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関羽のスパルタ教育。関平はこうして鍛えられた…!【三国志 英傑群像出張版#33-2】

文:電撃オンライン

公開日時:

 三国志に造詣の深い“KOBE鉄人三国志ギャラリー”館長・岡本伸也氏による、三国志コラム。数多くの書籍が存在するなか、“民間伝承”にスポットを当てて紹介しています。

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 英傑群像出張版では、わたしが中国各地で集めた三国志武将の民間伝承の古書から、日本で知られていないものを厳選して文章をまとめて紹介しております。

 英傑群像出張版ではだいたい民間伝承の紹介はテーマを決めて選んでいました。

 最終回の今月は過去テーマから漏れた有名武将の民間伝承を紹介していきます。

 今月2回目は「関羽と関平」の親子の逸話です。

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関羽の教育 書道編


 関羽が荊州を守っていた頃、関羽親子は当陽の長坂坡から五里ほど離れたところの丘陵で兵士と駐屯していた。

 坂の下には周家海黄泉川があり、滑りやすくなっている。しかし、この山の斜面は周家坂とも、黄泉坂とも呼ばれず“黒土坂”と呼ばれている。

 関羽は毎日武術や軍事訓練を教えるだけでなく文章の練習も教え、【読み書きができない武将は愚か者だ!】と教育した。

 そのため、関羽は訓練後、毎日息子に“春秋”を読ませ、書を磨かせた。

 関平は父の教えに従い、毎日、書の練習後、筆についた墨を坂の下から坂の上まで流した。

 2カ月、時が経つにつれ、丘の斜面はついに黒く染まった。(関聖霊寺記)

 関平がコツコツと学び、練習を重ね、武術も書道も達人になったのを見て関羽は喜び、関平に12の篆書を刻み送った。

 【よく読み、よく話せ。善を行い、善人になれ。】

 現在、この文字は関羽の古の教えとして世に伝えられ当陽関陵廟に刻まれる。

関羽の教育 武術編


 関公は行軍の際、わざと関平に馬に乗らず、重い荷物を持って歩かせた。ある時、関公は部下を率いて南漳から昼夜で280里を歩いた。

 漳河山のふもとの小さな町まで歩いてきた関平は、もう歩けなくなり、足を引きずりながら関羽に「足が痛くもう歩けません」と恥ずかしそうに言った。

 関羽は関平の痛いところを触って「よし今日はここで泊まろう」と言った。それ以来、この地は“叫消鎮(悲鳴村)”と呼ばれるようになった。

 「私の息子であるからには、意志を持たなければならない!」関公は関平を励ますために、この言葉を発した。

 翌日、夜が明けてすぐ、私たちは南に向かって行軍を続け、20里ほど行くと、目の前に小川が現れた。

 関平が川を渡るとき、岩が足に当たり痛みを感じ、「痛い!」と叫んだ。それが関羽にも伝えられた。

 関羽は「足の痛い者は、川を百往復しろ! 鉄の足は作れないぞ!」と言った。これを聞いた関平は驚いた。

 それをみた周倉は「関将軍、間違った言葉が伝わったのです、関平は足が痛いと言っているのではなく、この場所が“脚東”だと言ったのです。この場所は“脚東港”と呼ばれています。」と助け舟をだした。

 関羽はそれを信じ行軍地図に“脚東港”と書かせた。関公は兵士たちに「今後はくだらないことを広めるな」と言って、軍を前進させた。

 さらに南へ30里進むと川が合流する場所に来た。数昼夜にわたる厳しい行軍の後、関平の足は水ぶくれになり腫れ上がり、体を引きずることもできないほど弱っていた。

 関平は「父上、数日間休んでください!」と言ったが、関羽は「甘やかさないぞ!」と言う。

 関平は父に叱られ、「意志を持たなければならない」という教えを思い出し頑張って、翌日の明け方、軍隊とともに江陵に進軍した。

 数年後、関平はついに鉄の足、鋼の意志を磨き上げた。関羽は、彼に軍隊で一番良い白馬を与え、関平に自分の代わりを任せた。

まとめ


 いかがだったでしょうか?

 関平の民間伝承は、関羽や周倉と比べてほとんどないのですが数少ない希少なものをご紹介しました。

 後者は、一般に【周倉が関羽について歩いて走って付き従ったという話がありますが、本当は関平がモデルだったのではないか? と思えるような話でもありました。

 関羽のスパルタぶりに今の時代だとびっくりですが、その成果もあって立派な将になった関平もすばらしいですね。

 若くして戦死してなかったらもっと活躍したように思います。


 次回本当の最終回です。よろしければご覧くださいね。

三国志イベント紹介

平山郁夫美術館「三国志と中国」展 開催決定

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 シルクロード作品などで有名な画家・平山先生が三国志作品も描かれていたことから実施決定しました。

 NHK『人形劇三国志』の川本人形も展示されていますので、ぜひ期間中に広島にお越しの際は訪れてみてください。

 後援をさせていただき、三国志ギャラリーとのコラボ企画も実施しています!

開催期間:9/21~11/24
場所:広島県尾道市瀬戸田町沢200-2
後援:KOBE鉄人三国志ギャラリー

 詳細は
公式HPでご確認ください。

第18回三国志祭の開催決定!

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 秋の恒行事、第18回三国志祭の開催も決定しました。

 漫画家横山光輝氏の故郷神戸で、18年目の三国志祭開催! 講演・講座・展示・ステージ・中国武術大会などなど例年通りいろいろな出し物が目白押し。

 ぜひいらしてみてくださいね!

日時:2024年11月2日(土)11時~17時 観覧無料
(当夜祭:18時~20時頃:有料)
場所:KOBE鉄人三国志ギャラリー周辺

 こちらも詳細は
公式HPでご確認ください。

三国志カードゲーム『トリプル三国志』新発売予定

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 昨年『三国志ドラフト会議』というオリジナル三国志ボードゲームを作りました。今年も「三国志祭」「ゲームマーケット2024秋」に合わせて新作を販売予定です。是非チェックしてくださいね。

『トリプル三国志』
人数:2~6人
時間:20分
内容
三国志知識不要の駆け引きバッティングゲーム!
全員同じカードセットを持ちプレイ!
毎回開かれる土地を争って1枚同時に出しあいその強さで勝敗決定!
土地に応じた得点があり、得点をたくさん取った人が勝者の簡単ゲーム
新しいのは【重複倍増システム、同盟システム、カード返却システム】


岡本伸也英傑群像代表。「KOBE鉄人三国志ギャラリー」館長。元「KOBE三国志ガーデン」館長。三国志や古代中華系のお仕事で20年以上活動中。三国志雑誌・コラム等執筆。三国志エンタメサイトや三国志グッズを取り扱うサイトを運営。「三国志祭」などイベント企画。漫画家「横山光輝」氏の故郷&関帝廟(関羽を祀る)のある神戸で町おこし活動中!

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