※『Call of Duty:Black Ops 6』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。
Activisionより好評発売中の『Call of Duty: Black Ops 6』。本作は、人気FPSシリーズ『Call of Duty』のなかでもとくに人気の高い『Black Ops』シリーズの最新作です。冷戦の終結と超大国となった米国の台頭により特徴づけられる世界政治の転換と激動の時代にあたる、90年代初期を舞台にしたスリル溢れるスパイアクションとなっています。
今回は、10月25日に待望のローンチを果たした本作のインプレッションを、PS5版をもとにお届けします。
冷戦終結後の時代を描くキャンペーンは、多様なミッションが詰め込まれていてやり応え満点【CoD:BO6レビュー】
『Black Ops』シリーズはこれまで米ソ冷戦時代を軸に物語が展開してきましたが、今作の“キャンペーン”モードの舞台は冷戦が終結してソビエト連邦の崩壊が間近に迫った1990年代初頭。イラクのクウェート侵攻に端を発した湾岸戦争が物語の中心となります。多国籍軍が圧倒的な軍事力をもってイラクへ猛攻をかける、その裏側で暗躍する準軍事組織“パンテオン”の陰謀を追うのが今作の目的です。
セーフハウスで準備を整えるパートが新鮮
ゲーム進行は、黒海沿岸にあるセーフハウスからミッションに出撃する形式。セーフハウスでは、ともにパンテオンを追う仲間たちと会話できるほか、ミッション中に手に入れた資金で施設を拡張して主人公の装備や能力を強化することも可能、と従来のシリーズとはかなり趣の異なるシステムとなっています。
ただし強化できるといっても、やっておかないと先のミッション進行が厳しくなる、というほどではない印象を筆者は受けました。
また、もとはKGBの工作員が使っていたとされるセーフハウス自体にも謎が隠されています。手がかりをもとにピアノを弾くと地下への通路が開く、といった仕掛けもありなかなかに楽しめます。
ミッションの仕組み自体もバリエーション豊富で飽きさせない
セーフハウスから出撃する各ミッションは基本的に一本道ですが、その内容は多様でクリア方法が複数用意されているものもあります。たとえばアメリカ合衆国議会議事堂の地下へ潜入するミッションでは、地下へのアクセス権限を有するある上院議員の生体情報を取得するため、3種類の手段から1つ選んで、アドベンチャーゲームのようなミッションを進められます。
『Call of Duty』と聞くとどうしても戦争ゲームの印象が強いのですが、今作はステルスやアドベンチャー要素もいい感じで盛り込まれていて、プレイしていて楽しいですね。マップ内をあちこち歩き回るとセーフハウス強化に使える資金も手に入るので一石二鳥です。
ちなみに筆者の個人的にお気に入りは、湾岸戦争でイラク軍のスカッドミサイルを破壊するミッション。ここは、一種のオープンワールド状態になったマップを車で移動しながら自由に敵と交戦、スカッドミサイルの発射台をすべて破壊することが目的です。
マップ内には、発射台のほかにも対空ミサイル陣地やパンテオンの駐屯地などが存在していて、制圧すると迫撃砲やヘリガンナーの支援が得られたり、敵の資金を奪うことができます。去年発売された『Modern Warfare III』にも似た感じのミッションはあったのですが、本作ではNPCの味方と部隊行動できたり多彩な支援で戦えたりといろいろできることが多くておもしろさが段違いですね。
新要素“オムニムーブメント”が光るマルチプレイヤー
『Call of Duty』シリーズを通して人気の高い対戦モード“マルチプレイヤー”。今作は新ルールがありつつも、6人対6人のルールが主流で毎年おなじみ、といった印象。相変わらず倒した倒されたのハイペースなゲーム進行がクセになる、テンションの上がりまくるゲームプレイが楽しめています。
今作は、キャラクターが装備できる特殊能力PERKが3タイプに分けられていて、3つの装備スロットすべてを同じタイプにすると“コンバットスペシャル”と呼ばれる追加効果が得られるようになりました。より強力な効果を発揮する能力“ワイルドカード”と合わせてかなり奥の深いカスタマイズシステムになっています。
さらにアクション面では新要素“オムニムーブメント”によって、前後左右の全方向にダッシュとスライディング、ダイブが可能になりました。この要素を利用すれば、対戦相手が待ち構えていそうな曲がり角から、横方向のダイブやスライディングで飛び出して意表を突くなど、ダイナミックなアクションをかっこよく決められるのです。
操作が若干複雑になるため、使いこなすには時間がかかると思いますし、習得しなくてもマルチプレイヤーを楽しく遊ぶことはもちろん可能です。しかし、プレイしていてとっさの判断でオムニムーブメントを使えるようになると、気持ちいい非常にテンションが上がります。
ゲーム内には訓練所が用意されていて、各種アクションを解説付きで学べるのもありがたいですね。
ラウンド制ゾンビモードで徐々に追い詰められる緊張感がたまらない!【CoD:BO6レビュー】
今やシリーズに欠かせない要素といっても過言ではない“ゾンビ”モード。去年発売された『Modern Warfare III』のゾンビはオープンワールドで比較的まったり遊べるところが特徴でしたが、今作ではゾンビを倒してラウンドが進むたびにゾンビの強さと数が増えていく従来作のラウンド制システムに回帰しました。
筆者的には『Modern Warfare III』のゾンビもけっこう好きでしたが、ラウンドが進むたびに目に見えて強くなっていくゾンビの群れもたまらないものがありますね。比較的狭いエリアをぐるぐる走り回ってゾンビを集めてから一網打尽にするとか、敵が残り少なくなったら謎解きを進めるなど、過去作で使ってきたテクニックもプレイしているうちに思い出してきましたね。
今作のゾンビは、前作に当たる2022年発売の『Black Ops Cold War』と同様に、11ラウンドから5ラウンドごとに任意で脱出が可能となっているためプレイする時間に制約がある人でも楽しめます。最大4人までマッチングして遊ぶことも、ソロでこつこつプレイもできるので気軽に挑戦してもいいでしょう。
久々の『Black Ops』最新作はどのモードもバッチリおもしろい! FPSファンならぜひ手にするべき1本【CoD:BO6レビュー】
20年以上続いているシリーズだけあって『Call of Duty』は、タイトルごとにさまざまな評価を受けてきたわけですが、筆者的には今年は“当たり”だと思います。こういう記事を書く機会があるたびに同じことを書いている気がしなくもないですが、個人的に毎年発売が楽しみな作品なので。
今作は相変わらずおもしろいオンラインの2モードはもちろんとして、ストーリー主導のキャンペーンも長い間遊べるような作り込みをしているあたりが印象的でした。実際のところ、キャンペーンだけでもかなりの時間プレイできるボリュームがありますし、モード内で特定の条件を満たすと報酬がもらえるチャレンジも存在したりと、リプレイ性もけっこうなものです。
オンラインのモードが目当ての人がプレイすることが多いタイトルですが、キャンペーン目当てで買ってもじっくり遊べると思いますので、これからFPSを体験する人にも向いている作品かもしれませんね。