らしいのは『コードギアス』シリーズの伝統でありお家芸。FLOWの“COLORS”や“WORLD END”、SunSet Swishの“モザイクカケラ”、坂本真綾の“モアザンワーズ”にUNIONEの“リバイブ”などをはじめ、枚挙にいとまがないほどの名曲ぞろいです。

 もちろん、本作の主題歌も絶品のクオリティ。こちらは
公式YouTubeチャンネル(コードギアスチャンネル)で映像も公開されているので、興味がある方はぜひ耳をすませてご覧いただきたいところ!

■『コードギアス 奪還のロゼ』オープニング/MIYAVI“Running In My Head”

■『コードギアス 奪還のロゼ』エンディング/満島ひかり“ロゼ(Prod.TeddyLoid)”

 ……どちらも神がかって素晴らしい! キャッチーでありながら聴けば聴くほど好きになれるというか。僕は2曲ともヘビロテしております。

 オープニングに関しては、カット数こそ決して多くはないものの、ドライブ感も手伝って超カッコいいですし、何よりネタバレがいくつか仕込まれていたりするのがポイント。しっとりとしたバラードを聴かせてくれるエンディングは、サビの部分がとくにお気に入りで、素敵な歌詞も手伝って世界観に深く没入させてくれる名曲だと思っています。

 ちなみに!  じつはこれら楽曲映像以外にも、コードギアスチャンネルには予告編やネタバレありの企画動画といった『奪還のロゼ』に関するさまざまな動画が配信中。かなりのネタバレをくらう可能性もあるため、見てみようかなって人はディズニープラスで本編をご覧になったあとにすることをオススメしておきます。

 駆け足で本作の魅力をまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。自分自身もこの『奪還のロゼ』のことが大好きであり、第1幕~3幕までの時点で、すでに合計10回以上劇場に足を運んでおります。最終幕となる第4幕は8月2日から上映スタートということで、もう心の底から楽しみにしつつ、この原稿をしたためているところ!

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▲ディズニープラス公式Xより。
 思い返してみれば、作品発表時は『奪還のゼット(仮)』という仮称で呼ばれていた本作。それが公開に合わせて『奪還のロゼ』という正式名称に変わったわけであり、この“ロゼ”というネーミングには言うまでもなく深い意味が込められていると思います。

 フランス語で“バラ色(ピンク)”という意味を持つ単語であり、加えて『反逆のルルーシュ』のキーパーソンである“ゼロ”のアナグラムでもあるこの“ロゼ”という名前を主人公に冠するのは、スタッフの並々ならぬこだわりと決意が感じられ、僕はとても好印象でした。その意気やよし!

 なお、劇場での先行上映ですが、ここまでの通例でいうと各幕ともに4週間は劇場で公開されていました(一部劇場では異なる可能性もありますが)。それを踏まえると、第4幕(話数でいえば10話~12話)もおそらく4週間は劇場で楽しむことができるのではないかと。

 そして、ディズニープラスでは7月末現在で6話まで配信済み。このまま各週1話ずつ更新されたエピソードを鑑賞していけば、計算上、第4幕の公開第4週目のタイミングで9話(第3幕までのエピソード)に追いつくことも可能なはずです。サブスク配信をご覧になって気になったという方は、映像も音もド迫力な映画館で、ロゼとアッシュの戦いの結末を見届けるというのもオツなものかもしれませんよ。ぜひご検討いただければ。

 それでは、今回はこのへんで!

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