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アニメ『MFゴースト 2nd Season』12話感想(最終回):3rd Season制作も決定! ケガに苦しみながら懸命にハチロクを走らせるカナタの姿に感情移入が止まらない(ネタバレあり)

文:電撃オンライン

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 2023年秋に放送され、大きな話題を呼んだTVアニメ『MFゴースト』。その待望の続編となる2nd Seasonが現在絶賛放送中です。今回は2nd Seasonの第12回目である第24話“苦渋の選択”が放送されましたので、視聴してみての感想をお届けします。

【注意】ここからは記事の構成上『MFゴースト』の物語に関する記述が多々含まれます。ネタバレが気になる方は本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。[IMAGE]

TVアニメ『MFゴースト』2nd Season 第12回“苦渋の選択”感想(通算24話)


 情報量が……書きたいことが多すぎるッ! 2nd Season最終回となった今回、ものすごく濃密なドラマと情報の波に溺れそうです。あっぷあっぷしながらこの記事を書いています。まずは本編の内容をおさらいしてみましょう。

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 MFG第3戦“ザ・ペニンシュラ真鶴”の本戦がいよいよスタートした今回。線路に転落したレンを電車から守るためにヒジを痛めたカナタは、3位からスタートするもいきなり赤羽海人のフェラーリにオーバーテイクを許す羽目になりました。快進撃を期待してしまっていただけに、この展開には悲しみと同時に悔しさを隠しきれないですよ。左ヒジさえまともであれば……!

 カナタいわく、ヒジの痛みはハンドル操作にこそ支障がないものの、シフトレバーの操作に制限がかかるとのこと。具体的には、痛みで2速へのシフトチェンジが不可能ということで……結構な重傷ですよね、これは。

 昔ながらのHパターンシフターではなく、ハンドルの脇に設置されるパドルシフターであれば、指の操作で事なきを得たのかもしれませんが。そこはもう、ね。Hパターンをガッコガコに操作する、カナタの神業のごときクイックシフトに惚れ込んでいるのは僕だけではないでしょうから。もはや応援することしかできません。

 実際のところ、あまりにも不利なこの状況。2速が使えないことは早々にバレてしまい、その弱みにつけ込まれる形でカナタは着々と順位を下げていくことに……。

 主人公がケガによって実力を発揮できないハンデキャップ戦って、マンガやアニメの王道展開ではありますが。それをよりにもよって2nd Seasonのラストに持ってくるのはエゲつない! この演出の巧みさはあまりにも素晴らしく、それゆえに残酷に感じますね。続きが気になって仕方ないだろ……。

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 襲い掛かってくる神フィフティーンたちへ果敢に挑むカナタの姿には涙すら誘われました。抜かれても抜き返す。置いていかれそうになっても食い下がる。いつものクールな表情ではなく、時に歯を食いしばりながら闘争本能を研ぎ澄ましていくカナタの新たな一面に、グッと感情移入してしまいました。

 こういうトラブルがあればこそ、彼のハートの強さが鮮明になったわけで。結果的に、この片桐カナタという主人公のことがますます好きになっちゃった部分はあります。

 このままズルズルと順位を落とし、その理由は自らの過失にあることをレンが知ったら。きっと彼女、ものすごい自己嫌悪に陥りそうですよね。そんなレンの姿は見たくないし、カナタには彼女のためにも、そして何より自分自身のドライバーとしてのプライドのためにも、なんとか踏ん張ってほしいところです。

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 どうしても主人公視点にスポットがあたったエピソードでしたが、もちろん他にも見どころは盛りだくさん。個人的には、首位を行くベッケンバウアーのすぐ後ろで、2位に甘んじながら牙を研いでいる沢渡光輝の言動に胸が苦しくなりました。カナタのテクニックを誰よりも評価している沢渡は、どうやらカナタと2人で協力してベッケンバウアーの撃墜を狙うプランを考えていたようで。すまん沢渡、今回ばかりは無理だと思うぜ、そのプラン。

 これは個人的なお話ですが。多くの登場人物のなかで、沢渡だけがカナタのことを“カナタ・リヴィントン”と母方の姓で呼ぶところも、特別感があってイイんですよね。これはカナタがイギリスにいた頃から彼のことを知っており、ライバル視していた沢渡だからこそ許される、いわば特権。

 ライバルでありリスペクトの対象でもあるカナタのハチロクを待つ沢渡の「早く来い、カナタ・リヴィントン!」という心の叫びには、かなりグッときました。最近、おじさんは涙腺が弱いから……(苦笑)。

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 他にも、ヤジキタ兄妹のサンドウィッチフォーメーションに翻弄され、あっけなく抜かれてしまう相葉センパイには笑いを誘われましたし。いつもカナタの曲芸のようなドライブを胃を痛めながら見守ってばかりの緒方さんが、今回ばかりはクルマや順位のことなどそっちのけでカナタのことを心配している温かさも、染み入るものがあります。

 色々とドラマだらけであり、真面目にとんでもないところで終了することになった2nd Season。いったいどうするの……と思っていたところに飛び込んできた“3rd Season”制作決定の報に、またもや感情がぐちゃぐちゃにされましたよ。

 それはもう“ありがとう”という感謝の気持ちが一番ですが。それに比するレベルで“でしょうね!!!!!”という気持ちもありまして……。だってこんなところで終わってもらっちゃあ困りますから、イチファンとしてね(笑)。

 1st Seasonから2nd Seasonまでのブランクは約一年。今回も早くてそれくらいは空くだろうなあって思うと、心がもんじりとしてしまいますが。そこは大人しく1stや2ndを見返したり、原作を読みなおしたりしながら待ちたいところですね。ホント、心の底から待ち遠しいです。

TVアニメ『MFゴースト』2nd Season第12回(通算第24話)で印象に残ったセリフはこれ!

 当然ながら、このコラムも今回が最終回になるわけですが。ラストの名ゼリフは主人公の言葉から選ぼうと思っていたものの、どうしたってグッと来てしまっためちゃエモセリフがあったので、今回はこちらでシメたいと思います。それがこれ!

「ハンパねぇな、片桐カナタって。それでこそもう1人の“群馬プライド”継承者だ!!(諸星瀬名)」

 こちらは、柳田拓也のBMW・M6に低速セクションで抜かれたカナタが、危険なガケの上で僅かなスキマにハチロクのノーズを突っ込み、柳田を抜き返したシーンでのセリフ。一歩間違えればガケ下の相模湾に真っ逆さまという“まさかここでは来ないだろう”という場所で、果敢にドッグファイトを仕掛けるカナタを真後ろから見ていた瀬名が、思わず呟いた言葉となります。

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 カナタと瀬名、2人の関係性も沢渡とは違ったライバル感が素晴らしいんですよ。“公道最速理論”の申し子である藤原拓海と高橋啓介から、別々の形でドライビングテクニックを教わった者同士の、独特のシンパシーとでも言いますか……。『頭文字D』世代の自分としては、感じ入るものがありました。

 アニメスタッフ、本当に最高の仕事をするなあって思ったのは。このセリフにかぶせる形で『頭文字D』キャラたちをカットインさせるという、原作にはない演出を入れているところ! 原作もめちゃアツだったんですけど、そこに啓介や史浩、イツキに池谷、健二ら懐かしの面々の姿が映ることで、一気にアドレナリンがどっぱどぱでした。

 しかも、このオリジナル演出の最後には、白いYシャツを着た男性の後ろ姿も……。物語中で明言されない以上、ここで彼の名を書くのはあまりにも無粋だと思うので避けますが。これ、絶対に彼ですよね? イギリスからカナタのことを見守ってくれている……ってコト!? 最高だろッ!

 こういう演出の端々から、アニメスタッフが原作コミックや『頭文字D』をどれだけリスペクトしているかが伝わってくるというもの。まだ何も詳細はわかりませんが、3rd Seasonもこのメンバーで制作してくれたら、それはファンにとってとても幸せなことだなって思えます。

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 なんにせよ、しばらくはおあずけ状態になるアニメ『MFゴースト』ですが。原作コミックはMFG最終第5戦“熱海ゴースト”の戦いが始まり、カナタとハチロクのバトルもいよいよクライマックスが近づいてきている気配がぷんぷんします。興味がある方はこちらもオススメ。アニメとはまた少し違った感覚で楽しめますからね。

 ということで、もし3rd Seasonの感想記事も編集部から依頼されたら、そのときはまたこのコラムで皆さんにお会いできれば幸いです。名残惜しさもありますが……最後に 、公開されたばかりとなる3rd Seasonのティザームービーも掲載しつつ、そろそろ筆を置こうかと。またお会いできる日を楽しみにしつつ、それでは本日はこのへんで!

■TVアニメ『 #MFゴースト 3rd Season』制作決定!ティザーPV

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