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全打席でホームランを狙う企業One Acre。ゲーム制作やSNSでの事業など、エンタメ業界でのチャレンジを続けるベンチャーが目指す場所、そして求める人材

文:うご

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 One Acre(ワンエーカー)は、広告代理店事業を中心にTikTokマーケティングやアカウント運用方法、SNSコンテンツ制作を大手飲食チェーン店やゲーム会社に提供する企業。加えて、モバイルゲーム、LIVEゲーミングの開発やショートドラマ制作、美容サロン運営なども展開しています。

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 また、SNSでは総フォロワー数10万人を突破するなど盛り上がりを見せている、最新技術を駆使して開発したAI×VTuber(以下、AITuber)プロジェクトグループ“Logic Lily”(ロジックリリー)を運営しています。

 そんなOne Acreが求める人材、事業への取り組み方、今後の展望や目標などを代表取締役の折茂腎成さん、主に広報事業を担当している小金丸晃誠さん、ゲーム事業GMの楡井雄志朗さんへ伺ってきました。

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▲写真左から、折茂腎成さん、小金丸晃誠さん、楡井雄志朗さん。

事業への取り組み方は全打席ホームラン狙い


――まずは、お名前、会社においてどのようなことを担当されているかをお聞かせください。

折茂腎成さん(以下、敬称略)
株式会社One Acre代表取締役の折茂腎成と申します。

 いろいろな事業に取り組んでいるOne Acreで、代表として舵取りを行っています。また、エンターテインメントを中心とした新規事業も多いため、選定を中心に行いつつ、全体の経営も見ています。

小金丸晃誠さん(以下、敬称略)
2024年4月から取締役をやらせていただいている、小金丸と申します。基本的には、弊社の立ち上げ当初からあるTikTok関係、ショート動画を中心とした代理店事業の責任者という立場になります。

 代理店としても、ほかの新規事業の立ち上げに伴って人もかなり分散していくなかにあり、できるだけ売り上げをのばせるように、1つの事業、柱としてしっかり会社を支えていけるように取り組んでいます。

楡井雄志朗さん(以下、敬称略)
ゲーム事業部のGMを担当させていただいています、楡井雄志朗と申します。ゲームをメインに、ショートドラマ事業部、AITuberのB to Cコンテンツを見させていただいています。

 もとは株式会社アカツキで、ゲームやウェブトゥーン(縦読みマンガ)領域に携わっていまして、2024年7月から中途でOneAcreに入りました。

――One Acreさんは、若手中心のベンチャー企業とのことですが、どのような事業をメインに展開されているのでしょうか。

折茂
基本的には、弊社の中心は広告代理店事業部でのいろいろな会社さんのマーケティング、サポートが主軸となっており、事業の根幹を担っています。

 また、サポートをさせていただくなかで、逆に私たちも自分たちでチャレンジ、ものづくりをして売るところまでやってみようとなり、そこから見えてくるものがありましたので、B to Cプロダクトをやっていこうとなりました。

 そこで立ち上げたのが、AITuber、ゲーム、ショートドラマ、実店舗での
美容サロン事業の4つとなっています。今は、この4つの事業を推進しながら、根幹となるマーケティングも実施する事業構成でやらせていただいています。

――美容サロン事業は、ほかの3つと比べますと特殊な感じがしますが、なぜ美容サロンをやろうと思ったのでしょうか?

折茂
クライアントワークとして、スシローさんやセカンドストリートさんなどの実店舗事業をされている会社さんのマーケティングが多いのですが、その際に「実店舗を持ったことがないのにマーケティングができるのか?」と、当たり前の疑問が出たんです。

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▲約10ヵ月(2022年2月18日~2023年10月26日)の運用で、1万人以下だったフォロワー数を10万人まで伸ばしました。

 なので、自分たちがしっかりとリスクを背負い、マーケティングを行った結果を経て提案することが、筋が通っているのではないかと思いました。

 また、IT企業だからこそのマーケティングができるから実店舗も儲かるのではといった、ワクワクするような仮説もあったので、そこからやってみようと。今では、ネットからの集客がほぼ100%を記録し、好調な結果を出してくれている事業のひとつです。

 実験場のつもりで始めた事業ではありますが、まだ店舗を拡大していく予定もあります。

――しっかりと実績が生まれているのはすごいですね。実際に、これまで積み上げてきたノウハウが活かされていますか?

折茂
ショートドラマやAITuberはTikTok上で行っていますが、最近のトレンド、トラフィックソースの中心がショート動画になってきています。

 そのため、ショート動画に軸足を添えてやっていますと、いろいろなB to C事業が見えてきます。なので、アルゴリズム的な考え方やSNSでどのように広げていくかといった知識を中心に全事業展開をしていますね。

――今夏には縦型ショートドラマ制作スタジオ“Snack Snap”を立ち上げるなど、さまざまな挑戦をされています。いま注力している会社での事業について教えていただけないでしょうか?

折茂
正直なお話をしますと、現在この事業に注力していますというよりも、全部の打席でホームランを全力で打ちにいくつもりでバットを握っているイメージですね。

 よくエンタメ事業は、10打席1安打と例えられることがありますが(※)、私たちは「10打席1安打のつもりで挑むと0安打である」と思っています。これは、ホームランを打つつもりで、はじめてバッターボックスに立つことで結果が出る可能性が10分の1あるという考え方なので、どの事業も最注力になっています。

※10本作品を出して、そのなかから1つの大きなヒットを出せば成功だと言われる例。[IMAGE]

 ショートドラマに関しては、先ほどもお話ししましたが、私たちが注力している以上に市場がホットなんです。当初は、自分たちでオリジナルドラマを制作していくところから始めましたが、現在はNTTドコモさんとFANYさんがリリースした縦型ショートドラマプラットフォーム“FANY :D”の作品や、そのほかのさまざまなプラットフォームさんでの作品も現在制作しております。

 ある種受託のような制作も行ってはいるものの、全作品でヒットを生み出す姿勢でチャレンジしています。

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▲“FANY :D”での作品の1つ『冴えない事務職は大株主?』。

昨今のスマホゲーム市場を見て学んだ考え、One Acreだからできる展開の仕方とは


――では、ゲーム事業のお話もお聞きしたいと思います。楡井さんは、One Acreでゲーム事業に携わっていますが、最初の印象などはありましたか?

楡井
まず思ったことは、スピード感が印象的でしたね。

 社内では、“クロック”というキーワードをよく使用しており、純粋に1つのことをこなす時間の早さという意味がありますが、弊社では「前のめりになっていくスタンス」のような抽象的な意味合いで使用しています。

 前職で似たものはなかったのかと言われるとそうではないのですが、とくに大きく心に入ってくる概念でしたので、印象的でしたね。

――たしかに、前のめりになっていくスタンスは大事ですが、言葉としてなかなか口にする機会は少ないので印象的ですね。では今後、こういったゲームを出していきたいなどの考えなどはありますか?

楡井
今後のお話でいきますと、まずは東南アジアなどでテストマーケティングをしつつ、ゆくゆくは国内でちゃんと大きくヒットを出すことを、ファーストステップとして考えています。

 また、ゲームとしては日色ではなく中華色。領域としてはハイブリッドカジュアルと呼ばれる領域で1stローンチを出そうと考えています。

 ここ2、3年のスマホゲーム市場を見たときに中華、韓国資本の勢いが本当に凄い。ちゃんとユーザーのお金が使われていることが、セールスランキングを見ていてよくわかります。なので、決して馬鹿にできない考えがあるので、そこから学んでいき、中国式を中国式にやる。よく言えば、しっかりとベンチマークにすることをやっている感じですね。

 あとは、強力なIPとのコラボレーションも夢としてあるので、そういった動きが達成できていたらいいなと思っています。

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――いい意味でオマージュしていくことは大切なことですよね。

楡井
そうですね。そこは、大手ではできないやり方だと思います。なので、まずは最速でそれっぽいものを作り、リリースし結果を見て、よりオリジナルなブラッシュアップをその先でやっていくような進め方になるかなと考えています。

――基本的には、スマートフォン向けアプリで展開をしていく考えですか? また、家庭用機でも展開していきたいなどの理想などもありますか?

楡井
基本的には、スマートフォン向け(iOS/Android)で出していきたいですね。

 もちろん、家庭用ゲームも出していきたい気持ちもあります。Steamなどは過熱していると思いますが、正直なところ、そういったノウハウは実際にはまだないので、いずれチャレンジしていきたいと思っています。

――小金丸さんは大学生からOne Acreさんでインターンシップをされているとお聞きしました。学業との平行について、苦労されている点やうまくいくコツなど教えていただけますか?

小金丸
平日や大学の講義がない日は全部出社して、仕事をするのが前提でした。プラスアルファとして、土日は仕事が基本ないので、学校のオンライン授業を受ける時間にするなど、時間を効率よく使っていました。

 個人事業主ではないですが、あまり縛られずに自由な感じで仕事をするのが、学業と両立させる1つのコツでしたね。

――これまで、在学中から4年間お仕事をされてきたと思いますが、新たな発見などはありましたか?

小金丸
最初に入ったきっかけとして、自分で起業したいという思いがあったので、なにかビジネス経験をしたく、インターンのような形からスタートしました。

 当時は、会社でお金を稼ぐというところに対してわからないことも多く、どうすればいいんだというところから3年、4年とやってきて、ある程度現実味が湧いてくるところまで学生のときに経験できたことはかなり大きなことかなと感じています。

――では、こういった広告事業をしていきたいなどのビジョンなどはありますか?

小金丸
現状は、縦型のYouTubeショートやTikTok、Instagramのリールなどを中心に広告事業を行っています。ですが、まだまだショート動画は伸びてきたばかりの領域で、国内企業さんとしてもやりたいけど、まだ手を出せていないところも多いと思っています。そういった企業さんのお力になれるように、営業/実働面ともに社内体制を強化していきたいです。

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One Acreが、まずは1本のヒットを目指す理由


――折茂さんも楡井さんも20代、小金丸さんはまだ大学在学中と、お話をうかがっている皆さんが非常にお若いのも特徴的です。会社を若手中心で固めようというイメージやビジョンなどは、最初から考えていたのでしょうか。

折茂
実は、最初は思っていなかったですね。プロフェッショナルな方々を採用するルートもありましたし、途中で何名か中途採用することも試したことがありました。

 先ほど、クロックのお話がありましたが、私は会社と個人で2つのクロックがあるとよく言っています。個人のクロックの観点では、例えば7年後に大成したらいいと考えている人とは合わないと感じています。

 特に若手、令和になって頑張りたいと思っている人たちは、20代になにかしらヒットを目指していたりしますし、小金丸は大学4年生で活躍しているので、何かを成したいと思っていることに対しての実行速度はもっと早いかと思っています。

 独自のカルチャーがあって、大手だとありえない速度で物事が進んでいくので、そのクロックでやっていける人じゃないと、会社のクロックとピタッと合わないことに途中で気づいたんです。

 なので、若手中心というよりはクロックの合う人とやりたいと考えていて、結果的にも若手がピッタリとはまっているような状態なんですよ。もちろん、30代、40代の方々でも、1年以内にヒットを出したい人であれば、年齢は関係なく一緒に仕事ができると思います。

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――なるほど。ではお話にもあがった小金丸さんから見て、こういった方と今後一緒に広告事業をしていきたい、こういう人が来てくれたらおもしろそうなどはありますか?

小金丸
私も採用のところで、面談みたいな形でいろいろな方とお話させていただくことがありますが、目が輝いているといいますか、将来なにかを成し遂げたいと野望を持っている人と一緒に仕事がしたいと思っています。

 抽象的ではありますが、やる気がある人、同世代には自分の経験に基づいた質の高いフィードバックをしたいですし、一緒に成長していきたいですね。

 そういったところで20代後半~30代前半で一定の社会人経験のある方、一緒にベンチャーという若いところを押し上げていける方を募集しています。

 現状は私が事業リーダーという形で代理店のなかでも、キャンペーンなどのプロモーション系、日常的なSNSアカウントの運用方法との向き合い方、いろいろな制作案件など多岐にわたってすべてを見ている状態です。

 今後は代理店事業のなかでもしっかりとした1つのセクション事業として立ち上がっていく状況を作っていかないといけないので、そういった事業リーダーとなるような、しっかりと経験のある方ももちろん募集しています。

――楡井さんのチームも若手が多いのでしょうか? また、このような方を一緒にお仕事をしたいなどの考えなどはありますか?

楡井
社内のデザイナーとかは若いですね。エンジニアなどの経験も含めて必要とされるポジションのプロフェッショナルな方々は、自分よりも年上の人たちが多いですが、 前職のプロジェクトでの平均年齢と比べてみても圧倒的に若いチームですね。

 あとは、採用の面では、同じ感覚、ビジョンでやれる。いち早くいつまでに大成したい、それこそ小金丸さんのように気合いが入った人、特にB to Cエンタメ領域でやりたいことがある人がいましたら、一緒にお仕事してみたいので募集しています。

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――ありがとうございます。それではOne Acreさんの今後のビジョンや目標についてお話しいただければと思います。

折茂
現在、「なんの会社なの?」と聞かれた際に、答えにくい状態なんですよ。とはいえ、直近目指していることは1つあります。

 国内エンタメ業界は、企業が新規事業へ取り組む面であまり元気がないんです。なので、どのジャンルかはわかりませんが、One Acreから1本ヒットを目指していくことは、短期的なところでずっとやっていきたいと思っています。

 また、私たちは、全体的に代理店事業、ゲーム、AIなど、それぞれの会社さんが1つ会社をつくり新規事業として行っていくことを1つの箱でやっています。なので、最終的には、この2人のような各分野のトップを子会社の代表として、集まったときにOne Acreになっているような形が理想形です。

 例えるなら、ホールディングスのように、組織の経営層が決定したことを部下や従業員に指示するスタイルではなく、下からの意見を吸い上げて全体をまとめていくような考え方が主流になっている会社を最終的には目指していきます。

――最後に、今後の意気込みをお聞かせいただければと思います。

小金丸
事業ベース、私個人の話を含めた話になりますが、事業として組織化といったフェーズになってきています。

 現在も10人~15人くらいは代理店事業で関わっていますが、さらに増員しながら、サポートできる会社さんを増やしていくことになると、しっかり会社としての基盤を整えなければならないと考えています。

 そういった点を、私も初めて勉強していきながら、売り上げをしっかり伸ばしていきたいです。

楡井
私は、B to Cコンテンツ周りを担当しているので、折茂の話であったようにこの2年でしっかりと世に出して、ヒットと呼べるものを作っていくことが理想、野望としてあるので、そこを目指していければと思っております。

折茂
One Acreは、2024年で4年目になる会社となりました。この4年目、5年目のタイミングが、今までに培ってきた知識、やってきたことを集約して自分たちのプロダクトを初めて出していくタイミングとなります。

 また、ここ2年間を飛躍の年として、会社のスキルアップなどを一気に行っていく、バネをギュッと縮めているような状態なので、この2年でメンバー、事業を一気に躍進させたいと思っています。

 なので、このままの勢いでクロックを早めて会社全体として動いていきたいと考えています。ぜひ、興味がある方は弊社に応募してみてください。

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