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『魔法使いの約束』1話感想。女性賢者視点での世界説明が丁寧でアニメからでもウェルカムな作りが優しい(ネタバレあり)

文:カワチ

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 TVアニメ『魔法使いの約束』の第1話“風が強くて、猫が騒ぐ”の感想をお届けします。
【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『魔法使いの約束』第1話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことをオススメします。[IMAGE]

作品への入口として素晴らしい【アニメ『魔法使いの約束』1話感想】


 本作はcolyが手がける魔法使いと心を繋ぐ育成ゲーム『魔法使いの約束』を原作としたアニメ。原作は2019年にサービスがスタートし、『アイドリッシュセブン』や『きんとうか』を手がけた都志見文太さんによるシナリオを中心に評価が高まり、2020年にはマンガ化、2021年には舞台化もされています。

 今回は満を持してのアニメ化になりますが、原作第1部の物語を丁寧に描く作り。『魔法使いの約束』を知らない人も、このアニメから入って楽しめるような作りになっていましたね。

 主人公が交流を深める魔法使いのキャラクター数が多いのも特徴ですが、第1話は登場する人物も限られており、置いてけぼりを食らわないようになっています。ぜひ、このアニメから『魔法使いの約束』の世界に入って欲しいですね。

 一方で、オープニングアニメでは多くの魔法使いが登場する、原作ファンには嬉しい内容。このオープニングアニメ自体が神秘的で完成度が高いものですし、本編が楽しみになる作りでした。

■TVアニメ『魔法使いの約束』ノンクレジットOP

 原作のアプリは主人公である賢者・晶を男女から選ぶことができましたが、アニメ版は女性賢者の視点で物語が進むことに。魔法使いたちの世界に召喚された晶のリアクションがかわいらしく、彼女のことが好きになれる作りでしたね。奇をてらわないので感情移入もしやすく、すごくいい主人公像でした。


 ストーリーはアプリに沿っており、猫を飼っている知り合いの家を訪れようとエレベーターに乗ったところ、大いなる厄災から世界を救う賢者として魔法使いたちの世界に召喚される展開。

 日常であるエレベーターを出ると非日常のファンタジー世界が広がっているというシチュエーションは『魔法使いの約束』ならではのものですが、アニメになると異世界の壮大な世界の説得力が増しますね。空に広がる満点の星も美しく引き込まれました。

 第1話では主人公の晶が魔法管理大臣のドラモンドに言いくるめられて利用されそうになるものの、魔法使いのカインたちに助けられる内容です。ドラモンドはゲームを進めるなかで部下思いのいいキャラクターであることが判明していくのですが、アニメでは最終的にどういう描かれ方になるのか気になるところ。

 ゲームをプレイしている人は今回のアニメで嫌なヤツだったドラモンドを思い出して懐かしくなったかもしれませんね。魔法でネズミにされてしまうドラモンドはかわいかったですが(笑)。

 第1話に登場する魔法使いはカイン、ヒースクリフ、シャイロック、ムルの4人でしたが、なんといっても注目はムル! ムルに手を引かれて高所から飛び降り、彼の箒の後ろに乗せてもらって空を飛ぶシーンはとてもロマンチックでした。


 ここが現実とは異なる世界であることに戸惑う晶と、そんなことを気にせずに天真爛漫に笑うムルが対照的で、すごく印象に残りました。最初は慌てていた晶が、そっとムルに抱きつく描写もよかった。原作の繊細なテキストもいいですが、アニメ版もこまかく丁寧に作られており、何度も観直したくなる魅力がありました。

 美しい世界を魔法使いたちと箒で飛ぶラストも素晴らしかったですが、もうひとつよかったのがエンディング曲。LIP×LIPの歌う『僕らは愛に恋して生きる』はとても前向きで元気になれる曲で、ワクワクが詰まった内容。

 どんな状況でも諦めないということを描く歌詞の内容が映像ともマッチしていて感動しました。ぜひ最後まで見逃さないようにチェックしてみてください。

■TVアニメ『魔法使いの約束』ノンクレジットED

 長くファンに愛されている作品の映像化ですが、冒頭でも触れた通り、このアニメから入っても楽しめるように作られています。アプリのほうもアニメ連動キャンペーンがおこなわれており、今からはじめるのに持ってこい。ぜひ両方チェックしてみてくださいね!

カワチRPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。

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