グラビティゲームアライズがアーリーアクセス中のPC(Steam)用ソフト『Aeruta(アルタ)』でアップデートが行われ、ストーリー2章の追加と各種機能が追加されます。本記事では、そのアップデートされる内容をレビュー! 追加されたNPCについてや新ステージなど、遊んだ感想をお届けします。
本作は、5月16日よりSteamで配信されているハイブリッドアクションRPGです。ダンジョンを冒険するアクションパートと、パン屋を経営するシミュレーションパートを並行して進めるゲームです。
アルタクリスタルを巡る新しい冒険の舞台へ
本作の主人公の“チャヤ”は、勇者を目指して冒険者ギルドのミッションに励む、キツネ耳の少女です。
第1章で彼女は、村のパン屋のオーブンを意図せず壊してしまい、その店主であるクマ耳の少女“イーフィ”とともにパン屋の立て直しを始めました。
それと同時に、チャヤは勇者見習いとして冒険をする中でアルタクリスタルという謎めいた力を持った水晶を手にします。冒険者ギルドから依頼されていたアイテムを手に入れ、パン屋の再建も順調に進んで、事件も収まり……と一見ハッピーエンドで第1章は幕を閉じます。
ところが第2章から物語が大きく動き、チャヤが手に入れたアルタクリスタルを巡って大きな騒動が起こります。
第1章の時点から怪しい伏線のような匂わせはありましたが、第2章はその仕込みを着火させるような物語の展開を見せます。謎が謎のままでモヤモヤしていた部分が、今回の第2章と通して少し鮮明に見えてくるようになっていきます。
とはいえ、先に言ってしまうと第2章でもまだストーリーは完結しておらず、チャヤたちの冒険はこの先もまだまだ続きます。プレイしていた時間から逆算して「そろそろラストかな?」と思っていたのですが、なんとまだまだ先があるとは……。妥協せずに作りたいものをしっかり作り切る制作陣のやる気を感じますね。
今回のレビューにあたり筆者は第1章から第2章までプレイしましたが、ここで完結すると勘違いするほどにはボリュームは十分でした。既に第1章をプレイした人は、既存のゲームボリュームが倍増したと考えてもらって構いません。むしろ、やり込み甲斐のある要素が増えたり、強力な敵なども登場したりすることも考えると、ボリュームは倍以上と言えるかもしれません。
本作の特徴として、アイテムを集めるためのアクションパートと、パン屋を立て直してお金を稼ぐシミュレーションパートがあり、それらが上手く絡まることで1つのゲームとなっています。そのどちらも追加されたということは、相乗効果により純粋な追加量以上の遊び幅を生み出すということ。追加された分のストーリーをクリアしても、まだまだやれることがたくさん残っているほど遊べる部分が増えています。
第1章の最後には障害物競争のミニゲームがありましたが、第2章でも終盤に遊び要素としてミニゲームがあります。画面だけお見せしますが、勘の良い人はこれだけで“〇〇ゲー”とわかってしまいますよね。予想の斜め上をいく制作陣の遊び心には驚かされます。
冒険をサポートする新NPCがふたり登場
第2章からは新たなNPCとして、メルリーナとチララが登場します。
メルリーナは雑貨屋を定期的に開いてくれおり、冒険以外で素材が手に入る唯一の販売人です。
チララは今回のアップデートで新しく追加されたバッジを販売してくれます。バッジは戦闘時にチャヤが装備することでさまざまなバフを与えてくれるアイテムです。
どちらも冒険やパン屋の大きな手助けとなるNPCで、既に登場しているボリオやシヴァたちとともにコムギ広場に活気をもたらしてくれます。
さらにNPCの活躍の場も増加。パン屋に手伝いシステムが導入され、イーフィ、ボリオ、シヴァ、メルリーナ、チララの誰かひとりが営業を手伝ってくれます。
効果はNPCによってそれぞれ異なり、パン販売の売上を上げたり、素材の消費を抑えたり、熟練度上達をブーストしたりとさまざま。個人的に重宝したのがメルリーナの“1種類目のパンの利益を上げる”効果で、お金を稼ぎたいときに頻繁にお世話になりました。効果面はさておき面白さを感じたのは、チララのランダムな効果をランダムに発揮する闇鍋効果で、意外なところで噛み合うと大きく売上を伸ばすこともできました。
注意点としては、イーフィのパン屋はホワイトな職場のようで、一度NPCに手伝いを頼むと数日間は同じNPCに依頼ができなくなります。大量販売に期待できる効果的なタイミングで手伝ってくれるNPCを選びましょう。
NPCの追加要素はまだまだあり、好感度システムとプレゼント要素が追加されました。会話やプレゼントを通じて好感度が上がっていき、レベルが上がるごとにそのNPCとの物語が描かれます。
どのNPCの話も、チャヤとNPCのバックボーンや世界観について深掘りする内容となっており、オマケ要素としては見逃すには惜しい内容となっています。
好感度が上がるとパン屋を手伝ってくれる頻度などにも影響するので、毎日欠かさず交流したいところ。ちなみに、メインストーリーと同じくこの好感度ストーリーもこの先まだ続きある予感が……?
ボスやスキルなど他にも追加要素が満載
第2章では新しいステージが登場するうえ、3体のボスが追加されます。第1章でも特徴的なボスが登場していましたが、新たな3体もさまざまなギミックを持っており、初見では驚かされること間違いなしです。
難易度に関しても上昇しており、しっかりと準備をして望まなければ勝つことは難しいでしょう。アクション要素を進めるために、パン屋をしっかり経営してお金を稼いで準備をしたいところです。
強敵に対抗するための機能も追加されています。チャヤの武器として鞭と麺棒がありますが、これらのマスタリースキルが追加されました。最初から使えるドライブスキルに加えて、4つのスキルと、それらすべてのスキルに追加効果を付与できます。
筆者は鞭を中心に使ってプレイしていましたがより火力が上がり、ボス戦ではしっかりと新たに強化した項目の強さを体感できました。麺棒は変わらず範囲攻撃で道中の敵を倒すのに適しており、目的ごとに使い分ければサクサク冒険を進められるでしょう。
上記の要素に備えるためにもパン屋の上手な経営が必要になりますが、ここも新施設・設備の追加、それらのレベル上限の解放、パンの種類の増加などでよりパン販売の幅が広がりました。
特にパンの種類は新ステージで手に入る素材も元にしたものが一気に増え、かなり選択肢が増えています。
追加されたパンは素材が多く作るのが大変なこともありますが、その分販売した際の金額や、冒険中のアイテムとして使用した際の効果は抜群。既存の量産しやすいパンと、新たに追加されたちょっと高級なパンをうまく使い分けて販売と冒険を円滑に進めましょう。
施設や設備を強化すると来客や利益が増えるので、扱えるお金もアップ。最終的には1日の販売で5000コイン近くもの売上が出ることもあり、ゲーム序盤の少ないお金でやりくりしていた時期が懐かしくなってきます。お金がたくさんもらえるって嬉しいですね……!
遊び応え抜群の超大作へ進化中の『Aeruta(アルタ)』
アップデートが加わりさらにやり応えが増した『Aeruta』。第2章までトータルで見るとかなりのボリュームになっていますが、さらにまだまだ要素を追加する気配があるのが恐ろしくも嬉しくもあるところ。これは最終的に超大作RPGになる予感がしますね……。
こうしたアップデートでドカッと要素を追加する方式は、一気にプレイしたい気持ちと長いことプレイしたい気持ちの両方を満たしてくれるので、かなり満足感が高くなる印象です。既に買っている人は飽きずに楽しめる、今から買う人は大ボリュームのゲームを満喫できる、どの視点でも違った面白さを感じられる良い形式だと思います。
第2章の冒険では仲間も増えて、アルタクリスタルと暗躍する影の秘密に迫る内容となっていましたが、果たして今後のチャヤの勇者としての道のりは如何に。そして、パン屋の再建も上手くいくのか。新たに追加された要素も含めて、今後の『Aeruta(アルタ)』からも目が離せません。