Level Infiniteが、SHIFT UPと手を組んで制作したiOS/Android/PC向けガンガールRPG『勝利の女神:NIKKE(メガニケ)』。そのプロデューサーインタビューを掲載します。
インタビューのお相手は、『NIKKE』のパブリッシャーであるLevel InfiniteのReed Lu氏。運営2年間の軌跡や、日本における今後のパブリッシング戦略などをうかがいました。
グローバル展開だからこそ見える地域ごとの気質。日本ユーザーのゲームへの熱意はダントツ!
――この2年間の『NIKKE』の人気や話題性は客観的に見ても好調だと感じましたが、運営側としてはどう捉えていますか?
Reed Lu氏
(以下、敬称略)現段階ではいい成果を出せていると思います。ユーザーのみなさん、この2年間『NIKKE』を愛してくださって本当にありがとうございます。これからもどんどんいいコンテンツを提供できるようがんばりますので、よろしくお願いします。
――2年前のサービス開始から今日にいたるまで、新キャラやイベントを絶えず出し続けてきたのは大きな功績だと思います。
Reed
アップデートの頻度については、ゲームリリース前から決めていたことでした。リリース当時はまだ完璧ではない部分がたくさんありましたが、この2年間で最適化や改修を積み重ねることで、今のような安定した流れとなりました。
周年イベントや夏イベントといった大型バージョンに目を向けても、この2年の間でますますコンテンツが豊かになっていったなと感じています。
――デベロッパーのSHIFT UPとは、どのようなやりとりをしながら運営を進めているのでしょうか?
周年イベントや夏イベントといった大型バージョンに目を向けても、この2年の間でますますコンテンツが豊かになっていったなと感じています。
――デベロッパーのSHIFT UPとは、どのようなやりとりをしながら運営を進めているのでしょうか?
Reed
SHIFT UPさんは開発側なので、主にゲーム内のコンテンツといったクリエイティブなお仕事を任せています。我々Level Infiniteはパブリッシャーとして、SHIFT UPさんが作ったゲームをユーザーさんにいかにおもしろくお届けできるかに尽力しています。
また、『NIKKE』はグローバルなゲームなので、さまざまな地域の方を意識して提供するのも我々の役割です。違う環境に住んでいれば好みや習慣も異なりますので、幅広いユーザーさんの趣味に合わせて、ゲーム内外でコンテンツの補足やアドバイスをすることを心掛けています。
――『NIKKE』はグローバル展開しているのも特徴ですが、日本市場ならではのパブリッシング戦略はありますか?
また、『NIKKE』はグローバルなゲームなので、さまざまな地域の方を意識して提供するのも我々の役割です。違う環境に住んでいれば好みや習慣も異なりますので、幅広いユーザーさんの趣味に合わせて、ゲーム内外でコンテンツの補足やアドバイスをすることを心掛けています。
――『NIKKE』はグローバル展開しているのも特徴ですが、日本市場ならではのパブリッシング戦略はありますか?
Reed
日本のマーケットは、アクティブユーザー数でも売上でも非常に多い割合を占めており、ゲームをプレイする雰囲気もとてもいいです。こちらの戦略としては、これからも日本のいろいろな会社と提携しながら『NIKKE』というIPを育てていきたいですし、より日本の方々の生活に近いコンテンツを出していきたいと考えています。
例として、日本ではMEGA NIKKE STOREを始めとするオフライン店舗との提携や、オフラインのファンクラブなどがあります。今後もどんどんほかのブランドとコラボレーションしながら、より魅力的なものをお届けできればと。
――Reedさんから見て、日本のゲームユーザーはどんな特徴や気質がありますか?
Reed
一番の特徴は、やっぱりゲームに対して非常に積極的なことです。SNSなどを見ても積極的にゲームに参加しようとする熱意を感じますし、運営の施策に対する包容力のようなものも伝わります。
二次創作によるファンアートもありがたい限りで、多くの支持に本当に感謝するばかりです。
――そういったファンの活動は、ほかの国のユーザーにも見られるのでしょうか?
二次創作によるファンアートもありがたい限りで、多くの支持に本当に感謝するばかりです。
――そういったファンの活動は、ほかの国のユーザーにも見られるのでしょうか?
Reed
もちろんありますし、ほかの地域のユーザーさんによる二次創作の作品もたくさん見られます。
――この手のスマホゲームにおいて、日本人はPvPやランキングをあまり重視しないという話を耳にしたことがありますが、『NIKKE』でも同じように感じられますか?
――この手のスマホゲームにおいて、日本人はPvPやランキングをあまり重視しないという話を耳にしたことがありますが、『NIKKE』でも同じように感じられますか?
Reed
そのとおりでして、日本のユーザーさんは比較的PvPを重視していないという傾向があります。なので、『NIKKE』のデザインとしても強制的にPvPをやらせる形にはしていません。
戦い方についても直接バトルするのではなく、攻撃と防衛に分けて自動で戦わせることで、日本のユーザーさんにも受け入れやすいスタイルを狙っています。
戦い方についても直接バトルするのではなく、攻撃と防衛に分けて自動で戦わせることで、日本のユーザーさんにも受け入れやすいスタイルを狙っています。
逆に、ほかの地域のユーザーさんは日本と比べてもっとPvPやキャラの性能面を重視しているように感じます。こうした部分でも国による差異が表れていますね。
――キャラの好みは国によってわかれるところがあると思いますが、この前の人気投票第2回を見ると、レッドフードはワールドワイドで人気があるようですね。
Reed
そうですね。レッドフードは性能面でも強くて外見もいいので、グローバルな人気を獲得したのだと思います。
――4月に人気投票の結果が発表され、9月にはそれを受けたスペシャル衣装とイベントが用意されるというスピード感にも驚きました。
――4月に人気投票の結果が発表され、9月にはそれを受けたスペシャル衣装とイベントが用意されるというスピード感にも驚きました。
Reed
人気投票の結果が判明してから開発に着手したので、スピードはとくに重要でした。あの企画では単に人気1位のキャラに衣装を作るではなく、候補のなかからユーザーさんに選んでもらったので、満足度の高いコスチュームをご用意できたと思っています。
世界中の優秀なゲームを日本に呼び込み、マイナージャンルの開拓も積極的に
――ちょうど今は2周年イベントが始まって盛り上がっている最中ですが、とくに注目してもらいたい点はどこですか?
Reed
2周年イベントはボリュームがものすごいのですが、そのなかでもやっぱりストーリーやキャラはこだわった箇所です。イベントストーリーの“OLD TALES”はメインストーリーから少し前の世代のお話なのですが、とてもおもしろい展開となっています。
新キャラもシンデレラを始め、NPC含め多くのキャラが登場するので、いいボリューム感を味わえると思います。
新キャラもシンデレラを始め、NPC含め多くのキャラが登場するので、いいボリューム感を味わえると思います。
あとはミニゲームですね。今回も非常に長い時間をかけて作り、ミニゲーム内のキャラのビジュアルも魅力的に仕上げていますので、ぜひ注目してもらいたいです。
――『NIKKE』のミニゲームの作り込みには毎回脱帽しますが、あの情熱はどこからくるのでしょうか?
Reed
ミニゲームはプレイの補足として入れているのですが、ユーザーさんにいろいろなプレイの方法を体験してもらいたいという一念から、あのように力を入れて作るようにしています。
あと、初期の頃に出したミニゲームの反響がすごかったというのも要因のひとつです。お客さんの反応の大きさはそのまま私たちの力になり、だんだんミニゲームの規模もすごいことになっていきました(笑)。
あと、初期の頃に出したミニゲームの反響がすごかったというのも要因のひとつです。お客さんの反応の大きさはそのまま私たちの力になり、だんだんミニゲームの規模もすごいことになっていきました(笑)。
――現在は新キャラがひと月にだいたい2体以上実装されていますが、今後もこのペースは変わらずでしょうか?
Reed
はい。これからも同様のペースで新キャラの追加を続けていきたいと思います。
――ちなみに、新たに実装されるキャラはどれくらい前から作られているものなのでしょうか?
――ちなみに、新たに実装されるキャラはどれくらい前から作られているものなのでしょうか?
Reed
具体的な期間は言えないのですが、大型バージョンの新キャラはかなり前から制作が始まっています。先に描きたいテーマを決め、それに合わせてキャラを練っていくので、相当な準備が必要です。
一般バージョンの新キャラについては、それほど前もって制作しているわけではなく、大型バージョンに比べると自由な進行という感じです。
――Level Infiniteとしては、3年目に突入する『NIKKE』含め、今後どのような成長戦略を見据えていますか?
一般バージョンの新キャラについては、それほど前もって制作しているわけではなく、大型バージョンに比べると自由な進行という感じです。
――Level Infiniteとしては、3年目に突入する『NIKKE』含め、今後どのような成長戦略を見据えていますか?
Reed
Level Infiniteの目標のひとつに、グローバルの優秀なゲームを日本に持ってくることを掲げています。『NIKKE』のような日本ですでに流行っているジャンルのゲームは引き続き力を入れていきますし、世界では流行っているけど日本ではイマイチというジャンルも、日本で受け入れられるようにコンテンツを作って広めていきたいと考えています。
おかげさまでまもなく3年目となる『NIKKE』ですが、これからストーリーにも大きな動きがあると思います。3年でも4年でも10年でも、長く愛されるタイトルになるよう努力していきます。
『NIKKE』の運営を通じて、キャラを売りにした美少女ゲームの経験もたくさん得られました。これを生かして、これからも魅力的なゲームをどんどん日本にお届けしていきたいですね。
――“世界では流行っているけど日本ではイマイチなジャンル”というのは具体的に何でしょうか?
Reed
個人的に感じるのは、サバイバル系ゲームや欧米の絵柄が強いダンジョンゲームですね。後者の代表は『ディアブロ』シリーズなどで、日本ではまだまだ流行っていないように感じます。
Level Infiniteはグローバルでそれぞれ開発スタジオを持っているので、各ジャンルの有名タイトルを尊重しつつ、流行っていないジャンルの楽しさも積極的に提示していきたいです。
――これまでも『NIKKE』でさまざまなコラボや企画が行われましたが、今後日本市場でどのような挑戦をしたいと考えていますか?
Level Infiniteはグローバルでそれぞれ開発スタジオを持っているので、各ジャンルの有名タイトルを尊重しつつ、流行っていないジャンルの楽しさも積極的に提示していきたいです。
――これまでも『NIKKE』でさまざまなコラボや企画が行われましたが、今後日本市場でどのような挑戦をしたいと考えていますか?
Reed
日本はゲームに対する審美眼が非常に優れています。それはつまり、競争が激しく生き残るのが難しいという意味でもあるので、そんな市場でいかに継続的に好かれるゲームを作るかが最大の挑戦です。
――SNSや掲示板など、ユーザーの反応が書き込まれる媒体は多数あると思いますが、そのなかでもとくにチェックするものは何でしょうか?
――SNSや掲示板など、ユーザーの反応が書き込まれる媒体は多数あると思いますが、そのなかでもとくにチェックするものは何でしょうか?
Reed
主にX(旧Twitter)ですね。Discordの公式コミュニティのフィードバックもいつも見ています。あと、ゲーム内で実施しているアンケートも重視していますし、各種掲示板もひととおり目を通しています。
――日本ユーザーに向けてひとことお願いします。
――日本ユーザーに向けてひとことお願いします。
Reed
この2年間、『NIKKE』をずっと応援してくださってありがとうございます。まもなく3年目を迎えますが、この先のストーリーやキャラにも関心を持ってもらえるとありがたいです。
これからもユーザーさんがおもしろいと感じるコンテンツをどんどんお届けしていきますので、楽しみにしていてください。
これからもユーザーさんがおもしろいと感じるコンテンツをどんどんお届けしていきますので、楽しみにしていてください。
スズタク:RPGとアクションをこよなく愛するライター。近年、シミュレーションRPGのおもしろさに気づき始める。